2009年06月29日
データで見る4強との比較。
どうにもこうにも勝ち点が伸びないコンサ。 昇格を目指すチームが未だ10勝に届かないどころか、10引き分け1番乗りってどーよ? その原因は何か?昇格争いをしている上位4チームの成績と比較してみた。 結論から言うと、コンサの現状としては ①「突き放す」力がない。 ②ホームで弱い。 の2点に集約されることがわかった。 ②についてはまた稿を改めることとして、①について見ていこうと思う。 サッカーは先取点が重要な意味を持つ。そこで先取点を取った試合数を数えると、 コンサが13なのに対して桜:15,湘南:16,仙台:13,甲府:13。 つまり、先取点を取るまでは4強と互角の戦いぶりができている。が、その先が問題。 桜 :15試合 その勝敗の内訳:14勝1分 湘南 :16試合 その勝敗の内訳:14勝2分 仙台 :13試合 その勝敗の内訳:12勝1敗 甲府 :13試合 その勝敗の内訳:12勝1敗 コンサ:13試合 その勝敗の内訳:6勝6分け1敗 また、先取点を取られた試合はコンサが8試合なのに対して、桜7,湘南7,仙台9,甲府8。 桜 :7試合 その勝敗の内訳:2勝1分け4敗 湘南 :7試合 その勝敗の内訳:1勝3分け3敗 仙台 :9試合 その勝敗の内訳:3勝3分け3敗 甲府 :8試合 その勝敗の内訳:2勝2分け4敗 コンサ:8試合 その勝敗の内訳:2勝1分け5敗 仙台が3分の2の試合で勝ち点を獲っているというのはあるにせよ、 4強といえどいったんリードされると引き分けには持ち込めても勝つのは難しいといった感じ。 そこで、先取点を取った試合をもう少し細かく見てみる。 先取点を取った(つまり1-0の)状況から2-0にしたか、1-0のままか、1-1になったかで 場合分けしてみた。各チームの数字は次の通り(2-0にした:1-0のまま:1-1になった)。 桜 :15試合 7:3:5 湘南 :16試合 5:6:5 仙台 :13試合 8:4:1 甲府 :13試合 5:6:2 コンサ:13試合 3:2:8 これだけでもコンサの現状がかなり見えてくるが、さらに補足をする。 1-0から1-1になった試合の結果を見てみると、 桜 :5試合 その勝敗の内訳:4勝1分 湘南 :5試合 その勝敗の内訳:3勝2分 仙台 :1試合 その勝敗の内訳:1敗 甲府 :2試合 その勝敗の内訳:1勝1敗 コンサ:8試合 その勝敗の内訳:2勝5分け1敗 単に勝ちきれないのではなく、「突き放す」力がないと書いたのはこれが理由。 1-0の状態から追加点が獲れずに追いつかれて、かつ1-1の状態から勝ち越すことが出来ない。つまり、2重の意味で勝ちきれないというのがコンサの偽らざる現状なのである。 そして、コンサは大勝が少ない。 コンサが2点差以上の勝利が2試合しかないのに対して、桜は9,湘南は6,仙台は8,甲府は6である。せっかく2点差の状態にしても、ホームの愛媛戦では3点差をつけながらあわや追いつかれそうになり、アウェイでの徳島戦では2度も2点差にしながら追いつかれてドローというところからも、自分たちで展開を苦しくしているという試合運びの稚拙さがうかがえる。 もちろん、ここまで長々と書いてきたのはあくまでもデータだけであって、石崎戦術が正しいか正しくないかの検証にはならない。戦術が正しくてもそれを実行する選手の側に問題があるかもしれないし、選手層がマッチしていない、それを用意できてない強化部・フロントをはじめとしたHFCに問題があることも考えられるからだ。 ただ、先取点を獲れていることから一定の成果は出ていると言えるし、J2では2点差に出来ればほぼ勝ちが決まったセーフティーリードといっていい。4強の試合に限って言えば、2点リードした状況からひっくり返されたケースは1つもない(同点にすらなっていない)。先取点を取った時点での勝率からしてもJ1とJ2のレベルの差が現れており、4強がJ1への仲間入りを果たそうとしているのに対して、コンサは未だJ2レベルから抜けきっていないとも言えそうだ。 ここからは僕の推測になるが、1-0から2-0に出来ない、または1-1に追いつかれるのが多いというのは戦術面での熟成がうまくいっていないといった主にアタマ(≒サッカー的インテリジェンス?)や意思統一の問題が大きく、1-1から2-1に持っていけないのは精神面での自信のなさに問題があることが多いんじゃないだろうか?石崎監督が追加点に言及するコメント(湘南戦、仙台戦)が多いのも、J1で戦うためにはこれが最低条件と考えているからだと思う。1-0でリアルに逃げ切るのは最後の手段。だからこそ「2-1で勝てる試合を」ということになるのだ、と。 J1では2点差だってセーフティーリードとは言えない。FKやセットプレイ1発でゴールを奪うなんてのは当たり前に出来るチームばかりなのだから。試合終盤に1-0でリアルに逃げ切るやり方を確立してほしいとも思うが、石崎監督はJ1で安定して戦えるように先を見据えてあえて追加点を獲ることを優先しているようにも思える。 補強を含めてここからコンサがどう立て直すか。残された時間は少ないが、基本的には今のやり方を継続することで光明が見えてくるはず。僕はそう信じている。話の性格上ギャグやボケは一切無し。で、なるべく感情論に走らずに書いてみたつもり。 長文にお付き合いいただき、まずは感謝。皆さんはどう思われるだろうか?
posted by フラッ太 |08:00 | 戦術厨の戯言 | コメント(6) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:データで見る4強との比較。
こんにちは
面白いデータですね
やっぱり数字は正直だと思います。
個人的にはコンサの実力は、今の4位と5位の間ぐらい(勝ち点でいうと42点ぐらい)ではないかと思います。
それが9位(34点)に沈んでいるのは、やはり「メンタルの弱さ」にあると思います。
プレッシャーをかけられるとバタバタしてしまう、リードしているのに慌ててしまう、点を取られるとがっくりきて反撃できない、などなど
技術、戦術はサポーターにはどうにもならない。
しかし、メンタル面ではサポーターが後押しして強くなれるかもしれない。
じゃあどうすればよいか?
と言うのが最近の私のテーマです。
この手法については色々意見が分かれるところですが・・・
長文失礼しました。
posted by つくる| 2009-06-29 17:45
Re:データで見る4強との比較。
納得させられるデータです。
データーはやはり正直です。現在の4強との差が理解しやすいですね。
つくづく「突き放す」力をつけないといけないと思います。その突き放す力のつけ方は一朝一夕にはなかなか身に付かないのでしょうね。
posted by 孔明| 2009-06-29 19:11
Re:データで見る4強との比較。
札幌の勝負弱さがよくわかるデータですよね。
その原因は、まず、つくるさんも書いてますが、
若い選手が多く、精神的に飲まれちゃうんでしょうね。
それと、
>戦術面での熟成がうまくいっていない
ことだと思います。今まで「攻めまくる」or「守ってカウンター」しかやってこなかったので、
状況にあわせたサッカーが出来ない。そのツケが今来てるんじゃないかなと。
だから、監督や戦術を変えたところで、肝心の選手が変わらなければ、
去年と一緒だと思うので、私は選手が変わることを期待しているのですが(-"-;A ...
posted by whiteowl| 2009-06-29 20:02
つくるさんへ
順位こそ9位ですが、そこまで悪くはないと思ってます。
1-1の試合をあと2つモノにしていれば勝ち点40で5位にいたわけですから。
本当にチーム状態が悪ければまず先取点が獲れないんだし・・・。
プレッシャーをかけられるとバタバタするのは技術が足りないからだし、
リードしているのに慌てるのは精神的な余裕がないから。
点を獲られるとガックリきて反撃できないのは「絶対勝つ!」という気迫が選手にもサポーターにも足りないからだと思ってます。
ホームで勝てないというのはつくるさんが考えることと共通点は多いですが、
それは近いうちにまた改めて書くつもりです。重い話になりそうですけど・・・。
posted by フラッ太| 2009-06-29 23:48
孔明さんへ
当初データを拾ったのは湘南と桜の2チームだけでした。
急遽仙台と甲府を追加したんですが、ここまでハッキリ違いが出るとは思いませんでした。
4強の中でも多少違いが見えますが、湘南と桜は粘り腰が利いていて4強の中でも頭ひとつ抜けているように思います。桜は前線(特に香川)が封じられると・・・というのはありますが。
仙台と甲府は粘り腰はあるけど追いつかれるとやや脆いかな、という感じでしょうか。
そういう展開に持ち込むまでが大変なんですけど・・・。
今のコンサの「病」に特効薬はないでしょう。
あるとすれば、やっぱり1-1からでも勝つことなんでしょうね・・・。
posted by フラッ太| 2009-06-29 23:59
whiteowlさんへ
そちらのブログにおじゃました時にも書いたんですけど、ぶっちゃけ今までのコンサは考えなくてもいいサッカーだったと思うんですよ。引きこもりでカウンター1発か、とにかく放り込んで押し込むかというある意味で両極端なことしかやってこなかった。
三浦コンサは何とかそれで上がることができたけど、J1はモノカルチャーで勝てるほど甘くなかった。守備はズタズタにされたし、攻撃はワンパターンで高さ勝負をしたくてもそういう展開にさせてくれない。
刻々と変化する状況に対応するだけの能力も不足しているし、そういう経験をすることもなかった。サッカー的インテリジェンスと書いたのは俗に「野球脳」と言われるもののサッカーバージョンを表現したかったからなんですよ。
石崎監督はフォーメーションこそ少しいじっているものの、根っこはブレていないというのは僕らシロートが見ていてもある程度わかる。だからこそ、データにあるような「差」が浮き彫りになるんですね。石崎戦術という基軸はあるんですから、あとは選手が・・・というのは同意です。
posted by フラッ太| 2009-06-30 00:18