スポンサーリンク

2009年05月23日

鴨が教える船舶流体工学

ちょうど1ヶ月ほど前に、通院のため休みを取ったついでに芸術の森へ行ってきました。

美術館で開催中の「絵画と写真の交差」という展覧会は、かなり面白かったです・・特に、写真術の発明とか、開発初期のカメラとか、その前身の「ピンホール投射機」などのカラクリが、メカ好き人間にとっては猫にマタタビ状態です。

ドガの「踊り子」という絵は、実は楽屋で撮った写真を参考にして描いた、という説明に(無言で)唸ってしまいました。

園内のあちこちには、まだ雪が残っていました。
残雪

カタクリは蕾の状態で、間もなく開花でしょうか。
カタクリとエゾエンゴサク

いい感じに苔むす幹・・後方は「有島武郎旧邸」です。
我が世は苔のむすまで

昨年の春に訪れた時と同様に、池の水が抜かれて干上がっていました。
年中行事なのか
どうやら、この作業は毎年の春先に行われているようです。

作業の目的としては、池に降り落ちた枯葉を掃除しているのではないかと思われます。枯葉を水中に放っておくと腐敗してしまいますから・・畑なら腐葉土になるんでしょうけど。

美術館の前の池では、鴨が生活しています。
3羽・・かも

だ~から~、「池に入るな」って書いてあるのに・・
人間に言われたくないよ
 

鴨が泳ぐと、後方に波が出来ます。
好き好んで波風を立てる
このV字形に開く波は、船が航行する時にも水面に発生して、「航走波」とか「航跡波」とか「曳き波」と呼ばれます。

小型ボートなどは、大型船が作った航走波を横から受けると転覆してしまうほど危険なので、船首をなるべく航走波に直角に向けるようにしますが、これを怠って事故が起こると海難審判などで責任を問われます。

V字の先端の角度は、船や鳥が進むスピードに関係なく一定で、いつも片側19°28’(両側で38°56’)の角度を成します。

波の頂は縦波と横波とから成っており、ケルビン波と呼ばれる特有の波紋を形成します。船舶工学の演習では、この波の頂が作る線の形を数学的に求める問題を解かせられるようです。
高校程度の数学を使えば解けるらしいけれど、そんなの面・胴・小手。←それは赤胴鈴之助

なんと、レーザー光によってプラズマ電子を加速する技術の原理が、航跡波に波乗りする振る舞いに似ているとかで・・長閑に泳いでいる(ように見える)鴨も実は、波を起こして見せて人間の知能を試しているんですから、ぼんやり眺めているだけだと鴨からバカにされます。(笑)


posted by 雁来 萌 |07:27 | 雑念 | コメント(0) |

スポンサーリンク

スポンサーリンク

コメントする