スポンサーリンク

2008年09月16日

相撲はスポーツか?

wikipediaの国技によれば、国技とは、
( http://ja.wikipedia.org/wiki/国技 )

  1. 国家機関によって特別の地位・待遇を与えられているもの。
  2. 国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占めるという考えが国民に広く支持されているもの。

>後者の場合は、歴史が古く、その国の伝統文化と深く結びついていれば
>国技であるとする考えもあれば、今現在国民の間に人気が高く、
>競技者人口や観戦者人口が多ければいいとする考えもあって、定まった説はない。

日本の国技は、相撲であることに異論はない。
ただ、「国技」の英訳は、"national sport"なのだ。

日本の難解な法律も英訳を見たほうが理解しやすい場合も多いが、
私が何にひっかかるかといえば、「相撲はスポーツなのか?」ということである。


今回の大麻事件の検査で、オリンピックのドーピング検査で有名な
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が出てきた。
それで、そもそも相撲協会が今までドーピング検査を日頃から実施していなかったことに驚いた。
しかし、力士は太ることが仕事のようなものであり、そのために糖尿病などの持病を抱える
力士が多く、日常的に投薬が必要なため検査をすると様々な薬物が出てくる可能性があるらしい。


アメリカの国技の一つとされる野球でも、こちらは大麻の使用ではなく、
筋肉増強剤などであるが、薬物使用が問題になった。
当時シーズン70本の最多本塁打を放ったマーク・マグワイアは、
自身で薬物をつかっていたことを認めている。
(※当時は、禁止薬物に指定されていなかったために同義的な批判は少なかった。)
通算最多本塁打記録を持つバリー・ボンズも筋肉増強剤を使っていたことが濃厚だ。
当時、MLBが禁止薬物に指定していなかったものについては、ルール違反ではないが、
道義的にその記録の有効性が疑問視されることは間違いないだろう。


翻って、今までの相撲界も筋肉増強剤などの薬物を使っていたとは断言できないが、
使っていてもわからない状況であったことは事実だ。

日本では、大麻の問題ももちろん重要なのだが、今までの相撲界は筋肉増強剤を
つかっていてもわからない状況であったという事実に衝撃を受ける人がほとんどいない。
その現状を見ると、日本人にとって、相撲はスポーツというよりも
プロレスのような見るための格闘技か、歌舞伎のような伝統芸能に
近い認識なのではないかと思うのである。
(過去に強い力士がいて、それがもし薬物使用が理由で強かったとしても
不問であるという立場なのだから、世界的に薬物使用に対して
厳格になってきているスポーツとしては?である。
また、昨今、相撲のプロレス化を危惧する声もある。)

能や歌舞伎のような日本の伝統芸能に対して、
閉鎖的だから外部の人間を入れて、開放的にしろとはあまりいわない。
確かに時代の変化によってある程度の変化は必要かもしれないが、
伝統芸能は、ある意味、変わらないことに意味があるからだ。

従って、閉鎖された相撲協会であったからこそ、良くも悪くも日本の因習を
色濃く残してきたともいえる。


その相撲協会をもっと開かれたものにすべきとは主なマスコミの論調だ。
大の相撲ファンとして有名なデーモン小暮閣下も「開かれた相撲協会」を主張していたが、
閣下は、力士に対する再教育の重要性を主張していた。

つまり、日本の因習を色濃く残す相撲協会を開かれたものに変えて、
日本の伝統芸能を継承するという側面を強調するべきということだ。
一見あべこべな意見のようにも思える。

しかし、大事なことは協会を開かれたものにして
「相撲をどうしたいか?」なのではないだろうか。

その際に、相撲はスポーツの側面よりも、伝統芸能であるという側面を
もっと考え直した方が良い結果につながるのではないだろうか。
相撲のプロレス化についての批判も、伝統芸能の側面を強調することで改善されるだろう。

posted by whiteowl |20:56 | Column | コメント(0) | トラックバック(1)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.consadole.net/whiteowl/tb_ping/192
この記事に対するトラックバック一覧
フェラガモ アウトレット 【フェラガモ アウトレット】

相撲はスポーツか? - whiteowl's Point of View | コンサドーレ札幌オフィシャルブログ

続きを読む
コメントする