2011年09月02日
課題は、“スペース”。
燃えろ!コンサドーレ 平川弘の通信簿 前線の縦と横 柔軟に (2011/08/24) >要は縦と横の関係を、状況によって的確に切り替えられれば問題はない。それを石崎さんではなく、自分たちでやれるようになれば昇格できるだろう。 確かに、平川さんの言うように、FWの縦と横の関係は役割が違う。 ただ、最近の試合で、FWが縦の関係の時は、ジオゴと内村のコンビ。 横の関係の時は、ジオゴと近藤になることが多い。 この文章を読んで、私が思った疑問は、二つ。 ①内村と近藤のタイプが違うこと。 だから、選手たちで判断して切り替えることが難しい。 ということを前提にして書いているのだろうか(-"-;A ... 現実的には、選手交代によって、 フォーメーションをいじって、シフトチェンジするしかないのでは? ②ジオゴの交えがいないこと。 ポストプレイヤーの不在は、このチームの積年の課題でもあったので 選手層が薄くても仕方がないとしても、出場停止、怪我など、 ジオゴが出れなくなったときにどうするのか。 ジオゴを攻撃のメインにするのではなく、 オプションで使うくらいがちょうどいいのでは。 まあ、というわけで、そもそも攻撃を活性化するには、FWを縦か横かよりも、 (※2トップが縦か横かとも多少関係ありますけれど、) このチームにはもっと重大な課題があると思うんですよ。
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2010年12月20日
パスサッカーと4バック。 -その4-
過去のシリーズは↓ 2010年11月26日 パスサッカーと4バック。 -その1- 2010年12月07日 パスサッカーと4バック。 -その2- 2010年12月13日 パスサッカーと4バック。 -その3-
さて、まず、前回の続きから。 今まで説明してきたサッカーは、 ドン引きサッカー(≒DFラインを下げたカウンター狙いのサッカー)に弱いという話。 これも“オフサイド”というルールと関係があります。 オフサイドは、自陣側でしか、かけられないからです。 (参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/オフサイド_(サッカー) ) 相手が相手ゴール前に密集しているからと、相手陣内までDFラインを上げても、 センターラインを超えてしまうと、オフサイドトラップをかけられない。 つまり、DFラインの上限は、センターラインまでということになります。 また、相手DFラインが相手ゴール前に張り付いている場合、 そこまで味方FWが追いかけていってプレッシャーをかけ続けるのは難しい。 (※FWよりDFの数が多いし、こちらの布陣も間延びしてしまう。) そして、DFラインにプレッシャーがかからないと、 そこから自由にFW目がけてロングボールが出されることになります。 相手FWは、味方DFとのハイボールの勝負にさえ勝てば、後は、 高く上げられたDFラインの裏の広大なスペースへ進入することができる。
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2010年12月13日
パスサッカーと4バック。 -その3-
パスサッカーをする上で、3バックで中盤や前線の人数を増やして、 パスの三角形をたくさん作るという従来の方法ではなく、 4バックでラインディフェンスをして全体をコンパクトにする 一般的な考え方について説明してきました。 その1では、分かりやすい例として、漫画『GIANT KILLING』のシーンから、 その2では、3バックではなく、 4バックでラインディフェンスをする理由について触れました。 今回は、4バックでラインディフェンスをした上で、 更に、全体をコンパクトにする重要性に触れたいと思います。
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2010年12月07日
パスサッカーと4バック。 -その2-
札幌にブラジルやアフリカから、練習生が来たみたいですね。 “選手の多国籍化”と報じられてましたが、長らく日本や欧州のチームにとって、 安価な“決定力不足解消”の供給源であったブラジルが変わりつつあります。 ブラジルは、近年、経済発展が著しく、 “BRICs”として挙げられるように、通貨レアルの価値が上がっています。 つまり、ブラジルの選手は、 “安くて上手い”という今までの“お買い得感”が、なくなりつつあるんです。 なんでこの話をしたかといえば、 “決定力不足ならブラジルから選手を連れてくればいい” とは、安易に言えなくなってきているということです。 というわけで、安定した成績を残すためにも、 チームとして個に頼るのではなく、チャンスを多く生み出し、 決定力を高めるチーム作りが従来より必要とされているわけです。
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2010年11月26日
パスサッカーと4バック。 -その1-
最近の札幌は、決定力不足が嘆かれ、 “パスを回すサッカーがしたいのか?” と揶揄されております。(苦笑) 実際、パスサッカー or ポゼッションサッカーといわれて試合を見ると、 “パスで繋ぐこと”や“ボールをキープすること”が 目的のように見えるかもしれません。 でも、そう見えたとしても、パスで繋ぐこともボールをキープすることも、 最終的にゴールを奪うための手段であって目的ではない はずなんですよ、一応(-"-;A ... さて、その“パスサッカー”とやらをして、 パス回しが目的ではなくて、決定力不足を解消するために、 決定力のあるブラジル人を連れて来い! という“身も蓋もない解説”ではなく(笑)、 最終ラインにDFを4人並べる4バックでラインディフェンスをする という一見ちょっと関係ないような話をこれからしていこうと思うわけです。 んが、まず、色々と説明するよりも、 ド━━━(゜ロ゜;)━━ン!! とわかりやすいイメージがあった方がいいので、 4バックのラインディフェンスで、DFラインを高く保つことの重要性を 説明してくれている漫画があるので、それを紹介したいと思います。
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2010年07月22日
なぜ札幌のパスはつながらないのか。
W杯で更新をサボっていましたが、その間に色々とネタも仕入れました!(笑) というわけで、今回は個人的なW杯の還元も兼ねて・・・ 先日のW杯中断明けの千葉戦、札幌はパスがつながらないシーンが目立ちました。 なぜ札幌のパスはつながらないのでしょうか? まず、多くの場合、パスがつながらないと パスの“出し手”が下手糞 ということにされます(;´Д`A ``` しかし、パスの出しどころがなければ、他の選手へつなぐパスの難易度は上がりますし、 逆に、パスの出しどころがたくさんあったり、 パスの受け手がどフリーならパスの難易度は下がります。 したがって、パスがつながらない場合、 一概にパスの出し手のみが一方的に下手糞であるとはいえないと思っています。 そして、特に札幌の場合、 パスの受け手の位置取り(ポジショニング)の方に問題があると思っています。
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2010年07月18日
守備ブロックをつくる守り方。 -W杯と三浦札幌の比較-
今回のW杯で、多くの国が採用していた“4-4”で2ラインをつくる “4-4-1+1”のシステム。 札幌もこの守り方を実践して3年前にJ1昇格を実現したことは記憶に新しい。 この守備システムの特徴は、DFラインとその手前でラインを2つつくって ゾーンディフェンスをおこない、ゴール前の危険なスペースを埋めることにある。 2ラインとFW以外の+1の選手をどこに置くかで多少のバリエーションがある。 2ラインの間に、守備専門のアンカーを置けば、より守備的な4-1-4-1になり、 FWにおけば、より攻撃的な4-4-2になる。 いわゆる、“守備ブロック”をつくるという守り方だ。 1つのラインを4人で構成する理由は、3人だと両サイドにスペースができ、 5人以上だと後ろに人数がかかりすぎるため、4人がちょうど良いとされる。 (※実際は、ピッチの横幅に対して4人でも足りないので、本当に危険な場面ではDFラインの人数は増える。) 各国の実力差を埋め、この守り方の有効性が示された今回のW杯という印象がある。 スイスが優勝国のスペインに勝った一戦もこの守り方だった。
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2010年03月03日
フォアチェック(上げ) or リトリート(下げ)?
前回の記事に対して、前に出てフォアチェック(プレッシング)するより、 リトリート(引いて守りを固める)するべきなんじゃないか?というコメントを頂きました。 これもなかなか楽しい議論になりそうな話題です。 CBの1対1の弱さというのが、大分戦の1失点目のように瞬間的に相手に振り切られることだとすれば、 DFラインが前に出る方が危険で、DFラインを引いて裏のスペースを消した方がいいのではないか? こういう場合の解決方法は、DFラインを下げて守るリトリートでしょう。 ですが、私が、引くことをなぜ避けた方がいいと考えたかといえば、 “メンタル”面を重視したからです。 まず、開幕戦、今年一年、こうやって戦うんですよってのを チーム内外に示すことが重要と考えるなら、 石崎スタイルを貫いて、フォアチェックでいくのではないかということ。 また、 >練習試合2連敗に「結果を求めない段階なのに『これがキャンプか?』と思うぐらい食事会場が暗かった」と三上大勝強化部長(38)。 (※[ゴン42歳の挑戦](上)「本物のプロ」の姿勢が若手の意識変えた(2010年3月3日 スポーツ報知)) ↑のように、ベテランを補強しても、突然変わるわけもなく まだまだメンタル面で弱さを抱えているのが現状です。 運良く、先制して2-0になったとして、残り時間が少なくなって引いて守ろうとしても、 必要以上に積極性を失ってしまう可能性がある。 そこで一点返されて、2-1にでもされたらガタガタになる可能性がある。 それなら、むしろ開き直って前に出続けるしかないと考えたのが第一。 次に、1失点目について石川がブログで、 オフサイドをとるか相手についていくか迷ったと書いてありました。 ディレイされずパスの出し手にしっかりとプレッシャーのかかっていないところでの、 DFラインの上げ下げの瞬時の迷いは命取りになります。 出すタイミングすら、わからないと上げられませんけど・・・。 前に行くしかないと開き直っていれば、迷わない(笑)。 この辺りが、私がフォアチェックを支持する一番の理由です。
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2010年01月28日
「札幌は、攻守のバランスが悪かった」 by ハンジェ
広島から新加入のハンジェが、昨年の札幌の印象を [2010コンサドーレ新鮮力](上)昇格請負人・李漢宰(2010年1月28日 スポーツ報知) >「札幌は、攻守のバランスが悪かったと思う。」 と評していた。 以前、“チャレンジ&カバー”と“ゾーンディフェンス”。で、 札幌の課題は、ボールホルダーへのプレスによって生じるスペースへのカバーリング、 パスコースを消すなど、状況にあわせたポジショニングにあると書いた。 ハンジェの言っているのは、おそらく相手に利用されるスペースをつくってしまう 布陣のバランスの悪さのことを言っていたのだと思う。
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2009年12月18日
“チャレンジ&カバー”と“ゾーンディフェンス”。
前回の記事、 “ゾーン”から“チャレンジ&カバー”に変わっても、札幌の守備の課題は変わっていない。2009年12月16日 に対して、色々と表現の不足もあり、反響もありましたので、 もう一度、書いてみたいと思います(-"-;A ...
まず、昨季までの三浦監督の“ゾーンディフェンス”と 今季からの石崎監督の“チャレンジ&カバー”は、何が違って何が同じなのかという点。 大きく違うのは、守備の意識の部分。自分から相手ボールホルダーに積極的に寄っていって “チャレンジ”するのが、石崎監督の“チャレンジ&カバー”。 相手が自分のゾーン(守備範囲)に入ってから、相手のマークに付くのが 三浦監督の“ゾーンディフェンス”。 “チャレンジ&カバー”が、積極的にボール保持者に寄って行くのに対して、 “ゾーンディフェンス”は、相手が来るのを待って、引き込む感じ。 だから、網を張って待ち構えるとか、守備ブロックを作って待ち構える、 “受身”という表現がされます。 その点では、確かに意識の持ち方が、180度違います。 しかし、だからといって、“チャレンジ&カバー”が、 ゾーンディフェンスと180度違う守り方をしていたり、 人に付くマンツーマンディフェンスなのかというと、それは違います。 なぜなら、どちらもまず、積極的か受身かは別としても、ボールホルダーに対して、 プレッシャーをかけに行きます。(※下図1参照。) すると、守備側の一人が相手に寄ったことでそこにスペースができます。 (※下図2参照。) そのスペースを埋める動きのことを“絞る”とか、“カバーリング”と呼びます。 (※絞るのは、どちらかで良い。) この一連の動きは、三浦監督の“ゾーンディフェンス”も 石崎監督の“チャレンジ&カバー”も同じだからです。
・図1 (◎…ボールホルダー、〇…守備側) ◎ ↓ ↑ 〇 〇 〇
・図2 ◎ 〇 〇→ (←)〇
守備側は、基本的に幾重にもラインをつくって守備をします。 人を横に並べることで、ボールを前に運べないように 幾重にも壁をつくると考えればいいでしょうか。 守備をする時に、人を危ないところに隙間なく並べるというこの発想が、 そもそもゾーンディフェンスの考え方です。 そして、守備側が動くことでできるスペースを埋める(=カバーリング)という考え方も、 ゾーンディフェンスの考え方です。 ですから、“チャレンジ&カバー”も“ゾーンディフェンス”なのです。
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