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2009年07月31日

天は自ら助くる者を助く。

 これって確か吉川三国志にあったと思ったけど、ググってみたら西洋にもあったようで。

 かなり周回遅れだけど、クライトンが古巣であるアトレティコ・パラナエンセと契約したとか。これに関しては別に「裏切り者!」とかいった感情はない。むしろ、よくぞ我慢してプレーしてくれたことを感謝したいくらい。クライトンの方が「近頃の若いモンはだらしがねぇな」と失望したんじゃなかろうか。
 去年J1から降格した時点で今年はコンサにはいないだろうと思われていたのが、まさかの契約更新。手術が成功したとはいえ、病床の父親を残して遠い日本でプレーするという決断はどういう事情があったにせよ重い決断であったはず。そのかわり、いったん契約したからには全力でプレーする。
 コンサを去るという決断がどういう理由であったのかは今となっては知る由もない。ただ、クラブ側としてはいっこうに昇格争いに絡めないなど引き留める理由に乏しかったので、契約解除を申し入れられたら受け入れざるを得なかったのだろう。
 そんな中でも他のJのクラブとは契約しない、契約解除した分のサラリーは受け取らない、というクライトンとしても受け入れやすい条件を出したのだし、喩えが変だけど“協議離婚”としてはいい落としどころだったと思う。古巣であるアトレティコ・パラナエンセとしても、クライトンのためにわざわざ席を空けて待っていたのはそれだけの実績があるからこそのものだし・・・。

 で、ガラッと話は変わって。
 “皇帝”が再び跳ね馬を駆る。そう、ミハエル・シューマッハのフェラーリ復帰だ。

 まさかないだろうと思っていたことが現実になった。フェラーリは名門ではあったが、必ずしも最強チームではなかった。チームを率いるジャン・トッド、マシン製作のロリー・バーン、レース戦略を練るロス・ブラウンと優秀な人材は確かに集まっていたが、史上最強、ドリームチームとしてのフェラーリの復活はミハエルなくしてはありえなかった。ミハエルは徹頭徹尾プロフェッショナルであり、チームスタッフもミハエルに尽くした。それ故にチームオーダー事件が起こったほどである(←フェラーリ シューマッハ チームオーダーでググればおおよそのことは掴めます)。
 普通、正ドライバーが出走できなくなった時はサードドライバーやテストドライバーを乗せる。マシンの性能に順応しやすいことと、マシン自体がライバルチームには明かすことの出来ない機密事項の固まりであるからだ。ミハエルはフェラーリのチーム内にいるので機密が漏れることはないが、ブランクを考えればギャンブルの要素は払拭するのは難しい。

 それでもミハエルが復帰するのを決断したのは、マッサが欠場したからなんじゃないかと思っている。ここからは僕の推測だけど、ミハエルはマッサを弟分として可愛がっていて、将来はマッサにファーストドライバーとしての地位を確立して欲しいんじゃないか、と。去年も最終戦までタイトル争いをしてライコネンに引けをとらない実力があることを証明して見せた。
 スタッフとしてもプロフェッショナルであるから、極端にドライバーをエコひいきすることはないにせよ、やはり人間であるからその仕事ぶりに応えようとするもの。ライコネンがどちらかというと「サーキットで結果を出せばいい」というスタンスであるのに対して、マッサはずっとチームに帯同して「一緒に強くしていこう!」というミハエルの姿勢に学んだところがあると思っている。

 マッサは実質的にはもう今シーズン乗ることは無理。そうなると、来年のシート争いにも影響が出てくる。フェラーリは勝てるドライバーを求める。ルノーからアロンソを引き抜くことも平気でやってくるだろう。そうなるとマッサがシートを失う可能性も出てくる。ミハエルはフェラーリに“恩返し”すると同時に、可愛い弟分のために一肌脱ぐことにしたんじゃないかなあ。ミハエルはフェラーリを自分が強くしたという自負は多少なりともあるはず。弟分のマッサも自分の腕で地位を確立してきた。そんなマッサを援護する思惑もあるんじゃないだろうか。

 まあ、かなりの部分は妄想で浪花節的なところがあるけどいいじゃないですか。今宮純的なテイストなんですから(笑)。本来なら2回に分けても良かったんだけど、どっちもアブラっこい話なのでまとめちまえ!ということで。水戸に加入した鶴野だって本来ならコンサに昇格といきたかったはず。それでも水戸に誘われたのはやれることをやっていたから今があるワケで。

 さて、8月のコンサはどうなりますか。・・・情けは人のためならず、って書きゃあ良かったな。

posted by フラッ太 |18:56 | ちょっとカタい話 | コメント(4) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:天は自ら助くる者を助く。

カタイ話っすなぁ。
なんて。
ケケがプロストのために玉砕した史実があったと記憶しとりますが、このような形で、王者が後継者のため、顕らさまに実力行使する姿は案外と日本史にはなく、カタイっすな。

どちらにとっても、王の帰還と祝福されますように。

posted by OWLS| 2009-07-31 20:50

Re:天は自ら助くる者を助く。

クライトンのプロ精神をウチの若いモンがどれくらい受け継いでくれたかが今後問われてきます。
コンサの若手はサッカー上手いのは見ればわかるけど、厳しさというか執着心が感じられない。その辺が今の順位の原因なのでしょう。

エフワンの話は詳しくないのて遠慮します...

posted by luchun | 2009-07-31 22:00

OWLSさんへ

 ケケのエピソードは知らなかったのでwikiでチェックしてみました。
 なるほど、ケケがアシストしたというのはありそうな話ですね。
 プロストのケースにしろマッサのケースにしろ、口を開けて待っていたワケじゃなくて自分で努力したおかげでそんな境遇に巡り会ったから、ってのが大事ですよね。
 “禅譲”っていう独自の文化があるからかもしれませんが、
 日本史の場合は後継者のことまで考えた組織のトップって少ないんじゃないでしょうか。

posted by フラッ太| 2009-08-01 10:25

luchunさんへ

 はじめまして。
 クライトンは退団の仕方まで“プロ”でしたね。
 「プロってのはこういうもんだよ」と伝えてくれたような気さえしています。
 仲が良いのはいいんだけど、それだけじゃプロの世界は渡っていけない。
 個人事業主である以上、たとえチーム内であっても蹴落とさなきゃいけない競争相手でもある。
 バルサからレアルに移籍したフィーゴの例はちょっと極端ですけど、一寸先は・・・っていう世界なんだから常に己を磨く努力はしなきゃいけないし、それを証明できるのは試合に出ることであり試合に勝つこと。
 智樹がなぜユニフォームを脱ぐことになったのかなど身近に“教訓”があるんですから、もっと執着心を見せてほしいというのはあります。

posted by フラッ太| 2009-08-01 10:42

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