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2008年12月13日

点差以上の実力差を感じた試合。 -第34節 鹿島戦-

1週間遅れのレビューとなりますが、
最終節くらいは書かないと今季もちゃんと〆られないと思い書くことにしました。


タイトルにも書いたように結果を見れば0-1の接戦も、内容は鹿島の圧勝でした。
運良く1-1になる可能性もありましたが、名古屋の結果次第ではありましたが、
優勝する可能性の高かった鹿島は慌てなかったでしょうね。

今季21得点でJ1得点王のマルキーニョスが、この試合では大ブレーキ。
マルキーニョスの不調にも助けられました。
彼が決めていれば、開幕と同じ0-4くらいで負けていてもおかしくなかった。


序盤の15分くらいまでは、札幌が前線から積極的にプレッシャーをかけ
ペースを握りましたが、鹿島は慌てずこれを受けとめた。

鹿島と札幌の違いは、一つにクロスの質の違いがあると感じました。

FIFA技術委の報告書で、得点になりやすいゴール前に入ってくる
ボールの方向のベスト3というのがあるそうです。

①マイナス方向 ②後方から ③真横から

①は、ゴールライン際から自陣方向に出される、マイナス方向のパスとクロスです。
シュートをうつ選手にとって、ボールとゴールとGKを同一視野に入れやすいので、
比較的ゴールしやすいといわれています。

ただ、真横からのクロスは、簡単に入る割には成功率が低いということ。
(※後ろからのパスは、ボールがゴール方向にすでに飛んでいるので、
合わせるだけで入ることが多いということらしいです。)

そして、この試合を通じて、真横からのクロスや背後からのクロスが多く、
マイナス方向のクロスがほとんど無かったのが札幌。
逆に、マイナス方向のクロスが多く、真横からのクロスがほとんど無かったのが鹿島。

この一点だけ見ても、鹿島の優位とチャンスメイクの差がわかります。

前半、積極的な上がりを見せた右SHの藤田ですが、その点では非常に物足りなかったですし、
前半の最後に見せたゴールライン際のシュートのように、ゴールももっと積極的に
狙っていかないとボールを持っても、怖さがあまり感じられません。


この試合は、CHに西と上里の先発でしたが、ボールの落ち着きという点で、
やはりクライトンには敵わなかった。
そして、そこから有効な攻撃につながるパスを出せずに自陣に戻すようなパスが多かった。
CHでの落ち着いたパス回しと、精度の高いパス出しはまだまだと感じました。
そして、守備に追われていた西とは違って、上里は攻撃面を期待されているのだから、
もっと前に飛び出して、ゴール前でボールに絡んでいかないと。


DF面では、だいぶ良くはなっているのですが、
やはり相手との間を開けるという悪癖は最後まで治らず。
不用意に飛び込んで交わされるのが怖いのでしょうが、寄せないとミドルを打たれます。

あとは、特に後ろの選手のパス出しの能力差を感じましたね。
もう少し最終ラインや自陣では、安心してボールを回せないと
攻めがカウンター一辺倒で単調になってしまう。
そして、一つ一つのパスが雑なので、少しずつパスの質が悪くなり、
余裕がどんどんなくなっていって、結局相手に取られてしまう。


最後、一番鹿島との差を感じたのは、ゲーム展開にあわせたプレー。
鹿島は、2連覇するだけの実力のあるチームだなと思うような非常に上手いゲーム運びでした。

後半、札幌は負けているにもかかわらず、最終ラインでボールを回してくる鹿島に対して、
前線から積極的にプレスに行かなかった。0-1で負けようが、0-5で負けようが、
もっと言えば、勝ったとしても残留できるわけではない。失うものなんて何もない。
そんな状況なのに、後半開始早々、前線から積極的にプレッシャーに行かず、
鹿島に悠々と最終ラインでボール回しをさせていた。

こういう時、ブーイングすべきは、鹿島の最終ラインに対してではなくて、
負けているのにボールを積極的に取りに行こうとしない札幌の選手でしょうね。

三浦監督の選手交代で、やっと前線が活性化されて札幌の流れになってきましたが、
相手に合わせるのではなく、もっと状況にあわせて選手が動かないといけない。
しかも、それが一人では意味がなくて、チームとして統一して動かなければ意味がない。


タイトルの通り様々なところで鹿島との実力差を改めて思い知らされる試合となりました。

しかし、2002年に、まだ前後期制だったJリーグを完全制覇した磐田が、
あれだけ強かった磐田が、それから10年も経たずに、今日、運命の入れ替え戦。

札幌と一緒にJ2から昇格した浦和は、その間に
今季は色々とゴタゴタもありましたが、それでも今や常勝軍団に。

変わろうと思えば、短期間で良くもなれるし、
悪くなるのもあっという間、ということでしょうか。

札幌も今季の経験を、ただの失敗で終わらせるのではなく、
今後の糧となるようにしなければいけませんね。

posted by whiteowl |12:22 | 2008 J-league Games | コメント(3) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:点差以上の実力差を感じた試合。 -第34節 鹿島戦-

お久しぶりでございます。

上里はまだまだ向上の余地ありでしたよね。
攻守で諸刃の剣でした。失点シーンもサボってましたし・・・。
でもあれだけキックの精度が良くて、キープ力はまあまああるので、
なんか期待してしまうんですよね。

藤田も継続して強気でプレーして欲しいです。

今シーズンは最悪ですが、その中でもやはり、
若手から少しずつ芽が出てきているのかなと感じました。
できればすぐに花を咲かせて欲しいんですが、
来年はどうなることかw

posted by Ryosuke| 2008-12-13 13:49

Re:点差以上の実力差を感じた試合。 -第34節 鹿島戦-

 鹿島戦は一言で言うなら横綱相撲といったところでしょうか。
 鹿島はとにかく慌てなかった。札幌はダヴィを抑えればそう怖くはないという認識は持っていただろうし、実際ダヴィはしっかりケアしていた。序盤のコンサの攻勢にもしっかり対応できていた。経験値の高さもあったからなんでしょうけど・・・。
 
 >特に後ろの選手のパス出しの能力差を感じましたね。
 このあたりにコンサと鹿島の差が如実に現れていましたね。三浦戦術がタテポン傾向が強かったこともあるのかなと思う一方で、ただ前に蹴るだけ、サイドに逃げるだけというのが一年を通して解消できなかった。
 鹿島戦はクライトンがいなかったので安心して預けられるポイントがなかったことは考える必要はあるけど、来年は大伍やカズゥが「頼れるCH」にならないと昇格争いは厳しいかな、と。

 シロート目にも鹿島はチームとして、組織として動いているのがわかる完成度の高さでした。面白味はないけど、強いチームはこういうものなんだというのがわかりましたね。リーグ優勝6回の貫禄を見せつけられました。
 コンサがどこまで近づけるか。
 今のところは不安と期待が半々といったところでしょうか。

posted by フラッ太| 2008-12-13 14:03

Re:点差以上の実力差を感じた試合。 -第34節 鹿島戦-のお返事

>Ryosukeさん

上里は、周囲を期待させる何かを持ってる選手。
来季は、そのポテンシャルを発揮できるか。

来季の51試合という長丁場を経て、将来の札幌を担う人材が出てこないと
J1は厳しいし、上がってもまたすぐ逆戻りだ。

>フラッ太さん

鹿島は、ダヴィへのケアはしっかりしてましたね。
そこさえ抑えれば大丈夫といった感じにも見えましたが・・・(・・;)

最終ラインに結局若手が誰も定着できなかった。
そんな中で、DFラインもレンタルとベテランを切ったので、
ここで誰も出てこないようだと、来年も厳しいですね・・・(・・;)

日本人で頼れるボランチが出てこないと、
J1に再昇格して定着することなど夢のまた夢だと思っています。

とりあえず、強くなるために監督はコロコロ代えないで欲しいですね。

posted by whiteowl| 2008-12-13 21:31

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