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2008年01月24日

北極圏での生活(2・交通)

【交通】
極端に寒いと、池ばかりじゃなくて川も凍ります。

冬の間は道路が走り難くなる代わりに、川が道路に変わります。「アイスロード」と呼ばれ、初冬期からだんだん氷が厚くなるので、トラックが通っても平気です。川は概ね平坦なので峠や谷が無く、むしろ走り易いかも知れません。
氷の上はブレーキが利かない、という現象は寒さが中途半端だからであり、極端に寒い条件下では、氷とタイヤとの摩擦が結構あるので停まれます。
氷が滑る原因は、氷の表面に水膜が出来るからであり、寒過ぎると液体の水膜は存在できないのです。

寒いと車のエンジンがかかり難い(オイルが硬くなる、燃料が気化し難くなる)ことは想像できると思いますが、もっと寒くなるとセルモーターの動力がオイルの粘性に勝てなくなって、エンジンが「かからなく」なり、何回もトライしてるとバッテリーが上がります。
それを防ぐためには、エンジンをかけっ放しにしておくのも方法です。買い物に行くと、マーケットの駐車場に車が並んでおり、温泉地の湯気のようにモウモウと排気が昇っています。そこから発生した水蒸気が、ダイヤモンドダストの原料になったりするんですけど。

自宅の駐車場ではどうするか?・・まさかエンジンかけっ放しは出来ないし、エンジンを冷やすと大変なことになるので、暖めておかなければなりません。
そこで、極地で使う車は、エンジンブロックの中に電気ヒーターが組み込まれる仕様になっています。そのヒーターの電気コードをフロントバンパーに巻いてあり、そのコードを伸ばしてコンセントに差し込んで暖めておきます。

公共の建物の駐車場などには、ヒーター用のコンセントが(水道栓のように)立っていて、駐車する車は無料でコンセントを使っても良いことになっています。
北海道でも、母子里あたりで冷える夜には、エンジンルームに白熱電球を点して暖めたりしますけど、その程度じゃ用を成さないんです。

外気温が低い中を走ってると、フロントガラスもほぼ同じ温度にまで冷えます。そんな状態でヒーターを入れてダッシュボードから暖気を出すと、ガラスの内側だけ急に熱せられるのでガラスにヒビが入ります。
走ってる全ての車のフロントガラスの同じ位置に、見事にヒビが入っています。
ちなみに、現地では日本車が多いです。レンタカーを借りる時に、どうせだから外車に乗ってみようとして「外車を」と注文したら、日本車が配車されて来たという笑い話を聞きました。

寒いのは間違いないけれど、雪はあまり積もりません。
日本列島の日本海側で積雪量が多い原因は、日本海から水蒸気が供給されるからですが、内陸でドカ雪にならないのは、内陸まで水蒸気を補給できないからです。カナダの北岸には北極海がありますが、海面が凍っていれば陸地と同じ性質なので、内陸地と同じように冷えるし、雪もあまり降りません。

道路の「除雪」は稀に行なわれるだけで、普段は路面に砕石を撒いて滑り止めにします。融雪剤を散布しても、融雪剤と融けた雪とが一緒になって凍ってしまったら余計始末に悪いですから、砕石の方が安いし環境にも優しい方法です。


先日、昼休みに郵便局へ行く途中に、交差点で見かけました。
すべりどめ
「すべりどめ砂箱」
「ご自由にお使いください」と書いてあります。

受験の御守に使っても良いでしょうか?

つづく


posted by 雁来 萌 |23:48 | 雑念 | コメント(0) |

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