2008年06月05日

黄色い折り紙

私が(ユースやサテの試合限定で)持ち歩いているカメラのバッグには、横にメッシュのポケットがついています。
そこに今まで黄色い折り紙と折りかけの鶴が入ったままになっていました。
これです。

黄色い折り鶴の途中
ポケットに入れっぱなしだったので、よれてしまっています。

これは去年のJユースグループリーグでジェフユースとの試合があったとき、試合会場でジェフサポの方たちが鶴を折っていた折り紙を分けてもらったものです
(→こちらのエントリ参照)。
何羽かの鶴を折ったところでユースの試合が始まりそうになり、できあがった鶴だけは集める箱の中に入れてきたものの、残りは途中のままになってしまっていました。

あの時はまだオシムさんが倒れた直後のころで、病状はかなり重篤で予断を許さないという雰囲気で報道されていましたし、記者会見した川淵キャプテンは涙ぐんでしまうほどの状況でした。ほんとにほんとにせめて命だけでもとりとめて欲しい・・と、祈るような気持ちでした。
ジェフサポの人たちはもちろん、あの場にいた誰もが気持ちを込めて無言で鶴を折り続け、祈りの気持ちが渦巻いているような会場でした。
後から聞いた噂によると、うちのユースくんたちも、試合後に鶴を折って置いてきたそうですね。
あれから約7か月。
オシムさんは順調に回復され、オシムさんらしいジョークを交えながら深みのある言葉を散りばめた記者会見ができるほどになりました。
記者会見の内容はこちらで。→【イビチャ・オシム氏アドバイザー就任記者会見】オシム氏、田嶋幸三氏コメント

こうやってオシムさんの言葉を読むと、改めて彼の作ろうとしていたチームをきちんと最後まで見たかったなという思いが募り、オシムジャパンの初戦を見に行ったときのワクワクした気持ちを思い出して切ないような気分になります。
でもこの折り鶴を見て、「命だけは助かってくれ」と願っていたあのころの気持ちを思い出し、こうやってお元気になられただけでも十分よかった、ぜいたくを言ったら際限がない。と思い直しました。
記者会見の内容からすると今後は主にヨーロッパで過ごされるようで、日本のサッカー現場とのつながりは今よりも薄くなりそうな雰囲気ですけれど、それでも日本のサッカーのことを気にかけて豊かな経験を伝えてくれるようです。
できるだけたくさんのことをこの人から学びたいなあと思い、そう思える状況までに回復させてくださったサッカーの神様(じゃなくて医術の神様?)に感謝したい気持ちになりました。


posted by あきっく |22:33 | 日常 | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
祈りは通じましたね

>オシムさんらしいジョークを交えながら深みのある言葉を散りばめた記者会見ができるほどになりました
懲りてないっつーか、変わんないなぁ、爺さん(苦笑)。でも欧州の知的階級の人、サッカーならモウリーニョとかベンゲルあたりってみんなこんな感じなんですかね。「空飛ぶモンティパイソン」もケンブリッジ出が多いそうだし(お笑い学部があるというのを小耳に挟んだけど本当でしょか)。

ちょっとどこだか思い出せないけど、オシムの嫁さんが「私の最後の願いは、彼とサラエボで静かに暮らすことです」ってあって。「ごめんごめん爺さん、まだ僕は何も教えてもらっていないよ」って胸をかきむしられる気分になったし、JFAもどう処遇するんだろうと思ったら、必ずしも日本に拘束するようじゃないから、今は好きなときに好きなだけサラエボでもいいんだよ爺さんという粋な計らいで。最近センスのないことをするけど、ここはナイスJFAようござんした。
できれば甘いものとかジャンクばかり食って深夜のプレミアリーグということはやめて欲しいけど(遠征帰りのサービスエリア休憩でお菓子を覗き込むとか、そういう写真だらけのサイトがありました)。

posted by さいとー@横浜| 2008-06-05 23:42

Re:黄色い折り紙

さいとー@横浜さん
深夜のプレミアリーグは報道されていましたけど、お菓子もお好きなのですかー。あはは。
ま、せっかく生還されたのですからご本人も気をつけるでしょうし、ご家族も口うるさく言うでしょう(笑)。
オシムさんがまだ集中治療室にいるころだったかもしれませんが、オシムさんに代表監督の地位を退いてもらって岡田さんが新しい監督なるのが決まったころ、代表監督として払うはずだった報酬はそのまま本来の任期満了まで支払われると報じられていましたよね。
下世話な話ですが、どうせ報酬を払うのならJFAのなんらかの役職に就いてもらおうというのと、かと言って別に代表監督がいる以上、現場にずっといてもらう必要はない(し、いてもらっても困る)という両方のニーズをかなえる策として、今回の処置はなかなかのアイディアだったなと思います。
欲を言えば(健康に支障のない範囲で)ユースの育成などはもうちょっと現場でのアドバイスをして欲しかったなあという気持ちもありますけど。

posted by あきっく| 2008-06-06 00:00

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