2015年03月27日
モエレ沼温泉のピラミッド
モエレ沼公園のグランドオープンから10周年になる記念展として、1月10日から3月1日までモエレ沼公園で「想像の山脈」という芸術展が開催されました。 これが「イマジナリー・ランドスケープス・シリーズ」の第一弾だそうで・・ということは、第二弾や第三弾もあるんでしょう。 その展覧会と、最終日に行われたピアノコンサートを鑑賞してきました。
はるか遠くに百年記念塔が見えます・・もう少しで開道百五十年になるんですが。 想像の山脈へ行くには、この階段を登れ その山じゃないから。 レンタルのソリで滑ってる子供が結構います。 ガラス面を通して注ぐ冬の陽は弱々しいです。 展示室の案内表示 作品の写真を撮影しても構わないとのことでした。 床に積んであるのが伊賀信さんの作品「四角錐連峰」で、同じ形の木材を積み上げただけで接着していないので、触ったら積み木崩しになります。 そういう崩壊の危険性が、作品に緊張感を漂わせています・・ところが小さい子が一人で部屋に入って来て走り回るもんだから、会場スタッフが大慌てで追い掛けて引っ捕えていました。笑 天井から垂れ下がっている蛍光ピンク色の紐の集合が、藤沢レオさんの作品「不在の存在IV」です。レオさんといえば鉄の造形というイメージなんですけど。 砂糖水と卵白を混ぜた材料でガラスに白い線を描く「シュガークラフト」は、佐々木愛さんの作品「SNOW」です。 染物の工程で、染めない部分に糊を置くような感触かと想像するんですが・・砂糖がもったいないな、とも。 トレーシングペーパーのような紙に鉛筆で描いた絵も凄かったなぁ、絵巻物みたいで。
3月1日に催されたピアノコンサートは、光のピラミッド1Fのアトリウムで行われ、岩見沢市出身の辻千絵さんによるピアノ演奏でした。 後で満席になって、椅子がどんどん増やされました。 プログラムに載っていない3曲も合わせて、たっぷり11曲演奏されました。 演奏家による冒頭の挨拶では、この会場は残響時間が12秒もあるそうです。 ちなみに、コンサートホール「Kitara」の大ホールの残響時間が2秒ほどだそうですから、いかに長いのか想像し難いほどです。 演奏者自身が「音の温泉」に浸っていると感じるそうで、音楽仲間では「モエレ沼温泉」と呼ばれているそうです。(たまゆらの杜とは別) 温泉に浸かりながら歌ってるように響き渡るのも凄いし、ガラスのピラミッドは温室みたいな構造だから夏場はサウナのように暑くてね。 こんな天井が低い場所から音を出したら、 上下で反響しながらピラミッドの内部全体に広がり、ガラス面で反射しながらまた自分の場所に収束して来るんだから、音のシャワーを受けるようなもんでしょう。 ガラスのピラミッドというプリズムの中で反射しながら戻って来る音響 ・・それって、計算された角度でカットされた内面で光が全反射しながら戻ってくる、ダイヤモンドの眩い輝きと一緒ですね。
ここのガラスのピラミッドの構造を少し考えてみました。 ピラミッドというのはエジプト王家の墓で、四角錐の斜面に入口があって炭鉱の坑道のような斜路を進み、中心付近で垂直に伸びるシャフト(竪穴)を下ると墓室がある設計になっています。 ガラスのピラミッドも当然ながら四角錐の(ような)形をしており、地下の墓室に下りる竪坑(シャフト)があります。 この装置は通常「エレベーター」と呼ばれているけれど、霊界と地上とを往来する通路であり、吉村作治さんが見たら「シャフトだ!」と叫ぶに違いありまん。 とすると、この凹んだ部分が墓室に相当するんでしょうか。 王のミイラが納められた棺は見当たらないけれど。 さらに床の真下にある部屋の中央には、「OMPHAROS(オンファロス)」と名付けられた石が鎮座しています。 ピラミッドでも、見かけは王の墓室のように見える部屋のさらに深い位置に、盗掘者の手から逃れる本当の墓室があるんだとか。 古代ギリシアのアポロン神殿の奥殿には、そこが世界の中心であることを示すため、大地ガイアのへそ(オンファロス)を象った聖石が安置されていたそうです。 日本でいうと、地鎮石とか要石とか、ナマズのようなもんしょうか・・ここに置かれている石も、そういう役割を意味しているんでしょう。 石の中央に穿たれた丸い穴からは、水が少しずつ溢れ出しています。 右奥に見えるパイプで循環させてるんだろう・・。 こっちから見ると、水面が盛り上がって波打っているのが分かります。 いつぞや見た「水の神殿」を思い出しました。
posted by 雁来 萌 |19:06 | 雑念 | コメント(0) |
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