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2008年09月30日

ゾーンディフェンスを考える。 -その1-

以前も札幌が用いている守備戦術であるゾーンディフェンスについて触れましたが、
(セットプレイ時のゾーンディフェンスの問題点について)
FC東京戦の失点を自らのゾーンを気にするあまりボールホルダーに
当たりに行かなかったための失点として、
ゾーンディフェンスそのものの問題とするのは、私は早計だと思います。

ゾーンディフェンスはきちんと機能させれば、とても良い守り方です。
バスケットボールのNBAでは、2000-2001年シーズンまで
ゾーンディフェンスが守備戦術として強力すぎるという理由で、禁止していたくらいです。
バスケとサッカーでは、種目が違うから関係ないということはありません。
確かにルールは違いますが、基本的な考え方は同じだからです。


まず、ゾーンディフェンスという考え方についてもう一度整理したいと思います。

『マンツーマンディフェンスが常に特定の相手選手に対して1対1でくっ付いて(マークして)
ディフェンスするのに対して、ゾーンディフェンスは特定の相手選手に付かず、
自陣の守備エリアを各ゾーン(地域)に別けて、それぞれディフェンスの選手が各ゾーンを受け持ち、
自分の受け持つゾーンに侵入してきた相手選手に対して守備を行うというものである。
また、ボールホルダー(ボールを持っている選手)に対しては
原則的に最も近い位置にいる選手が守備を行う。』
(※太字は、筆者による加筆。)
ゾーンディフェンス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

太字にしたところ、『ボールホルダーに対しては、原則的に最も近い位置にいる選手が守備を行う。』
が重要と考えます。
つまり、ゾーンでもマンツーのようにボール保持者を自由にしてはいけないのです。

先ほどのバスケで考えるともっとわかりやすい。
ゴール下に5人の選手が立ってゾーンを作ります。ゴール下にスペースはありません。
しかし、ここでただゴール下の選手が立っているだけで、
ボールホルダーに対してプレッシャーをかけないと遠目からどんどんシュートを狙われます。
(※ただ、ボールホルダーに対してプレッシャーをかけたとしても、
ゾーンそのものが、遠目からのシュートに弱いという弱点はあります。
しかし、遠目からのシュートは近距離のシュートよりも確率が低くなります。)

従って、ゾーンだからボールホルダーに対してプレッシャーに行かないというのは誤りです。
ゾーンであっても、ボールホルダーに対しては、
常にプレッシャーがかかっていなければなりません。


札幌の場合で考えて見ましょう。ゴール前に人が居てもボールホルダーに対する
プレッシャーが弱いので、J1では精度の高いクロスやミドルシュートを蹴られて
失点するシーンというシーンを我々は多々目撃しています。
確かに、ゾーンは遠距離攻撃に弱いという特性をもちますが、さすがにノープレッシャーでは、
バスケと同じで(相手が上手ければ上手いほど)遠目から3ポイントシュートをガンガン決められます。

やはり、ゾーンであってもボールホルダーに対するプレッシャーが弱いという
状況は避けねばなりません。
それは、『ゾーン』という言葉から連想される『地域を守る』という発想が
強いからなのかも知れませんが、選手も発想を切り替えてゾーンをしないと
ゾーンディフェンスは機能しないと思います。
箕輪が来た時、監督に守備時に相手をどこまで追いかけて良いのか聞いたといいます。
ゾーンを理解するためには非常に良い質問だと思いました。

また、ゾーンが機能しないのは、ゾーンがマンツーに比べて高い戦術理解度が
必要だからだとする人も居ますが、ゾーンは完成度によりますが
機能させるだけなら、それほど難しい戦術ではありません。
現に、バスケど素人の私でも、高校の球技大会で(その完成度はさておいて(笑))
ゾーンディフェンスをしていたくらいです。
確かに、バスケは5人で、サッカーは11人、コートの広さも違います。
しかし、基本的な考えは同じです。
その戦術を機能させる上で何が大事なのかを理解すれば問題ありません。


次は、マンツーマンとゾーンのメリット、デメリットを比較したいと思っています。

posted by whiteowl |12:18 | Tactics (戦術) | コメント(6) | トラックバック(1)

2008年09月29日

J1は良い経験の場なのだから。

日刊と報知は、昨日のFC東京戦は、ダヴィ不在で決定力不足という報道ですが、
その前のシュートに至るラストパスの精度も悪かった。

特に、西。前後半合わせて10本近いクロスを右サイドから入れていますが、
そこからシュートに至ったクロスは、ただの一本もありません。
パスは受け手の問題もあるので完全に西だけの責任とも言いがたいのですが、
さすがに10本で0はきついです・・・(・・;)

それと、パスの出し方、もらい方に余裕がありません。
それはパスをもらう前のポジショニングが悪いからだと思われます。

報知曰く、三浦監督に八つ当たりされたと報じていますが、
>「集中力がない。ボールがないところで何もしていない」と説教。
(札幌・三浦監督ダヴィの移籍でイライラ、キレる)
というのは、私は的外れな批判ではないと思います。

クライトンを見ていれば、彼がいかにパスをもらいやすい位置にいるかわかります。
クライトンへのパスは通るのに、クライトンからのパスの方が精度が高いのに通らない。
これは他の選手が、常に自分のポジションを状況に合わせて調節していないからでしょう。
だから、クライトンは横にパスを出せないので、ダヴィに出すほか選択肢がなかったし、
クライトンからパスをもらってもすぐ囲まれて、苦し紛れにまたパスを出していては、
パスを受けた側も余裕がなく苦しくなる。
その結果、ボールを取られたり、後ろに戻さざるを得なくなる。
(※だから、クライトンは前に自分でパスするしかない。)
それではボールを前に運べません。

しかし、ラストパスの受けてのアンデルソンも、完全にスタミナ不足です。
芝生に足を取られるシーンが多すぎます。
もう少しスタミナがないと来季、厳しいのではないでしょうか・・・。


後、気になったのは、リードしてからの時間の使い方です。
確かにGK佐藤は、今までリードした展開で出場する機会がほとんどありませんでしたが、
勝っている時には、ボールをロングボールで簡単に前に出すのではなく、
スローイングして、確実にDFラインにつないで回すなど、
臨機応変に対応してもっと時間を使った方がいいのではないかと思います。
リードしていても余裕が感じられない試合運びでは、味方が休む時間がありません。


札幌は、選手を育成しながら強くなっていくしかありません。
負けて、短気を起こしているわけではありません(笑)。
西と佐藤はすごく可能性を感じるから、すごくもったいないと思うのです。

箕輪が、藤田に能力はあるのになんでチャレンジしないんだって声をかけた後に、
藤田がガンバ戦で対面の安田を押さえ込んで大活躍したことが嬉しかったと
今月のCSのインタビュー記事にありましたが、そういうブレイクするきっかけを
若手には早く掴んで欲しいと思っています。

私も、もう少し年をとったら、スラムダンクの安西先生みたいに
黙して温かく見守れるようになるのかも知れませんが(笑)。

まあ、的外れかもしれませんが、こういう風に見てる人も居るってことで・・・。

posted by whiteowl |12:37 | Consadole Sapporo | コメント(5) | トラックバック(1)

2008年09月28日

バイタルエリア -第27節 FC東京戦-

前半、アンデルソンが上手くポストプレイをして良い流れでした。
ダヴィ目がけてロングボールよりもサッカーになっていたし、
前でポゼッションしてくれるので、全体的な押し上げ特に最終ラインも上げやすい。
これは、ダヴィ不在の思わぬ効果かもしれません。

後半は、9分に西谷の左からの絶妙クロスを池内ドンピシャで先制。

あとの後半は、悪いけど今日は辛口に行きますよ(笑)。
そこから下手に守りに入らなかったのは良かったが、明らかに運動量が落ち
特にDFラインの前、4-4-2の4-4の間であるバイタルエリアがすっかすっかに。
(※残りは、続きに書きました。)

続きを読む...

posted by whiteowl |20:18 | 2008 J-league Games | コメント(6) | トラックバック(1)

2008年09月27日

クライトンと三浦監督。

ダヴィとは違い単年契約だったため、こちらは移籍金はかからないようだが、
ダヴィとともに今季限りとの報道がされているクライトン。

今のところ2ゴール8アシストと抜群の存在感を示している。
いい選手であることに間違いはない。

ただ、いい選手であるからこそ、このクライトンの使い方を誤ったのが
今季の札幌低迷の一因と考える。
三浦監督は、最後までクライトンを上手く使えなかった。
それが彼と三浦監督との確執が報じられた原因とも考えられる。



三浦監督の用いる中盤をフラットに並べる4-4-2のシステムに、「王様」は必要ない。
フィールドプレイヤー10人全ての選手が、ハードワークしないと機能しないシステムだからだ。

理由は単純明快だ。自陣に引き気味で4-4の2ラインで
自陣を均等に割り振ったゾーンで守備をするゾーンディフェンスの網を張る。
自陣のスペースを無くすことで相手に攻撃の糸口を与えず、
相手ボールを奪い素早くカウンターに転じるというのが三浦戦術の肝である。

しかし、再び相手にボールを奪われたら、すぐに戻って2ラインを維持しなければならない。
クライトンは、カウンターで攻め上がった後すぐに、自分の守備位置に戻らないため、
札幌のゾーンディフェンスに穴を開けてきた。
クライトンが得点に多大な貢献をしながらも、「諸刃の剣」と言われ続けたのはこのせいである。


本来、4-4-2の布陣が主流のイングランド・プレミアリーグでは、中盤の真ん中の選手を
「ボランチ」とは呼ばずに「CH(セントラルハーフ)」と呼ぶ。
理由は、ボランチは守備的MFと言われる通り守備に重きをおいたMFだが、
CHは、守備もするが状況に応じて攻めあがるからだ。

昨季、欧州チャンピオンズリーグを制覇したマンチェスター・ユナイテッドも
主にこの4-4-2のシステムを採用しており、
プレミアリーグ得点王に輝いたC・ロナウドばかりに注目が集まりがちだが、
CHのスコールズが地味ながら、ものすごい運動量で攻守のバランスをとっていた。

札幌にはこのスコールズに当たる選手がいなかった。芳賀は確かに運動量はあるが、
攻撃の点で物足りない。クライトンは攻撃力はあるが守備に穴を開ける。
これが、最初、クライトンがボランチで使われずにFWで使われていた理由であったと思われる。

しかし、この4-4-2の布陣は、縦方向の激しい上下動がないと攻撃が機能しない。
要は、退いて守ってそこからボールを奪ったら上がって、
相手に取られたらまた再び自陣に戻るというのをひたすら繰り返すのである。
(※だから、10人がハードワークしないとこのシステムは機能しない。)
しかし、J1に上がって相手にボールを圧倒的に支配され防戦一方になっていた札幌は、
チームとして上がることが出来ず、個の力でこの局面を打開するしかなくなっていた。
だから、ゾーンに穴を開けたとしてもクライトンをボランチで使わざるを得なかった。
それから、三浦監督が昨季から札幌で用いてきた4-4-2との間でジレンマが始まる。


元を辿れば、事の発端はキャンプ中のアルセウ退団に始まる。
確かに、アルセウは三浦戦術のCHとして必要な激しいDFと運動量をもっており、
柏では物足りないとされたようだが展開力も兼ね備えていた。
しかし、このチームの攻守の要となり激しい運動量を必要とされるCHのポジションに
ブラジルの選手を使うということが、そもそもギャンブルだったのかもしれない。
全員がそうとは言わないが、規律に縛られるというのが、あまり得意ではない国民性だからだ。
クライトンも然りだったが、シーズンが始まってしまったことや、補強費が限られている
札幌は高額年俸の選手をコロコロ代えるわけにはいかなかったと思われる。

クライトンと三浦監督、チームの歯車はこの頃から狂いだしていたのかもしれない。
チーム戦術の要、チームの主力となるCHの選手をシーズン前に
きちんと確保できなかったことが、やはり痛かった。
この部分については、強化部はFWのノナト獲得よりも非難されて然るべきだ。


繰り返すが、クライトンは間違いなく良い選手だ。ただ、札幌のチーム戦術には合わなかった。
早い段階でチーム戦術を確立し、それを担う人材をきちんとシーズン前に確保しないと
選手と監督のお互いにとって、良い結果に繋がらない好例だと思うのだ。

posted by whiteowl |08:04 | Consadole Sapporo | コメント(8) | トラックバック(1)

2008年09月26日

苦渋の決断だが、ダヴィの移籍は容認するしかない。

まあ、いつか出てくる話とは思っていましたが、まさかシーズン中とはね・・・(・・;)
ダビの移籍濃厚 中東のクラブ有力 コンサドーレ札幌(09/26 10:10)

ダヴィの移籍は、まだシーズン中であり、チーム得点王、リーグでも得点ランク2位の
選手を持っていかれることは、チームのJ1残留にとって終戦宣言に近い。

だが、血も涙もないといわれても、今季の残留は諦めたのかと言われても
私はダヴィを移籍させるべきだと思う。

これはダヴィが頑張って出した結果に対する評価なのだから、むしろ喜んで出してあげるべき。
今季のダヴィの年俸は約1000万といわれている。
それが数倍になるというオファーであれば、それを蹴ってまで残れとは言いにくい。

道義的にシーズン中の移籍はどうかという批判はあろうが、
それでおそらく違約金が発生するはずなので、移籍金がさらに跳ね上がるはずである。
契約に基づいて移籍するのだから、こちらとしても止めようがない。
まして、今、ダヴィを引き止めるほどの資金力は札幌にはない。
恨むなら、お金がないことを恨むしかない。

ダヴィに関しては、HFCはよくやったと思う。
ヴィトーリアと優先契約をしてJ1に上がった時に、完全移籍させた上で複数年契約を結んだ。
来季から契約期間が切れた選手に対しては移籍金がかからないという
国際ルールが適用されるため今までも国外移籍の場合は、移籍金がないというケースもあった。
それを考えれば、元手が1億かかっていないはずなので、2億以上儲けたことになる。


選手は確かにモノではないが、移籍がビジネスになっていることも事実である。
弱いチームは、こうやってお金を稼ぐのも一つの手段と割り切った方がいい。
ダヴィがブラジルで所属していたヴィトーリアもそうやって資金を稼いでいる。
資金力のないチームは、そうやって少しずつ資金を蓄えて地力をつけていくしかない。
こうなったら、要はダヴィの移籍金を無駄につかわないことが重要だ。

脅すつもりはないが、今季大幅に当初の観客動員見込みを割り込んでおり、
現時点で今季の決算がどれくらい赤字になるかわからない。
この移籍金を使って、今季の赤字の補填をして自治体からの借入金も返済できる目処が立てば、
来季、大幅な戦力ダウンをせずに迎えられる可能性が増えるとプラス思考になるしかない。


報道されているように移籍金が3億以上なら、札幌にとっても損はない。
また、来季、これだけ活躍すればダヴィ対策が研究されるとも限らない。
そして、他のJのクラブに持っていかれるくらいなら、
今一番高く買ってくれそうな中東のチームに売ったほうがいい。

この報道を受けて、どこかのクラブが吹っかければさらに高くなる可能性はある。
後は、ふっかけるだけふっかけて、ふんだくればいい。
バレー並みに10億ならいいんだけどなぁ・・・。
せめて4億くらいには増えて欲しいのだが・・・(・・;)


ダヴィのこの話もJ1に上がったからこそあった話で、
J2にいたらもっと安い金額でJ1のチームに買われていたかもしれない。
やはり、経営的に考えてもJ1に居続けることは重要ということか。

posted by whiteowl |10:06 | HFCの経営を考える | コメント(2) | トラックバック(1)

2008年09月24日

来季も三浦監督続投希望。

世は、麻生新総理誕生の報道で溢れている。
麻生氏の経済政策は、税金のバラ撒き政策の復活と揶揄されるが、
景気対策に税金を投入しても、景気が浮上すれば元は取れるという発想だ。

しかし、財政投入をしても景気が浮上しなかった場合、もしくは、投入した以上に
税収が増加しなかった場合、財政赤字は増える結果となる。

国には、現在700兆円以上の借金がある。「失われた10年」といわれる1990年代、
バブル経済の後遺症を払拭するために多額の税金が投入されたが、
投入された額以上に景気は大きく浮上することなく、国債を増やす結果となった。
年々増え続ける国債の返済のために、年間予算は毎年圧迫され続けている。


なぜこの話をしたかといえば、HFCの状況がこれに似ているからである。
今までJ1に上がりさえすれば、借金は解消されるとJ1昇格にこだわり
積極的に補強費を投入してきた。
そして、その結果出来た借金は、資本金を遥かに越える22億円以上になった。
普通は倒産してもおかしくない状況であるというところまで酷似している。
そして、この借金を増やした人々は、
誰も責任をとっていないというところも似ているといえば似ている(笑)。

今年、資本金を減らし増資をすることで負債を解消したが、
今後、せっかく無くした負債を増やすような冒険はもうできない。

今季の成績低迷に対して、補強という声が強いが、
ここで冒険して多額の負債を抱えた場合、チームの存続自体が危うくなる。
減増資という裏技がもう使えない以上、堅実路線で行くしかない。


さて、その上で来季の監督の人選である。本日の日刊スポーツによれば、
(札幌J2覚悟、来期編成10月判断/J1)
来季の監督人事を10月上旬までに決めるとのこと。

まだ、J1残留の可能性が残されているとはいえ、現状はかなり厳しい。
残り試合が8で、入れ替え戦にあたる16位千葉との勝ち点差が10である。
通常、残り試合より勝ち点差が上回った場合、これをひっくり返すのは困難といわれている。

来季J2降格濃厚だが、私は三浦監督続投を希望する。
本当は、もう少し後でブログに書くつもりだったが、全てが決まってからでは遅いので書くことにした。
そして、なぜこれだけ前置きが長い(笑)かといえば、相当な反発が予想されるからである。
色々書きたいことはあるが、今回は続投するメリットを言及するにとどめる。


現在の札幌の経済状況を考えれば、以前のように5段階計画で
例えJ2で最下位になっても選手を育成して再びJ1に上がるという余裕がない。
来季J2に降格しても、再び昇格するか昇格争いに絡まなければ、
観客動員その他広告収入などが減り、ジリ貧に陥るからだ。

そのために、現有戦力の流出を極力防がねば、大幅な戦力ダウンは避けられない。

まず、来季の監督人事を早急に決めないと選手の流出を止められない。
来季の体制が決まっていないと、来季、選手は自分が使われるかどうか不安になり、
必要とされるなら別のチームに行くという選択をする。
これについては、プロの選手は試合に出てナンボなので仕方がない。
来季を見据えるなら、早く体制を固めた方がよく、後にするほど後手に回ることになる。

また、監督を交代するタイミングは、チームが上手くいっておらず
選手と監督の信頼関係が崩れた時だが、私が知らないだけかもしれないが、
これが崩れたという報道は、クライトン以外少なくても今のところほとんどない。
ならば、例え降格させた監督を続投させても選手が離れるという心配はない。

むしろ、三浦監督の続投を決定した場合、今季例え降格したとしても、
来季J1に1年で戻るんだというテーマがはっきりし、却って結束しやすい。
また、テーマがはっきりするので、選手の慰留に都合が良いし、
来季に向けてやるサッカーや弱点もはっきりしているので、補強にも動きやすい。


そうはいっても降格してまで三浦監督である必要はなく、例えまた1年で
J1に上がれたとしても、またJ1で通用しないという方もいるだろう。
その方には、唯でさえ選手層の薄い札幌が、今季、ベストメンバーで
臨めた試合が何試合あったのか尋ねたい。
そして、今回降格した場合、その失敗を活かせる最大の人物は誰なのだろうか?
この貴重な経験を他のチームにただで提供するのは惜しい(笑)。
そして、人一倍負けず嫌いで戦略家で現実主義者の三浦監督ならば、
この経験を必ず来季のチームに還元してくれるだろう。


ただ、もし、10月上旬時点で、三浦監督に代わる監督候補が見つかるなら、
この時点で監督交代させるのも一つの手段だと思う。
しかし、その場合、監督を代えることまずありきではなく、誰がなるのかが重要である。
(※現時点で、私は三浦監督以上の実績と経験を持つ監督候補は挙がらない。
敢えて、名前を挙げるとすれば、現日本代表コーチで前甲府監督の大木氏だろうか。
ただ、札幌のサッカーの内容そのものがかなり変わってしまうし、
大木氏が現職を放棄するとも思えない。)

監督交代はギャンブルに近い。上手くいくかもしれないし、失敗するかもしれない。
一見、今季の低迷の責任を監督に擦り付けるのが常套手段のようにも思えるが、
それで確実に良くなるという保障もなければ、辞めることだけが責任の取り方ではないはずだ。
ならば、効果がある程度確実に期待できる方に賭けた方が堅実な選択なのではないだろうか。

posted by whiteowl |12:23 | HFCの経営を考える | コメント(12) | トラックバック(1)

2008年09月22日

DFいないって、誰か忘れてないか・・・。

今日の道新より
DF陣壊滅ピンチ 大分戦はMF陣登用も(09/22 10:13)
箕輪が出場停止で、西澤、ヨンデ、平岡、池内が怪我とのこと。
(曽田と堀田も怪我してますが・・・。)

DFで次節出場できるのは、西嶋と出場停止明けの坪内だけって書いてますが、
柴田と吉弘がいるじゃないか!と思ったのは、私だけですか?(笑)

こんな時こそ、私は柴田と吉弘を使うべきだと思うんですよ。
吉弘は、21日のノルブリッツとの試合に出ているので怪我ではないはずです。
柴田は、最近練習試合にも出ていないので、ちょっと微妙ですが・・・(・・;)

前半戦と比べて、どれくらい彼らが成長したか見せてもらおうじゃないですかっ。
若手が活躍すれば、チームに勢いがついて一石二鳥ですよ!



MLBでは、98年の創設以来ほぼ万年最下位だった
岩村の所属するレイズが、プレーオフ進出決定。

日本のセリーグでは、10連勝して13ゲーム差を巨人が引っくり返す。
まあ、こっちはやっと選手が本来の実力を発揮してきたというところでしょうか・・・

どちらも野球なんですが、諦めずに応援してれば、いつかいいこともあると思える出来事でした。

posted by whiteowl |11:46 | Consadole Sapporo | コメント(2) | トラックバック(1)

2008年09月21日

雑感。 -第25節 千葉戦-

前半、箕輪が退場してPK献上も前半終了間際にダヴィの個人技で同点に追いつく。
しかし、後半開始早々、巻にヘッドで決められるも左CKから角度のないニアでアンデルソンが
ヘッドを決めて再び同点。後半終了間際、ダヴィが手をつかって
2枚目のイエローをもらって退場、9人に。
後半ロスタイムに、谷澤に決められ2-3で敗戦・・・。


・・・

・・・

・・・


(ノ◇≦。) ビェーン!! 

上手くいってないときなんて、そんなものなのかもしれませんが、辛い現実です。



箕輪がいなくなって、一人少なくなってからの方が、頑張っていた印象はあります。
箕輪の退場ですが、結果論に過ぎませんが、あの前半開始15分という時間帯で
退場になるリスクを払う必要があったのかというのは、少し疑問ではありますが、
一点もやりたくないという気持ちの現われとも思えます。

だから、ああいう後ろからタックルに行かなければいけなくなった事態がむしろ問題。
前半、札幌は風下で、相手のロングボールが
風に乗ってDFラインの裏に抜けやすい状況でした。
相手に簡単にロングボールを蹴らしてはまずい状況だったのですが、
それを前線の選手も含めてどこまで意識していたか。
ホームでありながら前半は厚別の風にやられていた印象です。

あと、課題をあげればきりがないのですが、守備は相変わらず寄せが甘いです。
特に2失点目と3失点目のクロスは、ほとんどノープレッシャーで
相手の左サイドからクロスが上がっています。

それと、箕輪が退場して、一時期3バックになりました。
今節3バックを推す声もありましたが、不安定でちょっと無理そうという印象でした。


良かった点といえば、大塚のボランチはやっぱり良かったのと、
クライトンが比較的ちゃんと守備をしていたこと(笑)。

それと千葉のミラー監督があげていた
>途中から入った左サイドバックからの斜めのボールに対してもしっかり守れていなかった
局面を打開できるほど良くはなかったですが、上里も悪く無かったですね。

それと、上里は、後半の30分過ぎに、GK佐藤のゴールキックから
左サイドにあがっていた上里に一発でつながったシーンもありました。
その後、チャンスになりませんでしたが、可能性は感じました。
ああいうシーンが増えれば、佐藤のキック力ももっと生きると思うし、
簡単に相手ボールにならないですよね。
そういう意味では、まだまだゴールキックを隙あらばカウンターの最初の起点に
するんだという意識が、チームとしてあまり感じられない。


ほぼ脈絡無く書いてきましたが、正直あまり振り返りたくはないというのも本音です。
選手が頑張っているのはわかったので、
それだけにロスタイムでゴールとか辛すぎる現実でした・・・(・・;)


ただ、4-4-2の布陣を維持することよりも、守備も攻撃もリスクをかけて前に出た方が
いい結果に繋がっている気がします。それが、箕輪が退場して10人になった方が、
動きが良くなった一つの理由だと思います。

確かに、バランスが崩れて失点も多くなったので、バランスをとることも大事なのですが、
今まではバランスをとることばかりに気をとられていたようにも感じます。

残り試合、とにかく勝つしかないのですから、
10人になってからのこの試合のように積極的に行って欲しいと思います。

posted by whiteowl |19:29 | 2008 J-league Games | コメント(2) | トラックバック(1)

2008年09月19日

メンタルケア

本日付道新より
J1残留へ、自信を持て!強化部がメンタルケア 選手と個人面談(09/19 10:02)

前回の清水戦の敗戦は、清水が最近調子をあげていたことを差し引いても
ちょっと手も足も出ない感が強くて、
正直私もブログを更新する気力も失っていたところです・・・(・・;)


私自身のメンタルケア(笑)として、漫画喫茶で今映画になっている
「20世紀少年」を読破してたりしました(笑)。

5月の時点(サポーターの余裕。)で、こうなるだろうということは覚悟はしていたのですが、
実際、そうなるとやっぱり凹みますね。まだ、終わってはいないんですけど・・・。

先ほどの「20世紀少年」じゃないですが、自分たちは弱いということを
自覚することで、逆に強くなれるという面はあると思います。

この状況で格好つけても仕方ないので、自分たちは弱いんだということを認めた上で、
それで終わりではなくて、何かできることはないのかともがくことが重要だと思うんです。

降格の二文字が現実になりつつありますが、ここで諦めるかもがくかで、
例え来季どうなるにしても、また違ってくると思うんです。


考えようによっては、今、なかなか経験できない逆境の中に選手たちはいるわけで、
それを今後の糧にできるかどうか。

HFCは、選手とは違ってこの逆境は初めてではないのですから、
フロントが引っ張る必要性はあるでしょうね。
そういう意味では、強化部の面談は今までの経験の蓄積と思いたいですね(笑)。

この状況で、選手も正直自信を持てといわれても自信をもてないと思うのです。
ただ、じゃあ弱いから負けるではなくて、そっから何かやってやろうと
良い意味で吹っ切れるかどうかなんじゃないかなぁと。


人間、必死にもがいてる時が一番良い経験になりますよね。

posted by whiteowl |18:45 | Consadole Sapporo | コメント(8) | トラックバック(1)

2008年09月16日

相撲はスポーツか?

wikipediaの国技によれば、国技とは、
( http://ja.wikipedia.org/wiki/国技 )

  1. 国家機関によって特別の地位・待遇を与えられているもの。
  2. 国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占めるという考えが国民に広く支持されているもの。

>後者の場合は、歴史が古く、その国の伝統文化と深く結びついていれば
>国技であるとする考えもあれば、今現在国民の間に人気が高く、
>競技者人口や観戦者人口が多ければいいとする考えもあって、定まった説はない。

日本の国技は、相撲であることに異論はない。
ただ、「国技」の英訳は、"national sport"なのだ。

日本の難解な法律も英訳を見たほうが理解しやすい場合も多いが、
私が何にひっかかるかといえば、「相撲はスポーツなのか?」ということである。


今回の大麻事件の検査で、オリンピックのドーピング検査で有名な
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が出てきた。
それで、そもそも相撲協会が今までドーピング検査を日頃から実施していなかったことに驚いた。
しかし、力士は太ることが仕事のようなものであり、そのために糖尿病などの持病を抱える
力士が多く、日常的に投薬が必要なため検査をすると様々な薬物が出てくる可能性があるらしい。


アメリカの国技の一つとされる野球でも、こちらは大麻の使用ではなく、
筋肉増強剤などであるが、薬物使用が問題になった。
当時シーズン70本の最多本塁打を放ったマーク・マグワイアは、
自身で薬物をつかっていたことを認めている。
(※当時は、禁止薬物に指定されていなかったために同義的な批判は少なかった。)
通算最多本塁打記録を持つバリー・ボンズも筋肉増強剤を使っていたことが濃厚だ。
当時、MLBが禁止薬物に指定していなかったものについては、ルール違反ではないが、
道義的にその記録の有効性が疑問視されることは間違いないだろう。


翻って、今までの相撲界も筋肉増強剤などの薬物を使っていたとは断言できないが、
使っていてもわからない状況であったことは事実だ。

日本では、大麻の問題ももちろん重要なのだが、今までの相撲界は筋肉増強剤を
つかっていてもわからない状況であったという事実に衝撃を受ける人がほとんどいない。
その現状を見ると、日本人にとって、相撲はスポーツというよりも
プロレスのような見るための格闘技か、歌舞伎のような伝統芸能に
近い認識なのではないかと思うのである。
(過去に強い力士がいて、それがもし薬物使用が理由で強かったとしても
不問であるという立場なのだから、世界的に薬物使用に対して
厳格になってきているスポーツとしては?である。
また、昨今、相撲のプロレス化を危惧する声もある。)

能や歌舞伎のような日本の伝統芸能に対して、
閉鎖的だから外部の人間を入れて、開放的にしろとはあまりいわない。
確かに時代の変化によってある程度の変化は必要かもしれないが、
伝統芸能は、ある意味、変わらないことに意味があるからだ。

従って、閉鎖された相撲協会であったからこそ、良くも悪くも日本の因習を
色濃く残してきたともいえる。


その相撲協会をもっと開かれたものにすべきとは主なマスコミの論調だ。
大の相撲ファンとして有名なデーモン小暮閣下も「開かれた相撲協会」を主張していたが、
閣下は、力士に対する再教育の重要性を主張していた。

つまり、日本の因習を色濃く残す相撲協会を開かれたものに変えて、
日本の伝統芸能を継承するという側面を強調するべきということだ。
一見あべこべな意見のようにも思える。

しかし、大事なことは協会を開かれたものにして
「相撲をどうしたいか?」なのではないだろうか。

その際に、相撲はスポーツの側面よりも、伝統芸能であるという側面を
もっと考え直した方が良い結果につながるのではないだろうか。
相撲のプロレス化についての批判も、伝統芸能の側面を強調することで改善されるだろう。

posted by whiteowl |20:56 | Column | コメント(0) | トラックバック(1)