2007年08月09日
「水茶漬」
私の実家は田舎で大正時代からほぼ100年近く 続いてる手作りのお菓子屋です。 曽祖父、祖父の時代は和菓子、父の代からは和菓子+洋菓子と・・ 一応、地元の方達からは親しまれているお店なのです。 手作りですから店の奥には工場があり、 子供の頃は工場からでたカステラやロールケーキの切れ端に ドバッと生クリームを絞ったものを「おやつだ」と言って渡され よく食べておりました。 しかし、子供とは贅沢なもので、その頃の私は 生クリームドバッとケーキ端よりも、カルビーポテトチップスや 森永チョコフレークに憧れ続けておりました。 「買って」とせがむものの 買い与えられるハズもなく、 ぶーたれて「生クリームドバッとケーキ端」を飽き飽きしながら 食べておりました。バチ当たり者です。 当時は夏になるとエアコンの無い工場では あんこを煮る湯気やカステラを焼くオーブンの熱やら ナンダカンダと灼熱地獄と化します。 昔は工場にも職人さんやらパートさんやらがたくさんいて みなさん汗だくで働いておりました。 たくさん汗をかいて塩分が足りなくなった時に、昼食にみんなが 食べていたのが「なすときゅうりの醤油漬け」(実家風)です。 *なす、きゅうりはこすり洗いしてから小口にきざむ *赤しそは塩で揉んで灰汁を出してから小さくきざむ (なければ青しそでも大丈夫です) *青なんばんも小口にきざむ しそとなんばんは味のポイントなので 入れ忘れないでくださいね。 *全てを大きなボールにドバッと入れる *お酒をダダーッと回し入れる2周くらい *酢をダーッと回し入れる1周くらい *醤油をダダダーッと回し入れる5周くらい 豪快に手でよーくかき混ぜます。 この際に「しょっぱいのでは・・」と 不安になるでしょうが、なすときゅうりから水分が 出ますので薄まります。 しかし浅漬けではないので、 基本的にはある程度のしょっぱさを楽しむ漬物です。 *皿で重しをして4~5時間ほうっておく。 *出来あがりです。 (酢も入っているので意外に日保ちします) そのまま温かいゴハンでも合いますが、 実家にいた頃は ゴハンを水で洗ってサラサラにしたところに、 この漬物を入れ冷たいお水と氷を入れて 「水茶漬け」として食しておりました。 暑い日に汗をかいた後、この冷たい水茶漬を食べると 薄まっていた体内の塩分が満たされて ダルさが取れるんです。 そんな事をよくよく考えてあみ出されたメニュー ではないと思いますが、 正に「カラダが欲する」から出てきたメニュー なのでしょう。 今でも夏になると汗をかいていなくても この漬物が食べたくなります。 でも、ロールケーキの切れ端は食べたくならない・・・。