2014年11月30日

コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

開幕から数試合厳しい敗戦が続いて、高円宮杯U-18サッカーリーグプレミアリーグは大変な状態でのスタートとなった今年のコンサU-18。
それでも夏前から少しずつ立て直して、秋には引き分けが多いながらも少しずつ勝ち点を積み重ね、ようやく下位との勝ち点差もつけて一息つける状態になっていたのですが。
「あと勝ち点1でプレミア残留が決まる」という状態になってから足踏み状態が続き、今日はとうとう下位チームとの直接対決に敗れて勝ち点差を詰められ、苦しい状態になってしまいました。
リーグは残り1試合。来週の結果で運命が決まります。
下位2チームがプリンスリーグに自動降格です。

17節を終えての現在の順位はこうなっています。


           勝点 得点 失点 得失点差 最終節相手 

  1. 柏レイソル  36  32  14  18   エスパルス
  2. エスパルス  29  31  27  04   レイソル
  3. アントラーズ 25  29   9  10   青森山田
  4. 市立船橋高  25  26  19  07   コンサドーレ
  5. 流経大柏高  23  29  21  -7   ヴェルディ
  6. 青森山田高  21  27  21  06   アントラーズ
  7. アカデミー  21  28  28  ±0   三菱養和
  8. コンサドーレ 20  18  33  -15   市立船橋
  9. 三菱養和   18  29  32  -3   アカデミー福島
  10. ヴェルディ  16  19  39  -20   流経大柏


柏レイソルの優勝と、ヴェルディの9位以下(降格)はすでに確定しています。
コンサドーレは現在8位ですが、得失点差では一番不利なので、勝点で上回らなければなりません。
次節コンサが市船に勝てば、勝点が23になるので、養和の最大勝点21を上回り、他の試合の結果にかかわらず自力で残留が決まります。引き分けか負けなら、他の結果次第ということになります。比較対象は現在9位の三菱養和ということになるでしょうが、少し幸いなのは次節三菱養和が対戦する相手が、ともに残留を争うアカデミー福島であること。アカデミーにとっても養和に2点差以上で勝たれると順位が逆転されてしまいますから、必死に戦ってくれるはずです。アカデミーが養和の勝点を削ってくれるなら(養和が引き分け以下なら)、コンサは自分たちの試合結果にかかわらず残留が確定します(他力本願万歳)。
それ以外のケースだと仁義なき戦いですね。場合によっては勝点21に4チームが並ぶ可能性がありますが、そうするとコンサが得失点差で9位になる可能性が大。ひーーーっ!
まずは、自分たちで勝って自力残留を決めるのが一番よさそうです。

という状況を踏まえたうえで、「なぜこんなに必死に残留を願っているか(私が)」という状況をご説明したいと思います。


【理由その1 一度落ちたら上がるのが困難】
全国リーグ(東半分だけど)であるプレミアイースト10チームから毎年下位2チームが地域リーグであるプリンスリーグに降格しますが、逆に昇格するチームがどのように決められるかというと、全国9地域のプリンスリーグでそれぞれ成績上位の計16チームが「プレミアリーグ参入戦」に出場します。トーナメント方式で2回勝ち上がった4チームが来季のプレミアリーグ参加チームとなるわけです。
各プリンスリーグごとの出場チーム枠は、北海道:1、東北:1、関東:3、北信越:2、東海:2、関西:2、中国:3、四国:1、九州:1 となっていますので、北海道からはプリンスリーグ優勝チームだけがプレミアリーグ参入戦に出場できます。→詳しくはこちら

この第一段階、プリンスリーグ北海道で優勝すること は、たぶんそう難しくないでしょう。コンサU-18は2003年にプリンスリーグが設立されて、2011年にプレミアリーグに参加することになってプリンスリーグを抜けるまで、2006年を除いて毎年プリンスリーグ北海道で優勝していました。あのころよりたぶんコンサU-18と道内他チームの実力差は開いているような気がするので、きっと優勝できることと思います。そこは参入戦出場枠に入るのがものすごく大変なプリンスリーグ関東などとは大きく違うことです。

じゃあ、仮に落ちても再昇格は簡単なんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、私はそう思いません。参入戦を勝ち上がるのが大変だろうと思うからです。
プレミアリーグ参入戦は、今年の場合だと1回戦・12/13(土)、2回戦・12/15(月)に広島で行われます。プレミアリーグ最終節の翌週にあたります。(プレミアイーストとウエストの優勝チームが対戦するチャンピオンシップは12/14(日)に埼スタです。)

  • 降雪の心配 12月半ばというと、札幌では雪が降ってもおかしくない時期です。積雪のためグラウンドは使えず、通常のサッカーの練習ができない状態かもしれません。十分な準備ができないまま試合を迎えることになる心配がある時期です。練習だけじゃなく、飛行機が飛ばず長時間待たされるなど、移動の疲れや体調維持でも不利益があるかもしれません。
  • 試合勘の維持困難 カレンダーを確認すると明らかですが、今年のプリンスリーグ北海道は、4月末に開幕して14節を戦い、最終節は10月5日でした。つまり、もうとっくに終わっています。北海道では雪が降る前に高校選手権予選も済ませなければならないので多分これ以上遅くまではできないのでしょうね。ですが、関東や東海、中国、九州ではプリンスリーグの最終節はプレミアリーグと同じく来週末(12/6,7)ですし、東海も今週末に最終節でした。つまり直前までプリンスリーグでの試合を続けたそのままに、参入戦の試合を迎えられることになります。それと比べると、10月初めに公式戦を終了して2か月以上経ってから参入戦を戦うことになると。試合勘が心配です。その間Jユースカップの予選リーグ(と決勝トーナメント)が入るにせよ、それだって早ければ10月末には終わってしまいますからね。
  • 強豪チームとの対戦経験不足 プレミアリーグ参入戦は各プリンスリーグを勝ち抜いてきたチームですから、どこも強豪でしょうが、その中でも激戦区を勝ち抜いてきた関東などのチームはやはり強いだろうと思います。関東のように日常的に強豪チームと練習試合などが十分できる地域と異なり、北海道のチームは全国レベルのチームと対戦する機会がなかなかないので、一発勝負のトーナメントでそこをガツンと勝ち上がっていけるか、心配になります。

【理由その2 実力を伸ばす機会の喪失】
2011年にプレミアリーグが始まって、実感したのは、コンサU-18は間違いなくプレミアリーグの恩恵を多大に受けているチームだということでした。
春先から毎週のように全国レベルのチームと公式戦を重ねることができる。これはこれまでの状況とは全く違ったものでした。
プレミアリーグが始まる前のコンサU-18のカレンダーは、まず4月末から7月半ばにかけてプリンスリーグを戦い、そこで「今年のチーム」を作っていく。1年生の出場機会も与えつつ、いろんなポジションを経験させたりします。当時はプリンスリーグで優勝することが秋に行われる高円宮杯U-18大会の出場権を得ることになりますから、優勝が必須ですが、まあ、順調に勝っていけます。たいていは。
そして7月下旬にはadidas CUP クラブユース選手権があり、それが今年のチームが初めて経験する全国大会となります。暑いせいもあるけれど、この大会でのコンサU-18の戦績は毎年スロースターターでした。なぜかというと初日は相手の出足の速さにとまどったり、パスの強さ、プレスの速さにとまどって、バタバタしたまま自分たちのやりたいことが出せずに終わってしまうことが多いからです。やっぱり道内のチームと全国大会に出場するチームとではレベルが違うんだなあと痛感する一幕です。2戦目、3戦目と次第にスピードにも慣れてきてようやく自分たちのプレーもできるようになってきた・・ところでグループリーグ敗退で大会が終わってしまう。となることが多かったです。
プレミアリーグが始まって、春先からそういう経験を積むことができるようになって、選手たちの基本の要求水準というかプレー水準がぐーんと上がったと思いました。そして、以前ともすれば感じられた、全国の強豪チームと対戦するときのちょっと構えた臆する気持ちも全く払拭されているように感じました。強いチームとの試合を恒常的に重ねることは、選手の実力をこんなにも伸ばすものなんだなあと感心しました。
今年もしプレミアリーグから降格してしまうと、来季はプリンスリーグ北海道が公式戦の舞台となります。戦ってみないとわからないけれど、たぶん、プリンスリーグ北海道で対戦するチームは、パスのスピードとか、コースとか、身体の寄せとか、位置取りとか、対峙してのボールの奪い合いとか、プレミアリーグでやるときほどがんばらなくても自由にさせてくれるかもしれません。伸び伸びと自分たちのやりたいプレーができて、気持ちよく勝てるかもしれません。でもそういう中で試合をしていると、個々のプレーでもチームプレーでもどうしても甘さが出てくることが懸念されます。プレーの細部に厳密にこだわらなくても思い通りにできちゃえば、多少ミスしてもすぐ取り返せれば、やっぱりそこまで止まりになってしまいがちですよね。
でもそれは、たぶん、プレミアで公式戦を重ねている他のチームとの差は開いていくのだと思うし、選手の技量を養う場としてはハンディのある状況だと思います。しかも今はプレミアリーグなどの通年リーグが整備されたため、秋の全国大会だった高円宮杯もなくなりました。全国大会は、夏の群馬でのクラブユース選手権と、以前と比べてグループリーグの試合数がぐっと減った初冬のJユースカップだけになってしまいました。
たとえば関東のチームなら、プレミアリーグからプリンス関東に降格しても、試合の内容はそれほど変わらないのかもしれません。プリンス関東を勝ち抜く方がプレミアより厳しいかもって思うくらいの強豪チームのひしめき合いですし。今年プレミアリーグに昇格した柏U-18なんて、とても強いのにプリンス関東をなかなか勝ち上がれなくて、というよりその前に千葉県リーグからプリンス関東に昇格することもなかなかできない状態で、今年ようやくプレミアリーグに昇格したら、初年度でいきなりプレミアイースト優勝を決めてしまいました。(トップチームも同じことやってましたねw)
でも北海道は状況が大きく違うから。
アカデミーで育った選手がトップチームで活躍してくれることがクラブの生命線であるコンサドーレにとって、U-18の選手たちが実力を磨く良い舞台を失うことは、痛恨以外の何ものでもありません。
たとえ参入戦の厳しさをはね返して1年でプレミアリーグに再昇格することができたとしても。最低1年間はプリンスリーグでしか試合ができないのですから、その時期にプロ選手になるための力を蓄えなければならない選手にとっては大きすぎる空白になると思います。今の2年生、1年生の代が不遇な状況になるわけです。
これはもったいなさ過ぎます。


【理由その3 選手を見てもらう機会の喪失】
これもプレミアリーグが始まって実感したことですが、関東でのアウェイの試合では、ライターさんやマスコミに見てもらい、報道される機会が増えました。わざわざ北海道にまで足を運んで取材をするのは、よっぽど特別なことがない限り難しいのでしょうが、関東での試合なら見てもらいやすくなるんだなあと思いました。そして、これはサポにはわかりませんが、たぶん代表や、他のJチームや、大学チームのスカウトの方に見てもらう機会にもなっているのではないかと思います。
年代別代表に選ばれたり、大学進学など進路を決めるにあたっても、北海道内だけで試合をしているより多くの人に見てもらえる舞台で試合をすることは大事だろうなと思います。
同じように可能性を秘めた選手がいるのに、見てもらえないばかりに誘ってもらえなかったりしたらすごく残念。代表を経験してそこでまたぐーんと伸びる選手の例も多く見てるから。


こんなふうにあれこれ考えると、やっぱり、コンサドーレにとってU-18がプレミアリーグから降格することはクラブの死活問題になるんじゃないかと思います。大げさだけど、でも、影響は関東などのチームより大きいように思います。
あ、でも、関東では選手の獲得競争が厳しい分、「プレミアのブランド」が意味をもつことがあるのかな。そこはコンサにはないところかも。


長々と書いてきましたけど、言いたいことはひとつ。

こんなふうに、いったん降格すると、貴重なものがたくさん失われることになるわけです。
2年生、1年生の選手たちにとっては、来年の自分たちの状況を左右するに大きな分岐点であり、「プロサッカー選手になる」という目標の達成可能性にも大きな影響があることです。
ね、落ちたら大変でしょう?
もし1年で再昇格できなければ、その状態が数年続くことにもなりかねない。

こんな、再昇格までの困難さとそれまでに失われるものの大きさを考えると、それを乗り越えてプロサッカー選手を目指すより

来週のたった1試合に勝つ。

ことの方がずっと楽に思えません?(笑)
来週の試合は、自分のサッカー人生を左右する1試合だと思って、人生かける意気込みで、しっかり試合の準備をしてほしいと思います。
そして、まさに死にものぐるいの気持ちで戦って。
絶対にちゃんと勝てる。信じています。
わたしもこの1週間、いろんなことに立ち向かって攻めていくぞ~~!!
来週はみんなで笑いましょうね。

posted by あきっく |23:23 | ユース | コメント(6) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

 市船との対戦は本当に大事な大事な試合になりますね。本当にここで残留するか、降格するかでは雲泥の差。天と地との差があります。
 三菱養和が福島に負けるか引き分けてくれれば、コンサユースの結果にかかわらずに残留になりますが、他力本願にならずに最後の試合は勝って終わってほしいですね。
 本当に最後の試合はアウェイですが今年の集大成のつもりで頑張ってほしいと思います。
  

posted by 孔明| 2014-12-01 00:11

Re:コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

こんばんは。
巣鴨へ後半だけ少し見に行きました。
コンサユースは、なんと言うか大人しいですねー。
今年のユースを見るのは巣鴨が2試合目だったのですが、
試合中にあれほどしゃべらないチームってのが昨年同様ずーっと引っ掛かってます。
別の機会で関東の強豪クラブの試合を見る機会があったのですが、試合中は声出してるっていうより、怒鳴り合いですからね。
先日見た全日本大学選抜もしゃべりっぱなしで凄かった。

>実力を伸ばす機会の喪失
ユースやアカデミーについて、札幌に限らず他クラブも調べるほど、
プレミアリーグの恩恵を最も受けているのは札幌だと断言できます。
関東のクラブは、バスでちょちょいっと強豪と練習試合が組めますし、
高いレベルの真剣勝負は道内じゃ辛いので、
自腹で遠征するより、こういう遠征費のサポートが出る形で参加したいですからねぇ。
少し脱線しますが、プリンス関東でもプレミアと同等の高いレベルや厳しさがありますが、
横浜FM、浦和あたりは遠征費かかるからプレミアに上がるつもりないんだろーなーとも思います。
コンサブランドを維持するためにも、プレミア残留は必須ですね。

posted by sca| 2014-12-01 02:10

Re:コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

連投失礼。
ちなみにコメントしたのは、タイトルがサ○マーク出版っぽいなー
って突っ込みたかったからでした。

posted by sca| 2014-12-01 02:18

Re:コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

>孔明さん
ほんとに、コンサ的には天下分け目の戦いになってしまいました。
最後の最後に、結集したみんなの力を見せてくれると信じています。

>scaさん
大人しいんですよねえ、コンサユース。
これは今年のチームに限らず、ずっと以前からのことで、しかもU-18に限らずどの年代でも・・という気がしています。
「もっとガンガン言い合っていいんじゃないの?」と端から見ていて思いますが
もしかしたらその反面の良さもあるのかもしれないし・・なども考えて
なんともジレンマというかもどかしい思いになることがありますわ。
レッズやマリノスは、アカデミーに関わっているスタッフの潤沢さを考えると、たかが遠征費くらい節約しようと考えるとも思えませんけど・・。
ましてうちのように毎試合飛行機で移動するわけでもありませんし。
純粋に関東プリンスの戦いが厳しいんだと思います。

タイトルは、ちょっとキャッチーなのを狙いましたw
でも理由がいくつあるかは書いてみるまで数えられず、本文を書いてからタイトルの「○つ」を埋めました。

posted by あきっく| 2014-12-02 06:56

Re:コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

キャッチーなタイトルを狙うのは全然アリです。僕もたまに狙ってタイトルつけますし。
(あんまりあからさまな“釣り”は炎上の元ですが…)
 
それにしても、ユースがプレミア残留できて良かったです。プレー水準が落ちるのはトップ昇格を増やしていく意味でも死活問題になりますし。
ユースのレベルが落ちるというのはすぐ思いつくんですが、見てもらう機会の損失は盲点でした。
言われてみればユースに入れた選手が全てトップ昇格できるわけではない。
(さらに言えばサッカーを続けられるという保証もない)
サッカーに関するものだけでもなるべく多くの道筋は作っておくべきであり
実際に工藤や松本、上原拓郎などの例を作ったし、ひいてはそれがクラブとしての責任にもなる。
一見わかりにくいですが、そうしたクラブのブランドを維持していけるかも大事なことだと思いました。

posted by フラッ太| 2014-12-07 19:47

Re:コンサU-18がプレミアリーグに絶対残留したい3つの理由

>フラッ太さん
終わってみればギリギリの勝ち点差でしたが、残留できてホッとしました。
期待と重圧を背負って試合に臨む選手たちは大変だったでしょうが、きっとそれも今後の糧になる経験だったんじゃないかと思います。
3年生はこれからのサッカー人生に活かしてほしいし、1,2年生はこれを糧に来季の飛躍を!(笑)

posted by あきっく| 2014-12-07 23:34

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