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2008年02月29日

ロスタイムの大作戦

記事の内容を推定し難いタイトルですが(笑)、2月27日(水)の午後に「ちえりあ」で、HFCが主催する減増資についての「株主説明会」がありました。

一部では「株主総会」と勘違いされていて、報道機関まで間違えてるところもあるようですが、株主総会は議決の場であるけれども今回はただ説明するだけの場なので、委任状を集める訳でもなく定足数も関係ありません。

現在の株主数に対して十分な収容力を持つ部屋が用意されていましたが、実際に出席する株主数は少なくて閑散としていました。

HFCからの出席者は、児玉社長、佐藤専務、村野執行役員、渡辺執行役員の4名が壇上に並んでおり、専門的な質問に回答・助言するための用意か、行政書士の方が参考人のような形で控えていました。

冒頭に児玉社長による挨拶があり、2007年度は600万円程度の黒字が見込めそうだ、というのが新しい話でした。終盤の2試合の入場料収入が増えて黒字になった・・ようなものかと。
この間、HFCの役員は起立のままで、生徒が悪いことをして立たされているようにも、最近よくある不祥事に対する謝罪のような図にも見えました。確かに会社にしてみれば、株主に損害を負わせることに対するお詫びをして了承を取り付ける、という立場ですから。

次いで佐藤専務から、減増資の内容や具体的な手順などについて説明されました。
この後に場内からの質問を募りましたが、質問者は誰もいなかったので社長が補足説明を行なうことになり、2008年度の経営見通し、クラブの社会貢献活動、将来構想などが語られました。
さらに村野GMから、チームの状況や戦力などについて説明がありました。

ここで改めて質問を募ったところ、個人株主の方から質問(のようなお願いのような発言)があり、

  • 減資を行なうことについての社会的責任はどうか?
  • 新しい株主に迷惑をかけないように、営業で黒字に出来るのではないか?(して欲しい)

という内容だと解釈しましたが、語尾などが不明瞭でした。この方は以前にも株主総会で発言されたことがあり、HFCに対する姿勢は好意的な方だと認識しています。

発言のニュアンスは「自分の株券が紙切れになってしまう。どうしてくれるのか?」という風に経営者の責任を追求するのではなくて、一般市民や企業に対する思いやりが感じられ、社長が釈明を述べるための呼び水になった形ですが、いわゆるサクラではありません。

この質問に対する社長からの回答は、下記のような内容でした。

  • 最初の4シーズンで赤字を膨らませてしまった。最近は収支が均衡している。営業で黒字を出して、新しい株主に迷惑を掛けないようにしたい。
  • 経営を改善し、次のステップの方向性を明らかにする。その後で責任問題を考える。

HFCの現状は・・キックオフ直後に2失点してしまい、試合終盤まで反撃の糸口を見出せない状況が続いて、スーパーサブを入れたとしても一気に2点は取れないから、このままでは時間切れで負けてしまうので捨て身の大作戦を・・というような状況ではないかと。

さらに質問を募っても希望者がいなかったので社長が説明を加えましたが、多くの部分はサポーターズ集会で述べられた内容と重複しています。

  • 私的な株式会社ではあるが、公共性のある企業なので、社会的責任は明確にしなければならない。
  • しかし、コンサドーレが持っている(果たしている)役割(貢献)もある。(鳥栖戦で掲出された「Born in SAPPORO, Live in SAPPORO, Die in SAPPORO」というダンマクの写真を示しながら)チームが活躍することによって、札幌や北海道を全国にアピールすることになる。日ハムやレラカムイと一緒に、北海道を元気にしたい。
  • ブランド力を生かしてウィンタースポーツ(ホッケーやスキー)のバックアップ、ドーレくんの幼稚園訪問、盲導犬の募金(1試合で募金20万円+グッズ売り上げ10万円程度になる)、シュリーの店・・など、社会貢献活動をしている。
  • スポーツが1つのコミュニティーを作ることを継続したい。(試合の感動を共有する、言語障害の子が試合を見に来て声が出た、応援するために闘病する、リハビリのためにドームの階段を登る、サポ同士が結婚して生まれた子供が12歳になる←ちょっと早過ぎないか?)
  • 他チームのように母体企業が無いので、サポーター(持株会)を主体としたい。固定収入は広いサポーター層から集めたい。
  • 日本のスポーツ市場は3千億円、アメリカは3兆円・・ということは、まだ伸び代があるということで、1兆2千億円程度にまで伸ばすことは可能だろう。
  • 市民、行政、企業の三位一体で進めば未来は明るい。

この後も質疑は無く、社長が「一方的な説明に終始して申し訳ないが、何とか減増資によって財政を改善し、チームを強化したい。」と挨拶して説明会は終わりました。

減増資の内容については、既に株主を個別に訪問して説明が済んでいるので、突発的な質疑も特に無く、HFCからの提案を追認するに留まりました。
次の段階に進むための手順(根回し)とも言える会なので、スムースに(2時間の予定が1時間で)終了しました。
紛糾も何も無くてネタに困ったのか、報道では「経営責任を厳しく追及する声が飛んだ」などと書かれていますが、能天気なワタシはそうは感じませんでした。


累積債務は現在の経営陣の不手際で生じたのではなくて、初期の経営の見通しが甘かったことと、それを容認していた株主にも連帯責任があるとも言えそうだから、株主側から経営陣を譴責することは難しいでしょう。その株主や取締役には、札幌市や北海道も含まれていたのだし。

もし、見込み通りに財務状況が改善され、以降のクラブ経営が軌道に乗ることになったとしたら、英断を下した現在の経営陣はクラブ創設以来の功績者になる・・かも知れない訳ですから、拙速な判断は避けるべきだと思います。


今後の手続が順調に進めば、下記のスケジュールが予定されています。
 2月28日:決算取締役会(済み)
 3月21日:定時株主総会・臨時取締役会
 3月22日:債権者への公告・新株式勧誘開始
 5月19日:新株申込受付開始
 5月23日:新株払込期日・払込金額確定・減増資効力発生
※持株会からHFCへ払い込むのが5月19日~ということであり、持株会が新規会員や増口を募集するのは、もっと早い時期(4月?)です。


財務内容などの企業情報については、金融庁が提供している「EDINET」というHPに開示されています。(「有価証券報告書等の閲覧」ページから「北海道フットボールクラブ」などで検索)
・有価証券報告書(最新:2007年3月27日)
・半期報告書  (最新:2007年9月27日)

posted by 雁来 萌 |22:34 | 雑念 | コメント(0) |

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