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2009年12月08日

死ぬかと思った経験(3)

もう20年以上も前に仕事で奄美大島へ行った時の話ですが、植物の景観が北海道とまるで違うんですよね・・ヤシとかソテツとかサトウキビとか・・。

自由時間があった日に付近を散歩してたら、ハブ・・は出てきませんでした。道路脇の街路樹となっているソテツの幹の上に、誰も採る人がいないらしくて、やや朱色気味の赤い実がたくさん生ってたんです。(←採る人なんていないはずだよ)

その実を採集してきて、北海道に帰って来てから茹でて食べました。最初は1個だけ食べると、十分(じゅうぶん)茹でたのにシャリシャリした歯応えで、ユリの根をかじってるような食感でした。

別に何ともなかったので、後日さらに4個くらいを食べてみました。
そうすると夜中に吐き気がして、トイレに行って吐きました。やれやれと思って床に戻って寝直すと、1時間くらいしてまた吐き気がするんです。
またトイレに行って、戻って寝て、また1時間してトイレ・・2回目からは胃液しか出ないので、どうやら、胃が空っぽになると楽になり、1時間して胃液が溜まってくると吐き気がするようです。

これはどう考えてもソテツの実を食べたせいに違いなく、体が毒物を排出しようとしているのだろうと考えて、牛乳を飲みました。
その目的は、胃の内壁を保護するためと、牛乳のタンパク質を毒物と反応させて・・という、もっともらしい自前の学説に基く効能を期待するためです。

幸い、牛乳が有効だったのか判断は出来ないけれど吐き気は収まったし、赤い実を食べたから赤い鳥になるようなことも無くて、無事に生きています。

 
沖縄方面では、戦争中などで食料が無くなった時に、そこらに生えているソテツの実や幹も食べました。
ソテツの実はデンプンを多く含みますが、「サイカシン」という毒も含まれているので、それを食べられるようにするためには、薄く切って水にしばらく晒して、毒を洗い流さなければなりません。

・・でもね、飢えている時にそんな悠長には待てませんから、毒抜きが不十分でも食べざるを得なくて、中毒死してしまう人が多かったようです。

Wikipedia には、「あくまで他の食料が乏しい時の救飢食として利用されているので、素人が安易に試すのは避けるべきである。」と書かれていました・・その頃は Wikipedia なんて無かったから。

考えてみれば、今日は太平洋戦争の開戦から68年目です。

 
懲りずに、残った実を植木鉢に植えてみました。(笑)
やがて芽が出て、沢山の尖った葉が30cmくらいまで伸びました。でも、北海道では室内でしか育たないはずだし、だんだん大きくなった葉の先が刺さって痛いので、育てるのを止めました。

そう言えば、日高や十勝の郊外を走ってると、道端にトリカブトが生えてますね。
あの花の色や姿が好きなんですけど、トリカブトの根には毒があって、アイヌは矢に塗って使ってました。

その毒が弱いと熊が死ななくて危険だし、毒が強いと食べられずに捨てる肉の量が多くなるしで、その加減が難しいんだそうです。
抜き取った根を磨りつぶしてみると紫色に変わりましたが、それ以上のことは試してみませんでした。

花にも葉っぱにも茎にも毒があって、春先に山菜の「ニリンソウ」と間違えて採取し、食べてしまう中毒事故が起こります。
病院では、誤食してしまった患者の胃を洗浄したり、吸着剤として活性炭や牛乳を投与するらしく、自前の学説は当たらずと言えども遠からずだったようです。

その毒性を逆手に取り、毒を弱めて漢方薬に利用してしまうなんて、素人にはとても思い浮かばない発想です。

 
アイヌの小刀「マキリ」 こういう彫刻は大好きです。
マキリ
熊祭りに使う「花矢」も持ってたりします。


posted by 雁来 萌 |20:27 | 雑念 | コメント(5) |

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この記事に対するコメント一覧
Re:死ぬかと思った経験(3)

パーキンソン病の症状は出てませんか?心配です。

posted by 通りすがり| 2017-03-25 20:15

Re:死ぬかと思った経験(3)

パーキンソン病の症状は出てませんか?心配です。

posted by 通りすがり| 2017-03-25 20:15

Re:死ぬかと思った経験(3)

まず、沖縄の人間なら 生で食べよう なんて、園児でも思いませんよ。
何はともあれ、無事で良かったです(^O^)

posted by 金城| 2018-03-03 17:10

Re:死ぬかと思った経験(3)

いいと思います

posted by 委員長| 2019-09-18 10:23

Re:死ぬかと思った経験(3)

大変でしたね心配です。

posted by 医院| 2019-09-18 10:29

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