2006年06月23日

J村への道

オフィシャルサイトでも発表されていますが、あさって日曜日(6/25)の午前11時から、夕張平和運動公園において
第9回北海道クラブユースサッカー選手権(U-18)大会兼第30回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会北海道地区予選優勝決定戦が行われます。
と言っても、参加4チームのうちコンサユースを除く3チームでリーグ戦を行い、そこで1位になったチームがコンサユースと決勝戦を戦うという形式で、コンサユースにとっては優勝決定戦だけの参加ということになるんですけどね。
この試合に勝って優勝したチームが、2006年7月28日(金)~8月5日(土)にかけて行われる第30回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会に出場することができます。
日本クラブユースサッカー選手権(いわゆる「クラセン」)は、日本クラブユースサッカー連盟に加盟したクラブチームに参加資格がある大会で、Jの下部組織に限らず街のクラブチームも出場します。
クラセンにはU-18の大会とU-15の大会がありますが、U-18の場合は全国を9ブロックに分けて、合計24チームが全国大会に出場します。(北海道からは1チーム)
今年は準決勝と決勝戦が三ツ沢球技場で行われることになっていますけど、これまではグループリーグと決勝トーナメントの試合全部が福島県にあるJ-VILLAGE(←いわゆる「J村」)で行われていました。今年もグループリーグ3戦と決勝トーナメントの1回戦はJ村で行われます。
この大会を見にJ村へ行くのが私の夏休みの楽しみという話は、以前にこのエントリでも書いたところです。

コンサユースは過去9回(チーム創設以来ずっと)クラセンの全国大会に出場しています。今年もきちんと北海道大会の優勝決定戦に勝利して、出場権を獲得してくれるものと信じています。
前置きが長くなりましたが、今回のエントリは、これまでユースの大会をあまりご存じなかった方に向けて、クラセンの大会要領をご説明して大会までに気分を盛り上げよう~という趣旨のものです。
なんでこんなにもったいつけるかと言うと、クラセンU-18で決勝トーナメント進出チームを決める順位付けの方法がえらい複雑なんですよ。この複雑さがまたこの大会の醍醐味である。という見方もできなくもないですが・・。
というわけで、興味がある方は続きをご覧ください。

まず、出場24チームは、4チームずつ6つのグループに分けられ、グループリーグを戦います。そしてその試合結果により、8チームが決勝トーナメントに進みます。
6グループから8チームを選ぶ。まずはこれがややこしさの元ですね。

グループリーグでは、各グループはそれぞれ総当たりで試合をし、勝ったチームには勝ち点3、負けたチームはゼロ、引き分けの場合には双方に勝ち点1ずつが与えられ、その勝ち点によって1位から4位までの順位がつけられます。勝ち点が同じ場合には得失点差で、得失点差も同じ場合には総得点で、総得点も同じ場合には双方の直接対決の結果により、順位が決まります。
ここまでは、ごく普通ですね。
このようにして順位が決まった各グループ1位のチームが、まずは決勝トーナメント進出を決めます。
残り2つについては、各グループの2位になったチームに順番をつけ、その上位2チームが決勝トーナメントに出場する形で決定します。このときのグループを横断しての順位の決め方ですが

  1. まず、勝ち点数の多いチームが上位となる。
  2. 勝ち点が同じチームの順位については、基本的に得失点差で比べることになるのですが、このとき、各グループの最下位になったチームとの対戦成績は得失点差の計算から除かれるのがミソです。つまり、例えばコンサがA、B、Cという3チームと同じグループで戦ったとして、Aには0-1で負け、Bには3-2で勝ち、Cには5-0で勝ったとして、Cがグループリーグ内の順位決定(これは上記のとおり通常の方法で決められる)で4位になった場合、コンサがCに勝ったときの+5の得失点差は計算から除かれる=その結果コンサの得失点差は±0となる、ということになります。
  3. こうやって最下位チームとの対戦成績を除外した得失点差が同じチーム同士の順位は、次に総得点の多さによって決められることになりますが、このときも得失点差と同様、最下位チームとの対戦成績は除外して計算します。

このように最下位チームとの対戦成績を除外するのは、全国大会といえども地域によって出場チームの実力にはかなりの差があることがあり、中にはグループリーグの3試合とも大差で負けるチームもあった事情が考慮されていたのだと思います。そういう、得失点差や総得点を荒稼ぎすることができるチームと偶然同じグループになったチームと、そうでないチームとの間の公平を図ろうとした苦肉の策だったのでしょう。近年は地域格差が減って、いわゆるカモになるようなチームはあんまりなくなったようにも思いますけれども。

とにかく、順位決定方法はこういう仕組みになっていますので、その結果何が起こるかと言うと・・・。

  • まず、グループ4チームの実力が2強2弱にくっきりと分かれているグループでは、1、2日目で2チームがそれぞれ2勝をあげ、勝ち点6同士のチームが3日目に戦うという事態がまま起こります。そういうとき、双方のチームとも「引き分けならOKだが負けは避けよう。」という思惑を持つことになります。引き分けならば、双方とも勝ち点が7となり、いずれかがグループ1位でもう一方が2位となりますが、勝ち点7ある2位は2位チーム同士の順位付ではほぼジョーカーを手に入れたも同然の状態になります。しかし負けてしまうと、グループリーグで1敗してしまったチームはたとえ2位になっても勝ち点は最大で6ですから、他のグループで勝ち点7の2位がなるべく出ないように祈るしかなくなるわけです。ですので、すでに2勝しているチーム同士が戦うときは、ほんとにまったりした試合展開となり、他グループの動向を気にしつつ傍から見ているといかにも憎らしい限りです(笑)。
  • 実力が拮抗しているチームが揃ったグループは大変です。大抵は1チームくらい比較的実力が劣るチームが混じったりしますが、3強同士が星をつぶし合うと、1位抜けできたチームはともかく、2位抜けは絶望的な勝ち点になりかねません。1弱チーム相手にいくら得失点差を稼いでも、上記のとおりそれはグループ2位ごとの順位決定には影響しませんのでね。
  • チームによって基礎的な実力に差があるとは言っても、そこはまだ若い高校生たちのチーム。コンディションやチームの調子やそのときの勢いによって、いくらでも「アクシデント」は起こり得ます。比較的弱いと思われていたチームが強豪チームに勝ってしまうことも時々あります。そういうときにどうなるかと言うと・・。グループ内の4位がどこになるかによって、各チームに喜悲劇が起こるのです。つまり、せっかくがんばって点差をつけて勝った試合があっても、その相手チームがたまたま4位になってしまうとそのがんばりが無駄になってしまうわけですからね。1日目、2日目はある程度無心で戦えますが、3日目になると(サポは)もう大変ですよ。すでに試合が終わっている他グループの結果を見、同時進行しているグループの試合状況を見ながら、自分のところの勝ち抜け条件を幾通りも考えるのですから(笑)。もっともこのシミュレーションはあまりに複雑すぎて、戦っている選手にとっては何も考えないで済むという利点はあるかもしれませんね。選手は余計なことを考えず、目の前の試合に勝つ、できれば点差をつけて勝つ、ということに集中するしかありません。

私はめんどくさがりなので、毎年、各グループの試合結果だけをお伝えして、勝ち点や順位の計算や、状況の分析は、kei@兵庫在住さんにお任せという状態でした。
きっと今年も・・・。とkeiさんの活躍に一方的に期待してます(笑)。

グループ2位同士の順位決定は、このように決勝トーナメント出場の可否を決める基準となるのでとても重要ですが、グループ1位のチーム同士も同様の方法で順位を決定します。それによって「1位の1位」対「2位の2位」というように、決勝トーナメントの組み合わせが決まるのです。

さてさてコンサは今年は決勝トーナメントに進むことができるでしょうか。
大会が始まる前に、折りを見て去年のJ村での戦いぶりを振り返ってみたいと思っています。
まずは日曜日の試合にきっちりと勝ってね。

大会要領について、詳しいことは日本クラブユース連盟サイトもしくは日本サッカー協会のサイトをどうぞ。
◆試合日程・組み合わせは7月6日(木)に決定されます。


写真は去年のJ村で。


センターハウスの玄関ホール。正面のガラスの奥にピッチが見えます。


グループリーグ3日目。
会場に着くなり他グループの試合結果を確認する選手たち。


posted by あきっく |23:53 | ユース | コメント(0) | トラックバック(0)

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