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2009年06月30日

異才。

 「いさいを放つ」という漢字書き取り問題では「異彩」がたぶん正しい。
 が、「異才」を持っていると最も感じさせてくれるのが宮澤裕樹だと思う。
 それは世代別代表に選ばれていて周りよりも優れているというのでは必ずしもなくて、
 他とはちょっと違った見方ができるといったほうがより近い。

 例えば「ナ・ニ・ヌ・ネ・ノで始まる国の名前を答えなさい」と問題が出された時、
 たいていの人が答えるのはナイジェリアとか日本、ちょっとヒネってもノルウェーだと思う。
 でも、宮澤はニジェールとかニカラグアとかごく普通に答えてしまうような感じ。
 同じ問題でタ行だと同じ「チ」でもチリとかチュニジアじゃなくてチャドとか
 もしくはツバルなんていった具合に「え、そっち!?」という答えを出しそうな感じ。

 クライトンが欠場した徳島戦と鳥栖戦。宮澤はキリノと2トップを組んでFWとして出場した。
 徳島戦でのキリノへのあの変態スルーパスは宮澤以外にはまず出せない。
 鳥栖戦でも「そこを通すのかよ、オイ!?」っていう征也へのスルーパスを出していた。
 鳥栖戦のやつは砂川でも出せるかなという気はしたけど・・・。

 宮澤はとかく「シュート打て!」といった感じでヤリ玉に挙がることが多い。
 FWとしてはそういう姿勢が必要であるとは思う。が、今はボランチに入ることが多いからかもしれないが、宮澤にはFWと点獲り屋という言葉がイコールでつながらないイメージがある。「いいからオレ様によこせ!」っていうのとは対照的な優等生っぽい選手というか・・・。
 かつてコンサにはフッキとかエメルソンとかダヴィとか「ひとりでできるもん」的なFWがいたが、コンサ生え抜きのFWとしてはそういうタイプのFWは新居くらいかなあ。ジュビロの中山雅史のような強引さがない。いや、あるのかもしれないけどそれが表に出てこない。

 宮澤は前を向ける時には良いプレーができているような気がする。これが関係あるかどうかわからないし、別に心理学者でも何でもないけれど、宮澤のプレーの選択肢は「オレが決める!」っていうんじゃなくて、次のプレーが易しくなるようなプレーを最も優先しているんじゃないかなあ。だからPA内でもシュートがファーストチョイスにならない。そしてそれが積極性がないとかFWらしくないっていうイメージがついてしまう理由になっているんじゃないか、と。

 グダグダ書いてきたけど、いろいろな意味で殻を破らなきゃいけないっていうのはある。
 蹴馬鹿さんが書いていたようなハジけ方もアリっちゃアリだけど、
 どっちかというとそれは岡本のほうがキャラとしては合いそうだし・・・(笑)。

 素人がプロを上回る時はある。が、悲しいかな素人はそれを維持することができない。
 素人が思うよりもずっと高いところに線を引いて、それを長い間維持することが出来る。それがプロなんだよ。
 ・・・というような文章を読んだことがある。
 ちょっと前に宮澤に減量指令が下ったというニュースを目にした。宮澤にはキツい話で耳の痛い話かもしれない。プロだって息抜きは必要だ。それでもプロならばやらなくてはならないこととしてはいけないことがあるはず。自覚は当然持っているだろうけど、それがもっと幅広くより高いレベルで必要な段階にあるのだと思う。

 代表に選ばれるのだから素養は間違いなくあるはず。
 必要な選手ではなく、欠かせない選手になってほしい。

 まあ、ダイエットの話をこっちに振られるとすんごく困るんだけど(汗)。
 

posted by フラッ太 |15:42 | 戦術厨の戯言 | コメント(0) | トラックバック(0)