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2008年12月15日

180°から360°へ -西の飛躍を期待-

今季、FW、両SH、CHと色々なポジションで使われた西。
今後もう一皮向けるためには、“サイドから中央へ”、“180°から360°へ”
より広い範囲の状況判断とその判断の早さを求められるだろう。


【道スポ】札幌の2選手が契約更改 西、佐藤ともに保留(12/14 07:49)
来季は中盤一本で勝負したいと考えている。「強化部にも真ん中で、と言ってもらった」と西。
ボランチは今季初めて経験したが「自分に合っている。もっと突き詰めたい」
と360度見渡せる位置でのプレーに、手応えを感じている。

通常、中盤を横に並べる4-4-2の両SHは、選手間でトライアングルを作りにくいため、
パスワークで相手を崩すというよりも、代表格としては昨季のバロンドールを取った
C・ロナウドのように縦への突破が求められる。

従って、西や中山のようなタイプの選手が本来サイドで使われたことは、
縦への突破力よりも守備力と運動量を買われての起用であったため、
三浦監督以外の監督では、可能性は低いだろう。


西は、真ん中、特にトップ下で起用されることを望んでいるようだが、
サイドはラインがあるのでラインを背後にすれば自分の周囲180°の対応でよいが、
真ん中だと360°で対応しなければならず、より多くの状況判断を求められる。

そして、中盤でも相手からのプレッシャーのまだ比較的少ない低い位置(ボランチorCH)で、
前を向いて有効な仕事が出来ないということは、
より相手陣地に近くプレッシャーの厳しいトップ下であったなら、
何も出来ないということを意味する。

今季は、SH、CHの位置で守備の対応に追われ、J1の速い寄せにいっぱいいっぱいかと思えば、
相手のプレッシャーの無いところでも、余裕のない対応をしてボールを失ったりしていた。

そして、守備に余裕がないから、ボールを奪っても次の攻撃への判断が遅れ、有効なパスが出せない。
その意味では、来季、J2ではJ1でのプレッシャーを想定して敢えてトップ下起用もありかもしれない。

自分が得意な攻撃面を発揮したいようだが、そのためにも守備力をもっと磨く必要があるだろう。
川崎Fの中村憲剛など、日本を代表するボランチは、むしろ守備力を磨いてきた。


あとは、三浦監督からも散々言われたようだが、ボールを持っていないところでの動き
オフザボールの動きが、サッカーでは圧倒的に長いのだが、
言ってしまえば何がしたいのかよくわからない位置にいることが多かった。

J1の試合への対応でいっぱいいっぱいだったのかもしれないし、
我々は“上から”見ているので状況がよくわかるのだが、
その位置だとパスをもらえないだろうという位置にいることが多く、
実際もらえなかったし、もらっても相手がすぐ傍にいるので、ボールを奪われることが多かった。
(※試合中の動きをクライトンと比較するとよくわかる。
しかも、あの位置取りだとボールを積極的にもらいたくないかのようにすら思える。)

西は、相手陣地でボールをもって前を向いた時に
攻撃のアイディアを感じるし、ワクワクする選手の一人だ。

本人も大好きな攻撃をするために、相手からボールを奪って自分のものにし、
そして、たくさん攻撃できるように味方からのボールをもらいやすいポジショニングに磨きをかけて、
我々をもっと攻撃でワクワクさせて欲しい。


ボランチ(CH)の位置は、日本人で誰か出てこないときついし、J1で通用しない。
芳賀には本来彼が持っている攻撃センスをもっと発揮して欲しいし、
西、上里、には更なる来季の飛躍を期待している。

posted by whiteowl |14:58 | Consadole Sapporo | コメント(2) | トラックバック(1)

2008年12月13日

点差以上の実力差を感じた試合。 -第34節 鹿島戦-

1週間遅れのレビューとなりますが、
最終節くらいは書かないと今季もちゃんと〆られないと思い書くことにしました。


タイトルにも書いたように結果を見れば0-1の接戦も、内容は鹿島の圧勝でした。
運良く1-1になる可能性もありましたが、名古屋の結果次第ではありましたが、
優勝する可能性の高かった鹿島は慌てなかったでしょうね。

今季21得点でJ1得点王のマルキーニョスが、この試合では大ブレーキ。
マルキーニョスの不調にも助けられました。
彼が決めていれば、開幕と同じ0-4くらいで負けていてもおかしくなかった。


序盤の15分くらいまでは、札幌が前線から積極的にプレッシャーをかけ
ペースを握りましたが、鹿島は慌てずこれを受けとめた。

鹿島と札幌の違いは、一つにクロスの質の違いがあると感じました。

FIFA技術委の報告書で、得点になりやすいゴール前に入ってくる
ボールの方向のベスト3というのがあるそうです。

①マイナス方向 ②後方から ③真横から

①は、ゴールライン際から自陣方向に出される、マイナス方向のパスとクロスです。
シュートをうつ選手にとって、ボールとゴールとGKを同一視野に入れやすいので、
比較的ゴールしやすいといわれています。

ただ、真横からのクロスは、簡単に入る割には成功率が低いということ。
(※後ろからのパスは、ボールがゴール方向にすでに飛んでいるので、
合わせるだけで入ることが多いということらしいです。)

そして、この試合を通じて、真横からのクロスや背後からのクロスが多く、
マイナス方向のクロスがほとんど無かったのが札幌。
逆に、マイナス方向のクロスが多く、真横からのクロスがほとんど無かったのが鹿島。

この一点だけ見ても、鹿島の優位とチャンスメイクの差がわかります。

前半、積極的な上がりを見せた右SHの藤田ですが、その点では非常に物足りなかったですし、
前半の最後に見せたゴールライン際のシュートのように、ゴールももっと積極的に
狙っていかないとボールを持っても、怖さがあまり感じられません。


この試合は、CHに西と上里の先発でしたが、ボールの落ち着きという点で、
やはりクライトンには敵わなかった。
そして、そこから有効な攻撃につながるパスを出せずに自陣に戻すようなパスが多かった。
CHでの落ち着いたパス回しと、精度の高いパス出しはまだまだと感じました。
そして、守備に追われていた西とは違って、上里は攻撃面を期待されているのだから、
もっと前に飛び出して、ゴール前でボールに絡んでいかないと。


DF面では、だいぶ良くはなっているのですが、
やはり相手との間を開けるという悪癖は最後まで治らず。
不用意に飛び込んで交わされるのが怖いのでしょうが、寄せないとミドルを打たれます。

あとは、特に後ろの選手のパス出しの能力差を感じましたね。
もう少し最終ラインや自陣では、安心してボールを回せないと
攻めがカウンター一辺倒で単調になってしまう。
そして、一つ一つのパスが雑なので、少しずつパスの質が悪くなり、
余裕がどんどんなくなっていって、結局相手に取られてしまう。


最後、一番鹿島との差を感じたのは、ゲーム展開にあわせたプレー。
鹿島は、2連覇するだけの実力のあるチームだなと思うような非常に上手いゲーム運びでした。

後半、札幌は負けているにもかかわらず、最終ラインでボールを回してくる鹿島に対して、
前線から積極的にプレスに行かなかった。0-1で負けようが、0-5で負けようが、
もっと言えば、勝ったとしても残留できるわけではない。失うものなんて何もない。
そんな状況なのに、後半開始早々、前線から積極的にプレッシャーに行かず、
鹿島に悠々と最終ラインでボール回しをさせていた。

こういう時、ブーイングすべきは、鹿島の最終ラインに対してではなくて、
負けているのにボールを積極的に取りに行こうとしない札幌の選手でしょうね。

三浦監督の選手交代で、やっと前線が活性化されて札幌の流れになってきましたが、
相手に合わせるのではなく、もっと状況にあわせて選手が動かないといけない。
しかも、それが一人では意味がなくて、チームとして統一して動かなければ意味がない。


タイトルの通り様々なところで鹿島との実力差を改めて思い知らされる試合となりました。

しかし、2002年に、まだ前後期制だったJリーグを完全制覇した磐田が、
あれだけ強かった磐田が、それから10年も経たずに、今日、運命の入れ替え戦。

札幌と一緒にJ2から昇格した浦和は、その間に
今季は色々とゴタゴタもありましたが、それでも今や常勝軍団に。

変わろうと思えば、短期間で良くもなれるし、
悪くなるのもあっという間、ということでしょうか。

札幌も今季の経験を、ただの失敗で終わらせるのではなく、
今後の糧となるようにしなければいけませんね。

posted by whiteowl |12:22 | 2008 J-league Games | コメント(3) | トラックバック(0)

2008年12月11日

来季の戦力まとめ。

他のブログでも、今までの報道から来季の戦力の整理をされている方もいますが、
私も自分の頭の整理のために書いておこうと思います。

降格札幌決断、レンタル4選手を構想外(日刊12月11日)


GK(2) 佐藤 高原 
  (2) 曳地(?)林(?)

DF(6) 箕輪 曽田 西嶋 柴田 吉弘 堀田  

MF(7) 砂川 芳賀 上里 藤田 西 岡本 岩沼 
  (1) コルドバ(?)

FW(5) 中山 石井 宮澤 横野 上原 
  (1) キリーノ(?)

外国人枠(1)

アジア枠(1)


契約更新すればですが、現在決まっているのは、20人。
(34人体制だったわけですから、かなり減りましたね・・・(・・;))

さらに、来季の加入や復帰が報道されているのが、4人。
外国人枠が、アジア枠を含めて@2つ残っています。
これで全員加入したとして、26人。

来季は、28~29人体制らしいので、残りは2~3人の補強があるということでしょうか。
この枠は現有戦力を見て監督の意向で採って行くのでしょうね。


こうやって見てみると、本当に必要な選手だけを残した感じがします。
今のところ新人選手が上原だけというのも寂しいですが・・・(・・;)
(足が速いという上原は、FWにしましたが、どこでつかうつもりなんでしょうか?)

それと4バック前提ですが、やはりSBが足りない気がしますね。ここは、アジア枠で埋めたいですね。
あとは、キリーノがはずれという可能性もあるので、もう一人の外国人枠で
アタッカーの保険はかけておきたいところです。

残りの2~3人の補強の行方も気になりますね。数のバランスから言って、SBか中盤の選手。
どちらにしても縦への突破力と運動量のある選手と、私はみていますが、さてどうなるか。
新監督の色も出るでしょうから、この残りの補強も楽しみです。

posted by whiteowl |14:48 | Consadole Sapporo | コメント(4) | トラックバック(0)

2008年12月10日

ダヴィの移籍と札幌縁の人たち。

まずは、早々に発表されたダヴィの移籍。

コンサドーレ札幌 ダヴィ選手 名古屋グランパスに完全移籍(公式HP)
2007年シーズンからコンサドーレ札幌で活躍したダヴィ選手が
来季から完全移籍で名古屋グランパスへ加入することが決定いたしました。

シーズン中に、新潟戦で頭突きして退場して、カタールのクラブへの移籍話もあって抜けながらも、
16得点でランク2位は堂々としたもの。

来季は、J1で羽ばたいてくれ!3億円ありがとう!


ちなみに、シーズン開幕前、ダヴィとノナトで20点という強化部の話だったのですが、
ノナトではなくアンデルソン(4得点)となら、実は目標だった20点ぴったりです(笑)。

そうなると、やはり、失点数の多さがネックだったわけですね。
この件については、また、改めて書きたいと思います。




今季オフシーズン、札幌に縁のある人の名前が目に付きます。


まずは、17位で自動降格が決定し、親会社の日テレも経営不振で迷走するヴェルディ。

J2降格の東京V柱谷監督今季限り退任(日刊)
J2降格が決まった東京Vは8日、柱谷哲二監督(44)の今季限りでの退任を発表した。

J1での監督経験は、チームは違えど、どちらも降格という結果に終わってしまった同監督・・・(・・;)


高木氏が東京V監督受諾へ条件は2つ(日刊)
まずは選手の確保。主力選手を含む11選手を解雇しているが、
それ以外の選手も移籍となれば戦力ダウンは計り知れない。
さらに強化部門の充実。「イニシアチブはどこにあるのか。強化部門はしっかりと確立してほしいね」。

イニシアチブはどこにあるのか?というのは事態の深刻さを表しています。
損失補填してくれる親会社があっても、必ずしもいいことばかりではないという例ですね。



そして、誰かが投げ出した後、2年連続監督をすることになってしまった張さんが再び日本に。

大宮が張外龍新監督を発表(日刊)
大宮は10日、来季の新監督にV川崎(現東京V)と札幌で監督経験のある
韓国出身の張外龍氏(49)が就任すると発表した。

来季から導入されるアジア枠という点では、張さんはもってこいの人選ですね。
札幌にも韓国Kリーグの良い選手紹介してくれないかな・・・(・・;)


これだけオフシーズンに札幌関係者の名前が出るということは、
曲がりなりにも札幌も色々とJリーグで経験してきたということですね...( = =) トオイメ

posted by whiteowl |13:56 | J-league | コメント(3) | トラックバック(0)

2008年12月09日

犬飼さんが提唱し、金子達仁さんが賛成するバックパス禁止ルールはやっぱりおかしい

最近、特に、どうよそれ?と思う記事が多い金子達仁さんに噛みついてみます(笑)。

まず、今回、問題とする文章はこれ。(※下記青字が引用。一部中略あり。)
「ベスト布陣」協会が決めることじゃない【金子達仁】2008年11月28日
犬飼日本サッカー協会会長の発言には納得させられることが多い。

中でも、若年層の試合でバックパス禁止ルールを盛り込もうというアイデアには
諸手(もろて)を挙げて賛成したくなった。

オフサイドしかり、ラグビーのスローフォワードしかり。
英国で生まれたフットボールの本質は、前に行きたがる本能をいかに理性的にコントロールするか、でもある。

だが、最近の日本の場合はいささか状況が違う。前に行くということは、
同時にリスクを背負うことでもあるが、ボールを奪われた責任者になるのを嫌がってか、
異様にバックパスが目立つようになってしまった。

言うまでもなく、ここでいうバックパスとはGKに対するものに限ったことではない。
全エリア、全選手が自分の背後に戻すパスのことである。

本来、このバックパス禁止という発想はドイツから生まれたようだが、
彼らがやろうとするのであれば、日本はもっとやらなければいけない。
そういう意味でも、犬飼会長のアイデアには大賛成だったのだ。


まず、サッカーを少しでもやったことがある人なら分かることなのだが、
バックパスなしでどうやって試合をするのか?という単純な疑問がある。
パスコースがないからと前へ突進するのは、様々な選択肢があって、より有効になる。
日本サッカーの問題点として、積極性のなさも指摘されるが、判断の遅さも指摘されている。

そして、ドイツで実際にバックパス禁止のルールが適用されているというような説明が、
その根拠としてなされているが、これがどうもうそ臭いのだ。

Number12月号P115に、木崎伸也さんがこの件について記事を書いている。
(※下記、赤字が引用)
在独5年になるが、そんなルールは聞いたことがない。
ドイツサッカー協会育成担当は、失笑しながら答えた。
「私たちは前に速い攻めを目指すというコンセプトは通達しています。
しかし、バックパスは禁止していません。だって、そんなことは不可能でしょう。」

同じようなことを訊いて、ドイツの現場の指導者からも笑われている。
前に速い攻めを目指すというコンセプトは打ち出しているが、
その実現は各クラブに任されているというのが実情らしい。

木崎さんは、このことを通じて、
日本サッカーの「全体のサッカー像が明確になってないのに、
細かいルールだけを取り入れようとする姿勢」を批判している。

私は、木崎さんのこの論に全面的に賛成である。


金子さんは、導入の意図に気づいており、犬飼さんの場合も気づいているのかもしれない。
しかし、特に、犬飼さんは、秋春制もそうなのだが、JFAの会長であるのに
何のためにそうするのかという大目標を言わずに、
良いと思ったことを計画性もなしに思いつきで発言する傾向がある。
(※もしくは、その意図をマスコミが敢えて報道していないのか・・・(・_・;)

清王朝末期、中体西用の失敗の歴史を紐解くまでもなく、何でもそうなのだが、
大事なことは、良い結果を招いた枝葉末節の具体策を導入することではなく、
そのコンセプトも同時に導入しなくては意味がないということだろう。




ちなみに、金子さんのこの後に続く、
天皇杯のベストメンバーは協会が決めることではない
というこの記事の本論の方は、賛成です(笑)。


posted by whiteowl |14:44 | Column | コメント(3) | トラックバック(0)

2008年12月08日

箕輪選手、札幌へ完全移籍。

週末、体調を崩しておりまして、今日もまだ若干だるいです・・・(・・;
というわけで、鹿島戦は、ダイジェストは見ましたが、試合はまだちゃんと見てません。
上里が、惜しいミドルを打ったみたいですね。


さて、箕輪義信選手 コンサドーレ札幌に完全移籍(公式HP)
川崎フロンターレから期限付き移籍中だった箕輪義信選手が
来季から完全移籍でコンサドーレ札幌へ加入することが決定いたしました。

Good Job!
今季実現しなかった、箕輪、曽田のツインタワーが早く見たい!


天皇杯が残っていますが、リーグ戦が終わったので、次期監督の発表も正式にされるでしょうし、
しばらくは人の出入りの発表が続きそうです。

それにしても、今まで報道で知らされてやっと知ったことが多かったHFCですが、
矢萩さんが社長になってから、公式HPできちんと報告されることが多くなりましたね。
良いことだと思います。

posted by whiteowl |12:30 | Consadole Sapporo | コメント(3) | トラックバック(0)

2008年12月05日

家本主審。 -嫌われた審判を読んで-

オシム目当て買ったNumberに、思いがけず興味深い記事があった。

それは、今年始めのゼロックススーパーカップで、警告11枚、退場者3人を出して
そのジャッジが問題視された家本政明SR(スペシャルレフェリー)のノンフィクション記事だ。


家本SRの真面目さと研究熱心さ、
レフェリー間で彼のジャッジチングに対する評価が高いことが書いてあった。

例えば、無期限停止の処分を受け、その間に、人の動きを解析することに没頭し、
そのフィジカル理論を大体大のサッカー部に伝え、
その大体大が、2部でありながら全日本大学トーナメントで優勝したこと。
家本氏のレフェリングに対して、仲間内だけではなく海外からの評価も高く、
海外からの審判の依頼が多いことなどが書かれていた。

また、今回の無期限停止期間中にも、様々な嫌がらせがあり、
婚約していたフィアンセとの結婚も延期になったことも書いてあった。


しかし、これを読んで私の家本SRへの評価は変わらなかったし、
むしろ、やっぱりそうかという思いのほうが強かった。

私の今までの家本SRのジャッジに対する印象は、真面目すぎるというものであった。
今回の記事は、そのことを示している。彼の判定は、杓子定規すぎる。
2枚目のイエローを、1枚目と同じ基準で出す。
今年のゼロックススーパーカップは、警告11枚、退場者3人を出さねば、
試合ができないほど荒れていたという印象はない。
それが、今季初めての試合で、今季のレフェリングの基準になる試合であったとしても多すぎる。
カードの数が多いということは、すなわち、試合をコントロールできなかったことを意味する。

審判は、試合の統治者であり絶大な権力を持っているが、舞台(ピッチ)の主役ではない。
我々は、審判のカードショーを見に行っているわけではない。サッカーを見に行っている。
選手に一人でも退場者を出すとゲームのバランスが崩れ、試合そのものの面白さをそがれる。
審判は試合をコントロールする一方で、積極的に退場者を出さないようにしなければならない。
審判が、目立ってはいけない。


家本SRの問題は、選手とのコミュニケーション不足にあると感じていた。
それは、以前にも指摘した。ゼロックススーパーカップ-審判考-(3月2日)

彼が真面目すぎるので、毅然というよりかは高飛車な印象を与えて
選手に反感を買っている節があった。
(※それを裏付けるような内容が、該当記事には書いてあった。)

私もアマチュアの遊びに近い試合ではあるが、審判をしたことがある。
人間だから、ミスもあるし瞬時の判断には迷いも生じる。
審判に完璧さを求める人が多いが、それは無理だ。断言できる(笑)。
だから、大事なことは自分の判断を相手に納得させることであり、
そのためには、迷っていると悟られずに自分の判断に自信を持たなければいけないし、
選手とコミュニケーションをとらねばならない。
語弊を恐れずに表現するなら、審判に求められているのは正しいジャッジをすることではなく、
選手や観衆に自分のジャッジを納得させることなのではないか。

例えば、岩政を2枚目のイエローで退場させたシーン。
その前に、家本SRは、岩政のハードコンタクトに気づいていて目をつけていたらしい。
それで、やったからしてやったりではいけない。
しかも、この時、目をつけて待ち構えていて出した判定であるにもかかわらず、
副審に意見を求めた。これでは、選手からの信頼を失う。

この例でいうなら、一言、本人に言えば良い。
「君のプレーには目をつけている、次やったら退場だぞ」と。
このような一言があるかないかで、選手の納得の度合いが違ってくる。
選手が納得した態度を示せば、観客が必要以上に騒ぐこともない。


Numberの記事の後半を読むと、家本SR本人が、
「以前の自分はプロレフェリーとして常に完璧でなくてはならないという意識が強すぎたように思います。
(中略)柔らかい対応を必要とする場面もあると思うし、
目の前の選手たちとどうやって今日の試合を運営していくか、を考えるようになりました。」
と語っている。


延期になっていた結婚式も決まったようであるし、一度の失敗に厳しい日本社会であるが、
失敗から多くのことを学んだ姿を示せれば、失った信頼もいつか取り戻せるだろう。

posted by whiteowl |15:41 | J-league | コメント(4) | トラックバック(1)

2008年12月04日

エジソン。

数日前、エジソンも来季いなくなるのか?と心配していたら、
エジソン選手 帰国について12月03日(公式HP)との発表。

今日の報道は、各紙揃ってエジソン。
【道スポ】FWエジソン緊急帰国 U-20ブラジル選手権出場のため(12/04 10:45)
エジソンは4月28日から練習参加。5月に3カ月のC契約を結び、7月に再契約した。
公式戦出場は、ナビスコ杯川崎戦(5月31日)での途中出場1試合だけ。

三上部長は「18歳で、しかもこの予算で、これだけの能力を持った選手はまずいない。
来年の戦力になる可能性はある」と期待しているだけに、緊急帰国が今後どう影響するのか。


レンタル元のヴィトーリアの意向で、ブラジルの国内大会出場のためという。
エジソンは、今季、公式戦1試合出場。しかも、リーグ戦は不出場。

これに対して、エジソンの価値が下がることを恐れ、業を煮やしたヴィトーリアが、
ブラジル国内の大会へ参加させ、再び移籍先を探そうとしているのではないか。

札幌としては、まだ18歳ということもありフィジカル面も考慮して、
大事に育てる予定だったのかもしれないが、プロとは結果を出してナンボというのを
再び違う形で突きつけられた格好になった。


こういうことをするというのは、ヴィトーリア側が、エジソンに関して焦っているともとれるので、
札幌側がエジソンに対して評価をしていて長期的に考えていることを伝え、
誠意を示してパスを持つ(※要は、金を出す)と言えればいいのかもしれないが、
それは資金的に厳しいのかもしれない・・・(・・;)

資金的に余裕がないということは、外国人の育成よりも、
来季の試合に出すという前提で、外国人の補強をしなければならない。

次期監督の意向次第だが、来季の戦力となり得るなら資金をかけても獲得すべきだが、
ならないのなら、冷たいかもしれないが仕方がない。
寮母さんのブログなどで、エジソンの素の様子も知っているが、
来季の札幌に、即戦力にならない外国人を保有する金銭的な余裕はないだろう。

1年近く彼を見てきたわけなのだから、そこのところの見極めは出来ているはずだ。
必要な選手と感じるなら、それに見合った対価を出す。シビアだが、そういうことだろう。

posted by whiteowl |14:16 | HFCの経営を考える | コメント(4) | トラックバック(1)

2008年12月03日

来季の陣容、見えてきた?

1日の契約満了選手の発表に引き続き、
来季の陣容が、続々と報道されています。

箕輪が札幌完全移籍 堅守復活目指す2008年12月3日(日刊)
川崎Fからコンサドーレ札幌に期限付き移籍中の元日本代表DF箕輪義信(32)が、
来季札幌に完全移籍することが2日、決定的となった。

札幌、坪内らレンタル3選手も退団へ2008年12月03日(スポニチ)
札幌が、期限付き移籍中のMFディビッドソン純マーカス(25=新潟)、
DF坪内秀介(25=神戸)、DF平岡康裕(22=清水)の移籍期間を延長しない


今までの報道が、概ね正確であるという前提での話になりますが、
監督に有力視されている石崎さんが柏で使っていた主なフォーメーションは、4-2-3-1。

フォーメーションだけでいうなら、三浦監督の4-4-2はオーソドックスな布陣なので、
ゾーンディフェンスをどうするかという問題は残りますが、
4-2-3-1への変更はそれほど問題ないはず。

そうなると、曽田、箕輪というJ2レベルでは最強と思えるCB(言いすぎ?(笑))を
揃えられることになるので、レンタルの平岡、坪内を返却したこともあり問題はSBなのかなと。
ただ、両者とも怪我をしており開幕に微妙なため計算できない面もありますが・・・(・・;)

アジア枠で縦方向に運動量のあるSBを探すのが良いのではないでしょうか?
まあ、どこのクラブも同じ事を考えてそうですが・・・(・・;)
SBの補強が急務のような気がします。あくまで、4バック仕様という話ならですが・・・(・・;)

ドイスボランチも重要ですが、ここにはコルドバが来る予定。

1トップには、キリーノが入るとして、その下の3にアタッカーを補強すれば、
ちょっとGKが心配だけど、いけるかなぁ(笑)。GKには、ベテランを補強した方がいいかも。

まあ、外国人が額面通りの活躍をするとは限りませんけれどもね・・・(・・;)
当たりであることを祈りましょう。


紆余曲折ありましたが、何となく来季が見えてきたかなぁ。
その前に、6日は鹿島に勝って景気づけと行きましょう。

posted by whiteowl |11:28 | Consadole Sapporo | コメント(3) | トラックバック(1)

2008年12月02日

大量解雇を良い契機に

今シーズンもこの時期がやってきた。契約提示である。
HFCから0円提示を受けた選手は、来季札幌とは契約を結ばないことになる。

今季は、10人とスタッフ1人がクラブから0円提示を受けた。
(※日刊に外国人4人も退団するとあったので、エジソンもいなくなる?)

コンサドーレ札幌 契約満了選手について2008年12月01日(公式HP)

DF西澤 淳二(34歳)
DF池内 友彦(31歳)   
MF鈴木 智樹(23歳)
MF大塚 真司(32歳)
MF西谷 正也(30歳)
GK富永 康博(28歳)
MF鄭 容臺(30歳)
FW相川 進也(25歳)
DF吉瀬 広志(25歳)
DF上田 常幸(23歳) 

コンサドーレ札幌 契約満了スタッフについて2008年12月01日(公式HP)

コーチ 松井 清隆


札幌とは来季の契約を結ばないということであって、引退ではない。
新天地での活躍を願ってやまない。



さて、今回の解雇では比較的ベテランが多いので、
心配されるのは、今季も課題であったリーダー不在が、
さらに深刻になるのではないかという懸念だ。

早速、藤田が、自分がもっとがんばらねばというような殊勝なコメントを残しており、
若手の精神的な成長にも期待したいが、それだけでは18チーム51試合の
長丁場になったJ2を生き残ることは厳しいだろう。
箕輪が来てくれれば、起爆剤になるかもしれないが・・・(・・;)
選手一人一人が、意識を変えていく必要があるだろう。

オシムの見出しに魅かれて、Numberを買った。
オシム曰く、「チームのキャプテンは、日本では監督が決めるが、選手たち自身で決めるもの。」
リハビリをしていても、相変わらずその言葉には、唸らされる。

その心は、日本では、上のものが責任をとるが、試合に出た選手が、まず責任を持たねばならない。
つまり、若手育成をしているから、結果に拘らなくてもいいということにはならないということだろう。
無責任な環境から、責任感は生まれない。

そして、選手一人一人が当事者意識を持つことで、サッカーについて選手全員が常に考え、
意見を言い合いやすい環境を作ることが大事であるということだろう。


J2に降格するとはこういうことだ!というのを改めて思い知らされた今回の大量解雇であるが、
チームの雰囲気を変える良い転機ととらえて、ポジティブに考えたい。

posted by whiteowl |13:52 | Consadole Sapporo | コメント(2) | トラックバック(1)

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