2011年03月17日
征也の移籍と思い出の品
2010年シーズンが終わったあと、征也がアルビレックス新潟へ、大伍が鹿島アントラーズへ、それぞれ完全移籍しました。 どちらもコンサのユース育ちで、しかも同期の2人です。 ユースのころから織り重ねてきた思い出のたくさんある思い入れのある選手が、同時に2人完全移籍でいなくなるというのは、事情はよくわかるしあたりまえだし仕方ないし、選手としての今後を応援したいという気持ちを十分に抱きつつも、私にとってはかなり切ない出来事でした。 それで2人の移籍にまつわる私の思いを綿々と書き連ねてみようと思ったのです。しかも同時に2人とも完全移籍とはいっても、経緯や私の心の動きが微妙に違う部分もあったので、その2つを対比するように別々のエントリを2つ同時に書いてみようと思っていたのです。 移籍の発表があったころは、まだ私の感情の波も高く揺れていたし、仕事も忙しくてゆっくり気持ちを落ち着ける余裕が持てなかったこともあって、つい伸び伸びになってしまっていました。 そのうちにキックオフイベントを迎えて、それどころかキャンプも終わってシーズンが開幕してしまいました。 いくらなんでも今さらだよなあ・・・と、これらのエントリはお蔵入りになる雰囲気でした。 ところが東北で大震災が起き、第1節を終えただけでリーグは中断することになり、なんだかチームはまた振り出しに戻った雰囲気で。この隙に書きかけのエントリを書いてみようかとも思いました。 でもあんな未曾有の大災害を目の当たりにした後になると、元気で生きていられて、サッカーをやれるなんて、それだけで十分幸せなことだという気持ちが強くなり、「移籍して切ないけど、でも応援する(涙)」モードのお涙頂戴話(?)なんて薄っぺらに感じる感覚になってしまいました。 なので予定を変更です。 途中まで書いた部分は消しはしないまでも、続きは書くのをやめて、最後におまけ話として付け加えるつもりだった「それぞれにまつわる思い出グッズ」を披露するエントリにしてしまいます。 移籍に関する思いは、今後別の機会で書く気になれば書くかもしれませんけれど。(鮮度がぐっと落ちてるからきっと書く気にならないと思います。)
【以下は征也の移籍に関する書きかけ部分です。】
もう来週にはリーグ戦が開幕するし、うちのチームもよそのチームもすっかり陣容を整えていて、まさに今さら・・・な感じなのですが、征也と大伍の移籍はクラブにとって(そして私にとっても)「新しい時代の幕開け」という気がするので、それを受け止めた私の心境を書き留めておこうと思います。 もっとも移籍が発表された当時と違ってもうすっかり感情の波はおさまっているし、熱く語ろうにもほとぼりも冷めてしまっているのですけどね。ここまで放置したのは意図したわけじゃなかったけど、かえってよかったかも?(笑)。
去年の12月23日に征也がアルビレックス新潟に完全移籍することがコンサと新潟双方のオフィシャルで発表されました。 ■コンサ公式 コンサドーレ札幌 藤田征也選手 アルビレックス新潟へ完全移籍のお知らせ ◇この度、コンサドーレ札幌の藤田征也選手がアルビレックス新潟へ完全移籍することが決定しましたのでお知らせします。 ■氏 名:藤田 征也 Seiya FUJITA 背番号 7 ■ポジション:MF ■身長/体重:175cm/63kg ■生年月日:1987年6月2日(23歳) ■出身地:北海道札幌市 ■経 歴:SSSJrユース-コンサドーレ札幌ユース・U-18 ■出場記録 年度/所属/カテゴリー/リーグ戦/カップ戦/天皇杯 <2005>札幌…J2/1試合0得点/-/0試合0得点 <2006>札幌…J2/30試合0得点/-/4試合0得点 <2007>札幌…J2/39試合7得点/-/0試合0得点 <2008>札幌…J1/19試合0得点/3試合0得点/0試合0得点 <2009>札幌…J2/47試合3得点/-/0試合0得点 <2010>札幌…J2/30試合3得点/-/1試合0得点 ■藤田征也選手のコメント 『この度、アルビレックス新潟へ移籍することとなりました。ユース時代を含め、コンサドーレ札幌で8年間プレーしてきました。育ててもらった札幌でこのままプレーし続けたいという思いを強く持っていましたが、サッカー選手としての短い選手生命を考え、1年でも早くJ1の舞台でプレーしたいという気持ちは抑えることができず、移籍を決断致しました。 今まで自分を育ててくれたクラブ、そして応援してくださったサポーターの皆さまには言葉では言い表せないくらい感謝の気持ちでいっぱいです。コンサドーレというチームで育ってきた誇りを胸に今後とも自分らしく、一生懸命プレーしていきたいと思います。本当にありがとうございました。』 ■新潟公式 コンサドーレ札幌から藤田 征也選手 移籍加入のお知らせ ■コメント このたび、アルビレックス新潟に加入することになりました藤田です。 自分にとって初めての移籍となりますが、1日でも早くチームや環境に慣れ、自分の力を最大限に発揮して新潟の勝利に貢献できる選手になりたいと思います。これから宜しくお願いいたします。
征也の移籍が急浮上したときには動揺して→こんなエントリを書きましたが、私は征也がユースにいるころから、征也に「コンサのバンディエラになって欲しい」と思ったことは一度もありませんでした。 征也はコンサユースに入るとき、他にもJリーグの数クラブからユースへの加入を勧誘され、実際に練習にも参加してみた末に地元のコンサユースに入ることにしたのだと報道されていたほどの、いわば鳴り物入りでコンサユースに入った選手でした。ですから私も初めて征也を見たときに「へえ、この子か・・」と特別な眼差しで見つめたものでした。 そんな凄い選手なら、コンサのトップに昇格しても一生をコンサで過ごすことはなく、いずれはもっと強いクラブ(できれば海外のチーム)に飛び立っていくだろうと思いましたし、そんなふうに順調に育っていって欲しいと願いました。 クラブも征也の育成にはけっこう気を遣っていたんじゃないかなと今振り返ってみて思います。1年生の早い時期からすぐに試合に出たのは珍しいことではないとしても、素晴らしく上手くて尖った我の強いプレーをしていた征也を、伸び伸びとうまくチームの中で力を発揮させながら、いろんなポジションを体験させてプレーの幅を広げたり。なんと言っても私から見て圧巻だったのは、3年生になって征也をキャプテンに据えたことです。前にも書きましたけれど。あれは本当に驚きました。するとあんなに制御不能なほど「瞬間湯沸かし器」に見えた征也が、チームへの責任感溢れるプレーで引っ張る頼もしい選手に変貌したんですよねー。 でもプロ選手になってからの征也は、ギラギラした野心的なところが薄くなってスピードとスタミナで攻守に貢献する「使いやすい」「計算できる」選手になりました。プロ選手として生き抜いていくための素養として大事な部分なのでしょうね。あとはこれという「武器」を磨いて、さらに大きく開花していく一歩手前まで来ているのじゃないかなあと(素人の上から目線で)思っていたところの移籍でした。 この移籍がいい刺激と触媒になって、一気に大開花することを祈っています。 <書きかけここまで> この後
- いったん「残留宣言」「チーム愛から残留を選んだ」みたいな記事が出てその直後の移籍劇だったから、ショックが大きかったよ。
- 当初の「コンサに残る」方向が、自分の意思で(複数の選択肢から)それを選んだんじゃなくて、オファーがないからそれしかなかったからという状況だったなら、たとえ流れから仕方なかったのだとしてもあんな記事を書かせちゃダメだよ。そこはプロとしてしたたかにならなきゃ。
- 結局、プロ選手としての自分の立ち位置とか行く末に対する見通し、覚悟が甘かった部分があるんじゃないかな。厳しいようだけど。
- などと苦言を(恨み言を?)呈してから、けれど移籍の決断はあたりまえだし、むしろ「残留宣言」の方が意外だったし、向上心をギラギラさせる征也を嬉しく思うよ。
- ただ、移籍先が新潟というのがねー。しかもポジションも移籍の経過も完全に「大伍の後釜」「大伍の代わり」みたいな位置づけなのに、それを征也が受け容れるとはちょっと意外だったわー。もしかして征也のプライドがその選択を拒否するかもと思った。だってユースのころからの征也と大伍の位置づけを思えばねえ。そんなこと言ってられないほど「時間がない」と急ぐ気持ちだったんだろうね。内田篤人とか香川とか同年代の選手の活躍ぶりを見ていると無理もないと思うけど。
- けどコンサが今この位置にいるのは、征也を初めとする主力選手たちのせいでもあるだろ、責任とってよ、と言いたい気持ちもある。正直に言うと。言っても仕方ないから言わないけど。(←言ってる。)
- 移籍先が同じ新潟でも、去年の大伍の移籍のときとは何だか違う感じ。完全移籍のせいかもしれない。チームの想定外の、慰留を振りきっての急な移籍だからかもしれない。こうなったらきっぱりと送り出して、振り向くなと言いたいし、追いかけてもいかないよ、というような気持ち。だから戻ってくるところがあると思わないで。戻ってくるとも言わないで。
- 「いつか札幌に戻って恩返ししたい」というようなコメントは言って欲しくない。だってコンサが下で、征也のいるチームの方が上、という立ち位置にずっといるつもりは(サポとしては)ないから。戻ってきたいと言われても、それが「温情による恩返し」になるとは限らない、それどころか、有力選手がコンサに入りたいと思ってもそう簡単に入れるわけではないチームになっているかもしれないのだから。少なくともサポとしてはそれを目指すんだから。
- もしも今後、征也の進む道とコンサの進む道が縁あって交わることがあって、そのときにコンサに移籍するタイミングがあったりしたら、それはそれで感慨深いと思うし嬉しいと思うけどね。でもそれはコンサとは関係なかった他の選手と何ら変わらない一般的な可能性の話。
- だから後ろを振り向かず、覚悟を決めて、大きく羽ばたいていけるようがんばって。きっとこの移籍の刺激は、ぴりっと征也のサッカー人生を引き締めて、一皮剥けて大きく成長するための良い触媒になる気がする。だからがんばれ~。
とまあ、順不同ですがこんな内容を詰め込むつもりでした。
征也に関する思い出グッズはこれ。 ユース時代にJデビューを飾った試合の、まさに出番を待つ征也の後ろ姿を撮った写真に、後からサインをもらったものです。 あれから100試合かあ。って思いながらこんなエントリ→100試合おめでとうも書いたんだったわ。 そしてこれは私が初めてもらった征也のサインです。とはいっても自分でサインしてもらったのではなく、後から色紙をいただいたものなのですけど。 サインの日付は2006年のキックオフイベントの日です。色紙の上の部分には私の本名が入っているので隠しちゃってますw この年私は、晴れてプロ選手になった征也のお祝いに・・と思ってユース時代に撮り溜めた征也の写真をアルバムにまとめ、キックオフイベントの日に持参して、HFCの人に託して渡してもらったのです。 そしたら征也がそのお礼にと思ったのか、当日家に帰ったあと色紙にサインして、関係者を通じて後でプレゼントしてくれたのでした。 これいただいたときはかなり舞い上がったっけ(笑)。 今と比べるとあのころの私はずいぶんウブというか、慎ましやかだったかもしれない。今はすっかり図々しくなってこの先征也がすっごい大選手になって、この色紙がますますお宝グッズになる日を楽しみにしてますからねー。 今年の開幕戦でのさっそくのゴールおめでとう。移籍後すぐに結果を出して、ほっとしただろうなと思ったところで中断になってしまいましたが、この先もきっと順調にやっていってくれると思っています。 なんせ私の素人目線からは、征也はすっかり大人の選手になってもうすぐ大開花する寸前って匂いを発していましたからね。できればうちにいるときに大開花して欲しかったんだけどね(笑)。
大伍の移籍に関するエントリは→こちら
posted by あきっく |04:25 | コンサ周辺のいろいろ | コメント(2) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:征也の移籍と思い出の品
かなり周回遅れですが(苦笑)。
>コンサのトップに昇格しても一生をコンサで過ごすことはなく、
いずれはもっと強いクラブ(できれば海外のチーム)に飛び立っていくだろうと思いましたし、
ひいき目が入るので「コンサを背負ってほしい!」とは思っていても、
有力なオファーが来ればいずれは移籍してしまうのではないか?
そんな予感は何となくありました。だからコンサに残るという報道があっても
いざ移籍が決まれば「うーん、そうだよなあ・・・」と受け入れてしまう自分がいました。
大伍の移籍とは違って、喪失感が湿っぽくないというか。
うまく言えませんが征也が優等生なら大伍は苦学生。
だから「いずれ札幌のために・・・」というコメントでも征也にはあんまり寂しさがなくて
大伍に対しては「そんな泣かせること言うんじゃねぇ!」と涙がちょちょ切れてしまう。
ただ、2人を同時に失うってのは喪失感が2倍3倍になりますね・・・。
posted by フラッ太| 2011-03-27 11:20
Re:征也の移籍と思い出の品
>フラッ太さん
征也と大伍の移籍に対する微妙な感情の違い。
自分でもよくわからなかったのですが、
>征也が優等生なら大伍は苦学生。
>だから「いずれ札幌のために・・・」というコメントでも征也にはあんまり寂しさがなくて
>大伍に対しては「そんな泣かせること言うんじゃねぇ!」と涙がちょちょ切れてしまう。
これ、思わず膝を打つ感じでとってもよくわかりました。
なるほどー。
まさしくそんな感じです。
で、2人いっぺんに失うことで心理的ダメージが2倍3倍になるのはほんとそのとおりです。
今後はぜひ順番を守って、計画的に移籍して欲しい(悲)。
posted by あきっく| 2011-03-27 16:32