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2007年03月15日

赤い街への潜入

春の異動で、4月から赤い人たちの街にある職場に移ることになりました。
夫が今の仕事で身動きとれない状態のせいか、私はここ数年、通える範囲での転勤ばかりです。
職場の後輩(←レッズサポ)に「あそこに行くからには、4月からは宗旨替えしないとねー。」とからかわれ、内心「そういうあなただって多摩にいながら赤くなっているくせにぃ~」と思いつつ「だいじょぶ、だいじょぶ。コンサマフラー巻いて歩いて混じってたってわかりゃしないって!」と軽口を叩いたのですが、そういえば本当にコンサマフラーを巻いて赤い人たちに混じったことがあるのを思い出しました。


2000年6月4日。初めて間近に接するレッズサポにドキドキしながら、私たちは開場を待つ駒場の列に並んでいました。開場の数時間前からもうすごい人波。きちんと待機列を仕切り誘導する手慣れた運営に感心しつつ、行き交う人々を眺めていると。レッズサポのしているマフラーがコンサのマフラーとほんとそっくりなんですね。携帯ストラップやバッグについているバッジや小物がいろいろ違いますから、そこはサポ同士、どっちのサポかは一目で分かりますけれども、こと首もとに巻いているマフラーに限っていえば、パッと見で区別がつかないことがありました。赤と黒を基調にしたマフラーはそれほど似た雰囲気でした。もちろん広げれば一目瞭然なのでしょうが。

あの日あのぎゅうぎゅう詰めの駒場の「檻」の中で、地鳴りのようにうねって湧き上がって鳴り響いて四方八方から圧倒してくる浦和サポの応援に痺れた私は、後日「浦和サポの友達から大宮との試合の駒場バックスタンドのチケットが手に入ったんだけど、行く?」というサポ仲間の誘いに、迷わず「行く!!行く!!」と答えていました。あの浦和サポの雰囲気を間近で感じてみたかったし、ホーム側から「檻」がどんなふうに見えるのかも見てみたかったから。

私たちは、駒場のバックスタンドに座るからにはそれなりに周囲になじむ格好をしなければならないと思いました。当時(今もでしょうが)駒場のチケットはサポでも入手が困難で、発売日にはみんなチケットをとろうとやっきになるという貴重品。行けなくなった浦和サポの友人に譲ってもらったとはいえ、他サポがのうのうと混じり込んでいるのは、行きたくてもいけない浦和サポにとっては気分がよくないだろうと考えたからです。
それと、正直にいうと、コンサのマフラーをしてあの中に混じってみたい。といういたずら心もありました。
かくして私たちコンササポ4人は、わくわくドキドキしながら駒場のバックスタンドに潜入することになりました。

当日の天気は小雨。コンサマフラーはいいとしても(爆)、コンサのカッパはまずかろう。思いっきりConsadoleとロゴが入っているし。
行く途中コンビニで透明のカッパを購入。普段着の上にカッパを着込み、首もとには少し覗く赤黒マフラー。完璧。もちろん携帯からドーレくんははずして(笑)。
あとはプレーを見ながら周囲と反対の反応をしないように気をつけるだけだ。これが実は難しいんですね。だって当時の浦和はコンサと首位を争うライバルで、コンサからすると大宮が勝っても別にどうってことないけど(失礼)、レッズとは勝ち点差を広げておきたいですから。

ちょうどその試合はレッズのペトロビッチが退団前の最終試合になるそうで、試合後には退団セレモニーが予定されていました。
対戦相手は三浦監督率いる大宮。Jリーグでの埼玉ダービーが行われた最初の年でしたね。あのころの大宮サポは2つか3つくらいのグループに分かれて応援していて、コンサとの対戦のときにも向かい側で繰り広げられる分裂応援に不思議な心持ちがしたものでしたけど、その日駒場で見た大宮サポもあの狭い檻の中できっちり半分ずつに分かれて別の応援をしていて、思わず笑いそうになりました。

試合が始まる少し前に「今日は高円宮殿下がおいでになっています」というアナウンスが流れ、「ああ、だからやたら警備員が多かったのか」と合点がいきました。コンサの試合のときと比べてずいぶん密度の濃い配置で警備員が並んでいて、大宮ってそんなに(警備的に)警戒する相手なのかなあ??と不思議だったもので。
タイトル戦でもなんでもないふつうのしかもJ2のリーグ戦を観に来るなんて、やっぱりサカオタ殿下なんだなあと感心しました。

当時は三菱自動車のリコール隠しが社会問題になっていたころで、大宮サポが試合開始前に三菱自動車を揶揄する「おたくのパジェロ、だいじょうぶ?」というダンマクを広げました。それに腹を立てたのか、ハーフタイムにレッズサポ数人がアウェイの檻に駆け寄り、柵をよじ登ろうとしたところ、宮様のために(?)配置されていた大量の警備員が一斉に集まってきてあっという間に取り押さえられていました。役に立ってよかった。

試合の方は、フラット4の3本ラインできれいに並んだ大宮がレッズの攻めを封じ込め、逆に大宮がひょっこりと1点をとってそれを守りきり、1-0で大宮が勝ちました。大宮のゴールのとき思わず喜びそうになって互いに押さえる私たち。すぐそばにいた人にはばれたでしょうね。マフラーのせいじゃないと思いますね(笑)。

せっかくの退団セレモニーだというのに負け試合になって気の毒だね♪と思いつつ退団セレモニー見物していると、周囲の浦和サポの反応がおもしろかったです。
「1年でJ1復帰」が当然の浦和にとって、負け試合はそんなに許されるものではない状況ですから、サポは試合結果には大不満。退団セレモニーのペトロビッチがグラウンド周囲を歩いている間もサポはブーイングの嵐です。2階席から物を投げ入れる人もいます。でも試合結果とは別に、ペトロビッチには思い入れがあるのでしょう、彼が近づいてくるスタンドの一角だけでは拍手が起こります。で、通り過ぎると再びぶーーぶーー。当人たちはそれどころじゃない心境とは思いますが、高みの見物の他サポにとってはおもしろかったです。

地鳴りのようなあのレッズの応援を近くで体感してみた感想ですが、やっぱりあれは檻の中で聞く方が迫力ありますね。
檻の中では、東西のゴール裏はもちろん、バックスタンドもメインスタンドもスタジアム全体がうねるような熱い応援のかたまりのように感じましたけど、バックスタンドに入ってみると、そんなに熱々ばかりでもなかったです。ま、私たちのような他サポも入り込んでるからか。
そしてバックスタンドホーム側から眺める駒場のアウェイの「檻」は、思ったよりもずいぶん小さい(狭い)ものでした。
あそこにぎゅうぎゅうに詰まって応援して、そして勝ったのか~。と思うと感慨深かったです。


さて、私の4月からの生活はどんな感じになるでしょうか・・・。

posted by あきっく |23:46 | 日常 | コメント(0) | トラックバック(0)