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2009年01月21日

石崎監督は、ホームとアウェイの戦い方を変えるのか?

J2は、今季、全18チーム3回戦51試合の長丁場になる。
さらに、新加入の富山、岡山、栃木含め地方都市が多く、移動も大変になることは予想に難くない。

この点について、石崎監督は↓のように発言している。
【2009シーズン始動!】札幌:新監督就任会見での矢萩竹美社長・石崎信弘監督コメント(09.01.13)
Q:札幌の場合、首都圏のチームと違ってアウェイゲームの際の移動距離が長かったり、気温差が大きかったりするわけですが、ホームゲームとアウェイゲームでの戦い方や考え方を変えたりというプランはお持ちでしょうか?
「やはり気温差がかなりあると思いますし、移動もJ2のほうが大変だと思います。アウェイでどんなにおもしろいサッカーをしても、クラブには金は落ちませんので(笑)、出来るだけホームでおもしろいサッカーをしてサポーターの方にたくさん来てもらえるようにしたいと思います。アウェイでは、フィジカルのところを考えながらやっていかなければかなり厳しくなると思っています」


この文面を見る限り、ホームとアウェイで戦い方を変えるともとれる発言である。

実は、昨季の柏では、石崎監督の代名詞である
前線から積極的にプレスをかけるプレッシングサッカー以外に、
昨季の札幌がやっていたように、守備ブロックを形成して守ってカウンターを
鹿島のような強い相手に対しては、狙っていたこともあるそうである。

しかし、怪我人続出でキャンプでもろくに練習できなかった戦術では選手が戸惑い、
守備ブロックを形成してカウンターという戦術を柏で多用することはなかったらしい。

だが、この守備ブロックを形成してカウンターという戦術は、昨季の札幌が採っていた戦術。
リスクをかけないサッカーなので面白みには欠けるが、
堅実であり、何より受身なのでJ2ならもう少しポゼッションもできるので、
2007年の札幌のように本来は、省エネサッカーだ。

一方、柏で石崎監督が得意としたプレッシングサッカーは、
ボールを中心にして前線から相手を挟み込み、ボールを奪って攻撃につなげる。
攻撃的な守備といえるが、いかんせん受身ではなく自分から相手に働きかける
能動的な守備のため、“体力勝負”という側面はある。
しかも、51試合という今までにない長丁場、移動距離のハンデを考えると
これを全試合、高いレベルで持続するのは難しいだろう。


また、前線から積極的にプレスをかけるという前提であるなら、
4バックを採用する可能性が高いと私は考えている。
なぜなら、ピッチの縦方向、上下から相手を挟んでプレスをかけてボールを取るためには、
全体的に縦にコンパクトである必要がある。そのためには、DFラインを高く維持しなければならない。

従って、確かに現在の札幌の戦力だとSB候補は少ないのだが、
3バックは、二人のストッパーの後ろに、カバーリング専門のスイーパーを置くため、
オフサイドをとりにくく、ラインを高く維持するには向いていない。
そして、3バックだと左右両ストッパーの横の両サイドにスペースを作ってしまうので、
相手がサイドに逃げると、全体的にボールサイドに選手がずれてバランスが悪くなり、
効率的にプレスをかけられない可能性もある。
よって、私は4バックの可能性が高いと踏んでいる。


今までのことを踏まえて、フォーメーションで考えるなら、
アウェイ対策として、昨季までの守備ブロックを形成してゾーンで守る4-4-2。
ホームでは、より攻撃的で面白みのある前線からのプレスを実行するために、
例えば、中盤をフラットに並べる4-4-2に比べ中盤が1列から2列になり、
上下方向にプレスをかけやすい4-2-3-1のフォーメーションを採るといった
使い分けを考えているのではないだろうか?

このようにホームとアウェイで戦い方を変えるという可能性は十分あると思う。
しかも、こちらの戦術に幅がある方が、相手に研究されにくく、
また、こちらも相手の状況の変化に対応する可能性も高くなる。
ガンバなどは、試合中でもどんどんフォーメーションを変えてくる。
こちらに引き出しが多いに越したことはない。

ただ、問題はそれに選手が対応できるかだろう。
4-4-2は昨季までやっていた戦術とはいえ、新加入選手もいる。
また、石崎監督の目指すサッカーの戦術的な浸透もしなければならない。
二兎を追う危険性はある。

しかし、4-4-2と4-2-3-1、使い分けられるようになれば、
J1再昇格とその後のJ1残留に向けて、大きな武器になることだけは間違いないのではないか。

posted by whiteowl |13:10 | Tactics (戦術) | コメント(4) | トラックバック(1)

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ホームは全勝狙い?

>大きな武器になることだけは間違いないのではないか。

○たさんのところで少しwhiteowl さんの見解を引用させて貰いましたm(_ _)mそこでは
オフト監督の例を出したのですが、昨年10月5日に0-5で完敗したジュビロ戦を
ヤマハで観戦しましたが、それまであったオフト監督の守備的なイメージが崩れました。

「ホームでは徹底的に攻撃的に出る」との監督の思いがヒシヒシと伝わり「アッ磐田は
残留するなァ」と感じました(まさか千葉があんな抜け駆け?すると思わなかったので)
帰りの浜松駅までのシャトルバスで後ろの席のジュビサポが「最後は得失点差になるかも
知れないから札幌に足向けて寝れないネ」と言っていたのが悔しさと共に印象的でした。

まぁ今期のオフト監督は置かれた状況が特別でしたので比較は出来ませんが、石崎監督
に関しては今のチーム状況では、A面とB面があるかも知れませんネ(^▽^;)

※以下の記載は全て架空のものです、実在する団体・個人等とは何の関係もありません。

西 大伍「オフト監督は残留したのに今期の就任を固辞したんだよね」
藤田征也「オフト引っ込むほかのチーズ」
中山元気「明治時代のギャグだな」

posted by 大阪の道産子| 2009-01-22 21:57

Re:石崎監督は、ホームとアウェイの戦い方を変えるのか?(オオドサさんへ)

ホームとアウェイで戦い方を変えるというのも、国の代表戦だったりすると、
普通といえば普通なのかもしれないのですが、Jリーグだと
ホームとアウェイで戦い方を明らかに変えてるチームはジュビロのような状況になれば必要に迫られて
変えてくる場合もありますけど、あまり見ないですよね。

長丁場のリーグを乗り切るために大事なことは、
連敗をしないこと、勝点を失わずに着実に積み上げていけることではないでしょうか。

そのためには、チームが不振に陥った時に戻ってこられるように、
戦術的にぶれない戦いをすることも大事だとは思うのですが、
最初から、手段を2つ持ってた方が良いに越したことはないわけで。

A面B面というよりかは、両A面(?)になればいいかと(笑)。

posted by whiteowl| 2009-01-22 23:16

Re:石崎監督は、ホームとアウェイの戦い方を変えるのか?

 現状だとSBが足りなさそうなので3バックの可能性も考えられるんですが、これはキャンプが進んでプレシーズンマッチが行われていくうちに全容が見えてくるでしょうね。ただ、3バックと4バックを併用する戦い方はあまりして欲しくないですね。3バックはあくまで劣勢の時にどうしても点が欲しい時だけリスク覚悟で用いるというふうにしてほしいです。

 柏では4-2-3-1でやっていたので、4バックならこれがベースになる公算が大きいと思います。つーか
、去年の三浦戦術がトラウマになっていて3ラインの4-4-2はぶっちゃけ怖い(苦笑)。SHはそんなに変わらないでしょうけど、CHとFWがどういう組み合わせになるかが違いとなって現れるのではないかと思っています。

posted by フラッ太| 2009-01-23 19:53

Re:石崎監督は、ホームとアウェイの戦い方を変えるのか?(フラッ太さんへ)

個人的には、4バックで行くんじゃないかと思っております。
まあ、予想なんではずすかもしれないですけど(笑)。

以前も書いたことありますが、4-4-X系の布陣は結構世界的に流行っているし、
「カウンターとセットプレイ」というのは、サッカーの一つの最適解とも言われているので、
サッカーそのものはつまんないんですけど、勝利至上主義の観点でいえば、
別に三浦戦術が突飛だったり、おかしいことをしていたという印象は個人的にはありません。

まあ、折角身につけたものですから、それを無に帰すのも勿体無いかなと・・・。

posted by whiteowl| 2009-01-24 22:22

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