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2010年12月30日

第三楽章の始まり。

 タイトルがなかなか浮かばなかったが、この方のエントリーでやっと形にすることができた。

 今年のコンサドーレは13位に沈んだ。

 昇格候補と目されながら全く昇格争いに絡めずガッカリなシーズンであっただけでなく、相次ぐ選手の移籍や退団で外野からはチーム崩壊とまで言われた。一言に退団と言っても上位クラブへのステップアップを目指す移籍もあるので全てがネガティブなことになるわけではないのだが、まあ世間一般から見れば“終わった”感じを受けるのは否定できない。

 2010年は区切りの年。

 そう言えば格好はいいけど、成績の低迷で区切りをつけさせられたというのが実際のところではないだろうか。とりわけ、征也や大伍などユースから少しずつ成長してきた選手が「さあ、これから!」という時に揃ってJ1に移籍してしまう現実を突きつけられるとどうしたって下を向きたくなってしまうというもの。結果を出せないとこういう目に遭うのだというのを嫌というほど思い知らされた1年だった気がする。

 僕はコンサドーレというクラブは2004年にリスタートしたと思っている。柳下・三浦・石崎と続いた7年間はJの一番下からの再出発。チーム数の違いもあるので一概には言えないけど、ヤンツーさんの3年間とその後を引き継いだ三浦さんの1年間、計4年でJ1に辿り着いたことは僕は素晴らしいことだと思う。1年ですぐに逆戻りしたけど、その1年を過ごしたことで見えてきたこともあったし、足りないモノも見つかった。
 昇格と降格を繰り返すクラブはよくエレベータークラブとか、もっとすごいのだとたまに浮上するから潜水艦クラブなんて揶揄される。けど、7年間でこれだけ上がったり下がったりを繰り返すその落差の大きさといったらエレベーターどころの話じゃない。「そんなスリルあるエレベーターになんぞ怖くて乗れるか!」ってなもんだ。だから、エレベーターだの潜水艦だのと言われても気にしない。その意味ではエレベータークラブの称号は紫色のクラブが・・・。

 コンサドーレはジェットコースタークラブだ!
 
 半端な覚悟じゃ乗れないんだぜ、ちょっとやそっと揺れたくらいでビビってちゃ赤黒のサポは務まらないぜ。コンサドーレは弱いとか馬鹿にされたら半ば開き直って逆ギレ気味にふんぞり返りたいくらいである。ちっとも偉くないけど(汗)。試しに乗ってみたら想像以上でビックリした。そこからハマるかイヤになるかはその試合によるだろうけどさ。

 今年が周りの期待と反比例するような結果に終わって、チーム崩壊とこき下ろされた。
 じゃあ、今までのことは全部無駄だったのか?今までのことは全部なかったことにできるのか?

 んなこたぁ、ない。

 どんなに屈辱だ、忘れたいシーズンだと思っても13位という結果が覆ることはない。残ってほしいと思う選手を引き留めることができなかったり、より上のレベルで戦いたいと思う選手を泣く泣く送り出さざるを得なかったり、いろいろキツい現実も受けとめなきゃならない。

 ・・・で、何の話だったっけ?そうそう、第三楽章の話だ。
 チームができてから2003年までを1つの区切り、2004年から今年までをもう1つの区切りとするなら、2011年はまた新たな“物語”が始まるということ。楽曲で言えばさしずめ第三楽章の始まりってことを言いたかったんだ。征也や大伍がコンサを去ることでその思いはいっそう強くなるけど、03年から04年の時のような隔絶した年越しじゃないし、古田や三上など新たな力が生まれてきた。

 あの時を思えば、第二楽章と第三楽章は“線”でつながっている。
 思い通りの選手は獲れないということを改めて知った。戦い方がブレればクラブの針路も迷走する。ならば、“やり方”をまずはしっかり固めよう。それは試合での戦い方だったり、外国人選手(助っ人、傭兵)の転売だったりユースから地道に育てたりといろいろある。区切りの年であれば監督を代えてやり直すという選択肢もあった。内幕はどうあれ、来季も石崎監督が指揮を執るということは少なくとも試合の戦い方は変えずにいこうということだから悪い選択じゃないと思う。
 というか、やり方さえ変えなければ監督が誰であるかというのはさほど重要じゃない(戦術がないから誰でもいいなんて混ぜっ返すのはあらかじめ却下しとく)。ヤンツー→三浦→石崎とある意味節操のない路線変更をしたことで迷走するハメにもなったんだし・・・。強化部もだいぶお膳立ては頑張ってるし、今度は現場を仕切る監督に頑張ってもらうことになる。無論、フロントも現場監督に投げっぱなしじゃなく、やり方を継続させるために何が必要かというのを探し続けることに変わりはないけどね。

 結果で評価されるのがプロだし「石崎がいる限りはなぁ・・・」という人もいるだろうから、石崎監督が続投するのは第二楽章と第三楽章をつなぐ“線”としては弱いかもしれない。でも、石崎監督以外にも楽章をつなぐ線はある。

 それは、“俺たちの”砂川誠。

 砂川誠はどん底の時代からずっとコンサに在籍した。してくれた、というくらいに強い思い入れのあるサポーターもきっと多いことだろう。劇的なまでにラストゲームの主役になりながらコンサを去ることになり別れを惜しんだと思いきや、急転直下の再契約。

 俺たちの砂川誠が還ってくる。
 ちょっと照れくさいけど、でも、再び赤黒のユニを着て戦ってくれる。
 
 “戦友”の帰還はぽっかり空いたサポーターの大きな心の穴をきっと埋めてくれるだろう。どんなに苦しいことがあっても、共に戦ってきた俺たちの砂川誠がいるという事実がサポーターの心を奮い立たせてくれる。#8のコレオはサポーターがひとつになれるという何よりの証。
 赤黒のサポーターは時には力になれずに罵声を投げつけるだけかもしれない。でも、時には12番目の戦士となってピッチ上の選手の背中を押すこともある。サポーターは試合を眺めているだけのただの“お客さん”じゃない。

 去っていく選手には大いなるエールとほんの少しだけ嫉妬と怒りを贈り、
 新たに加わる選手やそこから生まれるハーモニーにワクワクする。
 そんな幕間のひとときを経て始まる第三楽章は何が待ち受けているのだろうか。

 ・・・キザモード1000%増しだなあ(滝汗)。

posted by フラッ太 |08:00 | ちょっとカタい話 | コメント(4) | トラックバック(0)