2010年08月05日
コピーはオリジナルを超えられるか。
タイトルが何の話かといえば、今映画館でやっている
スタジオジブリの“借りぐらしのアリエッティ”の感想。
まず、ジブリの作品を観に行く人は、今まで“高畑勲&宮崎駿両監督”が作ってきた
何となく個々人の中にある“ジブリの世界観”を期待して観に行くわけです。
今回の監督は、スタジオジブリの後継ぎと期待される新人の米林宏昌さん。
そして、ジブリの作品は、それがジブリの作品である限り、
偉大な監督と比べられることを宿命づけられるわけです。
観客もまた“コピー”を期待している。
しかし、そもそもこの二人の仕事を簡単にコピーできるようなら、
彼らは偉大でもなんでもないわけで、
本来、完全なコピーなんて無理でしょう。
くしくも、そのことに気付かされたというのが私のこの作品の感想です。
先日、この作品が出来上がるまでのドキュメンタリー番組を見ました。 印象的だったのが、今回企画・脚本で参加した宮崎駿監督は、 作品が出来上がるまで米林監督の仕事に一切口を出さなかったということ。 一方、米林監督やスタッフは、 偉大な先輩たちならどうするかと常に彼らの影を追いかけていた。 スタジオジブリが今まで築き上げてきたモノを継承していこうというのは、 間違った方向性ではないと思うし、観客もジブリ作品の継承を期待している。 それに、誰しも最初は、誰かの真似でしかありえない。 しかし、コピーはオリジナルのコピーである限り、 オリジナルの劣化版でしかないとも思うわけで・・・ コピーがオリジナルを超えるには、コピーがコピーでなくなる、 つまり、コピーがオリジナルになるしかない。 先人の影に怯えながら、それを恐れずに自分の色を如何に出していけるか。 しかし、その一方で、自分の色を出しすぎてしまえば、 ジブリの作品として周囲から認められないかもしれないというジレンマもある。 ちょっと考えただけでも大変なプレッシャー。 先人が偉大過ぎると代わりがきかない。 サッカーでいえば、日本代表監督をオシムの代わりに岡田監督に求めても、 岡田監督は、オシムの代わりにはならなかった。 岡田監督も“オシムの亡霊”(≒日本人らしい攻撃的サッカー)を W杯直前まで引きずっていたとも考えられるわけで。 それを打ち破るために、直前のテストマッチで負けまくってトコトン追い詰められて、 開き直ったのが良い方向に出た感じがする。 やはりその人はその人なのであって、受け取る側としては、 誰かのコピーをその人に求めてはいけないのだなぁと。 いつの世も、前任者が偉大であればあるほど、その後任は大変ですね(;´Д`A ```
posted by whiteowl |12:08 | Column | コメント(3) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:コピーはオリジナルを超えられるか。
独自の視点からコンサを見ているブログ。文章も何度も推敲しているようで、誤字もなく、また、文章の筋立ては好感が持てる。しかし、内容は勝手な自己解釈も多く、さらにいかにも「知ってるぞ」オーラーがでまくり。それでも毎日書いてくれれば、このゆるい暖かさにあふれるオフィシャルブログも雰囲気がだいぶ変わるかもしれないがなあ。
posted by 知ったかぶりっ子| 2010-08-12 15:03
Re:コピーはオリジナルを超えられるか。のお返事。(知ったかぶりっ子さんへ)
内容に関しては、個人のブログなんで好きなこと書いてます。
で、その上で、勝手なこと書いてるけど、
もっと更新しろという励まし、ありがとうございます。
以前は、ほぼ毎日更新してたんですが、リアルの忙しさもあって、
今年はちょっと頻繁に書けていない状況です(;´Д`A ```
もう少し、更新するよう頑張ります。
ただ、ご存じないのかも知れませんが、オフィシャルブログの雰囲気は、
これでもかなり変わってきたんですよ。
私がここで書き始めた頃は、選手の批判をしようものなら、
お前はプロか?とか、知ったかぶるなとかよくコメント頂戴しました。
かつて、そういうことがあったので、
最初はもう少し謙虚にやってたんですが(笑)、
感情的に反発されると議論の余地もないので、
むしろ、反論を許さないように、敢えて、「知ってるぞ」オーラ出してます(笑)。
今まで個人的に色々と戦ってきたつもりなんですが、
まあ、最近、ちょっとこれからこのブログをどうしようかなぁ
と考えてたってこともあって、更新が滞り気味になっていたというのもあるんですよ。
posted by whiteowl| 2010-08-14 13:02
Re:コピーはオリジナルを超えられるか。
協力会社さんのデータセンター見学のあと、御呼ばれしました。
営業の方のうちの一人が、なんと我が家のすぐ近く、最寄り駅をはさんで約5分ほどのところにお住まいであることがわかり、びっくりしました。
posted by 宮崎駿作品一覧 | 2012-07-13 16:49