2008年04月21日
回答への回答(笑) -札幌のチームカラー考-
Ryousukeさんの記事に対する回答の回答です。 Ryousukeさんの回答 現在のコンサドーレのサッカーは、J2でポゼッションサッカーの戦術を 継続しての昇格ではないので、ポゼッションサッカーは俄か仕込みでできる サッカーではないですし、選手のパスやトラップという基本技術が 各年代の代表の数を比べても分かるように他のJ1チームと比べて低く、 ポゼッション出来ないので、カウンターしかない。 ここに異論は私もありません。J1で生き残るには非常に現実的な選択だと思います。 (私もJ1で生き残るにはカウンターしかないとブログに書いています。↓) 私の記事:「リアリズムを追求しろ!」 今の戦力で出来るサッカーは、カウンターサッカーしかないというのは わかりますが、事はそう単純ではありません。 それを説明するには、まず、今までの札幌の歴史を振り返る必要があります。 5段階計画をご存知でしょうか?2002年J2に降格し2003年に 多額の補強をしてJ1昇格に失敗。多額の債務を抱え、チームは存続の危機に立たされます。 そこで2004年にこれまでの経緯を反省し出されたのが、5段階計画です。 点検・強化計画 再起への道(道新2003年の特集記事) 札幌が過去2度J1からすぐに降格してしまった原因は、攻撃が基本的に外人頼みで エメルソンやウィルといった外人FWを他チームに引き抜かれ、 残留できるかどうかは、次に補強する外人の出来次第のチームであったこと。 (そういう意味では、2008年のチームも同じ課題を抱えています。) そして、他チームの選手を中心に補強したために、選手への人件費は高騰しました。 J1に昇格しJ1で安定した成績を残すために特定の選手に頼らないサッカーと 安定的かつ安価な人材獲得の手段としてチームの核となる選手の育成を 掲げて、身の丈にあったクラブ運営をしていくというのが、当初の計画の骨子でした。 この5段階計画とともに柳下監督が就任し、特定の選手に頼らないサッカーを 目指してアクションサッカーと呼ばれるポゼッションサッカーを始めました。 チームの人件費は半分以下になり、平均年齢も大幅に若返り、育成中心の方針に変わりました。 初年度にあたる2004年は最下位に終わったものの、2005年は前半戦まで3位と健闘し、 05、06年は最終順位は6位に終わりましたが、06年の天皇杯はベスト4になりました。 そこで、ある程度の実績は残していただけに、今となっては昇格できたかは 誰もわかりませんが、07年もヤンツーサッカーで昇格を目指して欲しかったという声は根強かった。 しかし、チームは「2008年問題(※1)」を抱え、チームの成長を待つ 時間的な余裕がありませんでした。 チーム存続のためには、どうしても2007年にJ1に昇格しなければならなかった。 そこで、波のあるアクションサッカーを捨てて、堅実なリアクションサッカー へと路線を変え、柳下監督と城福強化部長を解任します。 (※1:北海道と札幌市から借りた10億円の借金の返済が開始する年。) まず、こういう歴史的な経緯があることが、一般的に見られる 現在の三浦カウンターサッカー不支持の一因になっています。 そして、昨年の横浜FCのJ2降格、一昨年の京都、福岡の降格など、 J2で守備的なカウンター戦術を採って来たチームがことごとく1年で落ちました。 それと比べて、J2で攻撃的な戦術を採って来たチームはJ1で比較的 持ちこたえてきた。まず、川崎Fがそうですし、甲府も去年落ちましたが、 J1最低予算で2年J1に居ました。これが、カウンターサッカー不支持の もう一つの要因です。 また、ポゼッションサッカーよりもカウンターサッカーは見た目が面白くない。 プロスポーツは、大人が日々のつらーい現実(笑)を忘れ、夢を見る場なのに、 そこまで勝利至上主義という厳しい現実を見せつけられるようなサッカーを されたのでは、たまったものではない。札幌には夢のあるサッカーをして欲しい。 という意見もありました。 だから、今の戦力で出来るサッカーがカウンターしかないので、 単純にそれをチームカラーにしてしまえというのは、ちょっと色々意見が あるよということを言いたかったのです。
ユースの戦術に関して、トップチームと同じにするには、 まず、将来的に札幌の目指すサッカーが、4-4-2のカウンターサッカーで 本当に良いのか?ということが大前提です。 そして、北海道の同年代では圧倒的な強さを持つ札幌のユースが、 相手チームが引いてくることが予測される中、リアクションの カウンターサッカーができるのかという現実的な問題。 また、パスやトラップの技術をあげるには、ポゼッションサッカーでなければならない ということはないですが、トップチームとの戦術の整合性よりも、 選手の育成を優先し、戦術は柔軟に対応した方が良いのではないかという考え方もできます。 このあたりのユースの育成方針は、村野GMに聞いてみたいところですが・・・(・・;)
posted by whiteowl |22:41 | Consadole Sapporo | コメント(3) | トラックバック(1)