2017年08月17日
「戦術・都倉」からの脱却
北海道新聞の月一度のコラムの日です。 先ず、一つ目は「J1赤と黒の闘士たち」スポーツライター・斉藤宏則が迫る です。 今回は、FW48ジェイ・ボスロイド35歳です。 大見出しは、「一撃必殺 残留請負人」です。 7月から新加入した元イングランド代表のFWジェイ・ボスロイド選手は、「点取り屋」の称号がよく似合う。 デビュー戦となった浦和戦、後半18分にグラウンドに送り出された。 相手は退場者を出し、札幌は数的に優位だったが、個人能力に勝る浦和は内容面で圧倒、「いつ同点にされても不思議でない」という雰囲気が漂っていた。 試合前には小野に「必ず決めるから、自分のことを見てパスを出してほしい」と話していて、その時は来た。 小見出し「勝負決めた」 後半43分、右サイドをドリブルで駆け上がった小野がゴール前にフワリとパス。 ファーサイドのジェイには浦和DFがぴったり付いていたが、身長190センチの長身はものともぜず、高い打点でヘディングシュートは、GK西川の指先をかすめて見事にゴールネットを揺らした。 3万人を超える慣習は大きく湧き上がり、試合後も声援はなかなか鳴りやまなかった。 甲府戦で加入後初先発を果たし、開始10分で貴重な先制点を奪った。 小見出し、「欧州で実績」 欧州の名門アーセナルの下部組織で育成された。 有名クラブで活躍し、イングランド代表に選出されたこともある実力者だ。 2015年から2年間Jリーグ磐田でプレー。 その間リーグ戦で34得点、磐田のJ1昇格と残留に大きく貢献した。 今年に入ってからは、無所属の状態が続いていた。 磐田との契約満了後、複数のオファーを受けていたが、「どれも日本以外から」、「Jリーグはとても質が高い。日本は文化も素晴らしい。2年間過ごした、日本で引退したい」と全て拒否した。 小見出し、「日本を渇望」 半年間は、個人契約しているトレーナーと共に練習を重ねていた。 Jリーグへの復帰を渇望していただけに、札幌からの正式オファーを受けた瞬間は「最高に嬉しかった」。 北海道での新生活は「街並みもきれいで、とても快適に過ごせている」と話す。 夫人が妊娠中で単身赴任での生活だが、「家族のためにも、仕事をしっかり果たさねば」と意欲的だ。 「北海道の野菜がとても美味しく、パワーになっている」と、ジェイは大地の恵も力に、得点を量産してくれることだろう。 次に、「吉原宏太のマンスリーコンサ」です。 見出しは、「強み増え チームに好材料」です。 後半戦が始まった。 浦和に勝利後は、C大阪、横浜に負け、甲府戦は先制したものの、引き分けに持ち込まれた。 J1残留賢に踏みとどまっていることを考えれば、「70点」というところか。 浦和戦では、相手退場者を出す前に、セットプレーから先制点が取れたのは良かった。 特に、福森からのクロスに対して他の選手の入り方が良くなったし、福森選手がボールを持つと、攻撃がスムーズに動き出す印象がある。 彼のFKの制度には、そのワンプレー以上の重みがある。 良いキッカーがいると、相手DFは緩くなる。 福森のキックは札幌の強みだし、それゆえに仲間からの信頼感も増している。 チャナティップの活躍も楽しみだ。 持ち前のスピードや軽快なステップワークでルーズボールを自分のものにして見方につないだり、小さな体で屈強な相手DFの隙をつく。 いつもは都倉に集中しがちなボールが、一気に彼に集まりだした。 都倉頼みの状態から、一つでも強みが増えたのはチームにとって好材料だった。 ただ、J1で恒常的に勝つには、「個」の強化を避けて通れない。 個のドリブルのキレやスピードが課題。 強豪との試合の際、「組織で守る」という言葉を多用するのも気になる。 聞こえは良いが、1対1で負ければ結局、カバーに回る選手が必要で、攻撃に移りにくい。 組織での守りは、回り回ってひずみを生む。 浦和戦は3万人超が集まった札幌ドームの熱気が、相手を圧倒したのは間違いない。 J1残留はJ2優勝より難しいが、成し遂げれば札幌の歴史や未来への大きな財産だ。 戦いはこれからが正念場、サポータも最後まで一緒に戦ってほしい。 チャンティップやジェイの加入は、札幌にとってこれまで都倉だけを頼みにしていたが、色々な選択肢が増えるし、そのことで都倉へのマークも緩くなる。 福森の正確なFKは、相手ゴール付近で守備する側は、ファールをするのを怖がり、積極的に奪いに来ることが減る。 そうなれば、逆に突っかけていったりもでき、より得点できるチャンスは増えるはずだ。 そう考えると、甲府戦で先制後のプレーは、自分達の強みを上手く利用できなかったことになる。 積極的な攻撃は、大きな武器になるはずだ!
posted by consa.kazu |09:12 | コメント(0) |
スポンサーリンク
スポンサーリンク