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2016年03月19日

'16第1次弾丸ツアーレポート~VS愛媛FC観戦記・後編~

>もうえなりで通しちゃっていいよね?

 バルさんコンサを引き継いでいるので去年から基本的には変わっていない。守備時には3-4-3で2トップ&宮澤が第1列で前線から限定をかけ後ろで奪うというもの。ただし、愛媛戦では後ろに5人置いた3-2-5(←前からの人数ね)で後ろを固めた守備。これだと第2列のボラ(上里&深井)の横が空き放題じゃね?とは思ったが、意外に愛媛が出しどころに苦しんだ印象を受けた。
 コンサの前線3人と愛媛のDFラインとの3対3で近いところに出せずにGKに戻したりしてたのでビルドアップは愛媛がつらそうに思えた。マイボールの時は頑張ってDFラインを押し上げていたし、ゆったりしてはいたもののややコンサペースかなと捉えていた。地上波の録画を前半だけ見直したが、地上波では愛媛に苦戦しているという解説だったのでその意味においてはやや意外な印象ではあった。

 序盤でいきなり謙伍が負傷交代。で、代わりに上原が入ったんだがこれが想像以上の誤算。左サイド全体としてもつまんないボールロストが頻発するわ、個人の出来としても何でもないところでトラップミスするわで攻撃のリズムを壊す自滅っぷり。あれは連携不足では済まされないでしょ。とどのつまりはお見合いで失点をお膳立てじゃなあ…。最初、どうして失点したのかわからなかったが、MDHを観てさらにわかんなくなった。
 ただ、あり得るとすれば福森が本職のCBではなかったためにお見合いが起こってしまったのかな、と。本職のCBであれば簡単に蹴り出すか自分でPA外に持ち出すか、あるいは体を当てて相手にやらせないかして途中で受け渡すようなプレー選択は絶対にしない(はず)。このあたりは福森を3バックの一角として起用するリスクが出た格好か。

 ジュリーニョのゴールはまず都倉のアシストが技アリ。そしてジュリーニョが相手DFの後ろを通って抜けたのが良かった。川崎の風間監督が言うところの「背中を取る」動きで正しくエクセレントなゴール。今年の外国人で一番の当たりは来るか来ないかハッキリしなかったジュリーニョかもなあ。キープ力あるし、サイドに良い展開できるし。ぶっちゃけ、展開力を活かすならFWで使うのはもったいない。

 前半終了時の殴り書きは
○思った以上に攻めている
○大きな展開できている
○思った以上に愛媛ビルドアップつらそう の3つ。

 これが後半になると一変する。殴り書きも「上原息合ってない」「謙伍の穴意外とデカい?」「持たれる時間増えてきた」「河合が出ざるを得なくなると…」とネガティブなものが増えていく。特に後半はピッチを広く使うことがほとんどできなくなっていった。前半は上里にしろ進藤にしろジュリーニョにしろ良いサイドチェンジができていたのに…。時間の経過と共に意識が中央ばかりに行ってしまった。マセードが手を挙げて待っているのにちっともボールが来ないとか。

 試合当日の書き込みで宮澤をボラに下げるのはやめてくれと書いたが、理由は2つある。
 1つは前線からの守備が機能しなくなること。もう1つは中盤でタメを作れなくなること。

 まずトップ下での小野との比較では小野は90分走れない(持たせようとするとどこかでサボる必要が出てくる)。それに関連して小野も宮澤も2トップに指示を出すことができるが、小野は自らが動いてチェックし続けることができない。深井さんOUTウッチーINで頭数は揃ってはいたものの…。もしかして、深井さんは壊れないように時間限定の縛りがあるとか?

 もう1つ、岐阜戦では宮澤・上里・深井さんの距離感が良かった。むしろ、このトライアングルが四方田コンサの生命線ではないか?というのも気になっていた。岐阜戦では深井さんが下がった後攻撃に出ざるを得なくなった岐阜相手に前を入れてDFラインの前にもう1列ラインを敷いてガッチリ守ることで応対した。岐阜戦はフルタイム観ているわけではないので何とも言えないが、3ボラにしたことで宮澤が前に出ていける状況を作れたのではないかと思っている。

 トライアングルでボールをキープできるぶんにはDFラインも上げることができるし選手間の距離も近くなるのでコンパクトにできる。3人のうち誰かが前に出ることでボラ同士で縦の関係も維持できるし、2トップとの橋渡し役(≒トップ下、大抵は宮澤)も常につけられる。だが、2ボラではトライアングルと違って縦の関係を作ることが難しい(常にどちらが前に出る縦関係を作れればいいのだが大抵宮澤の片上がり状態で、それもたまにしかない)。前線の3人のうち誰か1人が降りてきて擬似的にトライアングルを作るならまだしも、それも曖昧な感じ。運動量的にはウッチーなんだが気が利くのはジュリーニョ。そして2人とも主戦場は左サイドでカブりやすいという…。
 そもそも2ボラではパスコースが少なくなるので相手のプレスに対抗しきれなくなる。ボールキープするためにトライアングルを作ろうとすると河合が参加せざるを得なくなり位置が低くなってしまう。てなわけで、後ろでチンタラ回してると観ている側にはフラストレーションが溜まる…。河合が前に出ざるを得なくなると…というのは主に守備。サイドに引っ張り出される分にはまだしも、バイタルエリアが怪しくなって河合が加勢したところにそのギャップを衝かれるという危険も孕む。清水戦は相手の個人能力が高いので怖いなあ…。

 バイタルエリアを気にして重心が後ろにかかる、時間が経てば経つほど前線の3人は意識が前へ前へと傾き相手DFラインに張り付いて挙げ句コンサは前後分断、間延びと悪循環に。ぶっちゃけ、都倉OUTヘイスINの交代時には「どーやって点取る気よ?」とボヤいてしまった。ただでさえヘイスは守備やらないのに…。フォーメーションからしても点取るイメージがまるで思い浮かばかったよ。ヘイスCFの3-4-2-1とか?

 いずれにしても、宮澤をボラに下げるのは得策ではないというのが率直な感想。ひいき目抜きにしても攻守において一番顔を出していたのは宮澤だし、守備でもサボらないのはもちろんのこと正対してだけではなく後ろからイヤらしく寄せて限定するとか、2人引き連れても奪われないとか、ジュリーニョへのふんわりクロスもふんわり過ぎて却って触れないとか、小野とは違う意味でエロかった。チームの連動性を考えると小野が戻ってきても宮澤スタメンでいいと思う。ただ、積極性は買うが無理に反転してまでシュートを撃たんでも。あれは都倉くらいフィジカルがないと枠には飛ばんぞ。

 あと、気になったのは進藤かな。なぜ使われるのかなと思って試合を観たのだが、1つは判断力の良さ。素早く守備に行ってその流れで前線に出ていけるというのは進藤の強みであると思う。もう1つは1本良いサイドチェンジがあったようにシンプルにボールを捌けることか。櫛引は自分で持ち上がるプレー選択はしてもああいったポンと捌くことができるだろうかとふと思った。

 てなわけで、結果は不満だけど戦術厨としてはかなり見応えのある愛媛戦だった。
 にしても、どうしてこうえなり河原にやられてしまうんだろうなあ…。

posted by フラッ太 |00:15 | 旅行記 | コメント(2) | トラックバック(0)