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2008年12月09日

犬飼さんが提唱し、金子達仁さんが賛成するバックパス禁止ルールはやっぱりおかしい

最近、特に、どうよそれ?と思う記事が多い金子達仁さんに噛みついてみます(笑)。

まず、今回、問題とする文章はこれ。(※下記青字が引用。一部中略あり。)
「ベスト布陣」協会が決めることじゃない【金子達仁】2008年11月28日
犬飼日本サッカー協会会長の発言には納得させられることが多い。

中でも、若年層の試合でバックパス禁止ルールを盛り込もうというアイデアには
諸手(もろて)を挙げて賛成したくなった。

オフサイドしかり、ラグビーのスローフォワードしかり。
英国で生まれたフットボールの本質は、前に行きたがる本能をいかに理性的にコントロールするか、でもある。

だが、最近の日本の場合はいささか状況が違う。前に行くということは、
同時にリスクを背負うことでもあるが、ボールを奪われた責任者になるのを嫌がってか、
異様にバックパスが目立つようになってしまった。

言うまでもなく、ここでいうバックパスとはGKに対するものに限ったことではない。
全エリア、全選手が自分の背後に戻すパスのことである。

本来、このバックパス禁止という発想はドイツから生まれたようだが、
彼らがやろうとするのであれば、日本はもっとやらなければいけない。
そういう意味でも、犬飼会長のアイデアには大賛成だったのだ。


まず、サッカーを少しでもやったことがある人なら分かることなのだが、
バックパスなしでどうやって試合をするのか?という単純な疑問がある。
パスコースがないからと前へ突進するのは、様々な選択肢があって、より有効になる。
日本サッカーの問題点として、積極性のなさも指摘されるが、判断の遅さも指摘されている。

そして、ドイツで実際にバックパス禁止のルールが適用されているというような説明が、
その根拠としてなされているが、これがどうもうそ臭いのだ。

Number12月号P115に、木崎伸也さんがこの件について記事を書いている。
(※下記、赤字が引用)
在独5年になるが、そんなルールは聞いたことがない。
ドイツサッカー協会育成担当は、失笑しながら答えた。
「私たちは前に速い攻めを目指すというコンセプトは通達しています。
しかし、バックパスは禁止していません。だって、そんなことは不可能でしょう。」

同じようなことを訊いて、ドイツの現場の指導者からも笑われている。
前に速い攻めを目指すというコンセプトは打ち出しているが、
その実現は各クラブに任されているというのが実情らしい。

木崎さんは、このことを通じて、
日本サッカーの「全体のサッカー像が明確になってないのに、
細かいルールだけを取り入れようとする姿勢」を批判している。

私は、木崎さんのこの論に全面的に賛成である。


金子さんは、導入の意図に気づいており、犬飼さんの場合も気づいているのかもしれない。
しかし、特に、犬飼さんは、秋春制もそうなのだが、JFAの会長であるのに
何のためにそうするのかという大目標を言わずに、
良いと思ったことを計画性もなしに思いつきで発言する傾向がある。
(※もしくは、その意図をマスコミが敢えて報道していないのか・・・(・_・;)

清王朝末期、中体西用の失敗の歴史を紐解くまでもなく、何でもそうなのだが、
大事なことは、良い結果を招いた枝葉末節の具体策を導入することではなく、
そのコンセプトも同時に導入しなくては意味がないということだろう。




ちなみに、金子さんのこの後に続く、
天皇杯のベストメンバーは協会が決めることではない
というこの記事の本論の方は、賛成です(笑)。


posted by whiteowl |14:44 | Column | コメント(3) | トラックバック(0)