2011年01月10日
現場での問題解決能力。 -日本代表ヨルダン戦-
前回の予告を変更しまして・・・m(_ _"m)ペコリ 昨日の代表のヨルダン戦について、思うところがあったので・・・。 個人的には、全体的なコンセプトが似ているので、選手のレベルの差はあれど、 去年のコンサドーレを観ている様な気持ちに(苦笑)。 そして、相手が引いて守ってくるだろうことは分かっていたのに、 引いた相手を崩す“戦術がない”。 そう評されてしまいそうなこの試合(苦笑)。
まず、ポイントだと思うのは、解説でも言われていたサイドの活用。
どっちかのサイドに寄せておいて、逆サイドや中央に飛び込んで最終的に勝負するという
ゴールを逆算した動きがなかったこと。
ヨルダンに対して、フィジカルで優位に立てない日本は、追う展開で、
得点が欲しいからと前線に上がって立ち止まってボールを待ち受けるのではなく、
フィジカル勝負を避けて、少ないタッチでワンツーなどを活用して、
前のスペースへ入り込んでいく必要があった。
決してフィジカルに恵まれていないメッシが、バルサで活躍できても、
アルゼンチン代表で輝けない理由もその辺だと思っている。
正に、昨日の香川がそうで、メッシ同様体格に恵まれているとはいえない香川は、
相手との接触を避けて、動きながらボールをもらわないと良さを発揮できない。
もう1つは、相手のカウンターに対するカウンターの遅さ。
引いてきた相手が唯一前に出てくるタイミング。
それは、こちらの攻撃に対して、相手がボールを奪ってカウンター攻撃をしてくる時。
だから、そのカウンターを少ないタッチで逆に前に繋げればチャンスになる。
その意味での攻守の切り替えが、昨日は遅かった。
選手が意識していれば、ピンチを容易にチャンスに変えられる。
ただ、問題点を指摘することは簡単だし、おそらく選手もわかっている。
本当の問題は、その後の番組で神戸の宮本選手も言っていたが、
現場の選手が、それを共有してその場で問題を解決する能力があるかということ。
それはピッチという“現場”で起こっているだけに、
監督の指示よりも選手個々の問題解決能力によるところが大きい。
実際、試合中に、監督に出来ることは、
ハーフタイムでの指示・修正と選手交代くらいなもの。
もし、監督が選手に試合前に崩すパターンを教えていたとしても、
同じ事を試合中に何度も繰り返したのなら、その内、相手に読まれてしまう。
また、そのパターンを出すタイミング、そのパターンをダミーにして、
違うパターンで勝負するなど、現場の状況判断の割合は圧倒的に選手の側にある。
そして、サッカーが少なくとも野球と違う楽しみがあると思うのは、
(当然ある程度、戦術的な制約がある上で)現場の選手に大きな裁量権が認められていることと、
選手たちが、そうやって何とかしようとアイディアをひねり出す過程を観られること。
そして、その辺りが私が野球よりサッカーが好きな理由だ。
試合中に、サインによって監督からの指示が逐一出される野球とは違う、
現場の選手の状況判断に委ねられる自由がサッカーにはあると思う。
昨年、札幌の結果が出ないのは、監督の責任か、選手の責任かが話題になりましたが、 見方の違いにつながる理由として、 この辺りの根本的なサッカー観の違いもあるのかなと思っています。 私が選手の側により責任があると考える理由は、 正にこの現場での問題解決能力で、別に札幌の選手が下手糞だとは思っていない。 そして、もしかしたら、 そこの部分が、札幌に限らず日本人にサッカーは向いていない と言われる1つの理由なのかもとも思っています。
posted by whiteowl |12:00 | National Team (日本代表) | コメント(3) | トラックバック(1)
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現場での問題解決能力。 -日本代表ヨルダン戦- - whiteowl's Point of View | コンサドーレ札幌オフィシャルブログ
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Re:現場での問題解決能力。 -日本代表ヨルダン戦-
まったくその通りだと思います
戦術等の前にまともにトラップ
も出来ないんじゃ話にもならんし。
ちょとしたミスで1テンポ、2テンポも
遅れてしまうからね
posted by 通りすがり| 2011-01-10 14:08
Re:現場での問題解決能力。 -日本代表ヨルダン戦-
別館でちょこっと書いたんだけど、
昨日の日本代表っていろんな意味で石崎コンサとカブるよねぇ(苦笑)。
>そして、サッカーが少なくとも野球と違う楽しみがあると思うのは、
>(当然ある程度、戦術的な制約がある上で)現場の選手に大きな裁量権が認められていることと、
>選手たちが、そうやって何とかしようとアイディアをひねり出す過程を観られること。
>試合中に、サインによって監督からの指示が逐一出される野球とは違う、
>現場の選手の状況判断に委ねられる自由がサッカーにはあると思う。
野球が特にそうなんだけど、大上段に構えて言うなら 日本人は観る側もする側も“間”のあるスポーツに慣れてしまってる。
もっと極論するなら、その間ごとに指示が出る、指示を出してくれるのが普通だと思ってる。
逆にサッカーは基本的にボールが動きっぱなしで、試合が“細切れ”になることはあんまりない。
で、どうなるかっつーと、ながら思考を強いられるというか
点差とか試合の時間帯とか、対峙する選手の技量とか相手チームの大まかな戦い方とかいった
様々な事象を並列的に考えることが多くなってくる。
局面ごとに1対1の勝負はガチでやらなきゃいけないけど、
同時に俯瞰的な目で空気を読んだプレーも必要になってくる。
今年の石崎コンサは前線の選手がほぼ残っていて攻撃に“アドリブ力”は期待できそうだけど、守備はほぼイチから構築のやり直し。それでも、そこそこの順位にはつけないと外野が我慢できなくなりそう。今年も昇格への道は険しいっすよ・・・。
posted by フラッ太| 2011-01-10 16:59
Re:現場での問題解決能力。 -日本代表ヨルダン戦-のお返事。
>通りすがりさん
クラブチームの方が、代表よりも練習(修正)する時間はあるはずなんですけどね・・・。
>フラッ太さん
>指示を出してくれるのが普通だと思ってる。
日本の選手は、指示出し、指示待ちに慣れているというのはあると思いますね。
それが遠因となって、決定力不足に繋がっていると思うんですよ。
>俯瞰的な目で空気を読んだプレーも必要になってくる。
そうですね。正に、俯瞰的な視点だと思いますね。
そういう意味では、外から見ている人間の方が問題に気付きやすい。
でも、試合中に代わりに入った選手が流れ変えたり、
スタメンが代わってもあまり変化がない・・・。
>攻撃に“アドリブ力”は期待
(-ω-;)ウーン
攻撃も楽観できないですね。
攻撃のキーは、試合を作れるボランチとボールを収められるFWだと思っています。
posted by whiteowl| 2011-01-12 10:54