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2011年12月09日

我慢の勝利。

 さて、今年の総括の声がちらほらと出てくる中で焦りを隠せないオレ(汗)。

 買ってきたサカマガの中にウッチーの手記がある。その中に'「我慢の戦いを乗り越えてきたからこそ、今回の昇格があると思っています。」という文がある。新聞記事も全部チェックできてないけど、今年の石崎コンサは我慢の勝利に集約されると思う。サカマガの手記があったからというのもあるが、この記事が非常に印象に残っている。

○強豪スティーラーズで受け継がれるチーム哲学(前編はこちら、後編はこちら)

 カテゴリーは違うが、ピッツバーグ・スティーラーズはJリーグで言えば鹿島あたりを想像するとそんなに外すことはないと思う。残念ながら今年の2月のスーパーボウルではグリーンベイ・パッカーズに敗れたが、スティール・カーテンに代表される強力ディフェンスが売りのプレイオフ進出の常連で、正に強豪の名にふさわしいチームである。

 このコラムの中で特に印象に残ったのは

 「我々は、いい人を選んで、その人を信じ、忍耐強くやっているだけだ。
 もちろん、成功する保障などはない。どのスポーツにもアップダウンはあるものだ。
 だけど、いい人を選んでおけば、いつでも成功できるチャンスを秘めている。
 いい人材を選んで、忍耐強くなる。これがおじいさん(アート・ルーニー1世)の
 代から伝わる、今でも変わらない経営哲学だ」

 というくだり。

 去年の最終戦、コンサは岐路に立っていた。石崎監督が「頑張ってください」と他人事のようにもとれる発言をし、13位という成績を考えれば監督交代はあっておかしくなく「石崎、どーなのよ?」という空気がかなりあったのは否定できない。成績に関係なく3年は任せるつもりだったのか、めぼしい後任が見つからなかったり断られたりしたのかは想像に任せるしかないけど、フロントは動かない決断をした。どちらを選ぶにせよ、苦渋の選択だったことと思う。
 開幕戦のアウェイ愛媛戦はガチガチに堅くなり全く動けずの0-2負け。その後もゴール欠乏症はおろかシュートすらロクに打てず、室蘭での横浜FC戦ではシュート2本に終わる体たらくで惨敗。石崎監督も自身初めてと述懐するほどに味わった屈辱。サポもつらかったが、最も我慢を強いられたのは他ならぬ石崎監督だろう。

 でも、ここで石崎監督のクビを切らなかったのは正解だったと思う。

 監督交代をすることが必ずしも成績向上に結びつかない。ギャンブルを打てるほどの経営的な体力はコンサにはなく賭けに出たくても出られないのもあったかもしれないが、ここでブレなかったのは大きかった。フロントも続投を決めた段階で途中解任は考えていなかったと思うし、サポも成績がどうなるかという不安を抱えていたにせよ03年の迷走を思えば覚悟は決めていただろう。
 まあ、代えなかったから昇格できたとかいうのはどこまでいっても結果論になる面があるんだけど、もし、石崎監督からスイッチしたとして果たして昇格ができたかどうか、選手・監督・サポが距離を縮めることができたかどうか(岡山の加入はさておいたとしても)、ここまでドラマティックなシーズンを送ることができたかというとちょっと想像ができないんである。

 ざっと振り返っても、室蘭での試合以降、石崎監督もある意味理想を捨てて勝ちにこだわった。純貴の岐阜戦・栃木戦・愛媛戦でのゴールからサブ組が活躍し始めた。もちろん、純貴だけじゃなくヤスや上原もゴールを決めているし、ジオゴの加入もあってやっと歯車が噛み合ってきて結果を出した。結果を出せたことで地獄のアウェイ連戦の中「負けたらホントにヤバい!」という徳島とのアウェイでの直接対決も制した。しかもユースの奈良がスタメン起用に見事応えるというオマケつき。アウェイ草津戦の痛恨の敗戦で一時は昇格の可能性がなくなりかけたにもかかわらず平塚で盛り返し、最終節の超満員のドームで勝って昇格を決めたのはコンサに関わる人たちがじっと我慢して支えてきたご褒美ってのは妄想入りすぎかな?(苦笑)

 前フリに用いたチームの1つのグリーンベイ・パッカーズは言ってみれば市民球団でコンサの理想像の1つの姿。今年は12連勝で早々と地区優勝決定。スーパーボウル連覇はおろかパーフェクトシーズンの期待もかかる。浦和みたいな金満クラブにはなれそうもないけど、今年はユースから5人もトップに昇格する。
 ユースからコツコツと育成してきて昇格という美味しい果実を持っていったのが石崎監督というのはちとイジワルかもしれんが(苦笑)、三浦コンサの時と違うのは石崎コンサはどこか一本芯の通ったところがあるというか、クラブ全体で勝ち取った昇格というのを強く感じさせるところにある。我慢のしどころさえ間違えなければ「山椒は小粒で・・・」というクラブにはなれるんじゃないかな。

 ・・・って結局、妄想の垂れ流しだなこりゃ(滝汗)。

posted by フラッ太 |19:04 | ちょっとカタい話 | コメント(3) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:我慢の勝利。

こんにちは。
私もアウェイ千葉戦の頃までは監督交替もありだと思っていました。
でも、今思えばやはり監督を替えなかったから昇格できたのではないかと。
フロントも成績の上がらない監督をそのまま続けて起用するよりは、監督を交替させる
ことによって低迷したままシーズンを終えた際の言い訳にもなると思うんですね。
でも、うちのフロントはそれをしなかった。そして、運が良かったのかも
しれませんが、きちんと結果を残した。
これって、ある意味すごいことだと思っています。

posted by arroz | 2011-12-11 11:03

Re:我慢の勝利。

NFLと絡めた話になれば、私が出るしかありませんか(笑)。
実は今日はCVSの交流会でして、昨年末のそれこそ他人事のような監督挨拶を回顧する矢萩社長の挨拶に場内は爆笑。ですが終わりが良かったから全てを笑って振り返ることができるわけで、ある意味恐ろしいこととも思います。

スティーラーズの場合は近藤さんのコラムにある通り忍耐ということを明確な経営哲学に掲げていますが、コンサドーレの場合は残念ながら未だその域までは行っていないと感じます。石崎さんの続投にしても、監督を信じ続けたといえば聞こえが良いですが、むしろ本文中の「ギャンブルに出る体力が無かった」のが実態に近いと私個人は思っています。といっても監督交代のような荒療治は一定程度予算の裏づけがあるチームでなければ混乱を助長するだけだと思うので、ウチの場合はこれで良かったと思います。

コンサとスティーラーズ、グリーンベイもそうですが、歴史の差がありますから、いきなり彼らの域を求めるのは無理でしょう。成功と失敗を繰り返す中で、こういう哲学が確立されるのは、やっぱり我々の孫くらいの世代になってしまうのかもしれませんが、是非ともしっかりした柱を作っていきたいですね。

GBは市民球団ですが、州全体に支持者がいるからこそあの経営が成り立っているわけで、札幌も最低でも北海道を固める、さらに言えば全国から支持者を集められるクラブになれば、アジアも見えてくる。。。かな。

posted by Gekitei | 2011-12-11 21:54

Re:我慢の勝利。のお返事。

 >arrozさんへ

>フロントも成績の上がらない監督をそのまま続けて起用するよりは、監督を交替させる
>ことによって低迷したままシーズンを終えた際の言い訳にもなると思うんですね。

 こうなるのが一番怖かったですね。
 “作り直す”のであれば途中解任などしなくたっていいし、
 却って責任の所在がどっちつかずになっていたでしょうから。
 それだけ03年の迷走がひどかったとも言えますが・・・。

 石崎監督の求心力に懸けた面があるのかなとぼんやり思っていますが
 それにしても今年は運に恵まれましたねぇ(笑)。

 >Gekiteiさんへ

 HFCとしては石崎監督に今年はやれるところまでやってもらって
 成績如何で来年以降をどうしようかと考えていたのでは、と思ってます。
 今年は幸運にも昇格できたからいいものの、監督選びに関してはどこまで本気だったかというと
 あんまり信用できないかなあというのが正直なところです。

>監督交代のような荒療治は一定程度予算の裏づけがあるチームでなければ
>混乱を助長するだけだと思うので、ウチの場合はこれで良かったと思います。

 貧乏所帯には監督を取っ替え引っ替えするなんて芸当はできやしません。
 これという監督をしっかり選んでいくというのは裕福なクラブ以上に大切です。

 大卒の即戦力となれそうな人材をコンサに引っぱってくるのは難しい代わりに、ユースは囲い込みができてトップにあげられる人材を育成しやすい。三浦コンサから石崎コンサにかけて選手の編成に関してはベースとなるモノは見えてきたので、あとは如何に引っこ抜かれないようにするか(抜かれてもダメージを最小限にするか)でしょうか。

>GBは市民球団ですが、州全体に支持者がいるからこそあの経営が成り立っているわけで、

 一番のネックはここですよねぇ。NFLは特にそうですが、行政も住民もお金を出すことを是としているからこそスタジアムの拡張や改修も話が通りやすくなる一方でコンサはそのへんの信用が・・・(滝汗)。
 であるからこそ、来年は何がなんでもJ1残留を果たしたいし、できることなら一時期の大分のような“旋風”を巻き起こして地元愛に訴えかけることができればとは思うんですが、道はまだまだ遠いです。

posted by フラッ太| 2011-12-12 15:16

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