2009年08月23日
高かったDFライン。 【J2:第35節 vs 鳥栖】
第3クール初戦となる第35節の鳥栖戦は、3-3の引き分け。 前半2分 キリノ 前半18分 ハーフナー マイク 前半38分 島田 裕介(PK) 後半14分 ハファエル 後半41分 中山 元気 後半44分 高橋 義希 札幌ドーム、17,292人の大観衆の前で、また勝ちきれなかった。 起こった現象だけ見れば、終盤失点病の再発。 しかし、今までのように前半飛ばしすぎで、 終盤にスタミナ切れを起こし失点していたのと内容は違っている。 一人退場して、数的不利の相手に対して、 言ってしまえば、セットプレーしか狙っていない相手に対して、 ゴール前で、後ろから行ったこと。 引き分けた理由をジャッジのせいにできるほど、私は札幌が清廉潔白であったとは思えない。 今季の札幌は、明らかなラフプレーというものはないものの、 相手の後ろから当たったり、手を使って相手のユニフォームを引っ張るプレーは多い。 後ろからいったり、手を使うというのは、守備に余裕のない証拠でもある。 結局、石崎監督がいうように、ゴール前でファウルを疑われるような守り方をしないことに尽きる。 【J2:第35節 札幌 vs 鳥栖】石崎信弘監督(札幌)記者会見コメント(09.08.22) 「フリーキックは相手に優位。こちらは壁に立つしかない。 やはりそういうエリアでファウルをしないということですね」 精神的な余裕があるときは、相手を上手く追い込んで、 ファウルをせずにボールを奪っていた場面もあっただけにもったいない(;´Д`A ```
しかし、てんぼーでも書いた、ゴール前でファウルをしないためにも、 試合を通じてDFラインをどれだけ高く保てるかという点は、 非常に良かったのではないだろうか。 前半の前半は、札幌も鳥栖も挑戦的なくらい非常にDFラインが高く、スペインリーグかと思うくらい。 お互いの選手が高密度でハーフウェイライン付近に固まっているという状況だった。 お互い周囲にスペースがないので、広大なスペースのあるDFラインの裏を狙ったパスが多くなる。 宮澤のDFラインの裏に抜けるスルーパスから、 キリノが走りこんでシュートを決めた2分から、しばらくキリノの時間帯が続くが、 この好調はキリノに子供が生まれたことばかりではおそらくない(笑)。 キリノの存在によって、札幌はスペースに走りこませたら鳥栖よりも優位。 お互いの高いDFラインは、無謀とも思えるチキンレースにも見えたが、札幌に軍配。 その結果、鳥栖はDFラインを下げざるを得なくなった。 DFラインを高く保持するために、 この試合、吉弘ではなく、CBに石川を起用した効果は出ていたと思う。 てんぼーで、裏をかいた布陣があるかもと書いたが、 CBのコンビに今季初の石川とソンファンは意外だった(苦笑)。 ただ、相手のセットプレーを封じる高いDFラインを維持するために石川、 マイクへの1対1対策としてソンファンと考えれば、 一番合理的な布陣だったのかもしれない。 そして、もう一人のCBのソンファン。 多くの時間押さえ込んでいたことは事実だが、結局、マイクにリベンジできなかった。 得点シーンも含めて、マイクのポジション取りが上手かったこともある。 DFとDFの間、スペースを突いた動きをしていた。 付きすぎて引っ張られてDFラインのバランスも悪かった。 (特に、上里の居る左サイドにスペースがあって、 これは一長一短だが、よくオーバーラップすることもあり、バランスが悪かった。) かといって、放置すると強靭なフィジカルでポストプレイヤーとして、 特にバイタルエリアで楔のパスを受け続け、 結局、この起点を札幌は最後までチームとして潰せなかった。 このマイクへの楔のパスと、それを頼みに中盤から飛び出してくる鳥栖の攻撃は、 第2クール首位の実力を十分に感じさせるもので、切れ味鋭く速かった。 しかし、鳥栖の攻撃はほとんどこれしかなく、 てんぼーで触れたもう一つの点、両サイドの攻防では、札幌が主導権を握った。 特に、藤田は攻守にものすごい量を走り、敵の指揮官も注意を促すほど縦への突破は効いていた。 【J2:第35節 札幌 vs 鳥栖】ハーフタイムコメント(09.08.22) ●岸野靖之監督(鳥栖):・右サイドのクロスは注意。 ただ、これはサイドに限らないが、勝負をしないとチャンスは生まれない。 試合がこう着状態に陥った時、相変わらず意味のない横パスを続け、 個人で勝負して試合を打開していこうとする気迫に欠けていた。 途中交代で入り、得点以外の時間帯ほとんど消えていたハファエルだが、 個人で打開しようとする気持ちは感じられた。
このように引き分けでも、内容的には、高いDFラインを試合を通じて維持し、 サイド攻撃では終始主導権を握るなど、下を向く必要はない試合だった。 しかし、正直、どう評価していいか悩む試合。 もし本気で昇格を狙っているなら、背水の陣の札幌は、結果のみが重要。 2度もリードを奪いながら今回引き分けたことは、昇格レースにとっては致命的なはず。 だが、試合後のドームの雰囲気にそういった焦りは感じられなかったように思う。
posted by whiteowl |13:12 | 2009 J-league Games | コメント(4) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:高かったDFライン。 【J2:第35節 vs 鳥栖】
いろいろとあると思いますが、強い鳥栖を相手にいい試合をしたと思います。最後のフリーキックはキッカーを褒めるべきですし、あれはしょうがないと割り切れたので、拍手だったんじゃないですかね。
コンサはまだ発展途上ですが、古田、ハファエル、石川と補強と抜擢がうまくいっていて、スタメンの選手の危機感につながっていて、藤田の鬼気迫るプレーが見られたので、お客さんは満足したんだと思います。
来年も同じメンバーでいけたらチャンスはあると思います。
posted by langu| 2009-08-23 18:54
Re:高かったDFライン。 【J2:第35節 vs 鳥栖】
試合内容は良かったと思います。
昇格云々は数字上可能性が残っているという認識だと思うので切迫感はあまりなかったのでは。
チョウのPKの場面にしろ終了間際のFKにしろ、そういうファールを与えてしまうこと自体が問題なわけで。ハーフナーのヘッドもチョウだけをヤリ玉に挙げるのはちょっと可哀想な気もします。寄せが甘いといえば甘いかもしれませんが・・・。
シュートを打たれるんじゃないかとヒヤヒヤするんじゃなくて、
打たせずに勝つレベルまでもっていってほしいですね。
posted by フラッ太| 2009-08-23 21:51
Re:高かったDFライン。 【J2:第35節 vs 鳥栖】
フラッ太さんも書かれていますが、ファールの取られ方が悪い試合でしたね。失点の仕方が悪いとも言えますか…。
マイクの高さは驚異ですが、鳥栖の攻撃の多数が経由する場所だとわかっていたことなので、1失点目はやはり悔しいですね。
>かといって、放置すると強靭なフィジカルでポストプレイヤーとして、
特にバイタルエリアで楔のパスを受け続け
↑をしてもらった方がよかったかもしれませんね。そこにはダニがいるわけだから、高さ勝負にならない守りようもあったかと。
結局、マイクの高さがあれば、ロングボールやアーリークロスを狙いますよ!そこの出所を全て潰すのは、極めてムズカシイですし(-_-;)
鳥栖のほぼ"1パターン攻撃"を、抑えきれなかったところに、やるせなさが残る試合でした。
posted by はげお| 2009-08-24 00:29
Re:高かったDFライン。 【J2:第35節 vs 鳥栖】のお返事。
>languさん
>来年も同じメンバーでいけたらチャンスはある
今季は昇格を見据えたチームではなくて、
来年に向けたチームという割り切り方でチームを見るなら、
languさんの言うとおりだと思います。
ただ、HFCの経営状況を考えると(-"-;A ...
観客動員で30万人を目標に掲げ、それを実現できると公言していますが、
観客動員は成績と直結しやすいですし、このままだと来季の予算縮小の可能性は高い。
来季のためにも、第3クールの結果は重要だと思います。
>フラッ太さん
>昇格云々は数字上可能性が残っているという認識だと思うので切迫感はあまりなかった
来季の予算が今年度並みを確保できるなら、何も心配しないんですけどね(-"-;A ...
>チョウだけをヤリ玉に挙げるのはちょっと可哀想
一つは、DFとはそういうポジションであるということ。
一度でもミスったら責められ、逆に、一度でも成功したら褒められるのがFW。
もう一つは、わかっていたのに止められなかったのは、
本文中にも書きましたが、チームとしてまずかった可能性があること。
ファウルの件は、左サイドがスカスカだったのも原因にあるのかなぁと思っています。
>はげおさん
>マイクの高さがあれば、ロングボールやアーリークロスを狙いますよ!
>そこの出所を全て潰すのは、極めてムズカシイ
そうなんですよね。
マイクに当てた後のセカンドボールで、
もう少し拾えれば良かったのかもしれません。
posted by whiteowl| 2009-08-24 19:59