2017年11月20日
宮澤裕樹の見つめる先
2017年11月18日。 北海道コンサドーレ札幌は16年ぶりにJ1残留を決めました。 2001年、2002年をJ1で戦うもJ2降格。 2008年、2012年シーズンは1年で降格。 苦しんで苦しんで昇格しても、ようやくたどり着いたJ1の舞台は想像以上に厳しくて。 開幕前に選手が、サポーターが口にする「厳しいシーズンになると思いますが」という言葉が追いつかないほど厳しく辛い日々。 J2降格は戦う場所が変わるだけではなく、指揮官やスタッフ、共に戦う仲間までも変わってしまう。 そして一からチームを作り直し、もがきながら上を目指す日々が始まります。 2008年のルーキーイヤーに初めて降格を経験した現キャプテン宮澤裕樹。 クラブ20年史の中では「J1がどういうものか、わからないままシーズンが終わりました」と当時のことを語っています。 二度目の降格はチームの中で中心メンバーになっていた2012年シーズン。 いつの頃からか。 彼が試合後サポーターで埋まるスタンドをじっと見つめる姿を目にするようになりました。 時にサポーターの悔しい思いを。時に「俺たちがついている」という激励を。 まっすぐに見つめ受け止めるように聞く姿。 自身の思いを語るのはちょっと苦手そうだった少年はいつしか自分の存在や役割を意識するようになり、キャプテンを任されるまでに成長しました。 発言の機会が増えたことでJ1残留に対する思いや「前回降格したときのサポーターの悲しそうな顔を思い出す」「もうああいう顔をさせたくない」「コンサドーレに関わるすべての人が笑顔になれるシーズンにしたい」という彼自身の気持ちを聞けることも。 その思いを聞くたびにゴール裏の声はちゃんと選手に届いているのだと思いました。 いつもいつも選手を後押しし続ける姿を見つめているのだと思います。 宮澤裕樹の見つめる先にあるものは共に戦う仲間たち。 負けた時はきっと、申し訳ない思いと悔しい気持ちを胸に。 勝った時はたぶん、安堵の気持ちを胸に。 その時々の思いを抱えながらサポーターの声を受け止め、見つめているのではないでしょうか。 ポーカーフェイスなのでその心中はなかなかわかりづらいけれど・・・ 疲労困憊なだけかもしれないけれど・・・ 2017シーズンも残り2試合。 来季もJ1で戦える。 肩に乗った大きな荷物は降ろせたので最後は「サッカーを楽しむ」というテーマを思い切り堪能してほしいと思います。 ホーム最終戦ではたくさんの笑顔が見られるよう楽しみにしています。 北海道コンサドーレ札幌。J1残留おめでとうございます。 「ここがゴールではない。J1定着が目標」と言ったキャプテン宮澤。 その活躍を私たちも見つめています。 そして声援を送り続けます。 一緒に頑張りましょう。