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2008年11月04日

大分快挙の裏側。

オシム監督就任一面トップ報道のようなとばしをするかと思えば、
きちんとした検証記事も出す不思議な(?)日刊スポーツ(笑)。

ナビスコ杯優勝で「地方の鑑」と呼ばれるようになった大分だが、
その道のりは決して平坦ではなく、行く末も順風満帆ではないことの一端が窺える。


ぬるま湯体質変えたMF鈴木/大分V検証 <大分ナビスコ杯V「地方から頂点へ」:(上)>

>昨年7月、新潟から期限付き移籍で加入したMF鈴木慎吾(30)は心の中でつぶやいた。

>「本当に勝つ気があるのか」。J2降格が背後に迫っているとは思えない光景が目の前にあった。

>あるとき、メンバー外の若手2選手が練習に遅刻。加入して間もない鈴木は、
>2人をドクター室につれだし、厳しい言葉をぶつけた。「だから、試合に出られないんだよ」。
>窮地を乗り越えていかなければならないときでも、チームは一体になっていなかった。

>「チームが苦しいときに(若い選手が多い)僕らだけでは、どうしていいかさえも分からなかった」。
>J1昇格後は、毎年のようにJ2降格危機に直面。大分は負けることに慣れすぎていた。

>MFエジミウソンはムードメーカーとして。MFホベルトは献身的なプレーで。
>そして鈴木は強烈なリーダーシップでチームを生き返らせた。



どこかで見た光景と思うのは、私だけでしょうか・・・。
違う点は、結果的に一致団結できなかったことでしょうけれど・・・(・・;)

やはり、チームリーダーの補強は急務。ある程度資金を使っても獲得すべき。


選手層薄く来年が心配/大分V検証 <大分ナビスコ杯V「地方から頂点へ」:(下)>

>皇甫官統括本部長兼育成部長(43)が口を開いた。「来年は難しい年になる」

>昨年のチーム人件費は約12億円。J1平均の15億円より3億円も安い。

>昨年のJ1平均営業収入は32億円。同22億円の大分は選手の移籍金収入がなければ20億円を切っていた。
>日本一を獲得したクラブも、経営は毎年のように綱渡り状態なのは変わらない。

>肉体的に精神的に疲労が残る昇格、優勝争いの翌年にガクッと成績が落ちる状況を何度も経験した。

>現在4位のリーグ戦で3位以内に入れば来年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を得るが、
>選手層の薄い大分には、それも不安材料。

>今季リーグ戦のホーム平均入場者数は1万8000人。昨年より1000人減だ。



J1リーグで3位以内に入ると出場権を得られるACL、アジアチャンピオンズリーグ。
クラブW杯が開催されるようになって、マンチェスターUなど欧州の強豪と
真剣勝負ができることもあり、今やJリーグ各クラブの目標となっている。

しかし、選手層の薄いチームが、リーグとACLの二兎を追うと一兎も得られない。
ACL、リーグ戦の低迷という事態は、川崎Fなどの前例があり、厳しいことも事実だ。

また、昇格や優勝争い後に、チームが疲弊し低迷するという事態は、今季の札幌も経験した。
選手層が薄ければ、必ず無理をする選手が出てくる。


さらに、大分は今季成績が良くても、それがあまり観客動員数に反映されていないようだ。

勝っても負けても応援に来るサポーターの数をどれだけ増やせるかが鍵になってくるだろう。
この分野での札幌の取り組みは、お粗末としか言いようがない。
逆にいえば、まだまだ改善の余地があるということだ。


悩ましいのは、タイトルを獲得すれば選手への年俸総額はあがる。
それに併せて、経営もステップアップしていかなければ、選手の流出を防げず、
一気に弱体化することも考えられる。経営にとっては喜んでばかりもいられない。


大分の快挙は、札幌にとっても久々に希望を感じさせる出来事であったが、
改めて、クラブチーム運営の難しさを感じさせる記事だった。

posted by whiteowl |12:52 | HFCの経営を考える | コメント(4) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:大分快挙の裏側。

ご指摘の通りですが、大分の関係者はそんなリスク覚悟の上でクラブ運営していますよ。クラブ至上命題はJ1残留ですし、
はっきりいって苦労ばかりで報われません。余程J2に降格して身の丈に合う経営の方が楽でしょう。
何故そうしないのかというと
溝畑さんが木村元彦さんと対談された時に「これまで県リーグからJ1までカテゴリーを上げていく過程で馘首して来た選手達の累々たる屍の上でクラブは成立している。彼等の犠牲は無駄でなかった事を示すためにもJ1にしがみつくんだ。」と述べられています。
そもそも大分県の全人口が漸く120万人です。だから正直大分県内での観客増はかなり厳しい物があります。だから今後は観客増と平行して違う形で大分を支援して貰う様に働きかけていくみたいです。
大分のチームコンセプトは自前の選手育成とレンタル選手の融合です。
だから大分で活躍した選手が好条件と環境を提示されていたとしたらプロである限り避けられません。
大分はできるだけ選手を慰留しますが最終的にはプロである選手自身に決めてもらいます。
まあナビスコを制覇したとしてもぶれないチームコンセプトで九州唯一のJ1の灯を消さない戦いを大分に期待しつつ、スタジアム観戦は心臓に悪いんですが
ご不快なら削除をお願いします。

posted by ざびえる| 2008-11-04 18:12

Re:大分快挙の裏側。(ざびえるさんへ)

>ご指摘の通りですが、大分の関係者はそんなリスク覚悟の上でクラブ運営

大分サポから、日刊の検証記事の裏が取れました。ありがとうございます。

大分と札幌の一番の違いは、溝畑さんと石水さんの違いなのかな(笑)。

札幌には、5段階計画というのがあって、それで選手の強化とフロントの強化を
車の両輪としてステップアップしていくという計画があるんですよ。

大分を参考にして、経営もステップアップしていかないといけないと思います。

HFCは、J2に降格して身の丈にあった経営をした方が楽って、
思ってそうだなぁ・・・(・・;)
痛いとこつかれたんで、HFCがどういうビジョン出してくるか、
ちょっと楽しみになりました(笑)。

ただ、維持することだけを考えると、逆に縮小していきますからね。

posted by whiteowl| 2008-11-04 23:28

昇格バブルというもの

「股旅フットボール」を書かれた宇都宮徹壱さんがコラムで大分の溝畑さんから聞いた言葉として書かれています。
Jリーグを目指す地方のクラブがカテゴリーを昇る際多くの方がその姿に感動する。ただし停滞していると人々は徐々に去っていくし、盛り上がりも欠けて行く。最悪の場合クラブ消滅の事態に陥る。
これは他の地方クラブでもある事だから地道に活動継続していく事が重要と話をされたみたいです。
単純に企業としてコンサさんと大分を比べてみるとその優劣はいうまでもありません。
東芝を北海道に誘致して北海道の有望企業の力を集めて作られたクラブ(Jに行くのは確実と思われた)
大分のクラブから受け皿になるのを断られ、企業の支援も殆ど見込めない状態でスタートしたクラブ、個人商店がこんな事云って誰が信じますか(ただJリーグに行くという漠然とした夢しか存在しなかった。)
ただし、コンサさんと大分の違いは何処にあるのかと云えばそれは人です。
例えば大分のフロントには溝畑さんや「ナンバー」に登場した原強化部長(大分トリニテイ時代現役の選手として活躍)
「ナンバー」には出ませんでしたが古澤広報部長(昔、コンサさんの聖地厚別で試合が開催された時コンササポ6000人対し大分サポは古澤さん1人と言う状況下でも試合終了まで応援を続けたという伝説の持ち主)
資本がないがゆえによくいえば純粋、悪くいえば単純な人達が試行錯誤、四苦八苦しています。
大分の選手達も「秋天の陽炎」に出てくる崔大植、2005年厳しい残留争いの最中(大分はまだ死んでいない。まだこれからと言いたい。)と鼓舞したマグノ、
ナビスコ杯の決勝で点を決めた高松大樹、大分を3度馘首されても大分を見捨てず戻って来てくれるエジミウソン、
大分の地域の人々と交流しようと提言した鈴木慎吾
大分の選手達はプロというプライドを見せてくれています。
コンサさんの選手にはこれが薄い様に見受けられます。極端な話来期0円提示を受けてモチベーションが保てず毎試合生贄に追い込まれている様な、これではサポも浮かばれません。
私にはコンサさんに関わる方々の苦境は理解する事はできません。あとはコンサさんの状況が少しでも改善する事を願うのみです。
色々書き連ねて失礼しました。

posted by ざびえる| 2008-11-05 08:25

Re:大分快挙の裏側。(ざびえるさんへ)

ざびえるさんの大分への熱い気持ちが伝わってきますね。

私も札幌への気持ちは負けないつもりですよ!

私には、選手を応援して、ブログで発信し続けることしかできませんが、
出来る範囲で継続していきたいと思っています。

posted by whiteowl| 2008-11-05 11:09

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