スポンサーリンク

2006年04月01日

今冬は根雪にならなかった?

一年365.2422・・日のうちで、今日くらいは嘘をつかないで過ごそうと思っています・笑。
今朝の道新に、変な記事が載ってました。電車が藻岩山に登る話ではなくて、「根雪なし」という表現です。

札幌市内(正確には、中央区にある札幌管区気象台の観測用露場)では、昨日の午後に「積雪なし」になったんですが、紙面では「根雪なし」という表現があり、取材した記者が用語を誤解して混同したようです。「根雪なし」になったら、今冬は根雪にならなかったという意味になっちゃいますんで。
同日の別の面での記事では用語が正しく書かれていたので、不思議です。ジョークでわざと間違えたんでしょうか??

気象用語では「長期積雪」と呼ばれる「根雪」の定義は少しややこしくて、積雪がある(=地面が雪で覆われている)日が全体で30日以上あった場合だけ「長期積雪」と呼びます。
その期間は「長期積雪の初日」から「長期積雪の終日」までで・・アタリマエじゃん、と思うでしょうが、いったん積雪が無くなった状態が1日あり、次の日にまた積雪状態になったりしたら、前後の積雪状態は「連続している」と解釈します。
この中断期間は5日が限度であり、前後の積雪状態はそれぞれ10日以上続いている必要があります。

例として:
積雪10日+無雪5日+積雪10日ならば、積雪の期間は25日となりますが、これでは30日に満たないので「長期積雪」とは見なされません。
積雪20日+無雪5日+積雪10日ならば、長期積雪の期間が35日になります。

ちなみに、「○月△日の積雪深」とは、その日の「最大積雪深」を言うので、0時から24時まで積雪が無い状態が続かないと、「積雪なし」とはなりません。
3月30日の最大積雪深は7cm、31日の最大積雪深は5cm、4月1日の最大積雪深は1cm(速報値)であり、長期積雪はまだ中断もしていないんです。4月2日の天気は「くもり 夜 雨か雪」(1日17時発表)とされているので、2日の夜遅くに雪が積もったりしたら、また先延ばしになります。

【補足】
「積雪0cm」と「積雪なし」とは違います。
気象台(などの有人気象官署)では、この違いを区別しており、「積雪0cm」とは、「積雪があるけど1cmに満たない」場合であって、積雪が無いという意味ではありません。

早く雪が消えて欲しいとか、スクープを書きたいという心情は理解できるんですが、気象現象は人間の都合に合わせて起こる訳じゃないですから。

さて、我らが雁来練習場の積雪は、残り10cmほどになりました。


追記(2006-04-02 21:34)
新しいカテゴリーを増やしました:「気象細事記」

気象に関係した季節の話題を取り上げます。
普通は「気象歳時記」という漢字を書くんですが、一般の市民にはどうでもいいような細かい事まで言及するので「細事記」が相応しいだろうと・・。

posted by 雁来 萌 |22:39 | 気象細事記 | コメント(0) |

スポンサーリンク

スポンサーリンク

コメントする