スポンサーリンク

2023年05月29日

“アリウープヘッド”を掘り下げてみる。

>形を変えた宮澤推し…

  勘のいい方は仰々しいタイトルで察したことでしょう。今回は戦術厨ネタ。

 アリウープと言えばバスケの華。空中でパスを受けてそのままダンクを叩きこむアレである。スティールからわざとボードに当ててリバウンドを叩きこむ見せプレイor舐めプなものもあるが、正統派のアリウープは決まると実にスカッとするプレー。

 名古屋戦での宮澤の惜しいヘッドも“点で合わせる”意味ではアリウープに似ている。

 原型としてはCKでのニア飛び込みだろう。振り向けばブーツェンならぬ忘れた頃のニア飛び込み。17清水、19神戸と実際にゴールを決めたこともある。先に触れれば守備側はほぼノーチャンスな代わりに、ここぞの時でしか出せないトリックプレーな性格もある。

 今年のミシャコンサはピッチを広く使う一環としてクロスからの攻撃も“もう1つ奥を狙う”プレーが多い。FC東京戦での小柏→菅キャノンなんてのは普通ならあんなに綺麗には決まらん。5レーンで言ったら1つ飛ばしどころか2つ飛ばしだもんね。

 で、宮澤のアリウープヘッドなわけだが、そもそも点で合わせること自体そう簡単ではない。出す側(今回は駒井)にも単に精度が高いだけでなくパススピードも要求される(緩いと相手DFが間に合ってしまう)から双方難易度が高い。1つ奥を狙うのとは逆に1つ前を狙うところもポイントが高い。

 ダイジェストの映像がわかりやすいが、ある意味これがミシャ式の神髄ではないかと。
 相手守備が4バックだろうが5バックだろうが間に入ればフリーでシュートが撃てる。

 シュートが決まる確率が高いのは誰もいないところで撃てる時。
 だったら、ボールの動かし方や人の動き方でフリーのスペースを作ればいいじゃないか。

 制空権となるとどうしてもわかりやすく高さのある選手にボールを集めるみたいなイメージになりがちだが、ミシャはそうは考えていなくて、アリウープヘッドもフリーのスペースを作る延長線上であってそれが今回は地上ではなく空中だっただけ、みたいな。

 チームのスカウティングでここが空きやすいよとかのデータはある程度頭にあると思うし、間を狙うという基本コンセプトからすればあのパスは出せておかしくはないのかもしれんけど、さながらアメフトのタイミングパス1発でピンポイントに通すのはよほどしっかり仕込んでないと…とは思う。

 アメフトとは違って、受け手はパスを取って終わりじゃなくて、決めきらなきゃならないんだからなあ。17コンサでアウェイ初勝利となったFC東京戦でのジェイのヘッドがいかに難易度だけでなく変態ぶりのレベルが高いかが改めて分かるわ…。

 ただ、今年のミシャコンサは縦に速く、そして裏を積極的に狙うことでより間を狙う意識が高くなっている。横の間、だけでなく縦の間を狙うってことだね。今まで積み上げてきたものがよりフリーなスペースを作ることに役立っている。同じ作るでもmakeではなくcreateを感じるからミシャサッカーは面白い…というのはちとオチにしてはキザすぎかな(苦笑)。

posted by フラッ太 |14:05 | 戦術厨の戯言 | コメント(0) | トラックバック(0)

2023年05月27日

タテはタテでも…。

>11,000ってのがいいのか悪いのか…

 ホーム名古屋戦は1-2の負け。地上波でオンタイム視聴。

 率直な感想としては「らしさ」が出た試合といったところ。
 結局は名古屋にしっかり守り切られたので悔しさはあるが、ネガとポジが半々。

 ほこ×たて対決で注目が集まったが、
 タテはタテでも守備の堅さの盾よりも縦に速い健太サッカーの圧力に屈した。
 上位を争うクラブと中位どまりの差をいろいろと感じたってところかな。

 いきなりのやらかしで失点するのも半ばお約束と化したミシャコンサ。そこに腹が立たなくなっているのはいろいろとマヒしてるんだろうなあ。上位を争うチームはそういうミスをしっかり咎める力があるってこと。

 FC東京の渡邊凌磨が自身のチャンネルで「大八は真正面だと強いけど…」といったことを言及してたようだが、今日の大八はユンカー相手に苦戦していたようにも見えた。FC東京戦でもアダイウトンにあっさり抜かれた場面があったが、そういうところで新たな課題は出たのかな。

 個VS個では今日は森下にやられたかな。代表選出はダテではない。縦に速いのはユンカーや永井だけではなくてこの森下も相当な脅威。斜めにコースを取ることでより抑えるのが難しくなっていた。

 名古屋はずっとベタ引きってわけでもなくて、前プレに行くときは行ってという守備のメリハリが効いていた。今のトレンドに乗っているという意味でも健太サッカーの縦の速さにペースを掴めずじまい。ユンカーに抜け出されて大ピンチの場面で福森がギリギリ防いだ時は「おお、福森も進化している!」と思わずビックリしてしまった(←失礼だなおい!)。

 金子にはダブルチームでついてしっかり防ぐなど個VS個の戦いで基本的に劣勢に立たされた中で前半0-1で凌いだことは進歩。菅OUTルーカスINは妥当。菅はカードもらってたしね。サイドで優位をなかなか築けない状況でで上手くつなぎ役をこなしていたのが荒野と宮澤。荒野はもうあれくらいできて当たり前だったが、今日の宮澤は後半15分あたりからだいぶバテバテで相当辛そうだった。

 浅野に気を取られているところへ相手守備の裏をかいての飛び込み→ヘッド。
 宮澤の真骨頂なプレーだったが、あれを外したのが悔やまれる。脚に来てたのかな?
 京都戦でも1つ惜しいのがあったよね?たぶん形として作っているとは思うんだけど…。

 しかしまあ、ユンカーと永井を早々に引っ込めて完封勝ち狙うとか
 随分とナメた真似してくれるじゃねーか。

 二枚落ちでプラン通りに完封負けなら相当な屈辱と思いつつも金子の意地の一撃。
 これは本当にうれしかった。金子があんだけ煽るとか気持ち入ってたんだろうなあ…。

 このゴールは同じ負けでも意味のあるゴール。ここはポジティブにとらえたい。
 今までやってきたことをやり切ってのゴールだから。

 上位と中位の差は歴然とある。それは今日の試合でわかった。
 強いて言うならコンサに足りないのは“理不尽さ”かな。
 わかりやすい例だとジェイや都倉といった高さでアタックで盾ごと叩き割る力。

 それダイレクトでズドンと行くのか!っていうマテウス、左アウトサイドでニアをブチ抜くはずがランゲラックに弾かれる。そういう理不尽さが上位にはある。と同時に、それはコンサのクラブ規模では容易に手に入らないものでもあり、そう簡単には差は詰められないということでもある。

 さしずめ、ミシャコンサはリアル系縛りでクリアを目指すスパロボみたいなもん。
 そういう意味では限界を感じたと同時に「ここまでできるんだ…」という思いも持った。

posted by フラッ太 |16:55 | 試合後の印象 | コメント(2) | トラックバック(0)

2023年05月26日

もがく大嘉。

>今の彼を獲りに来るところが果たしてあるのか…

 コンサの番記者である保坂さんのツイートtでひとまずは近況が明らかにはなったものの
 休日返上で自主トレに臨んだ大嘉がケガをして水曜日の試合を欠場した。

 ケガの具合もさることながら大嘉のメンタルが非常に心配である。

 人の気持ちなどそんなに簡単にわかるわけがない、と思いつつも、ウルトラポジティブな大嘉をもってしても今回のケガは心身共に相当堪えているんじゃないかと覆うのだ。

 序列的にもベンチに入れそうで入れない、カップ戦で出番を得ても思うような結果に結びつかない。特にFWはゴールというわかりやすい評価基準がある以上、点を獲れない限りはチーム内でさえ“出世”は覚束ない。

 そこにこだわるあまり自分が決められないことにガックリしているところに「お前1人でサッカーやってるわけじゃないんだぞ?」なんて声を見聞きすれば、その声に対してよりも自分に矢印を向けてしまう。自分を責めるまではいかないにしてもプロ選手としての危機感があるからこそ思い悩むことも多いはず。

 折しも、コンサは今リーグ3連勝と上昇気流に乗っている。一方的に殴り倒した試合もあれば逆転勝ちで勝ちを手繰り寄せた試合もある。そんな中、自分がその輪に加われていない、自分が取り残されているような焦りを持っていても何らおかしくない。ましてや、水曜日のカップ戦では直接的なライバルであるトゥチッチもゴールを決めて結果を出した。

 「休日返上の自主トレでケガするとか何やってんだよ…。」
 言うだけなら簡単だ。だが一方で、それほどまでに自分を追い込んでしまっているのも事実。

 取り越し苦労であってほしいが、大嘉がチームの中で疎外感を持っていないだろうか?
 小野や菅野をはじめとして経験のある選手がそのあたりはフォローしてくれていると思うが、
 良い流れに自分が加われていないと自分への自信さえなくしてしまいかねない。

 ケガでは前に進もうにも進めない。大嘉は心身共に今一番キツい状態にあると思う。
 クラブがどういう判断をするかにもよるが、大嘉は間違いなくコンサの戦力。
 大嘉個人としてもクラブとしても明るい未来を築ける道を見つけてほしい。

posted by フラッ太 |12:55 | コンサについて | コメント(0) | トラックバック(0)

2023年05月20日

それでも上を目指すのだ。

>ゆりかごを最後にブッコむ流石のコンアシ

 ホーム京都戦は2-1の勝利。これで3連勝。

 ただ、駿汰と馬場の負傷交代はあまりに痛い。
 一番代えの利かないところが揃って離脱というのは…。

 公式で馬場が途中出場したのに交代とか何があった?と思いきやのアクシデント。
 今日はホームで本当に助かったと思う。アウェイなら同点もあったかも…。

 カテ5南が密かに人気とか、WINNERのオッズで4点以上の勝利が一番低い(!)とか周囲も今までとは違う景色が見られる中で、苦しみながらも勝ち切ったのは大きい。移動なしとはいえ、過密日程は続く。

 正直、来週以降は誰が右CBを誰がやるのかはかなり不安。ケガ人が戻ってきたらまたケガ人。
 禍福は糾える縄の如しではなく、災い転じて福となすにできるか?
 フルでメンツが揃うことはそうあるわけじゃない。上位のチームはそういう時も強い。

 浅野雄也が3試合連続ゴール。上手くプルアウェイ(で合ってるよね?)してのゴール。
 こういうゴールができるうちは(良い意味で)雄也on fire。
 しばらくは攻撃陣に頑張ってもらうしかないかな。 

 今年のミシャコンサで強く感じるのは縦に速くということと、もう1つはマイナスのクロス。

 一番わかりやすいのはFC東京戦での小柏→菅からの菅キャノンだが、マイナスのクロスならオフサイドになることはないし、マイナスでクロスだと横とは違い相手守備の視線がズレやすいので正確なクロスを上げられれば競り合いをさせるよりフリーの状態を作りやすい、結果ゴールも決まりやすい。ジェイのような反則外人が獲れないなら動きの精度や約束事でカバーする。そんな感じで見ている。

 ミシャ式というと5トップのイメージになりがちだが、今のミシャコンサは5人並べることよりもまずはピッチを広く使うことを意識した上での駆け引きが深化している感じ。いつでもイケイケでショットガンフォーメーションばっかやってるわけじゃなくスプレッドやバンチなどを使って微妙に変えてきている。そういう意味では機動力や小回りなどのスピード重視に拍車がかかるのは自然かな。それ故に駒井は右CBに回してほしくはないが…。

 (完全にマニアックなネタなのでこちらを見ていただければイメージはできると思います)

 なもんで、ミシャコンサはフルコートマンツーで守備は1on1で何とかしろっていう極端さだからケガ人が増えるリスクもある。そこを殴り倒して帳消しにってのがここ数試合。先に点取ったら滅法強い健太サッカー相手に新たに明確なキズができたCBを抱えて、それでも殴り倒すことができるのか?そろそろコバ兄の出番かなあ…。

posted by フラッ太 |00:30 | コンサについて | コメント(0) | トラックバック(0)

2023年05月13日

“本家”の意地。

>今日だけは是が非でも勝たにゃならんかった!ハムが赤黒ユニとか喧嘩売ってんのか?と…

 ホームFC東京戦は5-1の圧勝。
 スカッとさわやかコ〇・〇ーラならぬ、スカッドミサイルをブチ込んで大勝利といったところ。
 3-1くらいは行けるかなは思ったが、いいだけ殴ったなあというのが率直な感想。
 ただいまの決まり手は~殴り倒し~やね。

 GW3連戦を通しての感想は「勝たなければならない試合を勝てた」こと。

 …と、ここまでは先週下書きしたところ。
 ネタに走るか真面目に書くか悩んでるうちに今日はアウェイ湘南戦。

 今日の試合も勝たなければならない試合であることに変わりはない。いや、負けていい試合なんて1つとてないんだけど、横浜FC戦が順位的に、FC東京戦はコンディション面でという意味でそうだったわけだが、今日の湘南戦で言えば「連勝&上位進出のために」勝たなければならない、というのがオレの位置づけ。

 失点が止まらぬ湘南相手ともなれば点は取れるだろう、と。あとはどれだけ殴り倒せるかかなあと追っていたが今日も今日とて殴り合い。かつての湘南は走りまくり&殴られたら殴り返すなイケイケぶりだったが、今やそれはミシャコンサが一番顕著。J1全クラブ相手に殴り倒しに行くクレージーぶりはそれこそ本家の名にふさわしい。

 公式の文字情報でしか掴めてないが、今日も雄也&小柏が揃い踏み。
 ただ、立て続けの失点という悪癖が治らんのはどうにかならんもんかのぅ…。

 FC東京戦が特に印象深いんだけど、
 今年のミシャコンサには“速さが正義”を強く感じる。

 小柏がいるといないとでは別チーム。

 今年はそんな言われ方をしてるけど実際そうだと思う。スルーパスがどうたらこうたらって記事があったけど、単純に金子と小柏が揃った時の右サイドは相当に脅威。金子1枚ならダブルチームで防ぐとかケアはできるけど、小柏までいるとなるとそれが難しい。

 厄介なのは小柏がただ速いだけでなくドリブルもできるのでベタ引きで耐え忍ぶというのも難しい。速さと一言にいってもfastとQuickを兼ね備えている。FC東京戦では浅野にけっこうな鬼パスを出してたことを考えると将棋なら金と銀の2枚分の働きができる選手といってもいいかもしれない。しかもそれが小柏だけでなく浅野もとなると…。

 これでジェイのような選手がいれば…と贅沢を言いたくなるが、まず無理だろう。というのも、動いて点を取ることに特化して来ているからデンと構えて高さでアタックなFWは現状居場所がない。モビリティを損なわずに高さ(空中戦)で勝てる選手などそうそういまい。いたとしてもコンサのクラブ規模では残念ながら引っ張ってこれない。そういう意味では大嘉がスタメン張るのは相当に難しいとも言える。

 …しかしまあ、まだまだ上を目指す立場とはいえ、コバ兄・青木・ゴニを欠く中でここまで殴り倒せるってのは仕込みの巧さあってだよなあ。両サイドに菅と金子というタイプの違うWBがいて、小柏と浅野がいてとなると的を絞りにくいことこの上ない。しかも忘れた頃に駒井が絡んできてゴールを掻っ攫う。駒井ゴール不敗神話も継続だしね。

 速いと巧いに特化するとここまで殴り倒せる。
 少なくとも攻撃には期待を持ってよさそうな今年のミシャコンサである。
 まだまだ若いチーム&上を目指す過程にあるので立ち位置としてはベンガルズだが、
 ハイパーオフェンスぶりはチーフスっぽいか?
 

posted by フラッ太 |18:55 | 試合後の印象 | コメント(2) | トラックバック(0)

2023年05月04日

コンサの番付とスパゲッティ対決。

>またしても“レクチャー”な試合となってしまったのか…

 ホーム鹿島戦はウノゼロ負け。

 今のコンサなら殴り倒す力はあると思ったが結果を知ると「う~ん、そうかぁ…」と唸ってしまった。帰宅後、少しだけサポーターズブログを覗いて、改めて思ったのは鹿島の腰の重さ。

 序盤で躓いたとはいえやはり鹿島は横綱。じゃあ、コンサの番付はどのくらいなのだろうか?

 実際に試合を観ていないので何とも言い難いところはあるんだが、押し込むことはできていたと思う。じゃあ、鹿島が慌てるところまで追いつめたか?というとやっぱりまだ余裕はあっただろう、とも思う。

 最初は小結くらいには来たのかなと思ってたけど、それは甘い考えだった。
 上位を食う力はある。でも上位を張れる力はないとなると前頭筆頭あたりが妥当か。

 前頭筆頭まで力をつけた、という考え方ももちろんアリ。十両陥落に怯えることが少なくなってきたことを思えばね。でも、“三役になる”ことはできても、“三役を張る”ってのはそう簡単ではない、波の少ない安定した地力を持つという意味で明らかに差や違いがある。そういうところをコンサは求められているんだと思う。

 話がおもいっきり飛ぶけど、CK14本も取って押し込んでるのに枠内シュート0ってところが
 美味しんぼの究極VS至高のスパゲッティ対決を思い起こさせてしまうんだよなあ。
 長くなるので元ネタはググってもらうとして…。
 特に鹿島が相手だから余計にコンサの“軽さ”が際立ってしまうというか…。

 正直、今の鹿島は全力が100だとしたら60、せいぜい70がいいところだと思う。新しいことをやろうとして上手くいかず、4-4-2に戻してできるところからやり直してみようというプロセスの中で己を取り戻しチーム状態が上向いてきた。そんな印象を持っている。だからこそ、鹿島の伝統が活きてくるんだと思う。

 もっとも、そういう立て直し方ができるのはJ1ではもはや鹿島だけ。幹の太さというか、伝統に裏付けられたクラブの厚みというか、今まではその壁を見上げるだけだったのが今日は真っ向勝負で真正面からぶつかってその厚さを体感することができた。

 …というわけで、試合の中身に全く触れないひたすら情緒的なレビューはおしまい。

posted by フラッ太 |00:00 | 試合後の印象 | コメント(5) | トラックバック(0)