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当ブログは、ただのサッカー好きが、地元北海道のプロサッカーチームであるコンサドーレ札幌の情報を中心に、サッカーの話やそうでないものをチラシの裏的に書いたものです。 “whiteowl”の由来は、“ドーレくん”から何となく。 特に、サッカーの戦術やプレーに興味があり、他のスポーツも観ます。空手は、黒帯。 最近は、気分転換も含めて、スタジアムの色々なこところで観てます。 始めは純粋にサッカーだけに興味があったのですが、このチームは経営がもっとしっかりしないと強くならないと感じるようになってからは、HFCの経営に関する記事も書いてます。 尚、記事が長いのはデフォルトです(-"-;A ... コメントについて: 当ブログでは、長文コメント大歓迎です。 頂いたコメントに、すぐ反応できない場合が多くて申し訳ないのですが、極力返事をする方針です。 ただし、感情的なコメント、悪意が感じられるものについては、スルーするかブログ主権限において削除する場合があります。 ※当ブログはリンクフリーですが、コメント欄にでもこそっと書き込んで頂けると嬉しいです。

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迷いのある選手へ

2008年10月09日

プロサッカー選手でもなかった人間が偉そうに語るなというなら甘んじて受けますが、
これから私が言うことは、空手の黒帯、有段者としての経験から述べることです。


監督が求めているプレイをしているつもり。監督が状況によっていうことが違うので理解できない。
多分、試合の動きを見る限り、選手たちは、そのような不満を持っているに違いありません。


私が空手の指導を受けていた時、例えば前蹴りに対して「強く蹴れ」と
師範は漠然としたことしか言わなかった。(※というか、それは当たり前のこと(笑))
それで、まだ私が白帯であった頃、蹴りが強いと評判の先輩に聞いてみました。
すると、Aさんは蹴って当たった後の押し込みが重要だから、
当たってから腰を前方にぐっと押し込めという。
Bさんに聞くと、体全体で相手に当たることが重要だから
上体が前のめりになるために腰を前に出してはいけない。
同じ前蹴りなのに、二人が全く違うことを言う。
しかも、同じ流派、同じ師範についているのに(笑)。
多分、普通の人はそこで思考停止します(笑)。どうすりゃいいんだと(笑)。
もしくは、どちらかの言うことを信じて稽古するでしょう。

私も悩みました。それで、自分で色々試してみました。
すると、ある日、気づきます。どっちでも強く蹴るという意味では、いいのだということに。
さらにAさんは比較的体格が大柄で、Bさんは体格が普通であるという事実にも気づきます。
そう、答えは一つじゃないんです。状況によって変わるし、人によって答えは違う。
それでいいのだということに。

でも、私は一見矛盾する二人の意見を取りいれ、二人とは別の道をとりました。
体格が普通な私は、基本的に体全体で当たりに行かなければ強い蹴りは出せない。
しかし、そこからもう一伸びすれば、相手に更なるダメージを与えられる。それも事実です。
そこで、腰ではなく膝を曲げて当たってからそれを伸ばすことでそれを実践しました。
結果はいうまでもありません。whiteowlの前蹴りは他の人より強いということになった。

ただの自慢話ととらえてもらっても構いませんが、
相手と同じこと、もしくは、言われたことをただやっているだけでは、
伝えた相手を上回ることは愚か、伝えた相手と同等になることもできません。
自分で言われたことを理解して、違う意見も加味して捉えなおすという作業が必要です。
哲学でいうならば、ヘーゲルの弁証法です。

言葉という代物は、コミュニケーションツールとして不完全ですから、
伝える側は、自分の技術すべてを相手に伝えることが出来るわけではない。
自覚していないコツがあったり、伝えにくいニュアンスがあったりする。
そこの溝を埋めるには、自分で考えて検証するしかない。

だから、私には、師範が漠然としたことしか言わない理由がその時わかりました。
むしろ、漠然としか言えないわけです。
理屈でいわないと他の人に伝わらないから、
明確な理屈で具体的に言わないあの師範は、ダメだという人も居た。

しかし、例えわかりやすい明確な理屈があっても自分で検証して理解しないと意味がない。
大切なことは、言葉の表面的な部分ではないのだということです。


答えは、相手にはない。自分の中にある。



2000年の三浦監督が似たようなことを言っています。
イタリア通信103:<番外編その1>三浦監督 ドイツ仕込みのアウトサイダー(07.2000)

「日本の選手は非常にまじめで、練習でも手を抜かないし、指示されたことを真剣に、きちんとやり遂げる力がある。こういう資質はヨーロッパや南米の選手よりもずっと優れていると思います。大きな長所といっていいでしょう。
 逆に足りないのはフレキシビリティですね。というか、自分の頭で考えて判断を下す能力が鍛えられていない。言われたとおりにこなすことはできても、状況の変化に対応するのが苦手なんです。

 例えば練習中に、ある状況であまり意味のないところにパスを出したとします。こちらはプレーを止めて、この状況ではあっちに出したほうがいい、と言いますよね。そうすると、次に似たような状況になったときには、必ずさっきこちらに言われたところにパスを出してしまうんです。

 似たような状況といってもそれぞれ微妙に条件が違うし、必ずしもさっき言われたところに出すのが最善とは限らない。そこを自分で判断して、その時その時にベストのプレーを選ばなければならないはずなのですが、それがうまくできない。言われた通りにやることには慣れているのですが、自分の頭で判断するのに慣れていないんです」

「いいサッカーをするためには、選手ひとりひとりが自分の頭で考え、判断できなければばならないとぼくは思っています。だから、いまうちは、ボールを使った練習以外はほとんどしません。フィジカルトレーニングはやらないんです。

 筋トレしたりただ走ったりするのは、選手にとっては実は楽なんですよ。頭を使わなくていいから。それに、20代半ばの選手がフィジカルトレーニングで得られるものはそんなに大きくない。彼らに一番必要なのは、常に自分の頭で考え続けながらプレーするという姿勢を身につけることです。それにはボールを使った練習しかない。

 個々の選手の判断力が磨かれれば、チームとしての総合力はまだまだ伸びます。フィジカルをやっていれば、最後の10分まで走り負けしないとか、そういうメリットはあるかもしれないけれど、それでサッカーの質が上がることは絶対にあり得ません。だからうちでは、フィジカルを省いてでもボールを使った練習を重視します。これはピムが監督だったときからそうです」


引用終了。


来季も三浦監督続投希望。 -その4-

2008年10月09日

一貫して三浦監督の続投を要請してきた当ブログ。
正直、私は、もっと四面楚歌になることも想定していました。
思いの外、賛同の声を頂き誠にありがたいかぎりです。


さて、昨日のコメントでJ2に降格したら監督交代は常識的に考えて、
更迭するのが普通だと。
しかし、辞めるのが当たり前だという方に私は問いたい。

『J1最低総額年俸で残留するというミッションは簡単なことなのか?』
『J1最低年俸で、J1に残留することが当たり前のことなのか?』と

我々は始めから難しい要求をしているのに、それができないから、
非難するというのは、逆に、我々の方が酷くはないでしょうか?

どこかの裕福なチームのように巨大戦力を持ちながら優勝できないとか、
当然期待されるような結果がでていないというなら、それは明らかに監督の責任問題です。

しかし、現状は違う。ノナト、アルセウの補強の失敗。怪我人も多かった。
選手層の厚くない札幌が、まともな補強もないままそのような状況で、
J1残留を果たすことが、常識的なことなのかと。


それに、そんな無茶な要求を繰り返し、出来なかったら解任していたら、
そのうち誰も監督になってくれる人がいないくなると思いませんか?

いきなり例が、野球になりますが、
広島カープが、成績低迷を理由に毎年監督の首を挿げ替えていたらどうなりますか?
父がカープファンですが、カープファンの方すいません・・・(・・;)
投手が崩壊したという明らかな理由のある横浜は、
ぶっちぎりの最下位でも大矢監督を解任しましたか?

誰もいないなら、金を払えばいいと思うかもしれない。確かに、そうかもしれません。
しかし、それこそ、金の切れ目が縁の切れ目になってしまいます。

資金力のない札幌が、そんな場当たり的なことを続けても
良いクラブ運営に向かうはずがない。

J2でも5、6番目の資金力だった札幌が昇格できたのは、組織のお陰です。
その組織が崩壊していて勝てるはずもない。
それは、監督を解任することで解決しないし、悪化するだけです。
監督を代えれば、その監督の戦術にもよりますが、また1からやり直しです。
そして、成績低迷、監督交代をいつまで繰り返すのですか?
2003年、Jで実績のあった監督ジョアン・カルロスを招聘し、
代表クラスのブラジル人を補強してどうなったか思い出してください。
成績低迷という問題の本質は、監督ではなく資金難です。
組織をつくるには、時間がかかる。そして、選手が出来ないなら育てるしかない。

ヤンツーの時代だって、選手に合わないから選手に応じたサッカーを
するべきだという声は根強くあった。
チームの色というべき戦術をある程度固定しなければ、結果が出るまで時間がかかる。
札幌で、J1昇格という実績を残した監督よりも、
まだ見ぬ監督に今後を期待することが本当に現実的な選択なのでしょうか?


HFCは、三浦監督の続投を望むならそれ相応の誠意を見せねばならないと思っています。
相当の決意を持って選手やサポーター、スポンサーに説明しなければならない。

私は、フロントではないただのいちサポーターです。
このブログで私の気持ちを言うのが精一杯です。私にはこんなことしかできません・・・(・・;)
ここから、他力本願になってしまいますが、三浦監督を本気で引き止めることが出来るかは、
実際に引き止めるフロント次第だと思っています。

次回は、その具体的な方策について考えてみたいと思います。


来季も三浦監督続投希望。 -その3-

2008年10月08日

俳優の緒形拳さんが亡くなった。
個人的には、NHK大河ドラマ「毛利元就」の尼子経久役が印象に残っている。
(風林火山の宇佐美定満役もそうでしたっけね。)

最近の男優は、良い意味で男っぽさがない。織田裕二、豊川悦司くらい?
そして、その二人が出ているリメイクされた映画「椿三十郎」。
それでも、どうしてもオリジナルの三船敏郎と仲代達矢と比べてしまう。
時代を語るほど長くは生きていないつもりだが(笑)、時代によって求められる
男性像は違うのかもしれない。それは当たり前なのだが、寂しくもある。

ご冥福をお祈りいたします。



閑話休題。
一貫して三浦監督の続投を要請してきた当ブログ。
しかし、大方の予想は、要請したところで三浦監督が受けないだろうというものである。

私は違う見方をしている。三浦監督にも続投することにメリットがあると思うからだ。

まず、今季、札幌がJ2に再降格してしまった場合、昨季の横浜FCとセットで、
『守備的な戦術で昇格したチームは昇格できてもJ1で通用しない。』
という一般的な説が定着する可能性が高いと踏んでいる。
(※その説についての考察は、
リアクションサッカーがもたらす精神的影響 -三浦サッカー考。その3-を参考にされたし。)

そうなると、もし三浦監督の能力を高く評価していて、J1に昇格したいJ2のクラブも、
あがってもすぐ落ちるならねという世論によってフロントも取りづらくなる。
また、降格した監督をわざわざJ1のクラブが抱えるとは思えない。

三浦監督ならば、しばらく解説者をやって気分転換しつつ新しいサッカーを吸収しなおして、
再び監督になる日が来るかもしれない。しかし、上記のレッテルは残ったままだし、
ブランクを空けたところで、オファーが来るという絶対的な保障もない。
まして、ブランクが空けば空くほど、実戦感覚という理由からオファーが来なくなる。

そして、何より三浦監督は、プロ選手としての実績がないがために、
当たり前なのだが、監督として実績を残し続けていくことでしか評価されない。
彼が監督であるためには、監督として成功し続けるしかない。非常に厳しい立場だ。

このまま辞任するのは簡単だが、このまま辞めればしばらくこの失敗のみが付きまとうことになる。
三浦監督の監督としての実績として、それがプラスになるのか?
しかし、J2降格したとしてもそれを立て直し、再びJ1に挑戦することに成功し、
今度はJ1残留に成功することができたとしたら?
それは彼の実績として、輝かしい不動のものになるに違いない。


確かに、そうなればの話ではある。そうならない可能性だって当然ある。
しかし、怪我人が多く、補強も上手くいかないそんな状況の中、
この結果に一番悔しい思いをしているのは、監督自身に違いない。
サッカーへの夢が捨てきれずに、単身ドイツに乗り込んだ男である。
この状況で監督を続けているのもタフだが、それでも茨の道を行く男だと信じたい。
三浦監督にはリベンジして欲しいと思うし、自身のためにも是非成功して欲しい。


時代は変わった。腹を切るという方法で本当の問題は解決しない。
(※欧米では、よく問題をおこした関係者が問題を解決する方が、
問題の本質を理解しているだけに、問題をよりよく解決できるとされている。)
新しいサムライの生き様を見せて欲しい。




追記。
検索していたら、面白い記事を見つけました。

イタリア通信103:<番外編その1>三浦監督 ドイツ仕込みのアウトサイダー(07.2000)

この文章の最後。
>守って守ってカウンター、というサッカーには興味ありません。

今のサッカーが彼の信念ではないということがわかります。
正に状況に合わせたサッカーを選択しているということ。
この発言をしたのが2000年。それから色々あったのでしょうね。


来季も三浦監督続投希望。 -その2-

2008年10月07日

当ブログでは、一貫して来季も三浦監督続投希望。を要請してきました。

そのために、クライトンは良い選手だがチーム戦術にはフィットしていないこと。
クライトンと三浦監督。

J1最多失点の原因とされるゾーンディフェンスについては、
ゾーンディフェンスを考える。 -その1-
ゾーンディフェンスを考える。 -その2-
ゾーンディフェンスを考える。 -その3-
ゾーンディフェンスを考える。 -その4-
ゾーンディフェンスを考える。 -その5-
の5回のシリーズを通じて、ゾーンという戦術そのものの問題ではないことを主張してきました。
そして、完璧な戦術などなく、戦術が浸透するには時間がかかる。


「クライトンをうまくつかえない=三浦監督の戦術が悪い」、「失点が多い=三浦監督の戦術が悪い」
と何でも三浦監督のせいにする流れに本当にそうなのか?
ということを私はここで言ってきたつもりです。

三浦監督のせいにするのは簡単です。
しかし、最大の問題は、年俸と選手の力量が必ずしも比例するわけではありませんが、
どう考えてもJ1で最低の選手年俸という点です。

しかし、資金がないので、出来る選手を引っ張ってくることができません。
(※無理な補強をすれば、過去の多額の累積赤字の二の舞です。)
だから、育成していくしかない。そのために同じ監督である必要はありませんが、
戦術をある程度固定することが重要です。年々コロコロ変えていると、
戦術が蓄積されませんし、必要とされる選手も変わってしまう。

J1最低ランクの三浦監督の年俸と同額かそれ以下で、
素晴らしい監督がいて札幌に来てくれるなら反対なんかしません。
(※いたとしても、札幌に来てくれるかはまた別の問題です。)
まして、監督人事は誰でも良いという類の問題ではありません。
いないなら、三浦監督を軸に考える方が、現実的だし来季の補強も巻き返しも図りやすい。
まず、しっかりした組織をつくる。そのためにコロコロ監督を代えないで、
HFCは、サポが何と言おうが、監督が自分で辞めるというまではやらせる。
ここは我慢が必要です。私は石の上にも3年だと思っています。

今は恥を忍んでも、今後の飛躍のためにここは耐え忍ぶべきです。


三浦監督に続投要請へ J2降格でも チーム導いたプロセス評価(10/07 10:34)

私はこれはHFCの英断だと思います。辞めるだけが責任の取り方じゃない。
それは、責任を誰かになすりつけて現実から逃げているのと同じです。
本当の理由は、資金難であり、それ以上でも以下でもない。
責任があるとすれば、さしたる補強も出来なかったフロントです。
しかし、ない袖は振れない。フロントも仕方がないとしかいいようがない。


HFCが続投要請しても、三浦監督は固辞するだろうという見方もあるようですが、
私はやってくれると信じています。三浦監督にもメリットはあるからです。
長くなったので、それはまた次回・・・(・・;)


でも、やっぱり札幌が好き。 -第28節 磐田戦-

2008年10月06日

最早、0-5で負けようが、前田に前半でハット決められようが、負けはただの負け。
気力、体力、技術が、弱い方が負ける。その事実を受け止めてどうするのか。
せめてそこは見せて欲しい。


いあ、正直なんでこんな想いまでしてなぜ札幌を応援してるのかと思う時もある。

でも、こんな状況だから、余計に思うのかもしれないが、
やっぱり俺はサッカーが好きで、札幌が好きなんだろうなと改めて思う。


ゾーンディフェンスを考える。 -その5-

2008年10月04日

ゾーンディフェンスを考える。も5回目を迎えました。
本当は、3回位で終わる予定だったのですが、長期シリーズになりました・・・(・・;)
(※今までのものは↓)
ゾーンディフェンスを考える。 -その1-
ゾーンディフェンスを考える。 -その2-
ゾーンディフェンスを考える。 -その3-
ゾーンディフェンスを考える。 -その4-

今回は、現在J1で最多失点を誇り、理論倒れだとか札幌の選手には無理と言われる(笑)
札幌における三浦監督のゾーンによる守備戦術についての分析の2回目です。


その4では、4-4-2の4-4の2ラインによって自陣のゴール前に
2枚のゾーンの防御網を張り、その陣形を極力維持することで、
自陣に相手に使われるスペースを消し、相手に自陣に侵入する隙を与えないこと。
しかし、その一方で、陣形を維持することのみに囚われるとボールホルダーへの
プレッシャーが弱くなり、流石にノープレッシャーでは、J1の高い技術の前に
精度の高いクロスやミドルシュートを沢山蹴られる結果となっていること。

そして、この2つのバランスをどうするかが一つのジレンマであることに触れました。


今回は、この中盤をフラットに並べて2ラインでゾーンをする
4-4-2の欠点について考えたいと思います。


◎図1(4-4-2の並びとゾーンの意識)
(●・・・選手)

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上図を眺めてもらうとわかるのですが、システムのバランスが良いということは、
裏を返せば、局面では、味方の数的優位を作りにくいということなのです。
4-4の局面では、ゾーンであるから結局ボールホルダーに対して1対1になります。
だから、1対1できちんと守備が出来ないと相手を止められません。
どういうことかというと、基本的には数的優位を作って相手から
例えば上下から挟んでボールを奪ったり、左右から挟んで取るということに向いていないのです。
(※だから、まずFWが前線から追い回して、360度対応ではなく
180度対応で済む守りやすいサイドにボールを出させる必要があります。)


◎図2
(●・・・守備者 ○・・・攻撃側 ◎・・・ボールホルダー)

 ◎    ○
        ↓
 ● ×←●(※ここにスペースが出来るので左にヘルプにいけない) 



上図2のように、ボールホルダーに対して、常に1対1なのです。
左右から挟もうとするとラインが崩れてそこにスペースが出来るので、
基本的にヘルプに行きません。というか行けません。

ただし、ラインがコンパクトになっていれば、上下から挟めます。(図3参考)


◎図3
(●・・・守備者 ◎・・・ボールホルダー)

 ●
 ↓

 ◎

 ↑
 ●



従って、DFラインをあげて全体的に縦にコンパクトにする必要があるわけです。

しかし、やはり自分のゾーンでは1対1で守ることがどうしても多くなります。
三浦監督はこの4-4-2の布陣をするにあたって、この欠点をカバーするために、
4-4の選手に何を一番求めているかといえば、1対1の守備能力を求めるわけです。

だから、SBにも中盤の4人にも、まずCB並みの守備力を求めるし、
フィジカルの強い(≒背の高い)選手をまず第一に求めるわけです。
特に、サイドのSHよりも中央のCHには高い守備力が求められます。
(※フィジカルの強い選手を均一に並べることで、ゾーンのデメリットである
マークの受け渡しによって発生しやすい身長差などのミスマッチの機会も減らすことが出来ます。)

従って、マーカスについては賛否両論ありますが、私は別に監督が贔屓しているわけではなく、
このシステムを機能させるために、ボディコンタクトとDFが強い
マーカスを重用しているだけだと思っています。
これは、裏を返せば、マーカス以上に守備ができれば試合に出られるということです。
(※実際に、大塚はすぐ試合に出ている。)
要は、マーカス以上に守備のできるCHがいないというだけのことです。

また、実はこの4-4-2のシステムは、1対1での守備が基本であるにもかかわらず、
現状の札幌は、その1対1で全く止められていないわけですから、
このゾーンの守り方を止めて「マンツーマンっぽい」守備戦術に
変えたところで大差はないと思われます。


確かに、三浦監督はちょっと難しいことを選手に求めている節はあります(笑)。
フィールドプレイヤー10人が、常にハードワークをして、
ゾーンとラインコントロールの戦術理解が高くないと機能しないからです。
ただ、これをマスターすれば、サッカーはつまらないですが確実に強くなります。
(※モウリーニョもサッカーはつまらないと批判されていましたが、
彼の残した実績は今さら語る必要もありません。)

マスターできなければ、年俸総額に見合った選手の実力しか出せないというだけです。
1+1=2のサッカーでは勝てません、それを3や4にしなければ、J1では勝てません。
それを実現するのが戦術の力(≒監督)だと私は思っています。


最後に、三浦監督への批判として、選手に無理な戦術を強いるのではなく、
選手の長所を活かした戦術を採るべきだという意見もよく見ます。
まず、その個がジダンやトッテイ、リケルメのように飛びぬけており、
一人で局面を打開できるくらいの能力がなければ、個に頼る戦術をしたところで通用しません。
また、組織ではなく個に頼る戦術は、その個がいなくなると機能しなくなります。

札幌は、そのスーパーな個を引っこ抜かれて低迷する経験をし、
それを反省してJ1で通用する組織を構築するための5段階計画であったはずです。


確かに、三浦監督の理想とするところは今の札幌には、かなり高いハードルかもしれません。
しかし、今の三浦監督のやり方でJ2で5~6番目の人件費でJ1に上がったわけですから、
そこをJ1基準に合わせて進化させるしかなかった。
今回は、それに失敗したということなのだと思います。
三浦監督の理想は、J1残留には最低ラインなのだと思うのです。
そこを満たせないから、この順位なのではないでしょうか。

そして、戦術の積み重ねという点で、怪我人が多かったという点もマイナスであったと思います。
開幕前の大塚、曽田、西澤、西嶋など昨季DF陣の軸であった選手の怪我による離脱。
ブルーノの解雇とクライトンより三浦サッカー向きだったアルセウの突然の退団。
果たして、このような状況で昨季の戦術の蓄積がどれほどあったのか甚だ疑問です。
戦術を浸透させるのに、監督や選手がコロコロ入れ替わるのは、
どう考えてもマイナスでしかありません。

一番悔しい思いをしているのは、多分、三浦監督です。
だから、私はもう少しましな状況でJ1残留にリベンジして欲しいと思っているわけです。
来季も三浦監督続投希望。


ゾーンディフェンスを考える。 -その4-

2008年10月03日

ゾーンディフェンスを考える。の4回目です。
(※今までのものは↓)
ゾーンディフェンスを考える。 -その1-
ゾーンディフェンスを考える。 -その2-
ゾーンディフェンスを考える。 -その3-

今回は、札幌における三浦監督のゾーンによる守備戦術について分析を試みます。



まず、三浦監督が用いている中盤を横に並べる4-4-2の並びを確認します。(※図1)


◎図1(4-4-2の並びとゾーンの意識)
(●・・・選手)

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守備時は、4-4-2の2ラインを自陣に退き気味に敷いて、
4-4を出来るだけコンパクトにして自陣を均等に8等分したゾーンに配置します。
図1を見ればわかるように、初期配置の状態で自陣にスペースはありません。
この点は、札幌における三浦監督の戦術が他のゾーンとは違う点であり、
長所でもあり短所でもあります。


まず、なぜ横並びの「4」なのかという点ですが、
これは、「3バックは両サイドにスペースがあるので、サイド攻撃をしろ」という
サッカーの定石からもわかるように、ピッチの横幅に対して守備側は、
3人だと少なく、4人がちょうど良いということなのです。
当然横に5人以上並べても守れますが、サッカーは攻守が一体なので、
守備に人数をかければ、攻撃時に人数が減ることになります。


少し脱線しますが、3-5-2は、中盤の両WBが最終ラインに吸収されて
5バックになりがちなため、守備的な布陣といわれています。
また、2002年W杯時、トルシエ監督が用いていた「フラット3」という
3バックなのに横に並んでラインディフェンスをするというやり方は、一般的ではありません。
(※今現在、当のトルシエ含めてやってる人は、ほとんどいません。)
3バックの場合、以前書いたように二人のストッパーの後ろにスイーパーを置く形が普通です。
ただ、この場合、ラインディフェンスを敷かないので、ラインコントロールが出来ず、
オフサイドが取りにくいので全体をコンパクトにしにくくなります。


閑話休題。
選手間のバランスを重視すると、自陣に相手に使われるスペースを生み出しにくい。
(ただし、守備時にはすばやく初期陣形に戻らなければ隙が出来るので、
GKを除くフィールドプレイヤーが、攻守の切り替え時に
縦にハードワーク(激しい上下運動)しなければいけません。下記参照。
クライトンと三浦監督。)
しかし、バランスを維持することのみにこだわると、ボールホルダーに
十分なプレッシャーがかからずボールホルダーを自由にしてしまいます。
これがJ1では、選手の基礎的な技術が高いために
J2よりも自由にクロスやミドルシュートを蹴られる結果になっています。

また、ゾーンディフェンスは、相手の攻撃を受けて立つので、
特に速い選手、後ろから飛び込んでくる選手に対して守りにくい。

では、これらを解決するためにゾーンの意識を弱めて、
より人に付いて行くようにしたとします。
すると今度は、ゾーンにギャップが生まれて僅かですが自陣にスペースができます。
昨季のJ2時代も、京都のパウリーニョなどにそこをつかれたことはありました。
上手い選手は、僅かなスペースをつくりそこをこじ開けてきます。

このバランスが、ひとつのジレンマであることは間違いないです。
将棋は、初期配置が最も堅いといわれていますが、それと似ています。
初期配置では隙がないのですが、そこから攻めたり守ったりするには
駒(選手)が動かねばなりません。
しかし、そこから駒(選手)が動くと隙が出来るため、できるだけ初期配置を維持する。
そうすると、こちらから積極的に攻めることが出来ず、相手に厳しく付いていく守備もしにくい。


オシムが、リスクのないサッカーはつまらないと言っていましたが、
この4-4-2のシステムは、リスクをとりません。だから、面白くない(笑)。

しかし、布陣を維持するために攻守にハードワークが必要ですが、
守備は機能すれば、隙がないので理論的には、素晴らしく堅くなることだけは間違いありません。
それに、攻撃も選手間のバランスが良いので、効率よくカウンターができます。
また、つまらないサッカーですが、実績は申し分ありません。
このシステムを用いたヴァレンシアのクーペル監督は、99-01の2年連続、
欧州CL(チャンピオンズリーグ)で準優勝しています。
04-05シーズンに、チェルシーのモウリーニョ監督がこの戦術を用いて
イングランドの国内リーグとカップの2冠に輝きました。
(※これが一般的に普及するきっかけといわれています。)

この話をすると決まって、欧州の強豪クラブだから実現できるのであって、
札幌では出来ないという批判がきます。

確かに、機能させるためには自陣に退き気味に構えるとはいえ、
ラインコントロールをしてDFラインを上げて全体を縦にコンパクトにし、
選手間のゾーンのマークの受け渡しもスムーズに行う必要があります。
しかし、現代サッカーはスペースを生み出さないようにするため全体的に縦に
コンパクトになっていて、ラインコントロールとゾーンディフェンスは必須の技能です。
できないならやらなくてもいいという類の守備戦術ではありません。
しかも、現在の札幌は欧州レベルの完成度を求められているわけではありません。

また、4-4-2というシステムは、一般的に採用されていることからもわかるとおり
非常にオーソドックスな布陣です。
ある程度これを機能させることが出来れば、今後応用、発展させやすい。
(※例えば、4-2-3-1、4-3-3など)

そうはいっても、やはりこの戦術は難しいと思うかもしれません。
しかし、他のJ1クラブと比べて個人の技量に劣る札幌が、
ハードワークもせず、頭も使わないで、どうやって他のJ1クラブと戦うというのでしょうか?
技量で劣るなら、相手より動き頭を使うしかありません。
まして、ある程度機能させれば、このシステムがJ1でやれる
ポテンシャルを秘めていることは、大宮時代の三浦監督が、
J1に昇格し2季残留して自身が証明していることです。
機能させることに価値がないシステムとは思いませんし、
浦和ならまだしも、大宮に出来ることが札幌に出来ないとするのは、
逆にあまりにも選手を馬鹿にしているのではないでしょうか。


今までも書きましたが、完璧な戦術などありません。
そして、個で劣るチームは、組織を磨いて戦術の穴をカバーして対抗するしかありません。
そのためには、時間がかかるので、監督や選手をコロコロ代えず戦術を浸透させる必要があります。
この4-4-2は、今後の戦術の基礎として学ぶ価値があると思います。

今季、児玉前社長曰くJ2で5、6番目と思われていた戦力にもかかわらず、
戦術でJ1にあがってきたチームが、その要となる曽田とブルーノとアルセウという
ディフェンスの軸を失っては、機能するものも機能しません。


長くなったので、その5に続きます・・・(・・;)


逃げられた恋人が戻ってきた・・・(・・;)

2008年10月02日

当然、私のことではなくて・・・、ダヴィのことです・・・(笑)

本日付、北海道新聞より
ダビ、一転残留 移籍交渉成立せず(10/02 10:47)

何か周囲のどう扱っていいのやらというような微妙な空気が、
タイトルみたいな感じに似ているなぁと(笑)。
嬉しいんだけど、その嬉しさを素直に表現できないみたいな・・・。

私の場合は、逃げられた恋人と縒りを戻してうまくいった試しはありませんが ( ̄□||||、
ダヴィとHFCの関係は如何に!(笑)


ゾーンディフェンスを考える。 -その3-

2008年10月02日

ゾーンディフェンスを考える。も3回目になりました・・・(・・;)

1回目は、サッカーに限らない球技における一般的な意味での
ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスの意味を確認しました。
一般的な説明のされ方として『マンツーマンは人、ゾーンは地域。』というが、
どちらもボールホルダーに人が付いてプレッシャーをかけて、
ボールホルダーを自由にしてはならないことが重要であることを確認しました。
ゾーンディフェンスを考える。 -その1-

2回目は、現代サッカーでは、
基本的にマンツーマンではなく、ゾーンで守備をしていることに触れました。
ゾーンディフェンスを考える。 -その2-
(※2回目で書き忘れましたがセットプレイ時は、マンツーマンで守る場合も多いです。
それについては、以前書いたのでそちらを参照してください。
セットプレイ時のゾーンディフェンスの問題点について)



今回は、マンツーマン(マンマーク)ディフェンスとゾーンディフェンスの
サッカーに限らない一般的なメリット、デメリットを比較したいと思います。


まず、マンツーマンディフェンスとは、
「常に特定の相手選手に1対1で付くディフェンスの方法」です。

〇マンツーマンディフェンスのメリット相手選手に守備側が誰が付くのか選択できる。
そのため、「長身>長身」、「足が速い>足が速い」などの対応がしやすい。

② 守備を行う相手が明確で、1対1による守備を基本とするため、初心者でもわかりやすい。


〇マンツーマンディフェンスのデメリット

① 攻撃側の選手の位置に守備側の配置が固定されてしまう。
そのため、ディフェンスの選手間が離れてしまいバランスが保ちにくくなる。

② ①が原因でディフェンス間の距離が離れると、
ディフェンスの選手が抜かれた場合、他の選手がフォローし難い。
また、守備側の選手が存在しないスペースができやすい



次に、ゾーンディフェンスとは、
「特定の相手選手に付かず、自陣の守備エリアを各ゾーンに別けて、
それぞれディフェンスの選手が各ゾーンを受け持ち、
自分の受け持つゾーンに侵入してきた相手選手に対してディフェンスする方法」です。


〇ゾーンディフェンスのメリット

① これは、マンツーマンのデメリットと裏返しになりますが、
特定の選手をマークしないので、守備側の配置がオフェンスの選手の位置や動きに依存しない。
そのため、ディフェンスの選手間のバランスが保ちやすい。

② ①が原因でディフェンスの選手間のバランスが良いと、ディフェンスの選手が抜かれても
他の選手がフォローしやすく、ディフェンスの選手が存在しないスペースを作りにくい。

③ 以上のメリットから、ディフェンスの選手同士の連携が上手く取れていれば、
個々の選手の1対1における守備能力がそれほど高くなくとも
失点を防ぐことができるとされている。


〇ゾーンディフェンスのデメリット

① マークの受渡しが、ゾーンの境界で行われるため、
ディフェンスの選手のマークがあやふやになってしまうことが多い。

② マークの受渡しを行うとオフェンスの選手とディフェンスの選手の間に
身長差や能力差といったミスマッチが発生しやすい。
(※相手選手に対してマークの受渡し行うか、マークの受渡しを行わず
そのままついて行くかは、その時の状況やチームの方針などによって異なる。)

③ マークの受渡しを行わないとゾーンの配置が崩れ守備のバランスが悪くなり
ゾーンディフェンスの利点が失われる。

④ それぞれのマークが固定されていないため、リバウンドが取られやすい。


参考:
ゾーンディフェンス マンツーマンディフェンス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



以上が、マンツーマンとゾーンディフェンスのメリットとデメリットをまとめたものです。


ここから札幌がゾーンディフェンスをする理由を考えていきます。
まず、三浦監督がよく口にしていますが、マンツーマンの場合、
そのデメリットである選手間の配置がアンバランスになると
お互いがフォローしにくく、スペースが出来ます。
ゾーンならば、選手間のバランスが良いため、結果的に
『ディフェンスの選手同士の連携が上手く取れていれば、
個々の選手の1対1における守備能力がそれほど高くなくとも
失点を防ぐことができる』という点を重視しているということになります。

選手の能力と年俸が必ずしも比例するわけではないですが、
総額年俸がJ1最低の札幌は、個の能力をカバーすべく
よりゾーンのメリットを追求する必要があるということだと思います。


ただ、ここまで来ると問題の本質は、ゾーンの最大のデメリットである
恐らく「マークの受け渡し」なのだということに気づいていただけると思います。
要は、どこまでボールホルダーに付いていって、
どこでそのマークを放すかという問題なのです。

そこで札幌の守備再建においてよく見られる
『ゾーンからマンツーマンに切り替えれば失点を防げる』という点について考えます。

まず、ゾーンからマンツーマンに切り替えるというのは間違いです。
2回目でも触れましたが、現代サッカーでは、セットプレイ以外でマンツーマンで守るのは、
特定の危険な選手に固定のマークを付けるという以外ないからです。

ただ、恐らくこれは、「マンツーマンっぽく」もっと人に付いて、
「危ない時はマークの受け渡しを全くせずに相手に付いていくか、
そこまでしないまでも、もっと相手に徹底的に付いていくべきだ。」という
批判なのだと思います。

まず、マークの受け渡しを全くしないとどうなるかということですが、
これはマンツーマンのデメリットと同じことを招きます。
選手間のバランスが崩れて、フォローがしにくくなり危険なスペースを作ります。
従って、新たな問題を引き起こすので失点を防ぐという問題の解決にはつながらないと考えます。

次に、もっと相手に徹底的についていくべきだという批判ですが、
「程度の問題」なのですが、それは私が1回目に触れていたことと
重なることにお気づきいただけるでしょうか?バランスを崩さない範囲で、
結局、『自分のゾーンでは、しっかり相手に付いて守備をしろ』ということなのです。


ただ、マークの受け渡しについては、難しいことは間違いないです。
「吉弘、柴田」と「西澤、箕輪」の一番の違いはここだと思われます。
一番大事なのは、マークを確認する声を自分と周囲が出すことです。
あとは、チームの約束事を確認して周囲とコミュニケーションをとる
そして、試合をして経験を積んでいくしかありません。
ゾーンディフェンスは、現代サッカーにおいて基本的な戦術ですから
極端な話、札幌でできないなら、他のチームに行っても活躍できません。

従って、三浦監督が何か特別な要求を選手にしていると私は思いませんし、
個の力で劣る札幌は、ゾーンの組織を磨くことで、
J1の攻撃力に対抗するしかないと思っています。
個の力で劣る札幌が、より「マンツーマンっぽい」守り方をしても
守りきれると思いません。

最後にひとついえることは、「欠点のない戦術などない」ということです。


次回は、今までのゾーンディフェンスに関する考察から
札幌における三浦監督の戦術についてもう少し考えていこうと思います。


ゾーンディフェンスを考える。 -その2-

2008年10月01日

よく、『人に付くのがマンツーマンディフェンス。地域を守るのがゾーンディフェンス』
という表現のされ方をしますが、ゾーンディフェンスを考える。 -その1-では、
ゾーンといえども、ボール保持者(ボールホルダー)を
自由にしてはいけないということに触れました。


しかし、ゾーンディフェンスを考える上で、様々な誤解があるようなので
予定を変更して今回はまずそこを整理していきたいと思います。

現代サッカーでは、基本的にマンツーマンディフェンスをしているチームはありません。
マンツーマンディフェンスは、常に特定の相手選手に1対1で付くディフェンスの方法です。
例えば、芳賀が試合中ずっとFC東京のFWの赤嶺に付く(をマークする)。
これをマンツーマン(マンマーク)ディフェンスといい、現在も相手の危険な選手に対して、
このように特定のマーカー(マークする人)を付けることはあります。
(※例であって、実際の試合ではしていません。)

しかし、現代サッカーは、選手のアスリート能力が向上し、
以前と比べて運動量が各段に増えたため、
マンツーマンでは相手選手に付ききれなくなったといわれています。
特に、スペースへ走りこむ選手へのパスをマンツーマンで付くことが難しいのです。
そのため、危険なスペースに人を配置して、そこを相手に使われないようにする
というのが基本的な考え方であるゾーンディフェンスが有効とされています。
従って、どんなチームも普通、ゾーンディフェンスをしています。


3バックは、マンツーマンだという言説もよく見受けますが、あれもゾーンです。
前のストッパーの二人がゾーンで守備をして、
後方のスイーパーがカバーリングをしています。(※下図参照)
確かに、ストッパーは相手FWをマークすることが多いですが、
四六時中相手FWに付いているわけではなく自分のゾーンに来た時だけマークします。

◎図(3バックの守り方)


 ●(ストッパー(ゾーン))  ●(ストッパー(ゾーン))

        ●(スイーパーorリベロ(カバーリング))

        ●(ゴールキーパー)


ですから、マークの受け渡しが発生した時点で、それはマンツーマンではなくて、
ゾーンです。ボールホルダー(ボール保持者)が移動して守備エリア(ゾーン)が、
変わったのでマーカーも変わったのです。


しかし、ゾーンであっても自分の守備範囲では相手とは1対1の状況ですから、
その範囲では、相手を止める、ボールを奪うとマンツーマンとすることは変わりません。
ゾーンだから、スペースを埋めることが重要で相手を
素通りさせても良いということにはなりません。


冒頭の『マンツーマンは人、ゾーンは地域。』というイメージが一般的に強いために、
誤解している人が多いようですが、ゾーンだから地域優先で相手をマークしなくて良い
ということにはなりません。この言葉は確かにマンツーマンとゾーンの違いを
端的に表していますが、ゾーンだろうがマンツーマンだろうが、
人に対して人が付いてしっかりディフェンスしなければ相手を止められません。
そこのところはどんな戦術を用いたとしても変わりません。


参考:
ゾーンディフェンス マンツーマンディフェンス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



前回、マンツーマンとゾーンのメリット、デメリットという予告でしたが、
それはまた次回ということで・・・。

あと、三浦監督の求めるゾーンが特殊なのかという話ですが、その話もいずれしたいと思います。
ただ、三浦監督の戦術は、現イタリアセリエAインターミラノ(インテル)監督のモウリーニョが、
チェルシー時代にやっていた戦術に似ていて、その後、一般的に広まった戦術であり、
三浦監督の戦術が特別であると私は思っていません。