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2014年04月12日

『10番は「司令塔」ではない』を読む。

 大分戦が迫っているけど大分の試合観てないので何とも言えん。
 よって暑苦しい戯言の前フリとして今回は書籍紹介ということで。

○10番は「司令塔」ではない トップ下の役割に見る現代のサッカー戦術
(北健一郎著 角川書店 \1,400+税)

 「本田か?香川か?」が問題ではない

 帯にはこう記してあり戦術厨のアンテナにはビビッと響くものがある(笑)。
 ザックジャパンの4-2-3-1をたたき台としての5章構成で成り立っている。

第1章「トップ下を観るための10の観点」
第2章「戦術的トップ下論」
第3章「技術的トップ下論」
第4章「“10人”のトップ下たち」
第5章「本田と香川の使い方を探る」

 第2章ではFC東京の高橋秀人、第3章では浦和の柏木に取材をしていて、第2章ではボランチから観たトップ下を、第3章ではトップ下として他の選手との違いを生み出す、ミシャサッカーと絡めて自分の良さを活かす工夫を語っている。この2章はなかなかにディープで「なるほどねぇ」と唸らされることしきり。FC東京の高橋は屈指の理論派とされているが、柏木も含めて能力の高い選手は弁が立つというかものの伝え方が上手い、わかりやすいというのを改めて感じた。

 第1章の「トップ下って何してるの?」という大まかなところから入って、2章・3章を経て第4章ではトップ下といわれる世界の選手の違いについても触れている。この中にはマリノスの中村俊輔も含まれているので世界をやたらと遠くに感じさせないのも好感が持てる。

 戦術系の本は頭の中で絵をイメージしながら読まないとつらいところがあるが、この本では図解もちゃんと示されているし西部本ほど文章は読みにくくない。ちょっと面倒くさいけど先に図を見て頭の中にイメージを作ってから読み進めると理解しやすいはず。
 結論として第5章では本田と香川の共存にもっていっているけど、コンサだとどうなるのか?とか他のJクラブだとどうだろうとか、同じコンサでも石崎コンサと財前コンサではどう違う?とか、ウチの#10はどこがふさわしいのか、そもそも4-2-3-1でいいのか?とかいろいろと想像の翼を広げることができる(妄想を爆発させるとも言うが(汗))。

 否定から入るオレってカッコいい!になっちゃった杉山某と違って、北健一郎氏は個人的に今イチ推しなライター。選手の側の視点も紹介しているので視野狭窄に陥らずに済んでいるのだと思う。白夜書房から『なぜボランチはムダなパスを出すのか?』という著書も出しているのでこちらもオススメ。

posted by フラッ太 |16:40 | 書籍紹介 | コメント(0) | トラックバック(0)

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