コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2015年03月20日

続・GKのキックミスはほんとうにミスなのか

先日書いた『GKのキックミスはほんとうにミスなのか』というエントリーの続き。
続きというか、前回書いたものは私のGK偏愛によるものなので
もっと冷静な意見を持った方の意見はどうかしらということで。
審判の資格を持っていたこともあるコンササポーターのA吉さん(仮名)に
聞いたお話が面白かったのでその紹介をしたいなと。
コンサドーレの新加入GKがキックミスを多発するのは、
札幌ドーム独特の構造によるものではないか?というお話。

札幌ドームのサッカー版座席図を見てわかるように、
GKから見るとドームは左右非対称の形状になっている。
ゴール裏の上段を見るとよくわかるのだけど、途中から座席の数が変わっているので
ゴール裏からピッチを向くと座席数も左右非対称になっているのがわかる。
メインスタンドのほうがバックスタンドよりも座席数が多い。恐らく角度も違う。
バックスタンドとメインスタンドの奥行きは、少なくても1.5倍は違うという(A吉さん調べ)。
右に蹴った時と左に蹴った時、同じ感覚で蹴っているつもりでも、
この左右非対称の形状がゴールキックを蹴る感覚を掴みづらくしているのではなかろうか。
つまり、GK本人が失敗したつもりはなくても、タッチラインを割ってしまうことが起こるのだ。

GKや札幌の選手に限らず、またポジションに関わらず他チームの選手にとっても
この左右非対称のドームの形状は距離感が掴みづらいという話があるという。
「いつもとなんか違う」という違和感で、最初は誰でも苦戦をするらしい。
はじめてドームのピッチに立つと、方向感覚もおかしくなるというくらい。
勢いあまってホバリングステージから落ちた選手もいたし(←それは別件)。
GKにしてみれば、何百回、何千回、何万回と蹴っているからこそ
その感覚がずれれば違和感となり、ミスに繋がってしまうんだろう。
いつもキッチリやっている選手ほど上手くいかないものかもしれない。

以前、レバンガの折茂先生が、きたえーるはやりづらいと言っていたことがある。
グリーンドームと比べてきたえーるは奥行きがあるため(体育館が広い)、
シュートを打った時の感覚が違うのだという。
ゴールから壁までの距離が違えば、感覚が掴みづらいというのは素人でもなんとなくわかる。
調べてみるとグリーンドームときたえーるでは最長で20mくらいの差があったので、
それぞれのゴールから10mずつ壁が遠くなるわけだから相当違う。
札幌ドームの違和感もそれに似たようなものではないのか、と思った。

そんなの甘えだ!どこでもやれるのがプロだろ!
という人もいるだろうけど、いやいやちょっと待てっておくれよと。
ひとまずこの現状を把握せずに、なんでもいいからとにかくやれというのは乱暴だ。
ソンユンは世代別代表に選ばれるほどの選手。
きっと慣れればきちんと修正、調整ができるようになるはず。
もう数試合、我慢して見守ってあげてはもらえないだろうか。

ってその数試合の間に代表に行っちゃうんだけどさ...いやいや代表は代表で頑張れ。
これはぜひとも、ナイスミドルカップやナイス乙女カップなど
札幌ドームでプレーしたことのあるサポーターさんにお話を聞いてみたいものだわ。

posted by ひとみ |21:07 | GK | コメント(4) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:続・GKのキックミスはほんとうにミスなのか

お久しぶりです。(* ̄∇ ̄)ノ
興味深いエントリー楽しく読ませてもらいました。
なるほどねぇー。

昨季、
開幕のアウェイ磐田戦で目をみはる活躍をした金山が、
ホーム開幕戦になったとたんに
『あれ?』と思うプレーが多かったのを思い出しました。

視覚の問題、音響の問題etc.
ドームって特有ですからねぇー。

ドームは使用料の問題もあるけれど、
新加入選手には開幕前に充分に慣れさせてあげたいですね。
ホーム開幕戦で力を発揮できないのは、
選手だけの問題じゃ無い気がしてます……(ノ_<)

posted by ぽてとん| 2015-03-20 21:45

Re:続・GKのキックミスはほんとうにミスなのか

反論です。左右で景色が違う処はいっぱいあります。
それと、ピッチ内でゲームをしている時は、多分フェンスより下のピッチ内しか、視界に入らないと思います。言わせてもらえば、蹴る時にそんな方を見てるから「キックミス」をすると思います。ゲーム・ボールに集中することが大事です。

posted by 髯爺| 2015-03-20 21:52

Re:続・GKのキックミスはほんとうにミスなのか

こんばんは。
前のエントリも踏まえて。
世界3大ドーム(東京ドーム、つどーむ、三笠ドームw)でサッカーやってゴールキックやロングフィードも蹴ったことある者として自分の経験も交えてコメントしますね。
グラウンダのパスは受け手との線を意識すればいいので、芝の深さに合わせて「強弱」をいつもと代えたり、受け手の右足or左足に出すといった「コース」を意識すればよいですが、
ゴールキックの場合「高さ」「中距離」「風」といった立体空間の意識が加わったキックになるので、ほんの僅かの感覚のズレが数メートルのズレになってしまいます。
必然的に難易度が上がるのはご理解いただけてることを前提として・・・
・光
外光をとりこまないタイプで屋内の光重視の施設だと、屋外で普段やってる日光と見え方が少し違っていて、距離感が変わっちゃいます。
普段と同じように蹴っても飛びすぎたり、意図したポイントにいかないことがあります。
試合中いかに早く調整して感覚をつかむかが求められます。
・音
多くても数千人規模の試合経験しかない選手が、屋根付き1万人以上の音量と迫力のある空間に来ると、
意図しなくてもどこかほんのり緊張して感覚のズレを呼び起こしてしまうものです。これも慣れですね。
私もその昔、ブラバン付きの試合で変な緊張感を持って、普段しないようなミスしてしまったものです。
・風
風の向きや強弱によって、蹴り方や高さを調整します。
これはドームだと影響がない(=屋内の無風と同じ感覚)でいけるので、影響は小さいかな。
・ピッチの外側の光景
同じサイズのピッチでも、その先の奥行きで距離感が違って見えてしまうものです。
どんなに集中しても俯瞰して視野を広げる手前、見てなくても見えちゃうんですよね。
ゴールキックって狙ったあたりの選手の動きも見ながら蹴るので、コースとボールだけ見て蹴ってるわけじゃないですし。
蹴るときボールしか見ないってのも、間違いではないんですけど。
・コース
センターサークル越しに蹴って味方が6割以上競り勝ってマイボールになるならいいですが、ほとんど勝てなくて相手に触られる場合、
中を意識させておいて、たまにサイド(タッチラインのポール狙ったり)や近い選手にライナーで散らすこともあります。
普段からやってると何てことはないのですが、大きく蹴ってばかりの人がいざやってみるとあまりうまくいかないです。

posted by sca| 2015-03-21 01:35

コメントありがとうございます。

>>ぽてとんさんへ

お久しぶりでーす( ´ ▽ ` )ノ
面白い話ですよねー。むしろなぜ今までこういう話が出てこなかったのかという。
言われてみるとなるほど確かにそうだわーと唸りました。

そうそう、金山さんも最初の頃はキックミスがありましたよね。
私、そう思って金山さんがラジオに出た時にドームについての質問を送ったんです。
ドームのデメリットも見極めた上で、屋外よりもドームが好きと言っていたと思います。
やっぱり慣れなんだろうなあと。ソンユンにも頑張ってもらいたいです。
そういえば相手GKもキックミスすること結構あるなーと思いました。

感覚的な部分だと思うので、赤池さんが指導をすれば良いという問題でもなく。
難しいですよね。やっぱり選手には経験して慣れてもらうしかないんだろうなあと。
キャンプが長い、帰ってきても満足に外で練習できないなど
北国のハンデはありますが、それを言い訳にもしたくないです。
選手だけの問題じゃないってほんとうにそう思います。難しー。

>>髯爺さんへ

反論ありがとうございます。コメントでいただく反論って攻撃的なものが多いので、
髯爺さんのように私の意見も理解しようとしてくれつつの反論ってありがたいです。
奥行きを見ることは、よそ見による集中力欠如という意味ではないんです。
目線はボールを受ける選手へも向いているはずですので、そうなると奥行感って大事かなと。

>>scaさんへ

こんばんはー。
おおぉっ。ドームでプレーしたことある人から話を聞きたいとは書きましたが、
ほんとうに聞かせてもらえるとは思いませんでした。ありがとうございますー。
scaさんはGK経験アリなのですね。マスコット好きという表の顔(?)がありつつ、
実は世界3大ドーム(!)のサッカーのプレーヤーでもあったとは知りませんでした。

いやあいやあ。それにしてもほんとうにGKって面白いポジションですね。
scaさんのコメントを読みながら改めて思いました。奥が深いです。
GKはピッチの一番後ろから俯瞰でゲームを見ているのでしょうね。
実際のピッチに立ってみると、ここで俯瞰で見ているってすごいなあと思います。
それプラス、高さという要素も意識しているわけですから。
そういえば金山さんが「ドームはボールが浮かない」と言っていたことがあるのですが、
これって芝の話のことなんでしょうかね。それとも熱気などの気圧の問題なのかしら。

以前うちにいて、今はロアッソのスタジアムDJをしている元GKの小林が、
札幌ドームは独特で難しいのだと話していたことがあります。
照明などによる光の問題、歓声によって数メートル先のDFにも声が届かない音の問題、
天井やスタンドに高さがあることによる距離感の問題、まさにこれらですよね。
光って照明のことだけだと思っていましたが、日光との差というのもなるほどです。
ブラバン付きの試合はつらいですねw甲子園みたいですw

厚別になるとまた風という強敵と戦うことになりますが、
試合数でいうとドームが圧倒的に多いので、ひとまずドームに慣れてもらいたいですね。
>中を意識させておいて、たまにサイド(タッチラインのポール狙ったり)や近い選手にライナーで散らす
これ、うちではやる選手があんまりいないんですけど(高原はたまにやってましたが)
そもそも練習の中でやっていないのでしょうね。たまに使うと効果的だと思うんですけど。
GK目線の面白いお話、たくさんありがとうございました!
これからGKを見る楽しみが増えました(←試合を見る楽しみではなく?)。

posted by ひとみ| 2015-03-22 02:13

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