2009年01月12日

2009シーズンはリスタート

ノブリンこと石崎新監督の就任会見も明日に迫り、いよいよ新シーズンの始動が近づいてきました。
そういえば毎年キックオフイベントのころには、このブログで新シーズンへ向けた抱負めいたことを書いてきたんだっけなあ・・と、過去のエントリを振り返ってみました。すると、あれこれと書いていたのは去年と一昨年で、その前のシーズンには特に何も書いていませんでした。
2006年当時はブログを始めてまだ間もないころでしたから、そういうことを思いつかなかっただけかもしれません。でも今思うと、特に書くこともなかったから書く気にならなかったのだという気がするのです。逆に言えば、去年や一昨年のシーズン前には、あれこれ書き連ねなければいられないほど思い詰めていたのだと思いました。

今年は、去年や一昨年とは打って変わって、非常に気楽な気持ちです。
だからあんまり書くこともないんですけど(笑)、まあ新年の恒例行事みたいなものと思って今の気持ちを書き留めておくことにします。
(例によって長いので注意w)

お察しになっている方も多いと思いますが、この2年間私は、チームの姿と自分の素直な気持ちに折り合いをつけるのに苦労していました。
苦労をしていたというより、途中からは折り合いをつけるのを諦めてしまったという方が正しいかもしれません。嫌なことは考えないよう、見ないようにしてきました。
「メンタル弱いよ。それでもサポ? 不甲斐ない。」
と言われれば、
「そのとおりです。申し訳ありません。」というしかありません。

私にとって自分の気持ちと折り合いがつかない部分がどこだったかといえば、とりあえずJ1昇格を目指す、あとのことは後で考える。と思っているとしか思えなかったクラブの方針でした。
クラブの財政破綻を契機として、コンサドーレの将来像を見据えリスタートした2004年以降の強化方針を転換するもののように私には思えました。後先考えずにとりあえず今ある力をすべて「J1に昇格する」ことだけに注ぎ込むようなやり方では、長期的にみると消耗・疲弊するばかりではないかと、とても不安でした。
三浦監督は、HFCの意向に沿い、HFCの期待に応える働きをしてくれているのだと理解しつつも、選手の力を底上げするよりも、むしろ選手の力を伸ばすことを犠牲にしてでも今できることを組み合わせて最大限の力を引き出すことに比重が置かれているように思い、ただガツガツ局地的にぶつかり合うだけみたいなサッカーが私にはおもしろいと思えなかったことと相まって、なじめない思いを抱き続けていました。
このあたりの私の気持ちは去年のシーズン初めにも書いています(ちょっと表現をマイルドに粉飾してるかもw)。
 →2008シーズンを前に思うこと
そしてこの思いは、ヤンツー時代に私が思っていたことのちょうど裏返しでした。先日たまたま昔の観戦記を見直していたら、このときも同じことを考えていたんだ、と自分の成長しなさぶり(?)に思わず苦笑するほどでした。
たとえばこれです。→完敗ではあったんだけど(2006/10/18の第45節横浜FC戦@三ツ沢の観戦記)
ヤンツーさんから三浦さんに監督が替わったときには、こんなことを考えていました。
 →柳下監督に育てられた3年間

HFCは今季も三浦さんに続投をお願いするつもりだった(というか、した)とのことですので、HFCの方針が変わったのか意図しない方向へぶれたのか私には理解できませんけれども、とにかく今季はノブリンがコンサの監督に就任することになりました。
ノブリンの最近のインタビューを読む限り、ノブリンのもとで今季から作っていくサッカーは、これまでとはかなり違ったものになるのではないかと想像しています。
サッカーマガジンでのインタビューについては以前のエントリで触れましたけれど、首都圏で販売されているサッカー専門紙「エルゴラッソ」にも先日インタビューが載っていました(1/12・13日号 653号)。主な内容は柏での3年間の総括なんですが、今後のことにも多少触れてありました。
その中で、私の琴線に触れたのはこんな部分です。

  • 監督は選手を鍛えることはできる。だけど選手を育てるのはファン。できるだけ練習を見に来てください。見られれば選手も中途半端なことはできないし、緊張感をもって練習ができる。女性が見られると綺麗になるのと同じく、選手も見られてうまくなる。
  • 指導する上でのポリシーは、ひとことで言えばコミュニケーション。選手のタイプにもよるが、頭ごなしに叱るというより、しっかり話をしながら改善していく。
  • 山形、大分、川崎の2年目までは、相手のシステムに合わせてこっちもシステムを変えてきた。だから本当は、ここをこう抑えれば勝てるというリアクションサッカーが得意。でもそれをやってしまうと選手やチームの成長がないんじゃないかなと思った。川崎の3年目に相手がどういうシステムでこようと自分たちのスタイルを貫いていくようにした。監督はさまざまなアドバイスをしたり選択肢を用意したりする。でもやるのは選手だから選手が状況に応じてチョイスすればよい。
  • 札幌では、J2は年間51試合あることや、夏は涼しい札幌から九州とか暑いところへ遠征しなければならない気候の変化、移動の負担を考えると、アウェイでの戦い方を考え直さなければならないかも。ホームでおもしろいサッカーをしてアウェイでめちゃつまらないサッカーをするかもしれない。
  • 札幌のあの赤黒のユニフォームはワシが作ったんだ(笑)。
  • 北海道に住んでみたいというのはあった。札幌には若手におもしろい選手がいるというイメージがあり、鍛えたらおもしろそう。J1からオファーがあったとしても札幌の方がおもしろいなと惹かれたと思う。
  • 座右の銘は「向上心」。勝とうと思えばナンボでも勝てるサッカーはできる。でもつまらないサッカーで勝つのはどうなんだろう。魅力的なサッカーをしたいという向上心を持ちたい。勝つだけだとお客さんはついてこないんじゃないかな。

うふふふ、楽しみですね。
J2の戦いの厳しさも、J1のおもしろさと難しさも、酸いも甘いも噛み分けた経験豊かな監督がこんなことを考えながらチームを率いてくれるかと思うとしびれます。くーっ。
もちろん、言ったとおりのことができりゃ苦労しないよというか、そのまますぐに実現できるとは思っていません。でも目指すところが共感できるというのは嬉しいじゃありませんか。
「『勝ってくれ』とは言われても『おもしろいサッカーをしてくれ』と言われたことはない。」と言い切られてしまうよりも(爆)。

こうやってノブリン札幌に期待を抱いてワクワクできる状況になって、私はようやく三浦監督に感謝することもできるようになってきました。
コンサの選手たち(の一部)やサポにJ1の世界を直に見せ、触れさせてくれたこと。届かない世界でもないし、かと言って簡単な世界でもない。それを実感できたことはとても貴重です。三浦さんだからこそできたことだとも思っています。また、真摯に、誠実にコンサのことに取り組んでくれたことには敬意を抱いています。特に去年はさぞやつらいこと、理不尽な思いをすることがたくさんあったでしょう。それでも投げ出さずに1年間やり遂げてくれたことは貧乏チームにとってはとてもありがたいことでした。

さて、シーズン前は夢が広がりますが、ただ現実の積み重ねは地味でつまらないものでもあるんですよね。
私が「とても好きだった」と振り返るヤンツー時代だって、当時の観戦記を読み直せば、試合についてはけっこう文句を言ってるもの、私(笑)。
きっとノブリンサッカーについてもあれこれ言うんでしょうね。
でもそれもサッカーの楽しみ。
本当に楽しみです。
今年のシーチケはまだ手元にないからしっかり見ていませんが、昨日の販売イベントで買ったシーチケをアップしてくれているブログなどを見ると、赤黒のサッカーボールの下に RE START という文字が書かれているんでしょうか?
やっぱり今季はリスタートなのかな。
楽しみです。

posted by あきっく |23:30 | コンサ周辺のいろいろ | コメント(4) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:2009シーズンはリスタート

あきっくさんっ!!
もうもう、もろ手をあげて同感です!!
>特に後先考えずにとりあえず今ある力をすべて
>「J1に昇格する」ことだけに注ぎ込むようなやり方
>では、長期的にみると消耗・疲弊するばかりではないかと、
>とても不安でした。
このあたりのくだりなんか、ビンゴですビンゴっ!
ホント、私も言いたい事を判り易く書いてくれてありがとうです♪

posted by しーちゃん| 2009-01-13 00:32

Re:2009シーズンはリスタート

>しーちゃん
まったくもう、私たちはほんとに、好みとか考えることとか、似ていますね。
きっと同じクラスにいたら同じ男の子を好きになっていたに違いないw

posted by あきっく| 2009-01-13 01:22

Re:2009シーズンはリスタート

2008年を振り返って、うちのカミサンが言ってたことを思い出します。「07年のコンサは勝っていたけど素人目に観ていてもおもしろくないんだわ。08年は何をやろうとしているのか素人にはわからない。パパおしえて!」というのがカミサンの意見でした。ユース、Jユースの楽しさ、面白さ、苦しさetc.この話をしてあげたら「パパはいいよね~」だって!ひょっとして、今シーズン、単独行動できるんでしょうか?

posted by すうさんfc| 2009-01-13 20:58

Re:2009シーズンはリスタート

>すうさんfcさん
わかります!
奥様の気持ち、よ~く分かります。
だって私もまったく同じ感想でしたから・・。
三浦さんのサッカーは、きちんと詳しく見れる方には専門的な面白さがもしかしてあるのかもしれませんが、ボールの動きを追うのに精一杯な私のような素人にとっては、おもしろみを感じられませんでした。
私の場合、やっぱり見ていて一番楽しいのは、みんなで工夫したり協力し合ってひとつのボールをゴールまで運んでいくというプレーの流れですもの。そしてゴールが決まったらもう最高!
今年は奥様がトップの試合に夢中になっている間に、すうさんfcさんは心おきなくユース追っかけができますね。
でも私も今年はトップにもかなり通い詰めそうですw

posted by あきっく| 2009-01-13 22:43

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