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2009年10月12日

濡れた芝生でも、足が滑りにくい蹴り方。 -その1 理論編-

先日、かなり寒い中で行われた第44節のセレッソ大阪戦。

特にその前半、札幌の選手がキック後、
濡れた芝生に足を滑らせる姿が結構見られました。

スパイクの影響も考えられるものの、
蹴り方そのものに問題がある可能性もあるなと思いました。


その可能性とは、蹴る時に、

軸足が不安定になる蹴り方をしていることです。





具体的に、解説すると・・・、
(※以下、“ボールを蹴る足は右足”、“体重を支える軸足は左足”で説明します。)

軸足が着地した時点で、ボールに対して縦方向に着地(※図1)しても、
その後、蹴り足を後ろに振り上げて、ボールをインパクトする時(※図2)に、
下半身が窮屈になるので、多くの人は、軸足のつま先を外に開きます(≒かかとを横に動かす。)。

(※試しに、自分の軸足の動きを意識して、
思いっきり蹴ってみると分かりやすいかと思います。)




・図1:軸足を蹴る方向に平行にボールの横に置く。
(※〇・・・ボール)


   前方


 左 〇
 足


   後方




・図2:インパクト時、軸足のつま先が開く。
(※〇・・・ボール、矢印・・・動く方向)

   前方

     ↑
←左  〇
  足→


   後方





この時、蹴り足は、前(↑)方向に行こうとしているのに、
インパクト時に上半身が弓なりになって後傾しているので軸足のかかとに体重がのっていますが、
その体重ののっている軸足のかかとが、結果的に右(→)方向に動くため、
力学的に前(↑)と右(→)の力が合わさって、右斜め前(だいたい45°)方向に力が加わる。
(※物理の力学でやった、アレです。)


軸足が、図2のように外側に開いて左斜め45°に開いているところに、
右斜め45°方向に力が加わると、結果的にスパイクの縦方向に対して、直角、
つまり、横方向に力が加わるため、滑りやすくなります。

(※履いたことがある人はわかると思いますが、
スパイクは、縦方向の踏ん張りには強いですが、横方向は滑りやすい。)


また、力がボールが飛ぶ方向に全て一致せず、前と横に分散されるので、
力がロスされ、うまくボールに伝わっていない可能性もあります。 

(※前に行く力と横に行く力を同一方向に働かせた方が、力がある。)




このように、軸足が不安定になると少なくとも2つデメリットがあります。

まず、地面の影響を受けやすくなり滑りやすくなる。
次に、力が分散されるため、自分の力が上手くボールに伝っていない。


軸足を安定させ、力をロスしないように力を前方向に集約するためには、
軸足を出来るだけ動かさないことが必要です。


野球もそうなんですが、ピッチャーがボールを投げる時に、
前に着いた足を出来るだけ開くなとか、体を早く開くな、
といわれるのもこのためです。
(※上半身の開きに関しては、球持ちを長くして、
球の出所をわかりにくくするという効果もあります。)


ただ、動作の中で窮屈になるため、どこかが開くのは、
人間の動作として自然な流れであるともいえます。

逆にいえば、開くことで逃げてしまった力を集約できれば、
今より強く蹴れたり、今より速い球を投げられるようになります。


実践編は、その2 に続きます。
(※長いので、二つに切りました。)




posted by whiteowl |16:08 | 武道から考えるサッカー | コメント(0) | トラックバック(1)

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