2008年11月12日
今後のためのヒントを見つけたくて
「ナンバー」誌715(オシム父表紙)には主にサッカーのことで特集がある。いろいろな人が出て、それぞれに得るものがあって面白かったのだが、その中から現状のコンサを考える上で思う部分があったので取り上げる次第。 一つは今やその名を知らぬシャムスカ監督にまつわる話。2005年深刻な不振に見舞われたトリニータは、前年ブラジルで紹介された「限られた予算で最大の結果を出す監督」シャムスカと連絡を取り、好感触を得る。以下はその時のやり取り。 「地方のクラブでカネがありません」 「それはいい。厳しいところで挑戦するのは、わたしの望むところだ」 「目下、最下位ですが」 「ということは、残留させたら自分の価値を大いに上げられるね」 前向きな反応に、溝畑宏社長はピンと来た。 「この男には、トリニータの心がある」 苦境を好機と捉えるシャムスカの感性は、財政危機や昇格目前にしての挫折といった幾多の困難を乗り越えてきた、トリニータと溝畑の生き様に共鳴した。 もう一つは、これまた知らぬ人がいないであろう、グルノーブルGM祖母井氏のことばから。 日本のクラブは、まったくサッカーを知らない社長が親会社から出向して何年かを過ごし、さあこれからというときに人事異動でまた新しい人が来る。運よくそのひとにサッカービジネスの感覚があればいいけど、企業で経営能力に優れていても、それだけで務まるものではありません。なにか問題が起こったときに-GMがその分析をしますが-問題点をサッカーを知らない人に伝えるのは難しいからです。そして問題を正しい方向に導くには、確固とした哲学が求められます。 監督も同じで、選ぶ基準はコーチング能力ではないです。練習や試合を見れば、それはすぐにわかる。それよりもこの人は魅力がある、この人と一緒に仕事をしたいと思えるかどうか。 これをもって、自分の意見だ、ということではありません。 昨今のもろもろの動きを見るにつけ、何が大事なのかに気づかせてくれ、また考えさせてくれます。
posted by akira37 |07:21 | 雑記 | コメント(1) | トラックバック(0)