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2009年04月01日

秋春制は、より本質的な議論であるべき。

スポニチのサッカーコラムサイト World Soccer Plusで、
Jリーグの秋春制導入問題に対する3者の意見が出ている。

何のための議論だったのか【戸塚啓】2009年03月18日

高温多湿でのサッカーこそが異常【金子達仁】2009年03月19日

秋春制は日程の問題【西部謙司】2009年03月26日


注目すべきは、3人とも秋春制継続審議に賛成であるという点。

ただ、札幌を含む多くの雪国クラブにとって、現状の犬飼案では到底承服できない話でもある。
(※秋春制に対する私の意見については、コチラ。
秋春制のメリット・デメリットのまとめついては、
秋春制のまとめ -メリット編-秋春制のまとめ -デメリット編-)



↑で戸塚さんは、(※以下、青字が引用。)

 ヨーロッパのシーズンに合わせると、日本人選手は移籍しやすくなる。外国人選手を取りやすくもなる。1月や2月に慌ただしくコンディションを整え、国際試合に臨む必要もなくなる。しかし、先日の山形-名古屋戦のような豪雪を見せられると、シーズン移行への抵抗感は強まる。

 ずっと感じていた疑問がある。
 シーズン制の移行は、何を出発点とした議論なのだろうか。(中略)
犬飼会長と鬼武チェアマンの対立がクローズアップされるばかりに、問題の核心が見えにくくなっている気がしてならなかった。
 議論の出発点は、「いいサッカーをしたい、リーグ戦のレベルを上げたい」ということのはずである。「Jリーグのレベルアップを、日本代表などの代表チームへつなげていこう」というのが、協会とJリーグに止まらず関係者に共通する思いのはずだ。


戸塚さんが指摘するように、マスコミが犬飼氏と鬼武さんの対立ばかりを煽って、
『協会vsJリーグ』の対立構図として、この問題を取り上げたことに私も違和感があった。
(※「犬飼vs鬼武」の報道について -秋春制-)

「いいサッカーをしたい、リーグ戦のレベルを上げたい」という本質論になる前に、
そんなもん無理だし、デメリットも多いから
やろうというやつがおかしいになってしまった感がある。

秋春制を導入しないにしても、そこの本質論を棚上げしていては、
日本におけるサッカーを取り巻く現状は悪化していくばかりだ。


例えば、先日の日本代表のバーレーン戦の視聴率は、19.4%
(バーレーン戦視聴率は19.4%=サッカー)

他のW杯最終予選、ホームの試合に限って視聴率を見ていくと。
(※WBCの盛り上がりとサッカー日本代表戦の視聴率の低下。)
(※時間帯は、いずれも19時から22時の間。)

2009年2月11日(水)オーストラリア戦:22.9%。
2008年10月15日(水)ウズベキスタン戦:16.3%

2005年2月9日(水)北朝鮮戦:47.2%
2005年3月30日(水)バーレーン戦:40.5%
2005年8月17日(水)イラン戦:26.0%


前回ドイツ大会の最終予選の視聴率を一度も上回っていない。

日本におけるサッカー人気そのものが低迷しては、
Jリーグにおける各クラブの観客動員にも影響が出る。
秋春制だけが解決方法ではないが、事は日本代表だけの問題ではないはずだ。




金子さんも、日本のサッカーの質をあげるために、
高温多湿の真夏は避けるべきだとしている。

ただ、

 資金面などでいま以上の苦労を背負い込むことになる北国のクラブの反発はわかる。だが、高温多湿な中でのサッカーこそが異常だという認識は、絶対に忘れないでいただきたい。秋冬制に移行できない理由が資金面の問題でしかないのであれば、Jリーグは文化を語る資格を失うことになる。利潤を第一目的とした文化などありえないのだから。

金子さんに言うとすれば、
まず、“高温多湿の中でのサッカー”よりも“雪上サッカー”の方がましなのか?ということ。

次に、利潤を目的とした文化はありえないとしながら、雪国で冬にサッカーをするなら、
その文化に参加する入り口を金銭面で狭めることになってしまう。

少なくとも屋根付の練習場を自前で用意できなければ、Jリーグに参加できませんでは、
誰のための文化なのか?ということになりはしないのか。




西部さんの意見には、ほぼ同意です。

 まず、設備投資は諦めたほうがいい。ない袖は振れないし、J1からJFLまですべてのクラブに対策を施すのは無理で、メンテナンスも必要だから出費はどう考えても莫大なものになる。つまり、真冬にリーグ戦は開催できない。

 そうなると、日程を調整するしかないのだ。しかし試合数を減らすとクラブの収入が減ってしまう。試合数をなるべく減らさず、冬に積雪地域での開催を避けるにはどうしたらいいか。

私も秋春制の問題は、“北海道で冬にサッカーをやるかどうか”ではなくて、
スケジュール調整の問題であると認識しています。
(※その点については、以前かなり前の段階で、equipさんも指摘していました。
秋開幕のシーズン 2006年07月19日)


この問題が、今後、本質論的な展開になっていくことを願っています。

posted by whiteowl |12:55 | 秋春制について | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:秋春制は、より本質的な議論であるべき。

お久しぶりです。
TBありがとうございました。

先週買った『Number』に犬飼さんと鬼武さんの対談が出ていますけど読まれましたか?
犬飼さんの発言の中に、「札幌の選手に聞いたら秋春制は賛成と言ったけど、サポーターに聞いたら反対」というのがありました。
選手の事情を考えたら本当なんだと思うけど、犬飼さんはあまりにも話の出し方が下手すぎましたね。
下手すぎたから「何のための秋春制」という肝心なところが抜けちゃって、雪中サッカーやるの、雪かき誰がやるのみたいな展開になったんでしょうね。

秋春制については、来年のワールドカップが終わってから必要があれば話を再開して欲しいというのが今の私の気持ちです。
とりあえず、あと勝ち点3の所まで来たので…

posted by equip | 2009-04-01 22:40

Re:秋春制は、より本質的な議論であるべき。(equipさんへ)

すいません、同じ記事に二度もTBして・・・(゜゜;)

先週のNumberは、まだ見てないです・・・。
どっかでゲットして読もうと思います!

犬飼さんが悪いのか、マスコミの報道の仕方が悪いのか、その両方なのか(笑)。
犬飼さんが積年だったこの問題を再提起したのは良いんですけど、
難しい問題だから長らく棚上げされてたわけで、
なのにもって行き方が強引過ぎて、反感をかってしまったところがありますよね。

W杯出場まで勝点@3ですね。
捕らぬ狸ですが、出た後のことが心配です・・・(゜ー゜;A

posted by whiteowl| 2009-04-03 12:32

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