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2011年12月08日

今年を振り返る(監督と戦術編)

  3年目で結果を出さなければいけなかったシーズン。最後は見事に結果を出したが、かなり苦しい道のりだったろう。

 当初から連敗して、順位では18位になったこともあった。そこから追い上げて昇格圏に入っていったのは見事だった。

 ポゼッションを指向した監督の基本戦術はチャレンジ&カバー。前線からのプレスとショートカウンター。

  そして今シーズンはまずはしっかりとした守りを重点に置いた。失点数がリーグ2位というのもうなずける。

  シーズン当初は攻撃に行って前掛かりになってカウンターを受けると言うことも多かったが、それも徐々に改善していった。

  フォーメーションは4-2-3-1にこだわった。

 中盤を厚くして、ボールを保持してラインを上げて数的有利をつくることを目的としたためと思われるが、うまくいっていないときにはサポーターから批判の対象にもされた。

 しかし、得点を取りたいときには序盤はチアゴを前線におく「チアゴ大作戦」やパワープレー、後半は試合途中に3-5-2にして前線に厚みをかけて点を取りに行くこともした。

 今年はなりふり構わず攻撃に行った場面も多かった。しかし、基本の4-2-3-1のフォーメーションは頑として変えなかった。

 今シーズンは相次ぐ選手の移籍でDFは一からの作り直し、立て直す時間がないまま開幕し開幕戦に敗戦。

 だが、震災による中断期間の影響があり、チーム力を整える時間が1ヶ月半できたことは幸いだった。


 結果は出したとは言え監督の本心では思ったような戦術はとれなかったに違いない。

 よく今年の監督の采配を示す言葉として「理想から現実的」な采配になったという言葉が使われるが、監督としては必ずしも本意ではなかったのではないか。

  これは試合の多くが守ってカウンターということ形になってしまったこと。

 監督は今年のターニングポイントになった試合はサポーターから罵声が飛んだ室蘭でのFC横浜戦を挙げたが、そこから徐々にブルーノやアンドレジーニョを優先して試合に出場させることはしなくなった。 

 そしてそこからより勝負にこだわった采配をしたのではないだろうか。

 また、より攻守の切り替えの早さを求めた。

 それは後半になって内村が完全復活したことが大きかったのだが、カウンターがより大きな武器になっていた。

 負けた対戦チームには不思議がられ「シュート数は少なく被シュート数は多く」。相手に攻め込まれながらも最後にはなぜか勝っている札幌」とまで言われた。

 守ってから決めるところはしっかり決めて勝つサッカーは今シーズンのコンサのサッカーとなった。

  だが、来季、J1と太刀打ちできる戦術としては監督はアウェイの京都戦0-4で敗戦した前半30分までの試合を90分やりきることと明言している。

 確かにあれだけ前に前にプレスをかけて相手からボールを奪い素早く攻める攻撃。ポゼッションを高めてシュートをする攻撃は理想だ。ただ、やはりJ1相手ではFC東京戦のように押される展開が多くなるだろう。

  近藤は「J1で戦うならばやみくもにプレスをかければあっさりとかわされる。」と言っていた。どうやって守って相手のボールを奪うのかを追究しなくてはなかなかJ1で勝つことは難しい。

 理想と現実の狭間でどう戦うのか監督の手腕がより試されるシーズンになると思う。

posted by 孔明 |20:43 | 今年を振り返る | コメント(3) | トラックバック(0)