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2011年02月02日

世界一のSBになる。

“目標は世界一のSBになること”

と常日頃から口にしていた日本代表の長友が、
イタリアの名門、昨シーズン世界一のインテルに移籍することが決まった。

今回のアジア杯優勝の活躍も含めた、今までの活躍が認められての移籍だろう。

チェゼーナより更に激しいポジション争いが待っているだろうが、
インテルでレギュラーになれれば、世界一のSBになるという夢は限りなく現実に近づく。


日本にいた頃から、世界で戦うことを常に意識して、
走り方を変えるなど様々なことに取り組んできた長友。

海外でプレーすることが目標と公言する選手は、他にもいる。

長友が違ったのは、

日本で通用していることが、世界でも通用するのかを意識して、

それに実際に取り組んできたからだと思う。


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2010年05月21日

良いイメージを持つこと。

“頭の中で具体的にイメージできることは、実際に動くことができる。”

といったら、じゃあ、イメージできたら空飛べんのか?といわれたこともありますが(笑)、
そういう発想の延長線上に、“ヨガ”はあるのかもしれません。

という実感が私にはある。


ただ、日本では、あまりイメージトレーニングの重要性が認識されていないので、
共感されることはあまりない(-"-;A ...


空手でいえば、稽古は、イメージと現実(自分の実際の動き)とのギャップを
埋めていく作業だと思っている。


>日本武術などの形練習においては
過去の達人であった先人の遣った理想的な形に近づべく修練することである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/稽古



自分の中で理想の形がないのに、その動作を続けることは、
ただの体力トレーニングと同じになってしまう。


だから、手本となる良いイメージを持つことがすごく大切だ。


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posted by whiteowl |13:00 | 武道から考えるサッカー | コメント(2) | トラックバック(1)

2010年03月15日

間合いのとり方の基本。 -武道から考えるサッカー-

相手と距離(≒間合い)をとりたい場合、
多くの人は相手から物理的な距離をとろうとします。


あまり現実的な例ではないかもしれませんが(苦笑)、
一本道を歩いていたら、前からナイフを持った誰かが歩いてきたとしましょう。

多くの人は、相手から逃れよう(≒間合いをとろう)と
“相手に背を向けて”来た道を一目散に戻るに違いありません。

刑事ドラマではよくあるシーンですが(-"-;A ...

相手との距離とお互いの走力にもよりますが、こういう場合追いつかれる可能性は高い。


さて、しかし、山で熊とばったり出会ってしまった時は、
熊に背中を向けて逃げろと言われません。
そんなことをすれば、逃げている最中に後ろから襲われるからです。
(※熊のほうが人間より圧倒的に足が速い。)

熊との距離がある程度離れるまで、熊と正対したまま後ずさりしろと言われます。


まあ、極端な例ではありますが、
相手と間合いをとる場合の重要な要素がこの中に含まれています。


相手との間合いをはかる上で重要なことは、
物理的にどれだけ距離が離れているかではなく、精神的な距離なのです。

逆にいえば、物理的な距離がいくら離れていたとしても、
相手がそれほど精神的に離れていないと感じている可能性はあります。


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posted by whiteowl |14:30 | 武道から考えるサッカー | コメント(1) | トラックバック(1)

2009年10月12日

濡れた芝生でも、足が滑りにくい蹴り方。 -その2 実践編-

前の濡れた芝生でも、足が滑りにくい蹴り方。で、
(※長いので、二つに切りましたm(_ _"m)ペコリ)
蹴る動作の中で窮屈になるため、体のどこかが開くのは、
人間の動作として自然な流れであると書きました。


では、その体に無理が来ている部分を、軸足も体も開かず、
より効果的に解消できる蹴り方が可能かといえば、可能です。

(※ちなみに、このインステップキックの蹴り方の理屈は、空手の前蹴りと同じです。)

その蹴り方をサッカーで実践している選手もいます。

それは、今季マンUからレアルに過去最高額で移籍したC・ロナウドです。

名前を出すと、C・ロナウドだから出来ると言われそうですが、
理屈さえ分かれば、後はある程度練習すれば誰でも出来るようになります。

“軸足の開きと体重移動”を意識するだけでも、だいぶ違うと思います。


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posted by whiteowl |17:03 | 武道から考えるサッカー | コメント(6) | トラックバック(1)

2009年10月12日

濡れた芝生でも、足が滑りにくい蹴り方。 -その1 理論編-

先日、かなり寒い中で行われた第44節のセレッソ大阪戦。

特にその前半、札幌の選手がキック後、
濡れた芝生に足を滑らせる姿が結構見られました。

スパイクの影響も考えられるものの、
蹴り方そのものに問題がある可能性もあるなと思いました。


その可能性とは、蹴る時に、

軸足が不安定になる蹴り方をしていることです。


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posted by whiteowl |16:08 | 武道から考えるサッカー | コメント(0) | トラックバック(1)

2009年07月28日

攻められたときに、引かない守り。

昨日も話題にしたCS8月号の石崎監督のインタビュー記事。

その中で、キャンプ中に、攻守の切り替えについて、
スペインのバルセロナの映像を見ていたことについて。


「奪われたときに引いてしまわないで、奪われたときこそ前に出てプレーしている。
だから、カウンターをなかなか受けないんですよね。

ボールを奪われたからといってポジションを下げると、
相手に簡単にパスを蹴られてしまうからカウンターを受けてしまう。

だから、カウンターを受けないためにも、
ボールを奪われたらすぐに前へ出ることを選手には強く意識させています。」


空手の“かわし”のコツと同じだなぁと。


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posted by whiteowl |16:53 | 武道から考えるサッカー | コメント(2) | トラックバック(1)

2008年11月18日

コーチの言うことだけ聞いていたら良い選手にはなれない。

15日に書いたGK。へのコメントで、
選手が成長しないのは、コーチのせいではないかというのをもらった。
確かに、指導者の選手への影響力は強いと思う。

しかし、私は、コーチの言うことだけを聞いていたら良い選手にはなれないと思っている。


以前、迷いのある選手へでも、指摘したが、
コーチが言うことは、人によって違うように聞こえる場合があるし、
場合によっては、真逆のことを言っている時もあるだろう。

大事なことは、自分で考えることであり、工夫することだと指摘した。


また、コーチが間違った指導をしている可能性もある。
素直な選手が多い札幌では、それによって自分の良さを失っている場合もあるかもしれない。

例えば、蹴球計画 ~スペインサッカーニュース~で、
正しいインサイドキックについて指摘している。
正しいインサイドキックとは ~まとめ その1~
正しいインサイドキックとは ~まとめ その2~

この批判の根底には、日本でよく見られる膝下を固定して押し出すように蹴る
パター型のインサイドキックは、サッカーをする上でまったく役に立たない、無駄な技術である。
という考えがあるのだが、私はこの指摘は間違っていないと思う。

なぜなら、私の場合は空手に置き換えて解説するが、いくら威力があったとしても、
バレバレの大振りのモーションの蹴りや突きをいくら練習したところで意味はない。
シャアではないが、当たらなければどうということはないからだ。
モーションが大きいというのは、実戦において何の意味もない。

サッカーでいうなら、パスを出す先がすぐばれてしまうような蹴り方をいくら練習しても仕方がない。
プレッシャーの無いところでパター型の蹴り方をすればいいという人が居るかもしれないが、
プレッシャーの無いところなら、正直、どんな蹴り方をしても大差はない。
だから、パター型のインサイドキックを敢えて練習する必要はないといえる。


また、その動作後に、大きくバランスを崩すというのも問題だ。
これは想像以上に致命的だ。なぜなら、動作後すぐに動けないからだ。
これは相手に付け入る隙を自ら与えているようなものである。
サッカーにおいても、攻守でちょっとした出足の遅れが致命的になる場合がある。


従って、武道から考えても、パターのように蹴るインサイドキックは間違いであるといえる。


このように一見理に適っているように見えるが、実はよく考えると間違っている言説が、
大手を振って歩いている場合がある。
だから、コーチの言うことがすべて正しいなどとは思わないほうが良い。
天邪鬼になれということでもないのだが・・・(笑)

確かに、素直というのは一つの素質なのだが、常識を疑う必要もある。
しっかり自分の頭で理解して、その後、実際にやってみて判断することが必要だ。
場合によっては、指導せず考えさせることがその選手にとって良い場合もあるだろう。
よい意味で、周囲の期待を裏切っていかないと良い選手にはなれない。


我々の普通の生活の中でも、私が~できないのは、あの人のせいだというのをよく聞くが、
それを言い訳にしても、本人にとっていいことは何もない。

確かに、日本人は、この手の思考力に欠ける傾向はあって、指導者の影響力は強い。
しかし、大事なことは、自分で考えることだ。
そして、四六時中、選手はサッカーのことだけを考えられるという羨ましい状況にある。
自分でいくらでも上手くなれる可能性はあると私は思う。

プロなのだから、自分の生活がかかっている。
そして、それを他人のせいにしたところで飯を喰えるわけではない。
だから、選手たちが実際どう思っているのかはわからないが、
例えそうであったとしても指導者を言い訳にして欲しくない。

posted by whiteowl |15:27 | 武道から考えるサッカー | コメント(8) | トラックバック(1)

2008年10月28日

守備の破綻は、選手の『間』の取り方が悪いから。

守備崩壊の原因として、三浦監督の用いるゾーンディフェンスのせいだとか、
昨日の「Fの炎」の平川さんの言では、川崎Fの強力な攻撃を
止められないのは、リアクションサッカーの限界が原因だという。

意図することはわかる。ゾーンを意識しているから、出足が鈍くなる。
攻撃する時間が少ないので、結果的に押し込まれる時間が長くって、失点してしまう。

しかし、DFだろうがFWだろうが、守備がゾーンだろうがマンツーだろうが、
サッカーがアクションだろうが、リアクションだろうが、基本は選手間の1対1だ。

守備の基本は、ボールホルダーに対しては、誰かが当たりいかねばならないのだから、
この基本の1対1での対処が悪ければ、どう守ったところで守りきれない。
人が沢山居ても守りきれない理由はそこにある。

従って、根本的な原因は、札幌の選手が1対1での相手選手との間の取り方が悪いことにある。


守備側が相手との間を急激に詰めようとして、不用意に相手の懐に飛び込むと交わされる恐怖がある。
だから、特に川崎Fのブラジル人選手のように上手い選手と対峙した時、
相手との間を開けがちになる。(※その気持ちは、後にも書いたがすごくわかる・・・(・・;))

かといって、相手との距離を開けてしまえば、相手に自由に動き回るスペースを与えてしまう。
その結果、精度の高いパスやクロス、シュートをうたれる結果になる。
だから、極力相手との距離を詰めなければならないのだが、
札幌の選手は、局面で相手選手との駆け引きに負けている印象だ。


↓はFWとしてDFとどう間合いをとるかの解説だが、

蹴球計画 ~スペインサッカーニュース~から、
個人技術 結果からプレーをつくる(逆算) サビオラ

相手との駆け引きという1対1の基本である「間」を考える上で、
非常に参考になる解説だ。(※それ以外の解説も秀逸でお薦め。)



この1対1については、空手の組手と合い通じるものが多いと感じている。
従って、これからは私の空手の組手の経験から考えたい。

相手が強い選手だと、どうしても相手との間をとりたくなる。その気持ちはすごくよくわかる。
まず、空手だと体重差20k以上あると、前に行くのが怖い。
しかし、離れていては絶対に相手には勝てない。
相手の攻撃も当たらないがこちらの攻撃も当たらないからだ。怖くても間を詰める必要がある。
かといって、相手と相対した時に、こちらがおっかなびっくりだと後手に回ることになる。
だが、難しいのは承知で例え受けに回っても絶対に気持ちで負けてはならない。
少しでも、相手の気持ちに気圧されて後ろに下がったら最後、
絶対に相手はそれに乗じて一気に押し込んでくる。
(※ただ、自分の間合いでなら、距離をとるのはいい。これが難しいところ・・・(・・;))

そして、相手と対峙した時、必ず相手をよく見る。
その時、重要なのは、よく見るといっても漠然と相手の全身を見ることだ。

空手の組手の場合、相手の手や足だけを注視することはしない。
必ず相手の全身を漠然と見る。
(※自分から見て、自分の頭の斜め後ろから飛んでくる上段回し蹴りや、
視野の外の横から飛んでくる下段回し蹴りに対して対処できないのは、
視野が狭くなっている証拠である。)
人間は必ず、手や足を動かす前に、どこかに予備動作が入る。
そして、上手い人間は、この予備動作がほとんどない。
しかし、その一方で、フェイントもあるので、
もちろんそれも察知しなければ、相手を止めることは出来ない。
(※フェイントかそうでないかを見分けるポイントは、
相手の重心の位置をよくみることだが、こればかりは感覚的なもので難しい。)
「後の先」とか、「先の先」というのは、この「間」を考える上での極意でもある。



しかし、相手との間を詰める上でやはり精神的な部分は大きい。
こちらに精神的な余裕がないとまず無理だからだ。
しかも、1対1の間は、守備だけではなく攻撃にも活かすことが出来る。
そして、空手とサッカーで大きく違うのは、ボールを持っている人間の方が、
ボールを扱うという行為が増える分、動作の点では不利だという点だ。
だから、基本的にはサッカーは守備者のほうが有利なはずなのだ。

そうはいっても、この状況では自信を持つことは難しいかもしれない。
しかし、それがないとまず止められないし、相手を抜き去ることも出来ない。
(※喧嘩やプロレスなどの格闘技でも、まず相手を威嚇することが多いのは、
精神的優位になろうとすることの現われでもある。)

自分の自信をつけるためにも、以前、箕輪選手と藤田選手が居残りでやっていた様に、
札幌の選手は1対1の練習をもっとしなければならないと思う。

posted by whiteowl |13:10 | 武道から考えるサッカー | コメント(8) | トラックバック(1)

2008年10月09日

迷いのある選手へ

プロサッカー選手でもなかった人間が偉そうに語るなというなら甘んじて受けますが、
これから私が言うことは、空手の黒帯、有段者としての経験から述べることです。


監督が求めているプレイをしているつもり。監督が状況によっていうことが違うので理解できない。
多分、試合の動きを見る限り、選手たちは、そのような不満を持っているに違いありません。


私が空手の指導を受けていた時、例えば前蹴りに対して「強く蹴れ」と
師範は漠然としたことしか言わなかった。(※というか、それは当たり前のこと(笑))
それで、まだ私が白帯であった頃、蹴りが強いと評判の先輩に聞いてみました。
すると、Aさんは蹴って当たった後の押し込みが重要だから、
当たってから腰を前方にぐっと押し込めという。
Bさんに聞くと、体全体で相手に当たることが重要だから
上体が前のめりになるために腰を前に出してはいけない。
同じ前蹴りなのに、二人が全く違うことを言う。
しかも、同じ流派、同じ師範についているのに(笑)。
多分、普通の人はそこで思考停止します(笑)。どうすりゃいいんだと(笑)。
もしくは、どちらかの言うことを信じて稽古するでしょう。

私も悩みました。それで、自分で色々試してみました。
すると、ある日、気づきます。どっちでも強く蹴るという意味では、いいのだということに。
さらにAさんは比較的体格が大柄で、Bさんは体格が普通であるという事実にも気づきます。
そう、答えは一つじゃないんです。状況によって変わるし、人によって答えは違う。
それでいいのだということに。

でも、私は一見矛盾する二人の意見を取りいれ、二人とは別の道をとりました。
体格が普通な私は、基本的に体全体で当たりに行かなければ強い蹴りは出せない。
しかし、そこからもう一伸びすれば、相手に更なるダメージを与えられる。それも事実です。
そこで、腰ではなく膝を曲げて当たってからそれを伸ばすことでそれを実践しました。
結果はいうまでもありません。whiteowlの前蹴りは他の人より強いということになった。

ただの自慢話ととらえてもらっても構いませんが、
相手と同じこと、もしくは、言われたことをただやっているだけでは、
伝えた相手を上回ることは愚か、伝えた相手と同等になることもできません。
自分で言われたことを理解して、違う意見も加味して捉えなおすという作業が必要です。
哲学でいうならば、ヘーゲルの弁証法です。

言葉という代物は、コミュニケーションツールとして不完全ですから、
伝える側は、自分の技術すべてを相手に伝えることが出来るわけではない。
自覚していないコツがあったり、伝えにくいニュアンスがあったりする。
そこの溝を埋めるには、自分で考えて検証するしかない。

だから、私には、師範が漠然としたことしか言わない理由がその時わかりました。
むしろ、漠然としか言えないわけです。
理屈でいわないと他の人に伝わらないから、
明確な理屈で具体的に言わないあの師範は、ダメだという人も居た。

しかし、例えわかりやすい明確な理屈があっても自分で検証して理解しないと意味がない。
大切なことは、言葉の表面的な部分ではないのだということです。


答えは、相手にはない。自分の中にある。



2000年の三浦監督が似たようなことを言っています。
イタリア通信103:<番外編その1>三浦監督 ドイツ仕込みのアウトサイダー(07.2000)

「日本の選手は非常にまじめで、練習でも手を抜かないし、指示されたことを真剣に、きちんとやり遂げる力がある。こういう資質はヨーロッパや南米の選手よりもずっと優れていると思います。大きな長所といっていいでしょう。
 逆に足りないのはフレキシビリティですね。というか、自分の頭で考えて判断を下す能力が鍛えられていない。言われたとおりにこなすことはできても、状況の変化に対応するのが苦手なんです。

 例えば練習中に、ある状況であまり意味のないところにパスを出したとします。こちらはプレーを止めて、この状況ではあっちに出したほうがいい、と言いますよね。そうすると、次に似たような状況になったときには、必ずさっきこちらに言われたところにパスを出してしまうんです。

 似たような状況といってもそれぞれ微妙に条件が違うし、必ずしもさっき言われたところに出すのが最善とは限らない。そこを自分で判断して、その時その時にベストのプレーを選ばなければならないはずなのですが、それがうまくできない。言われた通りにやることには慣れているのですが、自分の頭で判断するのに慣れていないんです」

「いいサッカーをするためには、選手ひとりひとりが自分の頭で考え、判断できなければばならないとぼくは思っています。だから、いまうちは、ボールを使った練習以外はほとんどしません。フィジカルトレーニングはやらないんです。

 筋トレしたりただ走ったりするのは、選手にとっては実は楽なんですよ。頭を使わなくていいから。それに、20代半ばの選手がフィジカルトレーニングで得られるものはそんなに大きくない。彼らに一番必要なのは、常に自分の頭で考え続けながらプレーするという姿勢を身につけることです。それにはボールを使った練習しかない。

 個々の選手の判断力が磨かれれば、チームとしての総合力はまだまだ伸びます。フィジカルをやっていれば、最後の10分まで走り負けしないとか、そういうメリットはあるかもしれないけれど、それでサッカーの質が上がることは絶対にあり得ません。だからうちでは、フィジカルを省いてでもボールを使った練習を重視します。これはピムが監督だったときからそうです」


引用終了。

posted by whiteowl |00:59 | 武道から考えるサッカー | コメント(5) | トラックバック(1)

2008年05月21日

フィジカルを考える。

三浦監督が昨年の堅守が崩壊し、失点数が増加した要因にあげた
DFラインは、怪我で昨年のレギュラー不在。
両SHは、ただでさえ選手層が薄いところに、西谷と藤田が怪我で出遅れ。
追い討ちをかけるように、一向に調子の上がらないノナト・・・(・・;)

怪我人続出の札幌。総ファール数は、今のところ磐田、京都に次ぐ3位。
ポゼッションできず、守る機会が多ければ必然的にファールは増えるだろう。
そして、激しいボディコンタクトの機会も増える。

開幕前に、フィジカル重視のサッカー?
をするということで、怪我人の増加を心配したが、現実になってしまった。
(※ここでいうフィジカルは、肉体的能力、特に筋力・心肺機能のことを指す。)
当たりの強さは、J1とJ2で見るからに違う。
札幌の180センチオーバーのCBを4枚並べたDFラインを平気で越えてくる。

フィジカルの強化は、重要だ。選手には日々鍛えて欲しいと思う。
しかし、しまふく寮で村野さんのおいしいご飯を食べたとしても(笑)、
一朝一夕で筋骨たくましい身体になれるわけではない。
しかも、柔軟性を伴わずに筋力を増加すれば、逆に怪我を招く。
(※柔軟性を伴わない筋力の持ち主の代表例は、現オリックスの清原選手。
よく筋肉の鎧というが、格闘家特に、総合格闘技の選手はあんな筋肉のつけ方はしない。)


以前、私の記事でも書いたが、怪我や当たり負けに対しては、
フィジカルに対する発想の転換が有効だと思う。
あたり負けないコツ -糠に釘、のれんに腕押し-

そして、その発想の転換に参考になる記事があった。
5月20日付朝日新聞で、川崎の中村憲剛がフィジカルについて考えを述べているのだが、
彼は高校に入るまで154センチで身体も細かったため、普通にプレイしていたのでは、
大きな相手に簡単につぶされてしまっていたという。

そこで、

>相手にぶつからなければいい。いかに相手の視野から隠れて球を受けるか。
>相手から逃げる動きをしながら、いかにゴールに近い位置にポジションを取るか。
>相手が左に動きそうなら右へ、下がりそうなら上がる。
>そして、ボールコントロールは正確に行う。特にトラップ。ドリブル、パス
>シュートという次のプレーを判断する時間や気持ちに余裕を生み出してくれる。

そして、最後に

>フィジカルの差は何とかなる。
>大切なのは、日頃から意識して頭を使いながらプレーすること。
>「考える頭」は毎日使わないと身につかないと思う。

特に、札幌の若手は参考にすべき点が多々あるのではないか。


今季5位に沈み、CL出場を逃してしまったイタリアセリエAミランだが、
レジスタ(攻撃的ボランチ)のピルロは、まさにこの点でお手本になる選手だ。
早くからそのテクニック面は評価されてきたが、ピルロも長くフィジカルの弱さ、
運動量やボール奪取力などの守備面を指摘されてきた。
しかし、今やミラン、イタリア代表でも不動のレギュラーである。
(※相方のガットゥーゾが、インコントリスタとしてすごすぎるというのもあるけれど(笑)。)
朝日の前回の中村憲剛の記事でも、クラブW杯の時、来日したピルロをずっと
見ていたらしいのだが、彼のポジショニングの上手さが大変勉強になったと言っていた。


「フィジカルで劣るなら頭を使う。」
札幌の選手も、クレバーにプレイしてもらいたい。

posted by whiteowl |12:35 | 武道から考えるサッカー | コメント(10) | トラックバック(1)