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2011年09月25日

“堅守”に意味はない。

最近の札幌の報道を見ていると、
“堅守”と表現されることが多いです。

そして、その根拠は、順位表にあらわれている失点数が、
FC東京に次いで、リーグで2番目に少ないから。

このこと自体が良いことなのは間違いないでしょう。


ただ、

失点が少ないことに意味はない

とも同時に思うわけです。


なぜなら、サッカーというスポーツが、
相手からより多くの得点をとったチームが勝つというスポーツだからです。






つまり、失点がいくら少なくとも、得点をとらなければ勝てない。

別の言い方をすれば、たとえ失点が多いとしても、
それ以上得点すれば勝てるのがサッカーというスポーツです。


さらに付け加えるとすれば、
サッカーのシーズンでは、順位は勝率ではなく勝ち点で決まる。
具体的には、勝利による勝ち点が3、
引き分けによる勝ち点はお互いに1、負けは0です。

引き分けには、勝ち点1が入るので誤解しがちですが、
両チームに勝ち点1が入るので、実質的には、そのチームとの差はつきません。
(※より単純に考えれば、全てのチームが引き分けた場合、差がつかない。)

勝つことによってのみ、相手の勝ち点を奪い、自チームにのみ勝ち点を3追加できる。

つまり、サッカーのシーズンでは、野球のシーズンの1勝と異なり、
勝ったチームに大幅なアドバンテージが与えられる仕組みになっているわけです。


そして、失点しないことはいいことですが、得点をしないことには引き分け止まり。
決して、勝つことはできません。

だから、失点しないことに意味があるわけではない。

したがって、サッカーにおいて、より重要なのは、
失点をどう防ぐかではなく、得点をどう奪うかだと思うわけです。


もちろん、失点してばかりでは勝てませんから、
当然、得点と失点、攻撃と守備のバランスが重要なことは言うまでもありません。

しかし、守備はある程度計算できる。

実際、ゴール前に人数をかければ、実力の劣る相手が、
実力の上のチームの攻撃に耐えることは、それほど難しいことではない。

問題は、そこから攻撃することができるか。
攻撃ができなければ、“勝つこと”もできません。

それに、いくら堅守であっても、
ずっと攻め続けられたなら、そのうちいつか破られてしまいます。






なぜ今そういうことをいうのかといえば…、

それは、2007年J2を今季と同様に“堅守”と評されて制覇し、
翌年J1に昇格した札幌のJ1での惨敗っぷりが
私の頭に残っているからです。

2007年のJ2優勝は、触れてはいけない過去なのか(苦笑)、
現状と比べる人は少ないようですが、
2008年の札幌が高い代償を払ってJ1で学んだことは、
堅守だけで残留できるほど、J1は甘くはないということではないでしょうか。

当時の攻撃は、ダヴィへの縦パス一本とセットプレーしかなかった。
(※ちなみに、お前は、三浦サッカーを何もわっかとらんと思った方は、
2008年当時の私の戦術のカテゴリを読んでから、コメント下されば幸いですm(_ _"m)ペコリ)

当時に比べると、今の札幌は攻撃のバリエーションは増えていると言っていい。
ただ、それが果たしてJ1で通用するレベルなのか。

J1昇格が少し見えてきた段階でこんな話をするのも、
まだ気が早いとは思いますが、今年J1昇格を果たしたとして、
来年、2008年を繰り返すような結果になることは誰も望んでいないはずです。

そして、札幌は、財政規模から考えて、
J1に昇格したからといって、大幅な戦力補強が期待できない。

そうであるならば、今いる選手をベースにして、
J1でも通用する攻撃ができなければ、残留は厳しい。

前節のJ2リーグ最強と言われるヴェルディが見せた華麗な攻め、
そして、今節は、前半徳島を押し込みながら押しきれない札幌の攻め、
これらを観て、札幌の攻撃は本当にJ1で通用するのか?


昇格圏の順位になり、対戦相手のマークもきつくなりますし、
2008年を繰り返さないためにも、
これからより攻撃の精度を詰めていく必要があるのではないでしょうか。



posted by whiteowl |02:00 | Column | コメント(12) | トラックバック(1)

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“堅守”に意味はない。 - whiteowl's Point of View | コンサドーレ札幌オフィシャルブログ

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Re:“堅守”に意味はない。

相も変わらず見当はずれだね。文章は長いけど。

2007と2008を比べれば圧倒的に2007年型コンサの
ほうが強かったでしょ。
2008verコンサは攻守の要がそっくり消えてるんだよ。

であるからして、2008年コンサを堅守と見る事自体
間違ってます。

それにもう一つ。
仮にJ1で全試合引き分けたとしたら、
ほぼ残留できるよ。
1~2試合も勝てば残留確定。

posted by おぢさん| 2011-09-25 05:55

Re:“堅守”に意味はない。

はじめまして。

昨日も厚別で観戦していましたが、私はコンサの守備が攻撃的ディフェンスに進化できれば、今後の試合⇒J1での試合でも期待出来るのではないかと思います。

誤解しないでもらいたいのは、私が考える攻撃的ディフェンスとは、単なるDF陣の前線への攻撃参加ではないということです。

昨日の試合では、コンサの守備陣がはね返したボールを相手選手が拾う。 また攻められて、はね返す。
その繰り返しが多かったように感じました。

守備の為のディフェンスが続けば、やがて金属疲労と同じ状況になって、いつかは崩されてしまうでしょう。

しかし、はね返したボールを味方選手がキープできれば、少なくとも攻め続けられる状況は避けられます。

つまり、単にはね返すのではなく、はね返す時点で味方へ繋ぐ事を考えたプレーができれば、守備の為のディフェンスから『素早く攻撃に転じるディフェンス=攻撃的ディフェンス』になるのではないでしょうか。

そんなの当たり前だと言われるかもしれませんが、それを当たり前に出来るのが『J1』なのです。
いずれにせよコンサがレベルアップしなければならないのは確実なのですが(苦笑)

posted by アレグリ| 2011-09-25 08:46

Re:“堅守”に意味はない。

ご無沙汰致しております。

昨日の徳島戦、引分けで問題なし!みたいな各ブログとスタジアムの終わりのサポーターの選手への勝った様な拍手に、違和感を感じ、スイッチが入ってしまい、
>>“堅守”に意味はない。
>>失点が少ないことに意味はない
申されているかも知れませんが、こちらの発言も
ごめんなさい、若干極端だと残念ながら思う次第です。

J2のリーグ戦に関し、失点の少ないチームが、
悲しいかな?1試合1失点以下のチームが、6位中5チームが、上位居る事実。
また、東京V J2で一番の1試合2点の27試合で、54得点取っても、7位の現実を鑑みると、
J2の昇格争いに有利なのは、やはり、
大変申し訳ありませんが、
>>“堅守”
>>失点が少ないことに
が意味があるのではないでしょうか?
2007年昇格時も失点少ないですし。

J1でも戦いとの議論もありますが、
よく、昇格しても1年で落ちてくる・・・

J2にいるより、絶対にJ1に1年で良いから、居るべき。と考えています。
J1の方が、サポ、選手、クラブ、経験がいろいろ出来ると思います。

何よりも、J1の事は、昇格が決まってから、考えても遅くないと思います。
少なくとも、10月末の2週間で5試合終わってからで良いと思いますが・・・・

大変無礼致しました。。失礼致します。

posted by 団長Ⅱ| 2011-09-25 09:31

Re:“堅守”に意味はない。

コダマ工作員を召喚してますのん?

posted by 黒萩潤哉| 2011-09-25 09:51

Re:“堅守”に意味はない。

堅守はできて当たり前ということなら、意味がないかもしれませんが、守れもしないのに攻撃するだけでは、もっと意味がないと思います。
華麗な攻めに見える緑さんは、実質2バックで10人で攻めても、3点以上とらないと勝てないんですから。

どんなチームでも全試合に勝利することはできないわけで、リーグ戦を戦うには、失点せずに勝ち点を1ずつでも積み上げるていくことも有効な手段かと。

それと、J1では通用しないかもしれないから、昇格する必要がないということにはならないと思います。

失礼しました。

posted by 昇格希望| 2011-09-25 10:11

Re:“堅守”に意味はない。

 えらい挑戦的なタイトルで来ましたねぇ(苦笑)。

 徳島戦はまだ映像見てないので何とも言えないけど、
 ヴェルディ戦はいろいろな意味で示唆に富んだ試合だった。

 ヴェルディの攻撃の圧力はたしかに凄まじかった。でも、あまりに攻撃に偏りすぎて返し技っぽくこっちが4点取って勝った。なるほど、あれじゃあヴェルディが上に来られないはずだわなぁと思う一方で、J1はあれくらいの攻撃をする、もしくはそれに近いチームはいくらでもあるし、ヴェルディみたいにあっさりやられるチームはそうそうない。
 数字の上で堅守とはいっても、結果オーライで守れちゃっているのが多分にあることを考えると、ヴェルディ相手にあんだけ苦戦しているようじゃたとえJ1に上がれても相当しんどいだろうなと想像できちゃうのもまた事実。

 今は先のことを考えている余裕なんてないし、1戦必勝の心構えでいい。勝ちに行く戦いができないとJ1昇格はできないし、負けない戦い方ではJ1で通用しないってのはイヤっていうほど味わわされたし。
 07年の戦力がそっくりそのまま残っていたとしても攻撃の線の細さを思えば遅かれ早かれ・・・という気はする。ただ、三浦コンサに比べれば石崎コンサは攻め手は多少なりともあるから、攻撃の精度が上がれば・・・という点ではポジティブにはなれるけど、補強や戦力維持は現場サイドの努力だけではうまくいかないし・・・。

 むしろ、福岡の惨状を見るとJ1昇格うんぬんに関わらず、そっちの方が心配(滝汗)。

  

まあ、ヴェルディ戦はハーフタイムに

posted by フラッ太| 2011-09-25 11:37

Re:“堅守”に意味はない。

 補足。

 ヴェルディ戦はハーフタイムに監督が明確に修正をかけて勝つことができた。
 中途半端に選手交代でお茶濁してたらヴェルディの圧力に押し切られて負けてた可能性は高い。
 ヴェルディ戦は大幅修正だったけど、試合中に多層成りとも修正ができるようにならないと
 これからの昇格争いですらしんどくなるんじゃ・・・。

posted by フラッ太| 2011-09-25 11:42

Re:“堅守”に意味はない。

大漁ですね。

「“堅守”に意味がない」とは思いません。守備は堅いに越したことはないですもの。「“堅守”と持ち上げられることに意味はない」なら、今回の投稿でおっしゃられていることを含めて、まあ、それもそうなのかなと思います。

サッカーとして云々の話は、守備重視を指向しても上では通用しないと言うことですね。2008年の三浦札幌は堅守ではなかったというのは、他の方が書かれているとおりですし(そもそも堅守というのは結果に付いて来る形容なわけで、“堅守であろうとしている姿勢”とは別ですし)。“守備をしっかりやれば何とかなる”という考え方は違うよ、と言うご意見はごもっともです。

要は、今回の攻撃対象(?)は、本来攻撃的なサッカーを指向していて、それで昇格してJ1でもやっていきたいはずの石崎札幌の現状に対して“堅守”を材料に煽ったり乗っかったりして喜んでいる(主に)マスメディアに他ならないといったところで。別に三浦サッカーがまずかったと言いたいわけではないですよね?よもや。

後半の今後の展望については、お決まりの“じゃあ昇格しないでJ2にいれば強くなるのか、客は来るのか云々”となって、私は上がるだけが全てではないと思いますが別の話になるので割愛しまして、今上がっても今季の福岡と同じ結末を辿るのではというところで、whiteowlさんに同感です。これで上がっても結局は“小幅な戦力補強”が上手く行くかどうかにかかってしまうような。

ちなみに、個人的には、一番最初の方のコメントにあるような、三浦サッカーでJ1全引き分けで残留というのも楽しそうな気がするのですが、不機嫌になる人も多そう(笑)。

posted by MasaMaru| 2011-09-25 13:29

Re:“堅守”に意味はない。のお返事。

久々に大漁っすね(笑)。
インパクトがあればいいんで(笑)。

大筋、フラッ太さん、まさまるさんの常連さんが
書いてくださっている分析の通りです。

フォローありがとうございますm(_ _"m)ペコリ

>おぢさん

>相も変わらず見当はずれ

暫定でも、石崎監督で今一位だから、何を言われても、痛くも痒くもねーや(笑)。

ちなみに、2007と2008の守備戦術は、FPを3ラインに並べた極端なゾーンディフェンスで同じ。

まあ、確かに、選手が違うとか、自信を失ってたとかはあると思いますよ。

>全試合引き分け

確かに、全試合引き分けだったらね。
その反論は予想しているから、↑の本文で、「守り続けてたら、そのうち破られる」って書いてあるでしょう。

>アレグリさん

>攻撃的ディフェンス

ちなみに、アレグリさんとほぼ同じことを、当時の札幌監督だった三浦さんが言っています。

ゾーンディフェンスは、マンツーマンディフェンスと異なり、
選手間の距離のバランスが崩れないので、守備から効率的にカウンター攻撃が出せると。

じゃあ、J1で実際どうだったのか。
2007と2008がほぼ同じ戦術で戦っていたことは、上にも書いたとおりです。

>団長Ⅱさん

極端でいいんです(笑)。
それでバランス取れますから(笑)。

それに、本当に極端な意見だというなら、無視されるでしょう。
無視されないってことは、それなりに意味があるってことです。

攻撃がJ1で通用しないから、J1に昇格すべきではないと書いたつもりはないですし、
昇格して欲しくないとも書いていません。

ただ、このままでは、2008年を繰り返す可能性が高いということです。

もしJ1に昇格したなら、残留しなくていいなんて人はいないと思うわけで…、
仮にそうであるなら、J1を見据えて守備戦術ではなく攻撃の形を構築すべきだということです。

特に、攻撃の形は、一朝一夕で身につくものではないですから。

それに、石崎監督に監督を要請した理由も、J1昇格ではなくJ1残留できる戦力を育成して欲しいという依頼だったはずです。

何事もお金のないチームですから、計画的にやらないと上手くいかないと思うわけです。

まあ、それに、選手には常にもっと上を目指して欲しいですしね。

>昇格希望さん

まず、J1で攻撃が通用しないから昇格しない方が良いなんてことは、
一言も書いていないですし、思ってもいません。

少なくとも、そういう意図で書いた記事ではないです。

>フラッ太さん

>J1はあれくらいの攻撃はする

おっしゃる通りだと思います。
ヴェルディのように実質2バックになんかしなくても、あれくらいの攻撃はしてくる。

J2で満足していたら、絶対にJ1残留なんかできない。
J1昇格が目的で、残留なんかしなくてよいというなら話は別ですが…。

>攻撃の精度が上がれば…

補強がままならないとすれば、ここに活路を見出すしかない。
あがったとして、J1では負け続けても良いというなら、話は別ですが…。

>まさまるさん

そうですね。

より正確に言うなら、堅守と持ち上げられることに意味はないですね(笑)。

>三浦サッカー

守備戦術で言えば、あの戦術で守れなかったら、おそらく他は何をやっても無理ですよ。
それくらい守備戦術に関しては合理的な戦術だった。

だから、残留できない理由は、監督の戦術ではなく選手の実力だと私は言い続けてきたわけで。

J1に残留することが目的なら、今のままでいいのかってことは、
選手やフロントには考えて欲しいですよね。

ただ、やっぱりあの4-4-2のサッカーはあまり好きになれませんね、俺は(笑)。

posted by whiteowl| 2011-09-25 22:22

Re:“堅守”に意味はない。

仕掛けましたねぇ。今、こういう議論をするのは凄く大事な事だと思うので、色あせないよう続けてくださいな。

posted by おせっかい| 2011-09-26 19:32

Re:“堅守”に意味はない。

 三浦さんも石崎監督も守備から攻撃にはタイムラグを置かない、
 いわゆる切り替えの速さを求めたことはたぶん間違いない。
 両者共に良い守備から入るというのは共通しているし。

 で、三浦さんの場合は2ラインでカッチリとブロック作っちゃって半ば強制的に選手間の距離や位置関係を短くするor固定化することで活路を見いだそうとしたんだと思う(こっちの技術や能力が足りないから)。
 でも、いかんせん「最後はダヴィだろ?」というのがあって、そこから逆算しちゃえば相手チームは自分たちが多少フォーメーションを乱しても対応が間に合うというのがあったんじゃないかな。
 仮にこっちがボールを奪えても相手ゴールから遠いエリアで、SBに入ったCBは追い越し禁止で前の人数が増やせない&攻撃の起点になれそうだった西谷がケガとなると、中盤すっ飛ばしでダヴィに預けてまずはエリア挽回・・・とゴールを奪う可能性は高くなるはずもないのでセットプレイ&高さでアタック作戦に帰結したんじゃないかと。

 そこに特化するしかなかったとはいっても三浦さんの場合
 リスク軽減のために流動性を極力少なくしたやりかただったから
 なおさら4-4-2が嫌いってなっちゃったのかもw。
 石崎監督は三浦さんとはある意味真逆なやり方だから
 主にアタマの面で転換するのに時間がかかって苦しんだとも言えるような・・・。
 

posted by フラッ太| 2011-09-27 02:33

Re:“堅守”に意味はない。のお返事。(フラッ太さんへ)

返事が遅くなりましたm(_ _"m)ペコリ

>いわゆる切り替えの速さを求めたことはたぶん間違いない

これはそうだと思います。

>石崎監督は三浦さんとはある意味真逆なやり方

そこまで真逆じゃないと思いますよ。

実際、今の札幌は、いわゆる”堅守速攻型”ですからね(笑)。

それに、2ラインのゾーンディフェンスは、今もやってます。

シュート数が少ないのに勝ってるから決定力があるとかいってますが、
引いて守ってるから、そこからのカウンターで相手の陣地にスペースがあるのは当然です。

そうすると、札幌が、先に先制点を取った方が負けないことにも説明がつきます。

問題は、J1にあがったら、先制点を奪うより奪われることが多くなる。
そして、今札幌がやってるような、先制点を奪って後は引いて守ってカウンター狙いをやられたら勝てない。

カテナチオの国イタリアは、そこを屈強なCFWの攻撃力でカバーしてきた。

引いて守るやり方の最大の難点はそこなんじゃないでしょうか。

posted by whiteowl| 2011-10-10 03:06

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