2014年04月12日
港町の資料館と博物館
昨年の11月に、小樽築港にある「おたるみなと資料館」を見学してきました。 ここは小樽港湾事務所に併設されていて、港湾事務所自体は一昨年の冬を含めて何度か訪れたことがあります。
左が小樽港湾事務所で、右が「おたるみなと資料館」です。 おたるみなと資料館は、冬場なせいもあって鍵がかかっていましたが、申し出れば見学できて説明もしてくれました。 小樽港には北防波堤、南防波堤、島防波堤があり、北防波堤は土木遺産に指定されている他、「小樽みなとと防波堤」は北海道遺産に選定されています。 水を飲む時には井戸を掘った人の苦労を考えなければならないし、フェリーに乗る時や魚釣りをする時には、防波堤を作った人の苦労を考えなければならないもんです。 資料館の前に、巨大なコンクリート塊が置かれていました。 港湾工学の父と言われる廣井勇氏(初代の小樽築港事務所長)が、明治30~41年に「斜塊ブロック」という方式で小樽港の北防波堤を建設した時のコンクリートブロックです。 当時はコンクリートという物がどの程度長持ちするか分からなかったので、長期耐用性試験を続けるために沢山の供試体(モルタルブリケット)を作りました。 最終的には6万個作って、100年経った現在は4千個が残っており、今でも定期的に試供体を破断させて強度を測定しています。 これがその抗張力試験機で、 梃子に鉄球の錘を載せて供試体を上下に引っ張り、ちぎれた時の荷重から強度を測るという方式です。 資料館の前には「ケーソン」を滑らせる斜路(後述)があります。 現在は稼動していませんが。 運河公園には廣井勇の銅像があって、小樽港(と防波堤)を見守っています。 後方は旧日本郵船(株)小樽支店の建物(臨時休館中)です。 右奥に3代目の小樽築港事務所長「伊藤長右衛門」の銅像もあります。 この所長は「ケーソン式」で南防波堤などを建設しました。 背後から見ると、はるか右前方に廣井勇の銅像があって、 三歩どころか「30m下がって師の影踏まず」という位置関係になっています。 師の背中を見ながら精進して歩む、という姿勢にも見えます。 伊藤長右衛門の遺骨(の一部)は、延長した北防波堤の先端に埋められているとされているので、案内係の職員に尋ねてみたところ「そう言われております。」との返答でした。「誰も確かめた人はいませんが・・」そりゃぁ、そんな畏れ多いことを出来る職員はいないでしょう。
同じ頃に「苫小牧市美術博物館で開催された、苫小牧開港50周年記念企画展「夢を形に~砂浜と原野にいどんだ時代~」を観覧してきました。→参考 博物館の左横に、いかにも後から建て増した感じの美術館が併設されています。 苫小牧港は内陸掘込み式の港で、1951年に工事が始まって1963年に開港しています。 その工事を行うことになった経緯や、掘削作業に使われた道具などが展示されていました。大型の作業機械の実物は無理ですが。 工事の進捗状況などを撮影した航空写真のパネルがたくさんあって、写真測量に使うゴツいカメラも置かれており、そのほとんどは「志方写真工芸社」が提供していました。 苫小牧に住んでいた頃(1967~1970年)、駅前通りに「志方カメラ店」があったことを思い出しました。 企画展のパンフレットに載っていた1962年の苫小牧市内 整然と並んでいるのが王子製紙の社宅です。王子の城下町ですから。 右上に太平洋があり、放課後に砂浜へ行ってサッカーをしてたなぁ。笑 苫小牧には他にも「苫小牧市科学センター」という博物館系の施設があって、こちらは主に宇宙系の展示が多いです。 昭和45年の設立当時は「青少年センター」という名称だったんだけど、「青少年センター」だけならば、青少年の「ゲームセンター」なのか「補導センター」なのか分からないよね。
札幌市内にある某美術館の入口 ここが入口だとは思えず、通り過ぎてしまいました。 まるで社員通用口のような素っ気ない造りで、この扉を開けて入るには勇気が要ります。 展示を一通り観覧してからトイレに入ると、引き戸を開けたら自動的に照明が点いた・・だけなら驚かないけど、続いて便座カバーがカパッと開いたのには参ったね。 身障者用を兼ねてるからそういう仕掛けなんだろうか。 壁に取り付けられたステンレス製の操作盤 ボタンが多過ぎて、どれを押せば良いのか分からないよ。笑 日本語を読めない人はどうするんだ? それにしては「音姫」が見当たらない・・まぁ、広い空間に一人だけだから必要は無いだろうけど、「マッサージ」とか「ムーブ」と書かれたボタンを押したら何が起こるのか興味津々、漬物はしんしん。 先日は食事をしながら「しまふく寮通信3」を見ていたら「トイレ掃除」の話。笑 専門分野なだけに食が進みました。
posted by 雁来 萌 |23:24 | 雑念 | コメント(0) |
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