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2008年12月08日

伸びて包んで倒れる樹

夏場に大きな通り(not 大通)を歩いていたら、あまり枝を張っていない樹が交差点の角に立っていました。
危険な僕
枝を張り過ぎると交通標識を隠したりするので、時々剪定されるから張りようが無いんでしょうけど、樹皮も傷んで随分と哀れな姿です。


近付いて見ると、説明文が巻かれていました。
宣告は先刻承知
「危険木」と診断されて、伐採される予定だそうです。

「倒伏の危険性が大きい」という主張ですけど、およそ成長した樹というものは、いずれ倒れるのが必然な現象ですから、倒伏することは植えた時から分かっていたはずです。

「通行人が負傷するかも知れない」とか「交通を遮断するかも知れない」という危険性を書かずに、まるで倒れる樹の方が悪いとでも言いたげな論調です。
街路樹の方にしてみれば、絶えず車の排気がかかるような地に好んで生えてきた訳じゃなくて、ここに強制的に植えられただけですから。

空気は汚いし水は足りないし枝を伸ばせば切られるし、という劣悪な環境の中でも何とか生き延びて来たのに、瀕死の状態になったからという理由でトドメを刺されるとは・・恨みが怨霊になって復讐しそうな生い立ちですね。
 

交差点の向かいには、まるで一対の門のように別の古い樹が聳えています。
対面に立つ古そうな樹

「何これ?」と思ってよく見ると、角材の切れっ端を包み込んで成長したようです。
角材一遇のチャンス
飲み込まれるように食い込んでいて、今さら取り外すことも無理でしょうし。

枝の間に乗っかった角材だったとしたら、成長する途中で落っこちなかった(逃げられなかった)のも不思議だし、もしかしたら、何かの目的で樹に打ち付けられた角材だったのでしょうか・・。
いくら同属の材質とはいえ、拉致されて道連れになる運命は悲し過ぎます。
 

所変わって、こちらは北海道大学の構内に立っている、とある石碑の裏側です。
石碑
ホントに、何でこんな窮屈な場所に生えて来たの? と言いたくなりますけど、風に飛ばされてここに落ちただけと思われる種子の身の上にも、他人には計り知れない事情だってあるでしょう。

そのうち、この石碑は倒れるかも知れません・・既に一部が崩れているようにも見えるんですけど。→この石碑の説明
 

たった数十年間の樹の生長を見ただけで、植物の世代交代どころか、地球の変遷・宇宙の輪廻まで思いを巡らす勉強になります。


(追記:2008.12.11)

「危険木」が伐採された跡・・要するに「邪魔」だったんです。
バッサリ伐採
老木の供養のために花束でも置いたら、誤解されますかね。


posted by 雁来 萌 |21:36 | 雑念 | コメント(0) |

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