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2020年07月28日

新GK論を読む。~今年はGKがアツい!~

>菅野、QBになるw

 このブログでもう紹介してたと思ったけどカテゴリにないようなので改めて。

 今年はコンサの正GKがソンユンから菅野になり、再開当初は期待と不安が半々といったところだったが、フタを開けてみりゃ何のことはない、そこには神がいた。菅野に足向けて寝られないどころか毎試合ごとに決定機を防ぐ大活躍ぶり。Fマリノス戦ではルーカスにピンポイントの“タッチダウンパス”を通すという11人目のFPぶりまで発揮し、コーチングも相まってチームの総合力を一段上げているんじゃないかと思わせるくらい。

 いやマジで菅野が今までサブだったってどんだけレベルの高いスタメン争いだ。
 柏J1優勝時の正GKをサブに回してたって何という贅沢。ホント、コンサはGKに恵まれてるわ。

 今年は観客を入れるのに制限が加わるため選手の声が良く通る。特にGKのコーチングは普段耳にする機会がないので違った角度から試合を観られるし、新たな発見があることだろう。カシマスタジアムで菅野が「No---!レフェリー!」という声が拾われたのが記憶に新しい。空中でゴールライン割ったからCK判定なんだろうが、ありゃ菅野が怒るのもわかるわ。感覚としちゃ真上に弾いてキャッチしたんだろうし…。

 ここ数試合は菅野だけでなく対戦相手のGKもビッグセーブを見せているのでなおさらGKへの注目度が上がっているように感じる。仙台の小畑も良かったが、やはりFC東京の林がルーカスとの1対1を止めたシーンが印象に残っている。J1上位のGKはあれくらいできて普通なんだな、と。

 で、新GK論の話になるわけだが、GKはセービングの時に“面”を作るんだそうで。これって特段難しい話じゃなくて基礎的なことなんだろうけど、プロほどそういう基本をおろそかにしないんだなというのを林のセービングに見た気がする。

 あの局面、ルーカスにスルーパスが通ったのはPAの角。出るキーパーでもあの時点で飛び出すのはかなりリスキー。ダイレクトのシュートをまずはケアするために正対し、トラップした時点で前に出て面を作る。この時あくまで面を作るだけでギリギリまで手足は出さない、シュートのタイミングで面を大きくする(手足を伸ばす)という手順を踏んだように見えた。

 新GK論では選手だけでなくGKコーチのインタビューも収録されている。楢崎が入っているのに川口は入っていない、でも西川は入ってるなどなかなかクセのある(?)人選。GKも“アタックする”など「へぇ~」な話も多い。ちなみに林のインタビューも入っている。各選手ごとに考え方の違いがあって面白いが、共通しているのは「ものすごく考えている」こと。いろいろスゴいと思うけど菅野は予測と判断力が相当優れていて、抜け出された時でもかなりシュートコースを限定できているように思う。まさに最後の壁。

 比較的新しい本なのでGK好きはもちろん、そうでない人も“陰の主役”に着目すると面白いかも。
○新GK論 田邊雅之 株式会社カンゼン \1,800+税

posted by フラッ太 |23:30 | 書籍紹介 | コメント(0) |

2019年02月16日

戦術リストランテⅤを読む。

>古いというよりは幅がないんだと思う

 本来なら開幕直前にひとネタといきたいんだが、オチは思いつかないし起承転結の影も形も浮かんでこないので久しぶりの書籍紹介でお茶を濁すことにする。もっとも、まだ半分も読んでいないけど(←オイ!)。

〇戦術リストランテⅤ(西部謙司 フットボリスタ編集部編 ソル・メディア\1,500+税)

 この本の帯には
 未来のサッカーを理解するキーワードは「言語化」にあり! とある。

 ツカミではオフトジャパンが取り上げられている。著書では「名前が付いたことでそれが何を意味しているかが明確になり、みなが理解することで共通の認識となった。すると、日本代表のプレーは飛躍的に進化したのです。」とある。オフトジャパンで思い浮かぶのは「アイコンタクト」「トライアングル」「コンパクト」などだが、肝心なのは単に言語化することではないということ。

 今ならさしずめ「可変システム」がそれにあたるだろう。だが、一言に可変システムといってもクラブや代表チームによってそのアプローチは異なる。攻撃に関しても守備に関してもそうだし、同じクラブ、例えばバルセロナひとつとってもクラブの思想があまり変わらないにもかかわらず監督によって異なる方法だったりする。
 この本を読むとミシャ式(あるいはポイチ式?)の3-4-3とバルセロナの3-4-3の守備構築にも違いがあることがわかるが、それはそれぞれのクラブにとっての最適解であってバルサ式をそのままミシャコンサに持ち込んでも上手くいくわけではない。逆もまた然り。

 「ミシャ式は研究しつくされたから上がり目なんてない」といった声も少なからずあった。1年で4位にまで持ってくるってのは成績面だけ見れば出来すぎだというのも否定はできない。ただ、戦術を落とし込む、選手に理解させる能力の高さは流石はミシャってことになるし、ミシャ式も少しずつ変化しているんだろうなと感じさせてくれる。

 タイトルの通り、戦術好きにはニヤニヤしつつ読めるが苦手な人にはややハードルが高いかもしれない。ただ、図解入りなのでページを行ったり来たりしながら読み進めることはできる。この本の初版が出たのは去年の7月末だが、可変システムのトレンドを追いかけるという意味ではむしろ今が旬かも。

posted by フラッ太 |12:00 | 書籍紹介 | コメント(0) |

2018年11月18日

Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法を読む。

>広島サポは今何を思う…

 Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法
 城福浩 株式会社カンゼン \1,600+税

 金曜日が通院日だったのでヒマ潰しにと思って持っていったらあまりに待たされて読破した(汗)。城福さんは今はサンフレッチェ広島を率いているが、この本が世に出た当時はヴァンフォーレ甲府を率いていた。現役監督が本を出したというのはなかなか珍しいのでは。

 エピソードはFC東京を率いていた時のものが中心なので古いといえば古い。監督が新しくなる場合、気心の知れたコーチとセットになる場合が多い。例えばスカウティングでは専門のスタッフが就くというのは割とイメージしやすいが、試合中にもコーチの存在が欠かせない、監督業は1人ではできないというのを改めて知った。

 今は可変システムというのが書籍でも出ているし、可視化されてもいる。システム構築に当たっては守備から考えるタイプと攻撃から考えるタイプがあって、ミシャは間違いなく後者で城福さんも攻撃から考えると著書にはある。まあ、今の広島が果たしてそうなのかというとどうなのかなと思わないでもないけど…。

 ただ、グッときたのは
 誰が「裏」を狙い、誰が「時間」を作り、誰が「幅」を取るか という文章。

 チームが勝つためにどうするかというのがテーマにあり、帯にも監督の立場で見る“現場のリアル”とあるのでピッチ上で起こることを中心に書かれているが、戦術厨的な視点のものもけっこうあるので、そっち方面が好きな方にも満足してもらえると思う。11人、あるいはサブメンバーを含めた18人を選ぶという作業は、外す選手を決めることでもあるのですという言葉に監督の考えが凝縮されている。

 この本はミシャコンサになった今だからこそ読む意味や価値がある。

 今野のCBコンバートにまつわるエピソードといったチームをさらに1段階引き上げようとするプロセスをミシャコンサと照らし合わせながら読むと面白いと思う。帯には「補強とは、一刻を争う情報戦の世界」とか「選手が立ち返る場所“スタンダード”を示す」とかそそるフレーズもある。練習見学ができる方はこの本を読んで宮の沢でのミシャコンサの“息遣い”を感じられたらと思う。

posted by フラッ太 |12:30 | 書籍紹介 | コメント(0) |

2018年04月01日

『サッカーロシアW杯新戦術』を読む。

>エイプリルフールネタなんぞ全く思いつかん…

 サッカーロシアW杯新戦術 (成美堂出版 928円+税)

 最近、5レーン理論というのがクローズアップされている。ツアー中に買ったfootballista3月号でも「ポジショナルプレー」「ハーフスペース」って何?という見出しがあるが、今回紹介する雑誌は5レーン理論のとっかかりとして読んでおくべきもの。footballistaが欧州のメガクラブ中心なのに対して、この本はW杯という視点から各国の代表チームに照準を合わせているので多少敷居が低くなっているというのも大きい。

 ロシアW杯を読み解く4つの戦術キーワードとして

①標準化された可変システム
②ポゼッション時は5レーン活用する
③GK経由のビルドアップ
④特定の個に依存しないビルドアップ

 が挙げられている。戦術リストランテでお馴染みの西部謙司氏が本家(?)ばりにカラーの図解付きで解説してくれているし、本家と違ってページを行ったり来たりすることがないので頭に入りやすい。可変システムが書籍で紹介されるほどに平準化している、システムは可変するのが当たり前というのを感じさせるものでこれだけでもお金出して読む価値がある。

 5レーン理論が標準化されても各国の代表チームのアプローチはそれぞれ異なるというのも面白い。パラパラめくった感じでは強豪国は4バックと3バックはほぼ半々くらい。どっちがいい悪い、旧い新しいではないということでもある。まだドイツ代表しか読んでないけどミシャコンサの3バックはこれが最も近いのかなとかミシャコンサと照らし合わせながら読み進めていける。
 共通して言えるのは選手の動きで隙を作り出す、約束事に基づいて風間理論で言うところの「背中を取る」ことを連携して行うことにある。アメフトをかじっているオレとしてはそうしたギャップ(隙、裏のスペースと言い換えることもできる)を作り出すとなると必然的に運動量が求められるしずっと考え続けなきゃいけない、しかもそれを90分通してだからキツいよな、と。

 可変システムの標準化によって例えばCBでは守れるだけではダメで自分で持ち上がれるなど攻撃にも関与できなきゃならないなど選手のマルチ化も必然的に求められる。改めて、このタイミングでミシャにスイッチしたことには少なくとも攻撃面では大きな意味があると感じた。

 いわゆる戦術本はわりとお値段が高め。戦術リストランテは1500円とか平気でするし。だが、この本は1000円で買える上にハリルジャパンが本大会で勝つには?とか対戦国のスカウティングレポートとかとっつきやすいトピックもある。前述したが、欧州のメガクラブ中心ではない点でも異色の存在なので代表チームとそうしたメガクラブとの違いも少しずつわかってくることと思う。海外厨にならずに済むとも言える(苦笑)。

 さらっと入れるわりには読み進めると読み応えもある骨のある本。
 もちろん、戦術本としてではなく本大会を見る上での資料として持っておくのもアリ。

posted by フラッ太 |11:25 | 書籍紹介 | コメント(0) |

2016年10月10日

サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン~を読む。

>マネーフットボールの最終話読み損ねた…

 さて、今回はちょっと自分の中で箸休め的に。

 コンビニで2冊まとめ買いしたのがこのマンガ。最近ではマネーフットボールで知られている能田達規氏が書いている。1巻では通訳、実況アナウンサー、クラブ広報、審判、チームドクター、ホペイロ、第3GK、クラブ社長、ターフキーパー、スポーツカメラマン、ユースコーチが紹介されている。

 実況アナウンサーの話では「いたな、そんな船越w」とか思い出したり、クラブ社長の話ではノノ社長がいることがどんなにありがたいかとか、コンサと照らし合わせながら読んだんだけど、選手以外に試合の流れを読むのが上手なのは審判は当然としても、カメラマンがそうだってのは言われてみればその通りだよな、と。
 サッカーではないんだけど、スポーツカメラマンではタック牧田氏が言ってみればレジェンドで、この人を知らないのは業界じゃモグリだってくらいにすごい人。名前思い出せなかったので「アメフト カメラマン 日本人」でググッた。この方はたまに“情熱系”だったりするんだけど、いずれにしても試合の流れを読んでベストポジションをいち早く抑えてシャッターチャンスを逃さないという点においてはプロの仕事をしているのだと思わされる。

 通訳に関しては「そんなことまで?」というフォローもしたりして、単に言葉を訳すだけが通訳の仕事ではないようで。このあたりは加部究氏のサッカー通訳戦記でけっこうディープな話が書かれている。まだ半分しか読んでないけど(汗)。1人目が間瀬秀一ってシブすぎるわ…。2巻では代表料理人やフィジカルコーチなども紹介されていて、加部さんの本買うほどじゃないけどサッカーの裏側をちょっと覗きたいって向きにはピッタリかと。いや、加部さんの本も面白いのよ?

posted by フラッ太 |10:35 | 書籍紹介 | コメント(4) |

2016年03月15日

『サッカー守備戦術の教科書』を(少しだけ)読む。

>ツアーレポートはぼちぼち書いていくんでしばらくお待ちください…

○サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論
 (松田浩 鈴木康浩著 株式会社カンゼン \2,300+税)

 それにしても大きく出たもんである。帯には
 「4-4-2のゾーンディフェンスを極めれば日本は世界で戦える!」とこれでもかと煽っている。
 松田氏といえば福岡や栃木で堅い守備を築き上げた監督で福岡をJ1昇格にまで導いた。
 始めの言葉が「ディフェンスはクリエイティブだ!!」だもんなあ。

 で、第一章を読んでみたが…面白い!
 ユヴェントスやアトレティコなどヱ欧州の列強クラブを引き合いに出していたが、
 基本フォーメーションはあるものの、状況次第で臨機応変に対応するというのは同じ。
 そして、それはちゃんとした理由、ロジックがあった上で選手が動いている。

 コンサでゾーンディフェンスというとまずは三浦コンサが思い浮かぶが、この本にあるようなことはむしろ石崎コンサが目指したのかなと思っている。今ならそんなに抵抗なく受け入れられるけど、当時はまだ先進的すぎたのかも知れない。選手の能力が追いついていなかったってのもあるだろうし…。第一章しか読んでないけど、これだけでも四方田コンサに於ける宮澤の頑張り、スゴさがひいき目抜きに感じ取れる…はず。

 値段は高いがオレのような戦術厨には必読で、守備スキーな人ならハマること間違いなし。文字がギッシリってほどでもないので読みにくいということもないと思う。バルさんコンサや四方田コンサの守備戦術がどうにもしっくり来ないという人にもきっと答えが出るんじゃないかなあ。

posted by フラッ太 |19:35 | 書籍紹介 | コメント(0) |

2014年11月05日

ナリキン!5巻を読む。

>当然のように大人買いしたオレなのであった…

 さて、戦術厨のオレが絶賛ドハマリ中のナリキン!。
 そこで調子に乗ってもう1回紹介してみようかと。

 師匠の米原から将棋では新人王戦の優勝を、サッカーでは1年でのN1リーグ昇格を果たさなければ破門という約束をすることとなった歩。新人王戦優勝の約束を果たし(これは4巻にその顛末がある)、いよいよ1年での昇格に挑むこととなった。
 新シーズンの初戦の相手はモンテンドー山形。ホームタウンの天童市は言わずと知れた将棋の街。3巻ではモントディア山形となっていたが、本家・モンテディオ山形が天童市をホームタウンとしているのでチーム名が修正されている。福岡ホーネットが目指す将棋をベースとした全戦法蹴球(オールラウンドサッカー)でいっちょやってやるか!と思いきや、山形も将棋の定跡を取り入れていた…というのが5巻のお話。グッときたセリフは

 「いいか貴様ら、よく聞け!!ちょっとうまくいったくらいで調子に乗るなよ!?
 同じ手が何度も通用する程プロの世界は甘くないんだ!!」
 「将棋は常に進化しているのだよ」

 戦術厨の見方としては将棋というのをサッカー、とりわけフォーメーションの活用の仕方と置き換えてもいいかな、と。5巻のメインとなる角換わり腰掛け銀とか将棋の定跡を知っているかどうかはさておき、1つの定跡も今や研究がものすごいスピードで進んで対応策を模索した先に“新手”が生み出され、あっという間に陳腐化する。

 だが、一方でその陳腐化したと思われていた定跡が再評価され、より洗練されることもある。
 そんなサイクルを繰り返すのはサッカーにおいても同じ。

 すぐに思いつくのは今年のワールドカップ。4-3-3原理主義とも言えるオランダが3(もしくは5)バックを導入して勝ち進んだし、旋風を巻き起こしたコスタリカも5-2-1-2と呼べるような堅い守備をベースにしていた。日本代表がボロ負けしたこともあり「ポゼッションなんかするより相手の守備が整わないうちに攻めきっちゃえ!」みたいな空気も漂った。まあ、大まかなくくりで「3バックか?4バックか?」というのも時によって主流派と非主流派になる、いわゆる“トレンド”が移り変わるというのはあると思う。

 コンサにおいてそのトレンドは…ってのは今すぐ書けそうもないので置いといて、5巻の終わりでは魔太郎竜王・渡瀬がふらりとスタジアムに足を運んで歩に「竜王の間で待ってるぜ!」と高らかに告げる。「魔太郎 竜王」でググれば元ネタはわかります。ちなみに1巻では'12シーズン、新シーズンとなった5巻では'13シーズンをベースにしていてガンダーラ大阪なんてチームも出てくる(笑)。全くの運動オンチでワガママ放題の歩がほんの少し成長する姿もあるのがいい。本家アビスパはプレーオフには進めなかったけどマンガではどうやって整合性を持たせるのかも楽しみ。

 

posted by フラッ太 |02:10 | 書籍紹介 | コメント(2) |

2014年10月25日

ナリキン!1巻を読む。

>Jはこれからが佳境だってのにドラフトだのFAだのってのがシャクだねぇ…
 今日から日本シリーズだしまあ仕方ないか。

 さて、いきなりQBK状態(ログをきたくなった)になったので
 試しに買ってみたこのコミックスの紹介でもやってみようかと。

 成金歩(なりがね・あゆむ)、14歳。性格最悪、運動神経ゼロ…。だけど将棋は最強無敵!!史上最年少プロ棋士にして史上最低のウザい主人公!!そんなナリキンくんが挑むのは……………プロサッカー!?将棋×サッカーが奇跡のコラボ!!超革命的サッカー漫画、ここに降臨!!

 というのが1巻の背表紙にあるキャッチフレーズ。戦術厨かつ何度か将棋ネタをぶってきたオレにはたまらない一冊。なぜ今まで買わなかったのだろうか…。この歩がガンダムビルドファイターズトライのプラモ部部長にそっくりってのはさておき(苦笑)、1巻ではN2リーグ福岡ホーネッツのユースから同じく史上最年少でプロ契約となった潤目純(うるめ・じゅん)に歩が一方的にライバル意識を燃やし、球技大会でぶっ倒してやる!と息巻く。
 そんな歩が東京への移動中に怪しげなおっさんと隣の席になり脳内将棋を持ちかけられる。仮にもプロ棋士、こんなダジャレ親父に負けるはずがない…はずだったのだが、何と歩はそのおっさんに負けてしまう。歩はその際にあるメッセージを受け取り、純を倒すべく策を巡らせる。球技大会の後、街に出た歩は福岡ホーネッツの募金活動を目にする。その中にはあのダジャレ親父の姿が。そのおっさんは福岡ホーネッツの監督・服部桂司だったのだ!

 …ストーリーをこれ以上書くとくどくなるのでやめるけど、九州初のプロサッカークラブ、練習場が蜂の巣球技場となっているので福岡ホーネッツのモデルはほぼ間違いなくアビスパ福岡だろう。募金活動まで出てくるしね。半ば強引に選手契約までこぎ着けるのはマンガなのでアリ。歩の背番号は将棋盤にちなんで#81である。
 ただ、マンガといっても中身はなかなかに硬派。1巻では「負け惜しみの何が悪い、負けを惜しむのは勝ちへの執着があればこそ…」とか「定跡にとらわれてちゃ奇跡は起こせんぜ?」というファン(マニア?)にはニヤリとさせるセリフもある。

 1巻の3話目では感想戦を行え!というのが出てくる。ちょっと前のFOOT×BRAINを観た人ならあるいは知っているかと思うが、この感想戦というのは将棋や囲碁の対局後に対局者同士がその一戦を振り返るといういわば“反省会”みたいなもの。
 俯瞰で観るとか選手(もしくは駒)が有機的に機能するというのも大事だが、この感想戦が意識を共有するのには重要だとしていて監修を務める野月浩貴氏の意向がかなり反映されている。ちなみにこの野月氏は道産子のプロ棋士で熱狂的なコンササポ。裏表紙には#10のコンサユニを着た姿まである(笑)。

 ナリキン!は月刊少年チャンピオン連載中。月刊誌なので1話のボリュームもあるしページ数が多いのでストーリーに厚みを持たせやすい。ライバルとなるであろう純も相当なジコチューFW。現在7巻まで出ているので大人買いしようかなあ。ORANGEも一度読んでみたいが。それにしても、福岡ホーネッツの対戦相手がサタン鳥栖って…鳥栖サポに怒られないか?

posted by フラッ太 |14:35 | 書籍紹介 | コメント(2) |

2014年04月12日

『10番は「司令塔」ではない』を読む。

 大分戦が迫っているけど大分の試合観てないので何とも言えん。
 よって暑苦しい戯言の前フリとして今回は書籍紹介ということで。

○10番は「司令塔」ではない トップ下の役割に見る現代のサッカー戦術
(北健一郎著 角川書店 \1,400+税)

 「本田か?香川か?」が問題ではない

 帯にはこう記してあり戦術厨のアンテナにはビビッと響くものがある(笑)。
 ザックジャパンの4-2-3-1をたたき台としての5章構成で成り立っている。

第1章「トップ下を観るための10の観点」
第2章「戦術的トップ下論」
第3章「技術的トップ下論」
第4章「“10人”のトップ下たち」
第5章「本田と香川の使い方を探る」

 第2章ではFC東京の高橋秀人、第3章では浦和の柏木に取材をしていて、第2章ではボランチから観たトップ下を、第3章ではトップ下として他の選手との違いを生み出す、ミシャサッカーと絡めて自分の良さを活かす工夫を語っている。この2章はなかなかにディープで「なるほどねぇ」と唸らされることしきり。FC東京の高橋は屈指の理論派とされているが、柏木も含めて能力の高い選手は弁が立つというかものの伝え方が上手い、わかりやすいというのを改めて感じた。

 第1章の「トップ下って何してるの?」という大まかなところから入って、2章・3章を経て第4章ではトップ下といわれる世界の選手の違いについても触れている。この中にはマリノスの中村俊輔も含まれているので世界をやたらと遠くに感じさせないのも好感が持てる。

 戦術系の本は頭の中で絵をイメージしながら読まないとつらいところがあるが、この本では図解もちゃんと示されているし西部本ほど文章は読みにくくない。ちょっと面倒くさいけど先に図を見て頭の中にイメージを作ってから読み進めると理解しやすいはず。
 結論として第5章では本田と香川の共存にもっていっているけど、コンサだとどうなるのか?とか他のJクラブだとどうだろうとか、同じコンサでも石崎コンサと財前コンサではどう違う?とか、ウチの#10はどこがふさわしいのか、そもそも4-2-3-1でいいのか?とかいろいろと想像の翼を広げることができる(妄想を爆発させるとも言うが(汗))。

 否定から入るオレってカッコいい!になっちゃった杉山某と違って、北健一郎氏は個人的に今イチ推しなライター。選手の側の視点も紹介しているので視野狭窄に陥らずに済んでいるのだと思う。白夜書房から『なぜボランチはムダなパスを出すのか?』という著書も出しているのでこちらもオススメ。

posted by フラッ太 |16:40 | 書籍紹介 | コメント(0) |

2014年03月20日

『将棋でサッカーが面白くなる本』を読む。

>ズンドコ珍道中は番外編として別館に記載しました。別HNだけどタイトルでわかるでしょ?

 積ん読状態のサッカー本を少しでも片付けようと何冊かは読破したんだけど、
 書籍紹介のカテゴリーを追加した1発目はつい先日買ったばかりのこの本にした。

○将棋でサッカーが面白くなる本(発行:株式会社フロムワン 発売:朝日新聞出版 \1,470)

 いかにも戦術厨かつ将棋好きのオレに「買え!」と言わんばかりのタイトル。ええ、買いましたとも。基本、将棋を知っている人前提で将棋を知らない人には理解しにくい部分もあるけど、駒の動かし方などビギナーにも配慮した構成なのでボードゲーム的な見方、俯瞰的な見方をする上では助けになると思う。

 帯にある本田圭佑=飛車?長友佑都=香車?ってのは駒の喩えとしてイメージしやすいだろう。ちなみに闘莉王はリベロで角。その他の駒が誰に喩えられるかは実際に買って確かめていただきたい。将棋フリークの琴線に響くのは各国代表チームを将棋の戦型、戦法に喩えるところか。日本代表が角代わり腰掛け銀、イタリア代表がごきげん中飛車、イングランドが横歩取り8五飛など。

 一昨年買った『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』もそうだが図解が多くあるので読みやすい一冊であろうかと思う。この本のプロローグでは将棋入門書としているが、将棋→サッカーやその逆の見方もできるのでサッカー好きはもちろん将棋好きな人でもどちらでもとっつきやすいだろう。西部本などコテコテの戦術本はイヤだけど、戦術って何?というイメージ作りの入り口として読んでみてもいいのでは。ちなみに、この本の観衆をしている野月浩貴氏はプロ棋士であると同時に熱烈なコンササポ。

 幸村殿、いつか復活してくれんかのう…。

posted by フラッ太 |08:15 | 書籍紹介 | コメント(2) |