スポンサーリンク

2010年01月14日

秋春制導入の目的。

日本サッカー協会、JFA会長がこだわる秋春制導入の大きな目的の一つは、
“日本代表の強化”にあることは明白でしょう。

よく、秋春制のメリットとしていわれる
“本州のうだるような夏の暑さの中、サッカーをしなくてすむ”
というのは、おそらく“副次的な理由”だと思います。


秋春制導入が、犬飼会長個人の希望であったとしても、
それは“日本サッカー協会の会長”として、
“日本代表強化”につながるなら、十分な大義名分になるでしょう。


また、会長が日本代表の強化にこだわる理由は、
昨今の日本でのサッカー人気の低迷が背景にあることも容易に想像できます。

最近の代表戦の観客動員、視聴率の低下。

また、一時期、サッカー選手が1位だった子供の将来なりたい職業ランキングでは、
1位にプロ野球選手が返り咲き、その差は開く傾向にあります。


さらに、日本のプロ野球との関係でいうなら、野球のオフにあたる冬期間に
サッカーを開催することで、放送時期をずらすことでサッカーの報道量を
増やせるのではないかという意図もあるでしょう。


他に、日本のプロ野球がWBCを2連覇してしまったこともあり、
以前は、サッカー日本代表は、W杯に出場することが目標でしたが、
もはやW杯に出ることは当たり前とされ、
W杯本戦で勝つことが求められるようになってきています。





つまり、


① 日本でのサッカー人気を回復するためには、日本代表を強くしなければならない。



② 日本代表を強くするには、欧州のトップリーグで活躍する選手をたくさん輩出する必要がある

③ 欧州のトップリーグで活躍する選手を増やすには、日本の選手が移籍しやすいように、
ヨーロッパのトップリーグと同じ開催時期の秋春制を導入する方が良い。


という理屈だと思われます。


そして、おそらく、本人は“日本サッカー界のためになる改革”だと思っていますから、
そのためには、“一部の反対”を抑えても実現しようとするでしょう。


まあ、この理屈に反論することは簡単です。

一部に多大な不利益を被らせてまで達成する全体の利益にそこまでの価値があるのか?
と問えばいい。


ただ、おそらく、本人は“日本サッカーのため、日本代表強化のため”と思っていますから、

少なくとも秋春制の導入が、そのためにならないとか、効果が薄いとか、
もっと他に良い方法があるという説得力のある選択肢を示さない限りは、
強引に秋春制を導入しようとする行為をやめないと思っています。






ちなみに、会長が日本代表強化のために雪国を切り捨てるなら、
独立リーグを作ればよいという案には、私は賛成しかねます。

なぜなら、FIFAが、1国1リーグ制しか認めていないからです。
JFAから独立した時点で、そのリーグから日本代表は出せません。


また、秋春制を導入しても、良い選手は勝手に海外移籍するはずだから、
移籍する人数は増えないだろうという反論がよくされます。

これは実際やってみないとどうなるかわからない面が大きいと思いますが、
これまでの海外移籍の実情を見ると全く効果がないとも思えません。

あとは、導入する場合、秋春制のデメリットをどこまで少なくする工夫をするのかと、
この効果がデメリットを上回るだけの価値があるかどうかの判断は、
個人によっても変わってくることかと思います。


posted by whiteowl |17:10 | 秋春制について | コメント(9) | トラックバック(1)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/whiteowl/tb_ping/535
この記事に対するトラックバック一覧
フェラガモ 店舗 【フェラガモ 店舗】

秋春制導入の目的。 - whiteowl's Point of View | コンサドーレ札幌オフィシャルブログ

続きを読む
この記事に対するコメント一覧
Re:秋春制導入の目的。

これだけ内からも外からも反発にあっている秋春制を、不自然にもこれだけ主張するというのは、
私は何か上記以外の理由またはそれ以上の理由があるとしか思えないんです。
夏試合回避や、人気回復、日本代表強化といった理由は建前のような気がしてなりません。何かアジア絡みなのか、FIFA絡みなのか。黒幕?といったら大げさですが、この話はただ単に「秋春制」だけに留まらないもっと大きな変革の始まりにすぎないのでしょう。
いい意味でも悪い意味でも。

会長が心底どのようにしたいのか。
それがなんなのか。
そのビジョンは今の所、私たちには一切情報もないし、まったくわからない状態です。

雪国サポとしては、冬には練習も試合もできないので、仮に秋春になったとしても、協会は誠意と責任を持って対応してくれると思っています。私たちの声を無視をしているわけは絶対にないはずです。

雪の中での開催は、世界中のどのリーグでも絶対に困難な事項であって、それは会長も協会も、Jリーグも、ファンも、みんなわかっていることだと思います。
その上で、現在会長はこの秋春制の可能性をさぐって話を進めているだと思っています。

ただ、単に会長をまるで頑固親父をやっかむような一部サポーターの「秋春反対」のスローガンには、まったく疑問を感じてしまいます。雪の中で試合ができないのは協会も会長ももうわかりきっていることのはずですから。その話は伝わっているはず。
その上で会長も何か活気的な改革をしようとしているのかもしれないですし。
出る杭を打つのを少し止めて、まずは具体的な成り行きを見てみてからではないと、
今は本当にわからないことだらけですよね。

posted by 秋春制について| 2010-01-14 17:55

Re:秋春制導入の目的。のお返事。

現時点では、本音が何なのか想像しても仕方ないとは思います。

>夏試合回避や、人気回復、日本代表強化

本音が別のところにあって、上記の理由はそれが建前だとしても、
それだけでも十分な理由になりえますから。

JFAが隠蔽体質なのは、よく指摘されることなので、
そういうところからも何か裏があるのではないか、
“陰謀説”みたいなものが出てくるのかもしれません。

そういう意味で、議論の透明性を確保すべきという意見は最もだと思っています。

現実的な要求としては、この辺りではないでしょうか。

その過程で、もう少し落ち着いた議論がなされれて、それが公開されれば、
何かもっと別の理由が提示されてくる可能性もあるかもしれませんね。

posted by whiteowl| 2010-01-14 18:17

Re:秋春制導入の目的。

私はW杯日本招致に絡んでW杯バブルの夢よ再び,と有象無象が蠢動している
と邪推しています。

夏にキャンプとなれば涼しい北海道で出来ますし,サッカー協会から補助金
が出て箱物が作れまるので貧乏市町村もゼネコンも大喜び(^^;

posted by LOBO| 2010-01-15 00:48

Re:秋春制導入の目的。

日本代表のことを考えると

秋春制採用のメリット
日本代表の地力強化
西欧・中東・オーストラリア等秋春制度採用国移籍の円滑化
西欧・中東・オーストラリアから選手をJリーグに呼びやすくなる
(オーストラリアは春秋制ですが北半球の時期は秋春になる)

秋春制採用のデメリット
W杯時期での代表選手のコンディション低下(シーズン後になるので)
日本代表の地力弱化
アメリカ、ロシア、ブラジル、韓国等春秋制採用国への移籍がしにくくなる
ブラジル、韓国から選手をJリーグに呼びにくくなる

うーん、賛否真っ二つになるのもうなずけるような・・・。
秋春制論者は西欧のことしか考えていないことが多く、
春秋制論者はクラブの都合しか考えていないことが多いかなとは思いました。
個人としては、W杯で結果を出すことを最優先して、
コンディションを保ちやすい春秋制が若干いいかなと思います。
今年の日本代表選手の移籍について秋春制→春秋制が多いという印象を受けましたし。

posted by AMZ| 2010-01-15 11:18

Re:秋春制導入の目的。のお返事。

>LOBOさん

>W杯日本招致に絡んでW杯バブルの夢よ再び

なるほど。

秋春制にそこまでこだわり、急ぐ理由の本音として、十分にありそうですね。

>AMZさん

上の文章でも書きましたが、

欧州のトップリーグに、どれだけ多くの日本人を送り込めるか
ってことが最重要視されているんだと思います。

その点から考えれば、日本代表強化に関する秋春制導入のデメリットは、
おそらくそれほど重要視されないと思います。

その中で重要視するとすれば、

>コンディションの低下

でしょうけれど、仮に日本のコンディションがMAXだとして、
それでもサッカー強豪国相手に勝てるのかって話だと思うんです。

posted by whiteowl| 2010-01-15 14:40

Re:秋春制導入の目的。

犬飼会長の頭の中は仰る通りの目的かもしれません。
ただ、③の
「 欧州のトップリーグで活躍する選手を増やすには、日本の選手が移籍しやすいように、
ヨーロッパのトップリーグと同じ開催時期の秋春制を導入する方が良い。」
というのは半年前だったらそのとおりかもしれませんが今は違うと思います。

今般の移籍制度の改定で選手はほぼ自由に移籍できるようになったと思います。
吉田麻也はオランダに行きましたし、内田篤と香川はタイミングを見て先送りしたと見ました。
もはや日本代表の強化を大義名分にシーズン変更を上げるのはその意味を失いつつあると思うんですが。

posted by apperside| 2010-01-27 08:02

Re:秋春制導入の目的。のお返事。(appersideさんへ)

>移籍制度の改定で選手はほぼ自由に移籍できるようになった

国内移籍に関して、日本ルールが適用されていただけですから、
海外移籍に関しては、今までも国際ルールが適用されていました。

千葉からセルティクに行った水野は、契約期間が切れていたので移籍金がかからなかった。

http://www.nikkansports.com/soccer/world/p-sc-tp3-20080109-304877.html

したがって、移籍制度が国際標準になったことで
海外への移籍がしやすくなったわけではありません。

より大きな問題は移籍制度ではなく、タイミングです。

>内田篤と香川はタイミングを見て先送りした

春秋制終了後に、秋春制のリーグへ移籍するとシーズン中に移籍することになる。

それが海外移籍のハードルを高くします。

自分が活躍するには、他の選手の特徴、チームの戦術を覚え、
自分の特徴も他の選手に覚えてもらう必要がある。
そのために長い間、シーズン前にキャンプをはっているのでしょうし。

まして、日本人は、本田のような例外はいますが、自己主張をしませんし、
語学もあまり出来ませんから、ただでさえ最初はチームになじめない可能性が高いのに、
シーズンの途中からの加入ではさらにハードルが高くなる。

さらに、春秋制のシーズン途中で、秋春制の国のシーズンの始めにあわせて移籍すると、
自分がレギュラーだったシーズン中の元のチームに穴を開けることになります。

和を大事とする日本人は、なかなか行きにくいのではないかと思います。

posted by whiteowl| 2010-01-27 14:38

Re:秋春制導入の目的。

なるほど。移籍制度改定は論点でないことは理解できました。
ポイントは欧州と開幕を合わせることでのタイミングの大事さですか。
あとは代表で日本人選手に活躍してもらって、欧州クラブからオファーが舞い込むようになればいいわけですね。ワールドカップでの高成績を期待します。

posted by apperside| 2010-01-27 16:23

Re:秋春制導入の目的。のお返事。(appersideさんへ)

今年は、W杯中断があるので、開催時期が異なるリーグ間で
タイミングを合わせるにはちょうど良い機会になるので、
それにあわせて移籍する選手は多いかもしれませんね。

あとは、仰るとおりオファーが来ないことには移籍できませんからね。

posted by whiteowl| 2010-01-27 17:03

コメントする