2021年02月06日
殴り倒したかと思いきや…。
>今年はプロボウルは試合ナシ… 需要全く無視で延々と続けるNFLネタ。でも、今回はコンサに寄せてるよ? 今回はちょっと時間が経ってしまったAFCチャンピオンシップ、ビルズVSチーフスについて。 ○シード1位VSシード2位の総合力の高いチーム同士の対戦 ○これからを背負って立つ若いモバイルQB同士の対戦 (ただし、チーフスのエースQBマホームズは前の試合で脳震盪&足のケガで途中交代) で、結果は38-24でチーフスが勝ったわけだがチーフスのハイパーオフェンスが大爆発…というわけではなく、アグレッシブな守備で流れを作ったというのがより近い。レギュラーシーズンで3rdダウン成功率が50%近かったビルズの攻撃陣がこの試合では5/14と抑えられていたのが象徴的。 アメフトもフットボールなので11人VS11人。チーフスの守備体型はこんな感じ。 ○ ○ ○ ○ ←ディフェンスライン ○ ○ ○ ←ラインバッカー(LB) ○ ○ ○ ○ ←セカンダリー(CB,S) ラインに4人、LB3人のいわゆる4-3体型。セカンダリーはサッカーの4バックをイメージしてもらえるとわかりやすい。両端がコーナーバック(CB)で内側がセーフティー。とりわけ積極的に前に出て主にラン守備を防ぐセーフティーはストロングセーフティー(SS)、広いスペースをカバーできる最後の砦となるのはフリーセーフティー(FS)とされる。NFLではパスが攻撃の主体なので後ろを厚くするニッケルバック(サッカーで言うところの5バック)にしているチームも多いが、それはまた別の話。 チーフスはとにかくラインが強かった。ラインの4人でQBにプレッシャーをかけてサックやファンブル、あるいは投げ急がせてパスの精度を落とすことができれば後ろの7人は非常に守備が楽になる。実際にはCBがワンテンポ遅れてQBに襲いかかることもやってたので厳密には4人だけってことでもないけど…。 普通はQBにプレッシャーをかける時は前にラッシュをかける人数を増やすブリッツを用いるが、前に人数をかければ当然後ろの守備の人数は減る。とりわけ相手のレシーバーに対してはマンツーマンで対応することが増えるので個人能力で負けるとマークしていても防ぎきれないということになりがち。後ろの守備でリスクを負うという意味ではフルコートマンツーマンに近いとも言える。…はず。 ビルズも手をこまねいていたわけではない。特にマホームズが走れるかどうかわからない状況では尚更。それでもチーフスが勝てたのは個人能力の高さ。とりわけエースWRのタイリーク・ヒルとTEのトラヴィス・ケルシー。ヒルはメチャクチャ速い。レギュラーシーズンでの対戦時は裏を取られるのが怖いのでセーフティーが引いて守っていた。 そしてTEのケルシーは本職以上に頼れるレシーバーとして活躍した。レギュラーシーズンではTEなのに獲得ヤードが1413ヤード(!)でパスキャッチの回数も一番多い。ヒルに注意を引き付けておいて空いたミドルゾーンに…というのはわかっていてもなかなか防げない。以前、TE宮澤でも触れたが、TEはガタイがデカいのでミドルゾーンだと相手LBがついても体格差で勝てる、とりあえず投げとけば何とかしてくれるというのも信頼度が高くなる理由。 この2人を同時に抑えるのが非常に難しい。ハナっからマークを付けてパス守備の意識が強くなると今度はラン守備が薄くなりゴリ押しで中央突破されるとか、前と後ろの間隔が広くなってミドルゾーンが広くなりノーマークのレシーバーに走りこまれるとか。ヒルの速さ一発でTDが怖いからそこはしっかり押さえても、そういう時に限ってケルシーがイヤらしいところに入ってくるんだよねぇ…。 今ならTEは宮澤でなく荒野だよなとか、ミンテはSSからFSに進化しつつあるのかなとか戦術厨的な妄想は色々と広がる。一言にWRといっても縦に圧倒的に速いとかサイズがあるとか、小回りが利いて浅いゾーンやミドルゾーンの隙間に入るのが巧いとかタイプはいろいろあるわけだし。 だからミシャ式ショットガンフォーメーションなんて妄想も出てくるわけだが、TMで青木が結果を出しているのは何とも頼もしい限り。WB、シャドー両方いけそうなら菅はスタメンはおろかベンチ入りも怪しくなりかねない。そう思わせるほどにかつてないほど4年目のミシャコンサではWBのスタメン争いのレベルが高くなっている。大八がCBで目途が立つようなら駿汰もボランチ起用は十分あり得るからボランチももっと競争が激しくなる。 人につくか、スペース(ゾーン)を守るかは永遠の課題だけど、 その最大公約数的なものがポジショナルプレーになるのかな、と。 そのあたりはNFLでの駆け引きを見ているとすごく勉強になる。
posted by フラッ太 |10:00 | 戦術厨の戯言 | コメント(0) | トラックバック(0)