スポンサーリンク

2008年08月08日

もしも秋春制になるのなら

今週のサッカーマガジンに、この7月に新しく日本サッカー協会会長に就任した犬飼基昭氏のインタビューが載っています。

サッカーマガジン表紙インタビュー記事

へえ、もうこの役職を”キャプテン”とは言わないんだ・・と、ちょっと意地悪い思いでにやにやしながら読んでいたのですが、コンササポにとってにやにやしてばかりいられないのは、この方が強烈な秋春制推進論者であることです。
なのに肝心の部分は
「以下、次号に続く。次号では、Jリーグの秋春シーズン制移行への考えなどについて聞きます。」
と肩すかしにあってしまったわけだけれど、次号を待たずについ先走って、秋春制について考えちゃいました。

犬飼氏が次号でどんな素晴らしい問題解決策を披露してくれるのか分からないけれど、いかにサッカー協会会長とて北海道に雪を降らせないようにすることはできないでしょうから、もしもJリーグが秋春制に移行するとコンサドーレやHFCはどうしたって負担を強いられることを避けられないだろうと思います。
普通に考えれば誰でも理解できるだろう実情を踏まえて、「やっぱり無理だ」と思い直してくれればいいのですが、もしも強引に秋春制に持って行かれた場合に少しでもコンサの負担を小さくするために、ここは譲れない、これは困る、ということの優先順位を考えてみようと思いました。いざとなれば譲ってもいいものを差し出すことによって、絶対に譲ってはいけないものを死守するためにも。
(「あんたが考えたって無駄だよ。」という突っ込みはなしの方向でw)

あらかじめお断りしておくと、私の視点はあくまでも「コンサにとってどうか」という観点でしかありません。
「日本代表が強くなるために」とか「日本サッカー界のために」という視点は全くありません。せいぜい「北海道サッカー界にとって」というのが含まれるくらいかな。北海道のサッカーの充実はひいてはコンサのためにもなるだろうから。
日本代表のことは考えたい人が考えればよろし。



具体的な日程案が出されないものだから、いまいち実体が分からないけれど、1月2月とかの寒さ(雪)の厳しい時期にはウインターブレイクをとるのでしょうかね。
できれば今と同じくらいの期間をウインターブレイクにしてくれればコンサも現状とあまり変わらずに対応が可能だろうと思うけれど、そうすると夏に休む分の日程を消化できなくなるはずだから、きっと現状と全く同期間のウインターブレイクは無理なのでしょう。
ならば、コンサが地元で試合ができない時期は、いっそのことホームの試合をすっぱりと諦めて、アウェイでの試合ばかりを連戦するというスケジュールはどうでしょう。
現状でも3月や12月のホームの試合はぎりぎりのところでなんとか開催できている状態なので、気候条件がこれ以上厳しい時期だと実際問題北海道での開催は難しいと思います。そして、そんな厳しい条件の中でなんとか無理して試合をやろうとし、仮にできたとしても、それにかかるコスト(労力とかお金とか)は大変だろうに観客はあまり増えないだろうと思われます。寒い中での観戦は、気軽に行ける試合じゃなくなりますもの。
だったらもう、チームはどこか暖かいところで長期キャンプを張り、そこから各地のアウェイの試合に出かける方がマシかなと思って。

「そんなことになると地域密着はどうなる?」
「ホームタウンを長く離れるだなんてありえない!」
と思われますか?
確かにそうなんですが、でもコンサの宿命として今でも冬の時期には北海道を離れてのキャンプをせざるを得ないわけです。
ならばいっそ、それがシーズン中でも仕方ないかと。
各地を転戦しているチーム(選手とスタッフ)には気の毒ではありますが、ホームのサポにとってはその時期はいわば「冬眠中」みたいにじっとして過ごすとか。
で、その代わり、それ以外の時期にホームの試合が集中的に入るということになるわけで。つまり、シーズン開幕の秋口とか、シーズン終盤の春先~初夏あたりにホーム試合満載!って事態になるのかな。
気候がよくてサッカー観戦が楽しい季節に、ましてやもしかして残留争いとか優勝争い(!)で盛り上がっている時期にホームの試合がたくさんあると、観客動員の上で有利かもしれませんね。

おまけに、シーズンが初夏で終わるとなると、来シーズンの日程も夏ころには決まるでしょうから、もしかして野球の日程が決まる前にドームの日程を押さえることができる?!
これまで日程の都合上どうしても日ハムに先にドームを押さえられちゃって、ドームを使いたいときに使えない悲哀を味わってきたコンサですが、早いもの勝ちで決まるもんなら今度はうちが先にとってやる。と。

夏期期間はシーズンオフになって、各チームが次シーズンに備えてキャンプを張ったりするでしょう。
涼しい北海道でキャンプを張るチームも多くなるでしょうね。
北海道が今の宮崎並みのキャンプのメッカになったりして。
コンササポが他チームの練習を見る機会が増えて、見聞を広げることができるし、北海道の人たちが身近にキャンプを見ることでサッカーにより親しみを感じてくれるようになるかもしれません。
北海道の大学生や高校生や社会人チームがプロの練習試合の相手を務める機会が増えて、よい経験を積めるかもしれません。
コンサもこの期間は練習試合の相手に不自由しなくなりますね。

なんかそう考えると悪いことばかりじゃないようにも思えてくるのは、今私が毎日うだるような暑さの中で過ごしているせいですね、きっと(汗)

そうやって考えると、私が思う「絶対に譲っちゃいけないこと」は、冬期間の試合が遠隔地で開催されながら、それがコンサのホーム開催扱いにされること。
たとえば高知とか、たとえば西が丘とか、ああいう「ホーム試合」は、あのときはあれで意味があったし楽しかったけれど、将来にわたって恒常的に、しかも一部のチームだけが、ホームの試合を実質アウェイでやらなければならない不公平は絶対に許せないと思うのです。
冬期間の長期間のキャンプを少しでも快適に過ごすために、なじみのあるキャンプ地を作って毎年そこにお世話になって、もしかして地元の人にもコンサに親しみをもってもらう・・というのはよいでしょう。でもそこでホームの試合をやるのじゃなくて、そこを本拠地にしつつアウェイの試合に出かけていきましょうよ。

「そうなると気候のよい時期にばかりホームの試合があることになって、札幌はずるい」と言われたとしても、そんなの知るもんか。
そもそも秋春制をやりたいのは札幌じゃないのだし、むしろそれは困るから止めて欲しいのだし、たとえそれだってシーズン中にホームの試合とアウェイの試合がひどく偏るのは不利益に間違いないのだし。

そんなことをつらつら考えながら、次号のサッカーマガジンでの犬飼氏のインタビューを待つことにします。
果たしてどんな難点解決策を示してくれていることか(嫌味)。


【追記】
なんのことはない、今週号のサッカーダイジェストにも犬飼氏のインタビューがあって、そこでも秋春制について聞かれていました。
でもそれを読む限り・・・。
そもそもこの人には北国の実情に対する認識がまったくないのではないかと。
なんだか口あんぐりなことを言ってますなあ。あーあ。

posted by あきっく |06:31 | コンサ周辺のいろいろ | コメント(2) | トラックバック(0)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/akik/tb_ping/505
この記事に対するコメント一覧
観点は違うけど

別のところでも書いたのですが、今プロジェクトっぽい仕事していますので、そういう勤め人の視点では、後任が仕事をやりやすくするに当たり、影響力のある前任者のやってきたことを否定して新たな戦略をぶちあげる、というのは経営の常套手段で普通にあるんですよね。
だから「キャプテンと呼ばないで」(確かにこれはセンスゼロ)とか「秋冬春制移行」というのは、ことの是非は別にすれば、きわめて分かりやすい典型的な行動なんです。
ただこの人の場合、バックボーンがサッカー人としてはこれ以上ない勝ち組人生で、かつ公務員より官僚的な三菱重工であるがゆえに、そうではないサッカー選手の人生について全く無関心か無頓着(なのか粗忽ものか)で、極めて危険なにおいがしますね。ありていに言えば「雪国のチームと契約したんだから、怪我は自己責任だろう」のようなニュアンスで。

まぁコンサや山形仙台新潟が倒れるようでは、どっちみちリーグは立ち行かなくなると思うのですが、一番私が不愉快に思うのは、選手にしてみれば、変に人生を翻弄されるだけなんですよ。
後半戦が4月からだから、当落線上のチームが見境なく大卒を獲得して、その分ユース君や高卒を雇えなくなる(これはユースの存在の自己否定で、私の怒りのキモなんです)。さらに降格が決まったら新戦力大放出劇場が待ち構えるんだと思うんです。これぐらいは想定していいでしょう。
さらにJFLからの昇格組みは夏まで何してすごせばいいのか。負債を増やすだけです。

動機はわかるんですよ。エメルソンとかバレーとかフッキのような煮え湯を飲まされた例があるし、海外で本邦選手君が思うほど活躍できないというのもある。だから「信念というより執念」っぽいんですよね、これほどわかりやすい動機もない。
だけど、これは「札束をふっかけたらこうなります」「選手のフィジカルとか反応が駄目」という単純な構図で、シーズンをひっくり返してどうにかなる問題じゃない。逆におあいこでJサイドもしているかもしれない。
暇ネタ企画になる時期なので、専門誌からインタビューされてサービスで言わされたのかもしれないけど、そう善意に解釈しても、損得を図りにかけられない点で、この人はうっかり者ではあるといえるでしょうね。

posted by さいとー@横浜| 2008-08-09 14:29

Re:もしも秋春制になるのなら

>さいとー@横浜さん
サッカー界の勝ち組人生という点では、これまでの協会幹部もりっぱな(サッカー的な)経歴を持っていたんでしょうが、犬飼さんの場合はそれに「世間一般での」社会的立場での成功も加わっているようですしね。
そりゃ、いろんな意味で自信がおありなんでしょう。
インタビューを読むと、中央の強豪チームがリードしていけばよいという感じで、全国津々浦々のアマチュアからプロリーグまでのサッカーのことについてあんまり目配りが行き届かない印象なんですが、それでいいんだと開き直っている気がするところがなんとも・・・ですなあ。
育成全般のことを話題にしているときに、浦和の原口元気のことを得々と語られてもなあ。浦和のこれまでの実情は?と言いたくなります。

posted by あきっく| 2008-08-10 22:56

コメントする