スポンサーリンク

2009年09月14日

“サッカー”に興味のないマスコミ。

昨日の甲府戦の敗北で、今季の昇格はほぼなくなった札幌。

というわけで、とりあえず、マスコミに八つ当たりしておきたいと思います(笑)。






今回問題にしたいのは、以下の3紙の記事。


札幌キリノ“7億の男”へ一気2得点だ[2009年9月13日10時23分 日刊]

【道スポ】現在15ゴール キリノ ダビ超えだ (09/13 11:04)

キリノ、ハットでダヴィ超えだ…札幌元エースの17得点あと2(2009年9月13日10時25分  スポーツ報知)


まず、最近調子をあげているキリノについて3紙が横並びで書くのは、
3紙ともほぼ同じ内容でつまらないんだけれども、百歩譲っていいとしても、
なんで、ことごとく“ダヴィ”と比較する必要があるのだろうか?


三浦札幌の頃は、守備ブロックを形成して自陣でスペースをなくし、
相手のボールを奪ってロングボールでカウンターという戦術だった。
そこで、正に“馬のように”強く速く前線から守備をして、
ロングボールに反応し続けたのがダヴィ。

今季の石崎札幌は、そもそもあの頃と戦術が違う。
キリノには、前線からの守備、相手のDFラインの裏に抜けること、
さらに、1トップとしてポストプレーも求められていてダヴィとも役割が違う。


確かに、FWとして唯一の評価の尺度は、ゴール数かもしれない。

しかし、個人のプレースタイル、チームの戦術を無視して、
単純にゴール数だけ比較して評価を下すというやり方が妥当とは思えない。

キリノにとっては、勝手に周囲がダヴィと比べているだけで、
「“俺は俺”で、俺のやり方でチームに貢献して、FWとしてゴールをあげるだけだ」
と答えているだけだろう。



そして、さらに、私が一番問題にしたいのは、

この記事を書くのに記者が練習を見る必要がないということ。

過去の数字と比べて、それについてキリノのコメントをもらっているだけだからだ。


練習を見てなかったから、この記事を書いたというならまだしも、
練習を見てこの記事を書いたのなら、
自分はサッカーを見ていないと告白するのに等しいだろう。


実際、サッカーのプレーの話は全くこの記事の中に出てこない。
ダヴィとのプレースタイルの違いも、キリノが最近好調な原因の分析もない。

書かれていることといえば、この間生まれた子供にミルクとオムツ代を稼がないといけないとか、
フェジョンを喰って元気になったとか、全くサッカーと関係のない話が続く。


これが、まだシーズン中で、一応、昇格を目指していて、
それが次節負ければ絶望的になるチームの会話であり、記事なのだろうか(-"-;A ...

ある意味、この緊張感のなさが、
今の順位も仕方ないのかもしれないと納得させられた記事でもあった。







おそらく、これには、スポーツ新聞が“記録好き”という背景があるだろう。

そして、これは野球の影響だろう。

野球は、特に記録の宝庫だ。
本塁打、ヒット、犠打、長打率、三振、出塁率、盗塁、四死球、勝利数、奪三振・・・

野球は、記録と親和性が高い。

それに比べて、サッカーの個人記録は、ゴールとアシストくらい。
そして、一番誰の目にもわかりやすいのは、ゴール数だ。

だから、そこに注目が集まるのは仕方のないことなのかもしれない。


今まで野球を中心に報道してきたスポーツ新聞にとって、
記録と記事を結びつけるやり方は、記録のデータベース化もあって、
まさに職人芸の域に達している。


確かに、それは野球で成功した手法かもしれないが、サッカーはそうはいかない。


サッカーは、野球よりずっと“カオス”なスポーツだ。

そして、それがサッカーの最大の魅力でもある。


それは固定的な記録を並べるのではなく、
サッカーの持つ流動的な躍動感を伝える記事でなければ伝わらない。

サッカーは野球と違うのに、同じ伝え方で伝えようとすること自体に無理があると感じる。


スポーツ新聞に情報の正確性とか、政治経済の分析を求めるというなら筋違いの話かもしれないが、
スポーツとしてのサッカーの魅力を伝える記事を書くのが彼らの仕事ではないのだろうか。


posted by whiteowl |12:00 | Consadole Sapporo | コメント(8) | トラックバック(1)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/whiteowl/tb_ping/459
この記事に対するトラックバック一覧
Bolsos de las mujeres Belstaff 【Bolsos de las mujeres Belstaff】

Niza blog aquí! También su sitio muy rápido! ¿Qué acogida alojamiento web está usando? ¿Puedo obtener su enlace de afiliado a su anfitrión? Me gustaría que mi sitio web cargó rápidamente como rápido que el tuyo lol

続きを読む
この記事に対するコメント一覧
Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。

初めまして。
いつも楽しみに拝見しています。たまに私にはちょっと難しすぎる話のときもありますけど(笑)、でもサッカーの見方をいろいろ示していただいて、視野が広がる思いがしています。
今日は私にもとっつきやすい話題なのでつい反応。

コンサの記事でも試合の実況中継でも、サッカーの魅力とか楽しさを伝えようとする姿勢が感じられない「プロ?」が多いのにはうんざりしてしまいますね。
コンサやサッカーの担当は「腰掛け」な担当者が多いのでしょうか・・。
やっぱりサッカーという競技が広く深く浸透するには時間がかかるのかなあと思います。
すみません、愚痴になりました(笑)。

posted by あきっく | 2009-09-14 13:38

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。

whiteowlさんこんにちは(^o^)/

>サッカーの魅力を伝える記事を書くのが彼らの仕事ではないのだろうか。

基本的に日本のスポーツ紙は野球主流、記録重視&付和雷同型小ネタ好きでスポーツ
の魅力の本質を語る能力にイマイチかけてるように思います。

関西はラグビーが盛んな土地柄です。聖地花園もあります。ラグビーはサッカー同様に
とってもカオスなスポーツですよね。

以前西宮の焼肉屋さんで、神戸製鋼ラグビー部のOBの方と偶然隣の席になりました。
その方のお名前は残念ながら失念しましたが、ボクがマスコミ関係の下請けの仕事
(料理番組ですが)知って、マスコミに苦言を呈してました。

何でもチームがトライの記録を作った時にスポーツ新聞の長いインタビューに「何とか
ラグビーの魅力を伝えたい」と一生懸命答えたそうですが、翌日の新聞には神戸製鋼の
選手は宿敵のサントリー飲料を決して飲まないとか・・・馬鹿馬鹿しい記事で、サッカー
より小さい貴重な紙面が埋められていたそうでガッカリしたそうです。

「あんなラグビーの魅力も知らない連中が記事を書くからラグビーの人気は今一つなんだ」
と言ってましたが、そっくりサッカーにも当てはまりますよね(^▽^;)

posted by 大阪帰りの道産子 | 2009-09-14 16:24

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。

ご無沙汰になっちゃいました。

スポーツ紙の記事は、本質には迫らないということでしょうね。
だから私は読みません(苦笑)

サッカーではチーム戦術の中で、何をして、何ができて、結果になっているかが重要ですね。
そして比較というのは、最低でも同じタイプのプレーヤーを比較しなければ、何も意味がない。

>昨日の甲府戦の敗北で、今季の昇格はほぼなくなった札幌

これが現実なんですよね…。
ただ、今シーズンは続くので、残りのゲームに何かを見いだしながら観ていかなければなりませんね。

posted by はげお | 2009-09-14 23:28

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。

私個人としては同意ですが、
私が記者の立場だったら同意しかねると思います。
その理由を述べます。
1.メディアの記録好きは野球だけじゃない。相撲も五輪もだ。
13勝1敗 千代の富士 寄り切り 小錦 12勝2敗
相撲はこれだけで概ねの状況が分かってしまいます。

五輪は極端な話、競技なんてどうでもよく
日本人選手がいくつメダルを獲れるかだけ
注目すれば記事になります。

というわけで日本のスポーツメディアは記録ありきの記事を書く伝統に浸かっています。

2.スポーツ新聞の読者が求めているもの
私の主観では、スポーツ新聞は以下の人達を
ターゲットにしていると考えます。
・スポーツ情報が好きな人
・北海道出身の人が内地相手に健闘するのを楽しみにする人
・ビジネスのコミュニケーションとして考えている人
スポーツ情報が好きな人でサッカーに詳しければサッカーの戦術論に興味を持つと思いますが、
残りの人達は、ダヴィの7億とか、北海道のチームが健闘することに興味を持つと考えます。
つまり、読者の多くはサッカーを観るのが好きなのではなくて、
北海道が健闘して溜飲を下げることが好きなのだと考えます。

3.私が記者だったら・・・
上記を踏まえて考えますと、
「石崎サッカーとキリノに対する考察」でいくらサカオタを唸らせる記事を書いても、
一般層に興味を持ってもらえない記事であれば「失敗」と考え、
「キリノは"あの7億の"ダヴィまであと2得点で、家族のために頑張っている」で
サカオタからすれば突っ込みどころ満載でも、
一般層がキリノに対して親近感を持ってくれたら「成功」と考えます。

4.でも私個人としては・・・
散々記者を擁護しといて難ですが、
サッカーについて詳しい考察を読む方が好きなんです。
でもそういう人向けに記事を書いても、
一般層向けの下らない記事より興味を持ってもらえなければ、
価値が無いと判断されても仕方ないかなと思います。

posted by AMZ| 2009-09-15 04:01

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。

所詮「マスゴミ」ですから・・・・・
専門誌の記事にも?な場合もありますが、おおむねきちんとしたものが、書かれていますがスポーツ新聞の場合
・記者にそんな知識がない
・書くスペースが限られているが、限られたスペースに専門的な話をまとめられない
・で、結局今回とりあげられたような記事か、1フレーズを誇張した、?な記事が出来上がる
・大半の日本人は「いい人」なので、書いている内容を信じてしまう(年配の方ほど、メディアリテラシーがないのですよね(TT))

で、これが、スポーツ新聞に限らず、テレビや新聞などのメディア全体に蔓延しています。楽して高額稼げるわけだし・・・
キリノとダヴィは、戦術もスタイルも違うので、比較するのはナンセンスなんですけどね。

posted by langu| 2009-09-15 09:08

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。のお返事。

>あきっくさん

コメントありがとうございます!

自分がよく分かってない時は、文章にもそれが表れてしまう時はあるかもしれません(-"-;A ...

>サッカーの魅力とか楽しさを伝えようとする姿勢

そうですね。選手への敬意が感じられないのが多いですよね。

成績の良い選手に対しては過大なくらいヨイショするのに、
活躍してない選手はぞんざいな物言いですからね。

>「腰掛け」な担当者が多い

記事の署名を見ていると、そういう傾向はあるようですね。
ジェネラリストよりスペシャリストを育てて欲しいのですが・・・。

>オオドサさん

オオドサさんも、小ネタは好きですよね(笑)。

高校の時、ラグビー部の人数が足りなくてヘルプに行ったことあるんですが、
フォワードがタックルしてくると逃げたくなりますね(笑)。

あの圧力をかいくぐって落ち着いてボールを回すのは、見た目以上にきつい。
まあ、そういう経験がないと結果だけ見てしまうのかもしれません。

もっと気軽にスポーツできる環境になればいいと思うんですけどね。
だから、とっつきやすいネタがピックアップされてしまうのかもしれませんね。

>はげおさん

スポーツ紙は、何があったかを知るにはいいんですよね。

>今シーズンは続くので、残りのゲームに何かを見いだしながら観ていかなければ

そうなんですよね(;´Д`A ```

個人的には、もう少し攻守のバランスを改善して欲しいですね。

>AMZさん

そうですね。AMZさんの反応はあると思ってました。
だから、今日の記事を書きました。

1は、五輪もそうですよね。
その過程がすっぱり抜けて、メダル数だけが取り上げられてしまう。

そもそも、日本社会が、「結果>経過」なんでしょうね。

>読者の多くはサッカーを観るのが好きなのではなくて、
>北海道が健闘して溜飲を下げることが好きなのだと考えます。

これ、あると思います。

でも、それだと容易にコンサドーレ札幌に興味を失う可能性もあるわけです。

サッカーが好きじゃなければ、その対象が別のものに移る可能性はあるわけですよね。

記者も、移動なしで、そのスポーツが衰退すれば仕事がなくなるとかだと、
もっと違う内容の記事になると思うんですけどね。

>「石崎サッカーとキリノに対する考察」でいくらサカオタを唸らせる記事

そうですね、こういう記事が別にあるのなら、
家族愛の記事があってもいいと思うんですけどね。

全部がサカオタ対象である必要はないけど、
スポーツ紙は長期的な戦略として、サカオタを養成していくことが生き残る術だと思うんですよ。

のめりこむ層を増やさないと、誘惑の多い現代社会、興味の対象がコロコロ変わってしまう可能性がある。

それが他のスポーツなら部数は維持できるかもしれませんが、
興味の対象がスポーツに移行するとは限らないわけで・・・。

だから、“サッカー”について書く記事は必要だと思いますし、
それを求める声も次第に大きくなっていると思います。

まあ、うちのブログを読んでいただける層も確実にいるわけですしね(笑)。

>languさん

皆さん、厳しいですね!←私が言うな(笑)

専門誌もビッグネームでも、首を傾げたくなるようなけっこう変なこと書いてますよ。

ここのブログでも何度か取り上げたことありますけど。

日本人は、書いてある内容より、肩書きで内容を判断する傾向が強いかもしれないですね。

あの人が言ってるから正しいはずだ!みたいな感じですね。

だから、海外で評価されて、日本で再評価されるなんてことが多いのだと思います。

posted by whiteowl| 2009-09-15 12:16

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。

 キリノに限らず、FWに関しては「ゴールを決めたヤツが偉い!」ってところがあるので記事にしやすいってのはあるでしょうね。それにしたって去年と今年では戦い方が違う上に、J1の34試合とJ2の51試合を一緒くたにするっていう了見はいくらなんでもアバウトすぎやしないかってツッコミたくなるんだけど(笑)。

 サッカーって得点までのプロセスがけっこう重要な気がしてるんですよ。野球は守備のシフトなどを多少変えるといったことはしても、投手VS打者の“個”の対決が大部分を占めていてテレビを観ていてもおおよそそれで間に合ってしまう。
 AMZさんとカブるんだけど、サッカーってチームとチームの駆け引きが野球に比べて多いからそれなりに紙面がないと面白さを伝えることができないんじゃないかと。まあ、面白さといっても所詮は戦術厨にとっての面白さでしかないんですけど(苦笑)。

 FWのプレーはそこだけ切り取っても記事としては一応成立するから、
 なおさらワンフレーズに頼る記事になりがちなんじゃないかって気がしています。

posted by フラッ太| 2009-09-15 17:18

Re:“サッカー”に興味のないマスコミ。のお返事。(フラッ太さんへ)

まあ、サッカーで一番分かりやすいのは、ゴールシーンですからね。

そこに注目が集まるのは仕方ないとは思いますが、
野球とは違うサッカーの魅力があると思うんですよね。

posted by whiteowl| 2009-09-16 12:25

コメントする